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本編 絶倫男爵に取り憑かれた王子と見鬼の私
絶倫男爵
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ハンナは呆けた。
空耳?
今、目の前のキラキラ王子から、とんでもない言葉が発せられたような気がしたが……
「やっぱり引くよね、そうだよね、当然だ。……本当にごめん、いきなりこんなこと言って」
此原は俯き、目を覆う。
懸命に何かを堪え、ついには嗚咽し始めた。
「こっ、此原さん」
ハンナは慌て、項垂れる此原に駆け寄り、下から覗き込む。
「飲みすぎたんですかね、ちょっと休みましょうか」
「ぜんっぜん飲んでないよ、酔えないし、ここんとこずっとまともに寝ることも出来てない」
少年のように目を赤くして鼻を啜る整った顔。
そう言われてみれば、目の下にうっすらと隈が浮かんでいるように見えた。
殺伐とした繁忙期に於ても俯瞰した眼差しを失わず、皆に配慮できる王子様が。
フェミニストの鑑のような王子様が。
この言動。
余程の事情があるに違いない。
それに……
「あの、とりあえずお話をうかがって良いですか」
実は、見えるのだ。
此原の背後に立つ、うっすら黒い影が。
あらかた酔いが覚めてしまったのではっきりとは見えないが、間違いなく妖怪の類いである。
場所に憑く小鬼とは違い、人間や物に憑くタイプで、直接強い影響を及ぼす厄介なやつだ。
ハンナは此原の腕を掴んで引きながら、落ち着いて話せる場所を探す。
そして、こじんまりとした公園を見つけた。
街灯に照らされる園内を見回すが、あるのは大きな欅が一本とブランコだけで、ベンチもスツールも見当たらない。ハンナは仕方なく、ブランコの座面に此原を誘導した。
「ちょっとそこで待ってて貰えますか」
此原は頷き、素直に従う。ハンナは急いで向かいのコンビニに入り、缶チューハイ二本と水を買って公園へ戻った。
此原は長身の身体を屈め、ブランコに腰掛けていた。
うっわ、可愛い。しょぼんってしてる!しょぼーん!
本人はそれどころじゃないのだろうが、落ち込んで小さくなる王子も可愛い。
ハンナはキュンキュンする胸を押さえて身悶えた。
しかし、そんな場合じゃないことを直ぐに思い出し、咳払いして気持ちを切り替える。胸の内を悟られぬよう平静を装い近付くと、水のペットボトルを此原に差し出した。
「お待たせしました、どうぞ」
おずおずと受け取った此原は、ハンナの手に握られている缶チューハイを見てぎょっとする。
「まだ飲むの?広瀬さん、止めておいた方が良いんじゃないかな」
「お気になさらず、これはドーピングなので」
「ドーピング?!」
「ま、そのことは追々説明するとして、えっと、それで、何故私とその、一夜を共にしたいと仰られたのですか?」
此原は水を口に含み、ごくりと喉を鳴らした。
そして、思いきったように頷くと、とつとつと話し出す。
「二週間前ほどから、急に性欲が強くなって」
「ほうほう」
「それ迄はわりと淡白な方で、それを理由に振られたこともあった程で、寧ろ、そういう相手がいなくても全然平気だったんだ」
見た目通りの爽やか王子だったんですね。
「それが、急にムラムラするようになって、特に寝る前が顕著で抑えられなくて、あの、自分で処理してたんだけど、一回じゃ済まないんだ」
「で、寝不足になったと。日中は大丈夫なんですか?」
此原は頭を抱える。
「それが、最近は仕事中にも溜まるようになってきたんだ。誰も来ないようなトイレの個室で処理すること一日三回、その回数も増えつつある」
大きなため息を挟んで此原は話を続けた。
「それで、もしかしたら自慰だけじゃ解消出来ないのかもしれないと考えたんだ。実際に誰かと性行為をしないと収まらないのかと……」
「現在、彼女はいない、ということでよろしいですか」
此原は頷く。
「随分いないよ。何だか面倒だったんだ」
これほどのルックスだ。
本人にその気がなくとも、周囲で肉食獣と化した女子達が勝手に争奪戦を始めそうである。
事実、オフィスにて、それに近い光景を見たことがある。
「それで、なぜ私なんです?」
此原は頬を染めて俯いた。
「一晩で八回って聞いて……」
ハンナは白目を剥きそうになる。
あの勘違い言動が此原にいらぬ期待を持たせてしまっていたとは……!
つか、絶倫と思われていた事実、哀し。
「あの、此原さん、たいへん言いづらいのですが、あれは間違いです」
此原は瞬きをしてハンナを見た。
「金縛りの回数と勘違いして答えたんです」
ブランコの鎖をぎゅっと掴んだ此原は、再び俯く。
「そっか、そうなんだ、そうだよね。そんなわけないよね。……でも凄いね、八回も金縛りなんて、広瀬さんて霊感強いんだ」
「霊感はありませんが、此原さんのお力になれるかもしれません」
此原は再びハンナに顔を向けた。
ハンナは缶チューハイのプルトップを開け、グッと煽る。
こんな飲み方したら悪酔いするかも。
ハンナは目をぎゅっと瞑りながら喉を鳴らした。
けど、放っておけない!
此原は、日々の癒し、清涼剤。空気清浄機。
王子がその場に現れるだけで、辺りの気は澄み小鳥が囀り花が舞う。
ハンナはこれまでその存在にどれほど助けられたか。
憧れの王子とどうこうなりたいなど本気で思っては居ない。烏滸がましい。
しかし、力になれるなら本望だ。
ハンナはブランコから立ち上がるとくるくる回転した。
こうすれば酔いが早く回るかもしれない、と思っての判断である。
とにかく頭をぼんやりさせてゾーンに入れば良いのだ。
口をあんぐり開けて見上げる此原が目の端に映る。さぞおかしな女だと思っていることだろう。
ハンナは回転を止め、此原に近付こうとしたが、どうやら三半規管がイカれたらしく、逆に遠ざかっていく。
此原が慌てて立ち上がり、ハンナの腰を支えた。
「広瀬さん、しっかりして」
ハンナは顔を上げて此原の胸を押す。
「ありがとうございます。でも、少し離れて下さい。近すぎると見えないので」
「近すぎると見えない……?」
此原は首をかしげた。
「ちなみに遠視ではありません」
ハンナは大きく深呼吸し、その背後に目を凝らす。
やがて、浮かんできたのは……
「絶倫男爵!!」
突然大声で叫んだハンナに驚き、此原は身体を跳ねさせた。そして、泣きそうな顔で訴えた。
「ひ、広瀬さん、その呼び方はあんまりじゃないかな」
「いえいえ、此原さんのことじゃありません。此原さんに憑いているモノのことです!……それにしても、何てこと!よりにもよって絶倫男爵……A級モンスターだわ……」
ハンナはふらつきながら爪を噛む。
「えっと、逃れ方はどうすんだっけ」
此原の背後を睨みながら、ハンナは鞄からスマホを取り出した。
絶倫男爵はシルクハットを被った一見紳士の外来モンスターだ。カールした髭を摘まみながら、常に流し目を送っている。
これに憑かれると、とてつもなく性欲旺盛になるのだ。
『おーハンナ、なんだべ、こんな夜遅くぅ』
ハンナは、スマホから聞こえてきた声に問う。
「じいちゃん、絶倫男爵がでたべ。どうすりゃいーんだっぺな」
いきなりコテコテの方言で話し出したハンナを此原が唖然と見つめていた。
『おー、そりゃあ珍しいもんが出ただなぁ、絶倫男爵は物を媒体にしてるはずだから、先ずはそれを探すべ、それと……』
ハンナは祖父の語る対処法を懸命に記憶する。
『しかしなぁ、剥がすためにはどうしたって百人切りしねぇといけねぇだよ』
「百人切り?!」
思わず大声で訊き返したハンナを見て、此原が涙目で首を振っている。
「じいちゃん、どうしても百人とヤらなきゃなんないんだっぺか?」
『あー、要するに百回致せば良いだよ。同じ相手でも良い筈だ。百回やった時点で、絶倫男爵は憑いた相手から離れて媒体に戻るだよ。そこで百回達成の祝杯を上げるだ。その隙に媒体を遠ざければ良い』
「わがった、あんがとな、じいちゃん。正月には帰るけぇ、うん、わがった」
ハンナは通話を切って此原に視線を向けた。
「此原さん、症状が出始めた頃に誰かから何か貰いませんでしたか?外国土産、骨董みたいなもの」
此原はハッとした表情を浮かべる。
「ドイツ帰りの従兄が先日遊びに来て、カフスボタンを忘れていったよ。連絡したらお前にやるって言われて、そのまま家にある」
その言葉で媒体が譲渡され、絶倫男爵は此原に憑いた。
……つまり、その時点で従兄殿は百回を達成していたってことだな。
「カフスボタンを返せば症状は無くなるの?」
目を輝かせて訊ねられ、ハンナは気まずげに答える。
「それが……そういう訳にもいかなくて」
「百人切りなんて無理だよ!」
此原は悲痛な声を上げた。
「同じ相手でも良いそうですよ、この機会に彼女を作られたらどうですか」
「そんな簡単に出来ないよ!」
「そういったサービスを利用するとか……」
「そういうのは、ちょっと……」
ハンナはこめかみを指で押さえながら一旦落ち着こうとブランコに腰掛ける。
しかし、頭がクラクラして背後にバタンと倒れた。
「広瀬さん!」
駆け寄る王子の顔がぼやける。
ほどなく視界は真っ暗闇になり、ハンナは意識を手放した。
空耳?
今、目の前のキラキラ王子から、とんでもない言葉が発せられたような気がしたが……
「やっぱり引くよね、そうだよね、当然だ。……本当にごめん、いきなりこんなこと言って」
此原は俯き、目を覆う。
懸命に何かを堪え、ついには嗚咽し始めた。
「こっ、此原さん」
ハンナは慌て、項垂れる此原に駆け寄り、下から覗き込む。
「飲みすぎたんですかね、ちょっと休みましょうか」
「ぜんっぜん飲んでないよ、酔えないし、ここんとこずっとまともに寝ることも出来てない」
少年のように目を赤くして鼻を啜る整った顔。
そう言われてみれば、目の下にうっすらと隈が浮かんでいるように見えた。
殺伐とした繁忙期に於ても俯瞰した眼差しを失わず、皆に配慮できる王子様が。
フェミニストの鑑のような王子様が。
この言動。
余程の事情があるに違いない。
それに……
「あの、とりあえずお話をうかがって良いですか」
実は、見えるのだ。
此原の背後に立つ、うっすら黒い影が。
あらかた酔いが覚めてしまったのではっきりとは見えないが、間違いなく妖怪の類いである。
場所に憑く小鬼とは違い、人間や物に憑くタイプで、直接強い影響を及ぼす厄介なやつだ。
ハンナは此原の腕を掴んで引きながら、落ち着いて話せる場所を探す。
そして、こじんまりとした公園を見つけた。
街灯に照らされる園内を見回すが、あるのは大きな欅が一本とブランコだけで、ベンチもスツールも見当たらない。ハンナは仕方なく、ブランコの座面に此原を誘導した。
「ちょっとそこで待ってて貰えますか」
此原は頷き、素直に従う。ハンナは急いで向かいのコンビニに入り、缶チューハイ二本と水を買って公園へ戻った。
此原は長身の身体を屈め、ブランコに腰掛けていた。
うっわ、可愛い。しょぼんってしてる!しょぼーん!
本人はそれどころじゃないのだろうが、落ち込んで小さくなる王子も可愛い。
ハンナはキュンキュンする胸を押さえて身悶えた。
しかし、そんな場合じゃないことを直ぐに思い出し、咳払いして気持ちを切り替える。胸の内を悟られぬよう平静を装い近付くと、水のペットボトルを此原に差し出した。
「お待たせしました、どうぞ」
おずおずと受け取った此原は、ハンナの手に握られている缶チューハイを見てぎょっとする。
「まだ飲むの?広瀬さん、止めておいた方が良いんじゃないかな」
「お気になさらず、これはドーピングなので」
「ドーピング?!」
「ま、そのことは追々説明するとして、えっと、それで、何故私とその、一夜を共にしたいと仰られたのですか?」
此原は水を口に含み、ごくりと喉を鳴らした。
そして、思いきったように頷くと、とつとつと話し出す。
「二週間前ほどから、急に性欲が強くなって」
「ほうほう」
「それ迄はわりと淡白な方で、それを理由に振られたこともあった程で、寧ろ、そういう相手がいなくても全然平気だったんだ」
見た目通りの爽やか王子だったんですね。
「それが、急にムラムラするようになって、特に寝る前が顕著で抑えられなくて、あの、自分で処理してたんだけど、一回じゃ済まないんだ」
「で、寝不足になったと。日中は大丈夫なんですか?」
此原は頭を抱える。
「それが、最近は仕事中にも溜まるようになってきたんだ。誰も来ないようなトイレの個室で処理すること一日三回、その回数も増えつつある」
大きなため息を挟んで此原は話を続けた。
「それで、もしかしたら自慰だけじゃ解消出来ないのかもしれないと考えたんだ。実際に誰かと性行為をしないと収まらないのかと……」
「現在、彼女はいない、ということでよろしいですか」
此原は頷く。
「随分いないよ。何だか面倒だったんだ」
これほどのルックスだ。
本人にその気がなくとも、周囲で肉食獣と化した女子達が勝手に争奪戦を始めそうである。
事実、オフィスにて、それに近い光景を見たことがある。
「それで、なぜ私なんです?」
此原は頬を染めて俯いた。
「一晩で八回って聞いて……」
ハンナは白目を剥きそうになる。
あの勘違い言動が此原にいらぬ期待を持たせてしまっていたとは……!
つか、絶倫と思われていた事実、哀し。
「あの、此原さん、たいへん言いづらいのですが、あれは間違いです」
此原は瞬きをしてハンナを見た。
「金縛りの回数と勘違いして答えたんです」
ブランコの鎖をぎゅっと掴んだ此原は、再び俯く。
「そっか、そうなんだ、そうだよね。そんなわけないよね。……でも凄いね、八回も金縛りなんて、広瀬さんて霊感強いんだ」
「霊感はありませんが、此原さんのお力になれるかもしれません」
此原は再びハンナに顔を向けた。
ハンナは缶チューハイのプルトップを開け、グッと煽る。
こんな飲み方したら悪酔いするかも。
ハンナは目をぎゅっと瞑りながら喉を鳴らした。
けど、放っておけない!
此原は、日々の癒し、清涼剤。空気清浄機。
王子がその場に現れるだけで、辺りの気は澄み小鳥が囀り花が舞う。
ハンナはこれまでその存在にどれほど助けられたか。
憧れの王子とどうこうなりたいなど本気で思っては居ない。烏滸がましい。
しかし、力になれるなら本望だ。
ハンナはブランコから立ち上がるとくるくる回転した。
こうすれば酔いが早く回るかもしれない、と思っての判断である。
とにかく頭をぼんやりさせてゾーンに入れば良いのだ。
口をあんぐり開けて見上げる此原が目の端に映る。さぞおかしな女だと思っていることだろう。
ハンナは回転を止め、此原に近付こうとしたが、どうやら三半規管がイカれたらしく、逆に遠ざかっていく。
此原が慌てて立ち上がり、ハンナの腰を支えた。
「広瀬さん、しっかりして」
ハンナは顔を上げて此原の胸を押す。
「ありがとうございます。でも、少し離れて下さい。近すぎると見えないので」
「近すぎると見えない……?」
此原は首をかしげた。
「ちなみに遠視ではありません」
ハンナは大きく深呼吸し、その背後に目を凝らす。
やがて、浮かんできたのは……
「絶倫男爵!!」
突然大声で叫んだハンナに驚き、此原は身体を跳ねさせた。そして、泣きそうな顔で訴えた。
「ひ、広瀬さん、その呼び方はあんまりじゃないかな」
「いえいえ、此原さんのことじゃありません。此原さんに憑いているモノのことです!……それにしても、何てこと!よりにもよって絶倫男爵……A級モンスターだわ……」
ハンナはふらつきながら爪を噛む。
「えっと、逃れ方はどうすんだっけ」
此原の背後を睨みながら、ハンナは鞄からスマホを取り出した。
絶倫男爵はシルクハットを被った一見紳士の外来モンスターだ。カールした髭を摘まみながら、常に流し目を送っている。
これに憑かれると、とてつもなく性欲旺盛になるのだ。
『おーハンナ、なんだべ、こんな夜遅くぅ』
ハンナは、スマホから聞こえてきた声に問う。
「じいちゃん、絶倫男爵がでたべ。どうすりゃいーんだっぺな」
いきなりコテコテの方言で話し出したハンナを此原が唖然と見つめていた。
『おー、そりゃあ珍しいもんが出ただなぁ、絶倫男爵は物を媒体にしてるはずだから、先ずはそれを探すべ、それと……』
ハンナは祖父の語る対処法を懸命に記憶する。
『しかしなぁ、剥がすためにはどうしたって百人切りしねぇといけねぇだよ』
「百人切り?!」
思わず大声で訊き返したハンナを見て、此原が涙目で首を振っている。
「じいちゃん、どうしても百人とヤらなきゃなんないんだっぺか?」
『あー、要するに百回致せば良いだよ。同じ相手でも良い筈だ。百回やった時点で、絶倫男爵は憑いた相手から離れて媒体に戻るだよ。そこで百回達成の祝杯を上げるだ。その隙に媒体を遠ざければ良い』
「わがった、あんがとな、じいちゃん。正月には帰るけぇ、うん、わがった」
ハンナは通話を切って此原に視線を向けた。
「此原さん、症状が出始めた頃に誰かから何か貰いませんでしたか?外国土産、骨董みたいなもの」
此原はハッとした表情を浮かべる。
「ドイツ帰りの従兄が先日遊びに来て、カフスボタンを忘れていったよ。連絡したらお前にやるって言われて、そのまま家にある」
その言葉で媒体が譲渡され、絶倫男爵は此原に憑いた。
……つまり、その時点で従兄殿は百回を達成していたってことだな。
「カフスボタンを返せば症状は無くなるの?」
目を輝かせて訊ねられ、ハンナは気まずげに答える。
「それが……そういう訳にもいかなくて」
「百人切りなんて無理だよ!」
此原は悲痛な声を上げた。
「同じ相手でも良いそうですよ、この機会に彼女を作られたらどうですか」
「そんな簡単に出来ないよ!」
「そういったサービスを利用するとか……」
「そういうのは、ちょっと……」
ハンナはこめかみを指で押さえながら一旦落ち着こうとブランコに腰掛ける。
しかし、頭がクラクラして背後にバタンと倒れた。
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