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永遠くん4歳のお話

とわくんの運動会③

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ひだまり保育園の運動会は
順調に競技が進んでいっています。

さて、次は?

年少さんのかけっこです!
とわくんの活躍がたのしみです。


 「とわくーん!ぜったい一番になってねー!」
 「がんばって!とわくん」

とわくんへの声援がひときわ目立ちます。

特にまなちゃんとなっちゃんは自分のかけっこよりも
とわくんの声援に力を注いでいます(笑)

とわくんは男の子で一番背が低いので
走る順番はもちろん最初です。


 「うん!がんばるぞー」

とわくん、気合い満々!

よーいドン!

ダダダダダダっ、ぴゅーーーーん!

練習の時よりも速く、そして遠くまで行ってしまったとわくん!

もちろん、文句なしの1位です。

 「ヒーローは勝つのだ!トワッ!」

勝利のポーズに女の子たちはキャーキャー言って、
とわくんはやがて照れてきてしまいました。

 「永遠!我が子ながらカッコイイ♡」

 「水上さん、永遠くん足が凄く速いね!ビックリしちゃった!将来のオリンピック選手だわ」

とわくんのお母さん、お父さんも周りの人達に囲まれてます。

もちろん、とわくんの勇姿は動画にバッチリ収めることが出来ました!


さて、時間が進み、次は女の子のかけっこが始まります。

あっちゃんも一番背が低いので第一滑走です。

あっちゃんは遠くから見ても緊張しているのが伝わってきます……。

 「あつこー!がんばってー」
お母さんが声援を送ります!

 「あっちゃーん!がんばれー」
とわくんもあっちゃんを応援しています。


ドキドキドキドキ……。

よーいドン!
スタートしました。

あっちゃんは正直言って運動は得意ではありません。

でも、ありったけの力を振り絞って走っています。

……が!
あと3メートルくらいのところで転んでしまいました。

ズザーっ!
 「あッ」

あっちゃんはその場でシクシク泣いてしまって動けません。
ひざと手のひらから血が滲んでいます。

 「あつこ!」
 「あっちゃん!」

お母さんや先生が叫びました。
急いで救護に向かおうとしたとき、

ちびっこヒーローがあっちゃんの元へ駆けつけていました。

 「あっちゃん、だいじょうぶ?!痛いよね…」

とわくんはあっちゃんの前にしゃがみこんで心配しています。

本当はヒーローみたく、ヒョイっと抱き上げて助けてあげたいんです。

それでもあっちゃんは、そんなとわくんの言葉がうれしくて涙はピタリと止まりました。


 「とわくん、ありがとね。あとはよしえ先生に任せて!治療するから」

よしえ先生は、あっちゃんをおんぶして救護テントへ。


このとき、とわくんは初めて悔しそうな悲しそうな顔を浮かべました。


 「ぼくはヒーローなのに…。あっちゃんを助けてあげられなかった」

 「はやく大きくなりたいよ!」

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