Room 510

主従逆転

「いつもされているから、たまにはされる恥ずかしさを思い知るが良い。なるほど、道理です」

今日はわたしがＳＭチェアに座ることになった。
彼女はたいへん上機嫌で嬉々としてわたしを拘束していっている。
わたしとしても「果たしてアナルに指やオモチャを挿入されるとどんな感覚なのか？」については興味があったので彼女の提案…ＳとＭの逆転お試しにのってみた。

「いつも私のお尻にあれこれ挿れて弄んでくれてありがとうございます。
今日はほんのお礼です。
私がいつもどんな体験をしているか存分に味あわせて差し上げます。
泣こうがわめこうがやめてあげません。
…小手調べにこのサイズぐらいからから挿れてみましょうね」

ちょっと酔っ払って大胆になった彼女の口はなめらかだ。
うずらほどの太さがあるアナルバイブにローションを塗りながら宣言する。
いつもなら苛める側のわたしが拘束され、抵抗のすべなくいるのにいたく興奮しているようにみえる。

「わ、わたしいきなりそんな太いのからしました？」

「ＳＭ好きなんでしょう？
あなたにはこれぐらいが丁度いいはずよ。我慢なさい」



ローションが塗りつけられる。
思ったよりずっと冷たい。
彼女の指と私の体温ですぐに適温になるが、塗りつけた瞬間はかなりひんやり感じる。

そしてアナルバイブが押し込まれる。
これも冷たい。
感触は硬質で…太い！
手で触るよりずっと太く感じる！
ぐねぐねと曲がるしもっと柔らかいように感じたが、実際にアナルに挿れられるとゴツゴツとした異物感が強く太い棒を押し込まれているように感じる。


「うわぁ…入っていく…」

ちょっと感動した口調で彼女がつぶやきながら遠慮なくバイブが押し込まれてくる。

「すごい、ズボズボ入るわよ。
…あなた自分で挿れてるんじゃないの？」

「そ、そんなことしません。いきなりそんなに挿れられたら…その、怖いです」

「そうでしょう？　少しは思い知ると良いわ」

彼女の瞳にサドが宿る。

「も、もう少し挿れる向きを上向き？…にお願い…します」

アナルの中はまっすぐじゃないし、柔軟と思っていたアナルバイブは直腸に沿って勝手に曲がってくれるわけではないようだ。
興奮して夢中になっている彼女はとても抜いてくれそうにない。苦しくない向きを伝え…奥へ入りやすく誘導するのが精一杯だった。

「こうかしら。
いいわよ、どんどん咥え込んでいくわ。
やらしいアナルだわ…」

興奮した彼女はとまらない。
ゆっくりと慎重だが、決して抜かずに押し込んでくる。
ちょっとの恐怖心に加えて、味わったことのない奇妙な感覚を直腸に感じる。
アナルに快感はないが、彼女に犯されている実感は気持ちいい。

「やっぱりあなた…変態ね。
いきなりアナルを深くまで犯されて…
そのおチンポはなに？」

「え？」

ぐいっと勃起したチンポを力任せに掴まれる。
アナルに集中して気づいていなかったが立派に勃起していた。

「やらしいひとだわ。
アナルを犯されると勃つのね」

そのままチンポをしごかれる。

「ああっ！」

たまらず声が出てしまう。

「どう？
チンポとアナルを同時にされた感想は？
はやく答えなさい！」

激しくしごきながら彼女の言葉責めが迫る。

「この変態。
こんなにガチガチにチンポ勃てて。
アナルも気持ちいいんでしょう？
ほら、あなたが好きな抜き差ししてあげるわ！」

「あああっ！
はい…チンポも…アナルも…
貴女に責められたらたまらないです！
も、もう射精してしまいそうです！」

なんということか。
彼女にはＳの才覚があった。
そして私にはＭの才覚が。

「ふふふ、みっともない格好よ、あなた。
足を広げてアナルにバイブを突っ込まれ、チンポ丸出しでしごかれてる。
好きなんでしょう？　こういうのが。
さあ、初めてのアナル責めでイキなさい！
そのチンポからたっぷり精液を出してごらんなさいよ。
全部見ててあげるわ」

しごき慣れた彼女の手がわたしを絶頂へ導く。

「ああっダメだ、出るッ！」

びゅ、と精液が吹き出る。

「あは、出たわね…
やらしいわ、あなた。好きよ」

そのままイッたばかりのチンポをしごき続けられる。
これはたまらない。

「ほらほら、全部出しつくしなさいよ。
絞ればあとからあとから出てくるじゃない。
本当にやらしいチンポだわ…」

ドクドクとチンポから精液が溢れ彼女の手を汚す。
ぎゅっと強く握られ、最後の一滴まで絞り出すようにしごきあげられた。

「も、もう出ません…
許して…」

イッたあとのチンポを刺激さえ続けるとオシッコが出そうと言うか、なんとも刺激が強すぎてつらい。
手足は拘束され動かせないから、彼女に懇願するしかない。

「もう刺激しないで…お願いします…」

わたしの苦悶の表情に満足したのかチンポは解放された。
しかし彼女のＳっ気はまだ健在だった。

「さあ、アナルバイブを自分で出しなさい。
あなたの大好きな排泄をご自身で体験するのよ。
私は好みじゃないけど、特等席でじっくり見物してあげる。
さあ、どうぞ」

「！」

これは…
いざ出せと言われると恐ろしい。

気張れば出せる…と思う。
だがバイブだけで済むのか。
出てはいけないものまで勢いで出てしまわないか。
バイブに…その…付着していたらどうしよう。

「ほら、いつも私にさせているでしょう？
とっとと出しなさい！」

バイブを掴んでグリグリと押し込んでくる。

「あぁ、だ、出しますから…それ以上押し込まないでっ」

「どう？怖いでしょう？
少しは私の気持ちがわかりましたか？」

「…はい、これは…心配事がいっぱいで…」

「そう、理解してもらえてうれしいわ。
でもダメよ、許してあげない。
あなたは今日、私の見ている前で出すの。
大好きな排泄ショーよ。うれしいでしょう？
ほら、早くしなさい」

さんざんさせたことを自分だけできない、とは口が裂けても言えない。
意を決して少し気張ってみるが、奥まで押し込まれた長いバイブは動かない。
本格的に力むしかない…

「んっ…」

「そうよ、しっかり力んで出すのよ…
ふ～ん、お尻ってこんなふうになるのね。
あなたのお尻の穴がバイブを押し出そうとがんばっているのがわかるわ。

…そう、しっかり力をいれて。

いやらしいわ、あなたのお尻。

ちょっとずつ出てきたわよ…

すごい、お尻の穴ってこんなに広がるのね。

ちょっとづつ出てるわよ。上手ね。

バイブが垂れ下がって…まるで漏らしてしまっているみたいよ？

もうちょっと…

全部抜けたわ！」

ボトっと音がする。
ある程度抜けると、あとは流れるように抜け落ちていった。
排泄ショーを見学した彼女から興奮冷めぬ声が聞こえる。

「私のお尻もこんなふうにあなたに視姦されていたのね…
こんなショーが好きだなんて、やっぱりあなたは…変態ね！」

「ああっ！」

不意に指が挿入された。
完全に虚をつかれ、あられもない声をあげてしまった。

彼女は遠慮なく指を奥まで挿れ、中をほじくる。

「本当にあなた…お尻初めてなの？
こんなにスムーズに入るかしら？
疑わしいわ…」

尋問がはじまる。

「さあ、素直におっしゃい。
日常的にアナルオナニーしているのかしら？
それとも誰かに犯されたことがあるのかしら？」

「ない、ないですよ！
貴女のアナルが大好きです。ですけど自分のアナルには興味ありません！
責める専門でされたことなんてありませんし！」

「本当かしら？　疑わしいわ」

激しく直腸を責められる。
どのへんをどう触られているのかよくわからないが、とにかく直腸の中を彼女の指が暴れているのがかわる。

「ほら、感じているんじゃないの？
前立腺マッサージを自分でしてるんじゃないの？」

「ああああ、ほ、本当ですよ…刺激が強すぎて…もう許してください」

「いいわ、今日のところは信じてあげる。
ところで、また今日みたいにしていいのかしら？」


…こうして私たちはＳとＭの両方を楽しむようになった。
前立腺の良さはまだわからないが、彼女のＳっ気は好きだ。
恥ずかしいことを強要されたり、アナルを犯される行為にゾクゾクし興奮する。
彼女も興奮し欲情しているのがよくわかる。
お互いがＳとＭを体験し、私たちはＳＭをより深く楽しめるようになった。
…なってしまった。