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青い王子と雨の王冠
犯人①
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「は?睡蓮?なぜ睡蓮がこの話に出てくるんだ?」
村雲がロミィと睡蓮の顔を何度も交互に見る。静間も話がわからないようで、ポカンと口を開いて黙っている。
「なぜって…。この睡蓮って男はこの国の第一王子と一緒に王冠の盗みを企てたのさ。いわゆる共犯っていうやつだよ。まぁ、なんで盗み出したのかまでは流石に分からないけどね。だから今この場で説明して欲しいんだけど。」
ふわふわと宙に浮いていたロミィが地面に降りると、スタスタと歩いて睡蓮の目の前で立ち止まる。
「わ、私は関係ない!王冠を盗むなんてそんな恐れ多いことをするわけないだろう!それに私は村雲様の側近だ!善雨様と繋がっているなんて、主君への裏切りじゃないか!」
「自分でわかってるじゃないか。主君への裏切りだって。あのねぇ、逃げようたって無駄だよ。この王宮全体に追憶魔法をかけて、この城で行われたことを僕は全て把握してるんだ。いくら言い訳したってにげられないんだからね。」
「睡蓮…?」
村雲が顔色悪く名前を呼ぶ。その声に反応した睡蓮は、村雲よりも顔を青くしてその場から逃げ出そうとした。
「私は!私は本当に関係ない!全て善雨様が勝手にやった事だ!私は、善雨様に脅されていただけだったんだ!」
睡蓮はブルブルと震え始め、突然その場から走り去る。
「おおっと。逃したらダメだよ。捕まえるんだ、ハフィ!」
「え?ちょ、ちょっと待ってください!」
ロミィがにっこり笑いながら、逃げ出した睡蓮の背中を指差す。突然指示されたハフィは睡蓮を追うために慌てて走り出す。
「待ってください、睡蓮さんー!」
全速力で走って睡蓮を追う。睡蓮は黒い雨が降っている中庭に向かっているようで、ハフィもその背中を追う。
「ハフィー、早く捕まえないとその男、黒い雨にどんどん取り込まれてしまうよ。」
「早く言ってくださいよ!」
またぷかぷかと空中に浮き始めたロミィは頑張って睡蓮を追いかけるハフィのことをニコニコ笑いながら眺めている。
「あっ!」
しかし、ハフィの頑張り虚しく、睡蓮は人の多い中庭に到着してしまう。ほして人混みの中に紛れ込んでしまい,どこにいるのかわからなくてなってしまった。
「ちょっと!ロミィさんも見てないで助けてください!」
「はは!弟子を指導するのも師匠の仕事さ。さぁ、頑張れハフィ。人混みの中から、睡蓮を見つけ出すんだ。集中すれば睡蓮の中に入り込んでしまった黒の気配を読み取ることができるはずだよ。」
「く、黒の気配?」
ハフィが首を傾げる。
村雲がロミィと睡蓮の顔を何度も交互に見る。静間も話がわからないようで、ポカンと口を開いて黙っている。
「なぜって…。この睡蓮って男はこの国の第一王子と一緒に王冠の盗みを企てたのさ。いわゆる共犯っていうやつだよ。まぁ、なんで盗み出したのかまでは流石に分からないけどね。だから今この場で説明して欲しいんだけど。」
ふわふわと宙に浮いていたロミィが地面に降りると、スタスタと歩いて睡蓮の目の前で立ち止まる。
「わ、私は関係ない!王冠を盗むなんてそんな恐れ多いことをするわけないだろう!それに私は村雲様の側近だ!善雨様と繋がっているなんて、主君への裏切りじゃないか!」
「自分でわかってるじゃないか。主君への裏切りだって。あのねぇ、逃げようたって無駄だよ。この王宮全体に追憶魔法をかけて、この城で行われたことを僕は全て把握してるんだ。いくら言い訳したってにげられないんだからね。」
「睡蓮…?」
村雲が顔色悪く名前を呼ぶ。その声に反応した睡蓮は、村雲よりも顔を青くしてその場から逃げ出そうとした。
「私は!私は本当に関係ない!全て善雨様が勝手にやった事だ!私は、善雨様に脅されていただけだったんだ!」
睡蓮はブルブルと震え始め、突然その場から走り去る。
「おおっと。逃したらダメだよ。捕まえるんだ、ハフィ!」
「え?ちょ、ちょっと待ってください!」
ロミィがにっこり笑いながら、逃げ出した睡蓮の背中を指差す。突然指示されたハフィは睡蓮を追うために慌てて走り出す。
「待ってください、睡蓮さんー!」
全速力で走って睡蓮を追う。睡蓮は黒い雨が降っている中庭に向かっているようで、ハフィもその背中を追う。
「ハフィー、早く捕まえないとその男、黒い雨にどんどん取り込まれてしまうよ。」
「早く言ってくださいよ!」
またぷかぷかと空中に浮き始めたロミィは頑張って睡蓮を追いかけるハフィのことをニコニコ笑いながら眺めている。
「あっ!」
しかし、ハフィの頑張り虚しく、睡蓮は人の多い中庭に到着してしまう。ほして人混みの中に紛れ込んでしまい,どこにいるのかわからなくてなってしまった。
「ちょっと!ロミィさんも見てないで助けてください!」
「はは!弟子を指導するのも師匠の仕事さ。さぁ、頑張れハフィ。人混みの中から、睡蓮を見つけ出すんだ。集中すれば睡蓮の中に入り込んでしまった黒の気配を読み取ることができるはずだよ。」
「く、黒の気配?」
ハフィが首を傾げる。
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