～assortment～

魔王と勇者

狂喜の目覚め

幼い頃、自分は忌み嫌われる存在だった。
産まれた時から魔力が高かった。触れたものを壊したり近くにいる人物を無意識に傷付けたりしていた。
産みの親は己が5歳になる頃に亡くなった。
魔族に乱暴され妊娠出産した母親を村人は冷たく突き放した。元々身体の弱かった母親は子供を育てる為に必死で働いていた。
とうとう身体を壊し倒れた時も誰一人自分達に手を差しのべる人はいなかった。
亡くなる寸前、母はある事を教えてくれた。

ーーーあの日から自分の中に黒い魔力があるーーー

その理由も事切れる寸前に聞いた自分はいつか試してみたいと機会を伺っていた。
それまでに力を身につける為に、こっそり剣術を練習した。
村は森に囲まれている為、練習も人目につく事はなかった。

その後村を出て王都に向かい勇者になる為に己を鍛え上げる。剣術を磨きある程度力をつけた頃、母親が教えてくれた黒い魔力を手にする方法を試した。

それは思った程大した力ではなかったが、少しずつ魔力を貯めていった。
黒い魔力は相手のレベルに比例した。
魔王の力を手に入れる為には魔王を倒し身体を重ねる。
運の良い事にいまの魔王は女だった。
魔王の魔力に抵抗するだけの力を蓄え最後に魔王の魔力を手に入れる。
その後はこの世界を征服していくのも面白い。