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ふたりの関係
はじめての嫉妬
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「伊月くん、おっはよー!今日もいい天気で気持ちいいね」
「由希さんおはようございます!」
仕事中の名前呼び、許せまじ。
でも、今までのように相手に注意する気がなくなっている自分がいる。
なんで?
由希ちゃんにも笑顔で挨拶するの?
当たり前なことなのに。
なんで、こんな気持ちになるんだろう。
「岡田さん、今日は天気がいいからお昼は外でピクニックにしようかって、伊月くんと話してたんですけど、一緒にどうですか?」
「…ピクニック?3人で?」
「はい!どうです?」
なんで、由希ちゃんが主導権握ってるの?
お昼はいつも私と伊月の2人で食べてたのに…。
おいしそうに、うれしそうに食べている顔を見る時間が心地よかったのに。
いつのまにかランチタイムの伊月を独り占めしていた私だから、由希ちゃんのお誘いに拒否感を抱いた。
いつもは、ハッキリと言ってくれる伊月なのに、この時は何も言わずに立っていた。
どうして?ふたりで食べたいからって断ってくれないの?
直生ちゃんと食べたいんですって言ってよ!
「ごめん、私、今日はひとりで食べるわ。由希ちゃん、川瀬くんとピクニック楽しんできてね」
「はい!行こ、伊月くん!」
由希ちゃんは伊月と肩を並べて外へと小走りで出て行った。
今日の伊月は、普段と違う…。どうしたんだろ。
私は理由を知りたくてお昼休みが終わった時に伊月の席へ足を運ばせた。
「川瀬くん、仕事終わったらお茶する時間空けてくれる?」
伊月は、声を出さずにうなずいた。
「直生ちゃん、お待たせ!ちょっと仕事押しちゃった」
「大丈夫、気にしないで。お疲れさま」
私たちは会社の近くのカフェに入り、私はカフェオレ、伊月はアイスコーヒーを注文した。
「直生ちゃんからお茶に誘ってくれるのって、もしかして初めてじゃない?いったいどうしたの?」
伊月は氷をストローでカランカランと音を鳴らしながら、私に顔を近づかせて訊いてきた。
私はモヤモヤした気持ちを言葉にしてどうやって伊月に伝えたらいいか悩んだ。
言葉が先に出まくっていた、これまでの私にはないことだからかなりパニックになっている。
「直生ちゃん?もしかしてお昼のこと怒ってたりする?」
伊月の方から切り出してくれた。
「……怒ってないけど。不快っていうか、なんなんだろ…?そうだ!今日の伊月が変だなぁと違和感があったの」
肩をピクッとさせた伊月。
言いにくそうに、こう言った。
「実は…。昼前に由希先輩から告白されたんだ。会社の先輩だから、何て断ったらいいかわからなくて…。」
「告白…?」
私の頭は真っ白状態。
由希ちゃんが本気で伊月を好きだっただなんて…。
「正直に自分の気持ちを伝えたらいいかな?僕には好きな人がいますって」
「え!伊月、好きな人がいるの?」
「うん、いるよ」
私は伊月の言葉に驚きを隠せなかった。
「由希さんおはようございます!」
仕事中の名前呼び、許せまじ。
でも、今までのように相手に注意する気がなくなっている自分がいる。
なんで?
由希ちゃんにも笑顔で挨拶するの?
当たり前なことなのに。
なんで、こんな気持ちになるんだろう。
「岡田さん、今日は天気がいいからお昼は外でピクニックにしようかって、伊月くんと話してたんですけど、一緒にどうですか?」
「…ピクニック?3人で?」
「はい!どうです?」
なんで、由希ちゃんが主導権握ってるの?
お昼はいつも私と伊月の2人で食べてたのに…。
おいしそうに、うれしそうに食べている顔を見る時間が心地よかったのに。
いつのまにかランチタイムの伊月を独り占めしていた私だから、由希ちゃんのお誘いに拒否感を抱いた。
いつもは、ハッキリと言ってくれる伊月なのに、この時は何も言わずに立っていた。
どうして?ふたりで食べたいからって断ってくれないの?
直生ちゃんと食べたいんですって言ってよ!
「ごめん、私、今日はひとりで食べるわ。由希ちゃん、川瀬くんとピクニック楽しんできてね」
「はい!行こ、伊月くん!」
由希ちゃんは伊月と肩を並べて外へと小走りで出て行った。
今日の伊月は、普段と違う…。どうしたんだろ。
私は理由を知りたくてお昼休みが終わった時に伊月の席へ足を運ばせた。
「川瀬くん、仕事終わったらお茶する時間空けてくれる?」
伊月は、声を出さずにうなずいた。
「直生ちゃん、お待たせ!ちょっと仕事押しちゃった」
「大丈夫、気にしないで。お疲れさま」
私たちは会社の近くのカフェに入り、私はカフェオレ、伊月はアイスコーヒーを注文した。
「直生ちゃんからお茶に誘ってくれるのって、もしかして初めてじゃない?いったいどうしたの?」
伊月は氷をストローでカランカランと音を鳴らしながら、私に顔を近づかせて訊いてきた。
私はモヤモヤした気持ちを言葉にしてどうやって伊月に伝えたらいいか悩んだ。
言葉が先に出まくっていた、これまでの私にはないことだからかなりパニックになっている。
「直生ちゃん?もしかしてお昼のこと怒ってたりする?」
伊月の方から切り出してくれた。
「……怒ってないけど。不快っていうか、なんなんだろ…?そうだ!今日の伊月が変だなぁと違和感があったの」
肩をピクッとさせた伊月。
言いにくそうに、こう言った。
「実は…。昼前に由希先輩から告白されたんだ。会社の先輩だから、何て断ったらいいかわからなくて…。」
「告白…?」
私の頭は真っ白状態。
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「正直に自分の気持ちを伝えたらいいかな?僕には好きな人がいますって」
「え!伊月、好きな人がいるの?」
「うん、いるよ」
私は伊月の言葉に驚きを隠せなかった。
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