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第2部 プラチナ帝国公爵領編
第2話
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どうも初にお目にかかる。楽にして構わない。
私の名は、中央平原でも歴史ある魔法国家プラチナ帝国の公爵位を預かるバーガンディ・アプリコットである。
プラチナ帝国6大公爵のうちの一つだな。
我が家は、帝国と傘下の諸王国とに面した領土を所有している。そのため傘下の国とのやり取りをする窓口としての役目を任されている家なのだ。
いわば内なる外交・・・内交官と言えよう。
実は、我が帝国はいまとんでもない秘密を抱えている。
我が国と長年覇を競っている隣国のシルバー王国に絶対ばれてはいけない秘密だ。
帝国内でもかん口令を敷き、一部の者しか知らない。
少し前に我が愛しい娘のキャロットがあのバカ皇子から婚約破棄などという騒動があったが、その秘密とすくなからず関係があることなのだ。
本当にあの娘にはかわいそうなことをした。本来ならあんな思いをしなくて済んだであろうに。
そもそも我がプラチナ帝国が魔法国家と呼ばれるの所以は、建国当時、いまから数百年前に初代国王がある魔法使いの力を借りたことから始まる。
その魔法使いはありとあらゆる魔法をあやつりその莫大な魔力と頭脳で初代国王を支え、国を作ったそうだ。
国王は人族なので寿命がすぐ尽きたが、その魔法使いはずっと生き続け、歴代の王を補佐してきた。
いま、中央平原に存在する冒険者ギルドや商業ギルドと言ったギルドをはじめ、魔法の体系化、魔力の属性による分類などもみなこの方が制定し広めたものなのだ。
我が国のみならず中央平原に住まうものみながその恩恵を受けていると言っていい。
この偉大なる魔法使いをわれわれは大魔導士イオニーア様と呼ぶ。
大魔導士イオニーア様はときには軍を率い、隣国のシルバー王国の大将軍シェーラと戦い、その戦いぶりはいまも伝説として語られておる。
大魔導士イオニーア様は、さらにプラチナ帝国を発展させるため、エリューシオン教会と交渉し回復魔法を使う聖女をこの国の騎士団専属として取り込んだ。
エリューシオン教会とは、聖処女神エリューシオンを信仰する者たちの教会で、温厚で慈悲深く、その洗礼をうけると回復魔法が使えるようになることで有名である。
その教会をプラチナ帝国の繁栄のためにとりこみ、帝国の兵士に優先的に回復魔法を使用させるようにしたのだ。
おかげで、我が国は戦争でも容易に負けぬようになった。なんせ傷ついても聖女が兵士の怪我をたちどころに治してしまうのだからな。
もうひとつは、結界魔法の創造だ。
魔力を注ぐことでプラチナ帝国全土を覆うほどの大規模な結界を張る魔法を創造したのだ。
この2つを導入し、防御力が格段に向上した帝国はさらなる躍進を遂げた。それは戦争だけではない。
結界魔法と回復魔法の優位性を売りにして、諸王国を外交で傘下に組み込んでいったのだ。そして、その国々と交易をして繁栄を築くという手法である。
シルバー王国を武力でなく経済力で圧倒するために・・・・。
シルバー王国の大将軍シェーラを相手にするときは必ず相手に倍する人数を用意し、聖女を大量に動員してやっと互角というありさまであった。
それだけ大将軍シェーラとその軍が強いという証でもあろう。
その後、シルバー王国も外交で周辺の王国を傘下におきだした。
我がほうのやり方を真似て我らとは異なる経済圏をつくり、対抗してきたのだ。
しかし、この均衡状態が崩れかけている。
実は、シルバー王国とは数年前に戦争をし5000の損害を与えた。
逆にお返しとばかりにシルバー王国の傘下のコーラル王国が弱体化の著しい我が国傘下のブルー王国を制圧した。
このようにお互い一進一退だ。
しかし我が国からあえて、講和を結び戦争をしかけないという協定を結ぶよう働きかけている。
なぜ互角なのに講和を結ぼうとしているかだと?
それはな・・・・・。
その理由は、もう我が国は戦争ができる状態でなくなったからだ。
兵はいる。それを率いる将軍もいる。
しかし、いなくなったのだ。大魔導士様が・・・・・・・・・
ある事件をきっかけに、この国から大魔導士イオニーア様がいなくなった。
これではとてもシルバー王国と事を構えることはできない。そしてなぜかシルバー王国も講和に応じてくれた。これはもはや僥倖と言っていい。
そしていま協定推進派として協定の締結にむけてわしらは動いておるのだ。
わしと2人の公爵家が協定派で、皇帝陛下も乗り気である。
その結びつきを強めるためにわしの娘と皇太子殿下を婚姻させ協定派の力を強めようとしたのだ。
しかし、反対派がそれを止めるために皇太子殿下に好みの令嬢を送り誘惑させ、婚約破棄にまでこぎつけたというのが事の真相である。
なぜ反対派が暗躍するのか。それは大魔導士様がこの国にいないことを知らないからなのだ。
だからといって、それを告げることは秘密が漏れるリスクがありできない。
そういうジレンマに陥っているのだ。
ちなみに、全土を覆う結界も大魔導士様が膨大な魔力を注いで維持していた。
が、いなくなったことでその結界が崩れ始めた。
それを防ぐために大きな魔力をもつ魔石が必要になった。
魔石自体膨大な魔力を含んでいるし、空になっても魔力を蓄える器として、魔力を補充することで結界の維持に役立つからな。
なので傘下の国を含めそのような魔石がないか国中を探させたことがある。
意外にも大して期待していなかったブルー王国から、頭一つ分もある大きな魔石が献上されたことは大変驚いた。おかげで結界は持ち直したのだ。
もう一つ困ったことを言うと、回復の要である聖女の力も弱まってきた。
どうやら定期的に大魔導士イオニーア様から魔力を補充されていたためだそうだ。
わしは家臣を使って、帝都にいる反対派の動きを抑え、穏便にシルバー王国との協定を結ばねばならない。
プラチナ帝国100年の未来がこの協定にかかっているのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
プラチナ帝国第38代皇帝ローシェンナ・プラチアーナが私の呼び名である。
我がプラチナ帝国の帝都プラチナムは100万の人口を擁する中央平原指折りの大都市である。
ここには私の居城があり、エリューシオン教会の総本山、(本部のことを総本山という)があり、結界を発生させる魔法の装置もここにある。
他に、冒険者ギルドの総本部、商業ギルドの総本部もある。この国がギルド発祥の地だからであるな。
また、経済の中心、政治の中心、娯楽の中心、軍事要塞としての機能を一まとめにした珍しい都市でもある。
・・・・・自慢話をしているわけではないんだ。
むしろ私の治世に入ってから極端に不幸なことが続き、教会でお祓いをお願いしたいくらいなのだ・・・・・・あ、教会は呪いのお祓いはやってなかったな・・・・・・・
一番の不幸は、大魔導士イオニーア様が我が国からいなくなったことだ。
形の上では私がイオニーア様を追放したことになっている。
なんでそんなことになったのか。
主導権争いと痴情のもつれが悪い意味で上手くかみ合い気づけば追放が決定してしまった状態だった。
まるで魔法にでもかかったようである。
言い訳はできない。当時の私も関わっていたのだから。
私自身幼いころから大魔導士イオニーア様を師として仰ぎイオニーア様のもとで研鑽を積んできた身である。
なのに追放してしまったのだ。
事の始まりは私の子供、つまり皇太子ら皇子の代から、大魔導士様による皇族への教育をやめようという話がでたことがきっかけであった。
もう何代にもわたって代々の皇太子や皇族は大魔導士様から直接教育をうけてきたのだが、そろそろ教育係を帝国の人間に任せてみようという話であった。
そこから皇太子への教育係に各派閥の息のかかった者たちが送り込まれ、私はそれを見抜けず皇太子に偏った教育が施されてしまったのが原因だ。
それがきっかけで大魔導士イオニーア様を国から追い出す羽目になってしまい、なんとか皇太子の周囲を一掃し事態の鎮圧をはかったがそのころには大魔導士様がどこにいるか分からなくなっていた。
間抜けにも程があると自嘲したくなる。
しかし、大魔導士様が不在ということだけはシルバー王国に知られるわけにはいかん。
戦争はこれ以上できない。
どうしても止められなかったシルバー王国との戦争では幸運にも相手に5000の損害を与えたという。
しかし、後の調査でその5000は大将軍の反対派で編成されていたというではないか。
してやったりと思ったのに相手の主導権争いに手を貸してしまった形だ。さすが大将軍としか言いようがない。
これ以上シルバー王国とは事を構えたくない。
思い余って協定を結ぶ旨の使者をだすと意外にも相手は乗り気で応じてくれた。
助かった・・・・
国内の反対派を抑えるべく皇太子とアプリコット家との婚約を結んで次の手を打とうと思った矢先に、あのバカ、反対派のハニートラップにかかって婚約破棄という有様だ。
それ以外にも結界の魔力はきれるわ、エリューシオン教会の聖女の回復魔法の力は低下するわ、とてもやりきれん。
とにかく今はシルバー王国との協定締結にむけてアプリコット公爵ら協定派と連携をせねばならん事態なのだ。
私の名は、中央平原でも歴史ある魔法国家プラチナ帝国の公爵位を預かるバーガンディ・アプリコットである。
プラチナ帝国6大公爵のうちの一つだな。
我が家は、帝国と傘下の諸王国とに面した領土を所有している。そのため傘下の国とのやり取りをする窓口としての役目を任されている家なのだ。
いわば内なる外交・・・内交官と言えよう。
実は、我が帝国はいまとんでもない秘密を抱えている。
我が国と長年覇を競っている隣国のシルバー王国に絶対ばれてはいけない秘密だ。
帝国内でもかん口令を敷き、一部の者しか知らない。
少し前に我が愛しい娘のキャロットがあのバカ皇子から婚約破棄などという騒動があったが、その秘密とすくなからず関係があることなのだ。
本当にあの娘にはかわいそうなことをした。本来ならあんな思いをしなくて済んだであろうに。
そもそも我がプラチナ帝国が魔法国家と呼ばれるの所以は、建国当時、いまから数百年前に初代国王がある魔法使いの力を借りたことから始まる。
その魔法使いはありとあらゆる魔法をあやつりその莫大な魔力と頭脳で初代国王を支え、国を作ったそうだ。
国王は人族なので寿命がすぐ尽きたが、その魔法使いはずっと生き続け、歴代の王を補佐してきた。
いま、中央平原に存在する冒険者ギルドや商業ギルドと言ったギルドをはじめ、魔法の体系化、魔力の属性による分類などもみなこの方が制定し広めたものなのだ。
我が国のみならず中央平原に住まうものみながその恩恵を受けていると言っていい。
この偉大なる魔法使いをわれわれは大魔導士イオニーア様と呼ぶ。
大魔導士イオニーア様はときには軍を率い、隣国のシルバー王国の大将軍シェーラと戦い、その戦いぶりはいまも伝説として語られておる。
大魔導士イオニーア様は、さらにプラチナ帝国を発展させるため、エリューシオン教会と交渉し回復魔法を使う聖女をこの国の騎士団専属として取り込んだ。
エリューシオン教会とは、聖処女神エリューシオンを信仰する者たちの教会で、温厚で慈悲深く、その洗礼をうけると回復魔法が使えるようになることで有名である。
その教会をプラチナ帝国の繁栄のためにとりこみ、帝国の兵士に優先的に回復魔法を使用させるようにしたのだ。
おかげで、我が国は戦争でも容易に負けぬようになった。なんせ傷ついても聖女が兵士の怪我をたちどころに治してしまうのだからな。
もうひとつは、結界魔法の創造だ。
魔力を注ぐことでプラチナ帝国全土を覆うほどの大規模な結界を張る魔法を創造したのだ。
この2つを導入し、防御力が格段に向上した帝国はさらなる躍進を遂げた。それは戦争だけではない。
結界魔法と回復魔法の優位性を売りにして、諸王国を外交で傘下に組み込んでいったのだ。そして、その国々と交易をして繁栄を築くという手法である。
シルバー王国を武力でなく経済力で圧倒するために・・・・。
シルバー王国の大将軍シェーラを相手にするときは必ず相手に倍する人数を用意し、聖女を大量に動員してやっと互角というありさまであった。
それだけ大将軍シェーラとその軍が強いという証でもあろう。
その後、シルバー王国も外交で周辺の王国を傘下におきだした。
我がほうのやり方を真似て我らとは異なる経済圏をつくり、対抗してきたのだ。
しかし、この均衡状態が崩れかけている。
実は、シルバー王国とは数年前に戦争をし5000の損害を与えた。
逆にお返しとばかりにシルバー王国の傘下のコーラル王国が弱体化の著しい我が国傘下のブルー王国を制圧した。
このようにお互い一進一退だ。
しかし我が国からあえて、講和を結び戦争をしかけないという協定を結ぶよう働きかけている。
なぜ互角なのに講和を結ぼうとしているかだと?
それはな・・・・・。
その理由は、もう我が国は戦争ができる状態でなくなったからだ。
兵はいる。それを率いる将軍もいる。
しかし、いなくなったのだ。大魔導士様が・・・・・・・・・
ある事件をきっかけに、この国から大魔導士イオニーア様がいなくなった。
これではとてもシルバー王国と事を構えることはできない。そしてなぜかシルバー王国も講和に応じてくれた。これはもはや僥倖と言っていい。
そしていま協定推進派として協定の締結にむけてわしらは動いておるのだ。
わしと2人の公爵家が協定派で、皇帝陛下も乗り気である。
その結びつきを強めるためにわしの娘と皇太子殿下を婚姻させ協定派の力を強めようとしたのだ。
しかし、反対派がそれを止めるために皇太子殿下に好みの令嬢を送り誘惑させ、婚約破棄にまでこぎつけたというのが事の真相である。
なぜ反対派が暗躍するのか。それは大魔導士様がこの国にいないことを知らないからなのだ。
だからといって、それを告げることは秘密が漏れるリスクがありできない。
そういうジレンマに陥っているのだ。
ちなみに、全土を覆う結界も大魔導士様が膨大な魔力を注いで維持していた。
が、いなくなったことでその結界が崩れ始めた。
それを防ぐために大きな魔力をもつ魔石が必要になった。
魔石自体膨大な魔力を含んでいるし、空になっても魔力を蓄える器として、魔力を補充することで結界の維持に役立つからな。
なので傘下の国を含めそのような魔石がないか国中を探させたことがある。
意外にも大して期待していなかったブルー王国から、頭一つ分もある大きな魔石が献上されたことは大変驚いた。おかげで結界は持ち直したのだ。
もう一つ困ったことを言うと、回復の要である聖女の力も弱まってきた。
どうやら定期的に大魔導士イオニーア様から魔力を補充されていたためだそうだ。
わしは家臣を使って、帝都にいる反対派の動きを抑え、穏便にシルバー王国との協定を結ばねばならない。
プラチナ帝国100年の未来がこの協定にかかっているのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
プラチナ帝国第38代皇帝ローシェンナ・プラチアーナが私の呼び名である。
我がプラチナ帝国の帝都プラチナムは100万の人口を擁する中央平原指折りの大都市である。
ここには私の居城があり、エリューシオン教会の総本山、(本部のことを総本山という)があり、結界を発生させる魔法の装置もここにある。
他に、冒険者ギルドの総本部、商業ギルドの総本部もある。この国がギルド発祥の地だからであるな。
また、経済の中心、政治の中心、娯楽の中心、軍事要塞としての機能を一まとめにした珍しい都市でもある。
・・・・・自慢話をしているわけではないんだ。
むしろ私の治世に入ってから極端に不幸なことが続き、教会でお祓いをお願いしたいくらいなのだ・・・・・・あ、教会は呪いのお祓いはやってなかったな・・・・・・・
一番の不幸は、大魔導士イオニーア様が我が国からいなくなったことだ。
形の上では私がイオニーア様を追放したことになっている。
なんでそんなことになったのか。
主導権争いと痴情のもつれが悪い意味で上手くかみ合い気づけば追放が決定してしまった状態だった。
まるで魔法にでもかかったようである。
言い訳はできない。当時の私も関わっていたのだから。
私自身幼いころから大魔導士イオニーア様を師として仰ぎイオニーア様のもとで研鑽を積んできた身である。
なのに追放してしまったのだ。
事の始まりは私の子供、つまり皇太子ら皇子の代から、大魔導士様による皇族への教育をやめようという話がでたことがきっかけであった。
もう何代にもわたって代々の皇太子や皇族は大魔導士様から直接教育をうけてきたのだが、そろそろ教育係を帝国の人間に任せてみようという話であった。
そこから皇太子への教育係に各派閥の息のかかった者たちが送り込まれ、私はそれを見抜けず皇太子に偏った教育が施されてしまったのが原因だ。
それがきっかけで大魔導士イオニーア様を国から追い出す羽目になってしまい、なんとか皇太子の周囲を一掃し事態の鎮圧をはかったがそのころには大魔導士様がどこにいるか分からなくなっていた。
間抜けにも程があると自嘲したくなる。
しかし、大魔導士様が不在ということだけはシルバー王国に知られるわけにはいかん。
戦争はこれ以上できない。
どうしても止められなかったシルバー王国との戦争では幸運にも相手に5000の損害を与えたという。
しかし、後の調査でその5000は大将軍の反対派で編成されていたというではないか。
してやったりと思ったのに相手の主導権争いに手を貸してしまった形だ。さすが大将軍としか言いようがない。
これ以上シルバー王国とは事を構えたくない。
思い余って協定を結ぶ旨の使者をだすと意外にも相手は乗り気で応じてくれた。
助かった・・・・
国内の反対派を抑えるべく皇太子とアプリコット家との婚約を結んで次の手を打とうと思った矢先に、あのバカ、反対派のハニートラップにかかって婚約破棄という有様だ。
それ以外にも結界の魔力はきれるわ、エリューシオン教会の聖女の回復魔法の力は低下するわ、とてもやりきれん。
とにかく今はシルバー王国との協定締結にむけてアプリコット公爵ら協定派と連携をせねばならん事態なのだ。
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