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コルムの母親は、確かオレたちが7歳とか8歳とかそんな位に亡くなった。流行り病だった。
コルムは葬儀から一ヶ月ほど顔を見せに来なくなり、その後は来るたびにふとしたことですぐに泣くようになった。
それまでは礼儀正しい子息といった印象だったがすっかり泣き虫になっていて、事情を知るオレは全力で慰めた。
子供にとって母親の存在は絶対失くせないほど大きいものだから。
貴族なのに厨房に立ち、子供のおやつを手ずから作る、優しい人だった。オレもよく知っていたから、時にはコルムと一緒に泣いた。
そのしばらく後だ。
たまたま訪れたコルムの部屋のベッドで母様の姿絵を見つけたのは。
子供の手のひらに収まる小さなサイズのそれは、枕から少しだけ角をはみ出させていた。
その時は母親を恋しがっているんだなとしんみりしたが、その後もずっとそれを肌身はなさず持っているのを何度か目にし、母様を好きなんだと確信した。
そこに小さく描かれている抱っこされたオレが目的だと誰が思うっていうんだ。
余談だがオレの母は巷で“聖女様”といわれ慕われているが、もちろん本当に聖女様なわけではない。ただ、金髪に碧い瞳が伝説の聖女様と同じだというだけだ。
普通に勉強しろと厳しかったり、甘い物が好きだったり、ダイエットに励んだりしている、よくいる母だ。まぁ、顔は整っている方かもしれない。
さらに余談だが、オレの顔立ちは母似だ。だが、母のように金髪碧眼ではなく、茶髪に茶目。
そうなると、あらまぁ不思議。色が違うだけで平々凡々な容姿になるのだ。何故だ。
「オレは可愛い女の子が好きだ。あっ!」
ガブッと後ろから首に噛みつかれた。
「大丈夫、俺が何度でも教えてあげるから」
何を?ナニを?
暗い声に、ぞくっと背筋に悪寒が走った。
「女なんて目に入らないようにいっぱい気持ちよくしてあげる」
身の危険、再び。
コルムはオレの蹴りやパンチを軽々と躱したり押さえ込みながらも、オレの体のあちこちに手を這わせ舌を這わせ、吸い上げた。
「・・・っ、んあっ、あっ、あっ!」
やばい!
やけに甘い声を上げ始めた自分の口をガバっと両手で押さえた。
──オレ、感じてる。
股間にどんどん血が集まってくるのを感じる。
コルムの手は止まることなく動いているが乱暴なところは少しもなくて、それどころか、とても優しく触ってくる。まるで、大事な大事な宝物を真綿で包むように。
これは、なんていうか、ポイント高いんじゃないだろうか。
オレが彼女だったらの話だけど。
誰だって大事にされて嫌がる奴はいない。
──って。本当にヤバい。
絆されるな!しっかりしろ、オレ!
でも、今のオレの格好は下はすっぽんぽん、上はシャツを羽織っているだけの状態で、もう、防御力ゼロ。触られ放題だ。なんならシャツは両肩からも滑り落ち、両腕を何気に拘束している。
コルムは上半身裸だが下半身はまだズボンを穿いている。
そのままでいろと念じていたら、オレをまさぐりながら、ベルトを外す音がした。
「ちょっ、ちょ、コルム、待てって。えと、考えてみろ。無理矢理こんなことされて、そこから始まる関係なんてある?オレは多分、絶対に!一生強姦魔を許さない!コルムはオレに嫌われてもいいの?オレの心はいらないの?」
コルムの動きが止まった。
よし!どうだ!情に訴える作戦だ!
「俺は、ベイラが好きだ。ベイラにも俺を好きになって欲しい。恋人になりたい」
ぐあ。まっすぐな告白に照れる。
「ベイラの嫌がること、シナイ」
よしよし。だけど何でカタコト?
「ベイラがして欲しいことだけするよ」
「は?・・・やああぁっ!」
きゅ、と大事なところを握られ、そのまま上下に扱かれた。
「あっ、あっ、・・・っだ。やだっ。離、せっ」
「このままじゃ、ベイラのここ、かわいそうだから。大丈夫。ちゃんとイかせてあげるからね」
自分でするのとは全く違う感覚に一瞬頭が真っ白になった。
「して欲しくないっ。バカっ。オレのこと、好きって言ったのにいっ」
「好きだ」
「嘘だっ。す、好きならオレが止めてって言ったら止めてくれるはず!」
必死に言うが、オレのオレを扱きながら、舌でもオレを感じさせていく。
なにその余裕。
というか、めちゃくちゃ気持ちいい。もういっちゃいそう。
コルムの手の動きを追いかけるように腰が揺れた。
なのに。
「ベイラ、」
「・・・あ?」
名前を呼ばれ、荒い息のまま閉じてしまっていた目を開けた。
「俺の気持ちは迷惑かな?」
「え、・・・」
は?今?今する話なのか?
もうイク寸前だったのに。
さっきまで上下に動いていた手はオレの根元をきゅ、と締めて動かない。
「ベイラ、俺に触れられてこんなにしてるの、可愛いね」
「コ、コルム・・・」
ああ、我慢できない。
力の入らない手をオレ自身に伸ばしたが、コルムの手を軽く引っ掻くだけだった。
「ベイラ、」
「んあっ」
首もとを吸われただけなのに電流が走ったように体が仰け反った。
高まる射精感。
「ベイラ、ベイラ、俺のこと、少しは好き?」
オレは髪を強く掻きむしった。
今、話をする余裕はオレにはない。
スキとかそんなことより───。
コルムは葬儀から一ヶ月ほど顔を見せに来なくなり、その後は来るたびにふとしたことですぐに泣くようになった。
それまでは礼儀正しい子息といった印象だったがすっかり泣き虫になっていて、事情を知るオレは全力で慰めた。
子供にとって母親の存在は絶対失くせないほど大きいものだから。
貴族なのに厨房に立ち、子供のおやつを手ずから作る、優しい人だった。オレもよく知っていたから、時にはコルムと一緒に泣いた。
そのしばらく後だ。
たまたま訪れたコルムの部屋のベッドで母様の姿絵を見つけたのは。
子供の手のひらに収まる小さなサイズのそれは、枕から少しだけ角をはみ出させていた。
その時は母親を恋しがっているんだなとしんみりしたが、その後もずっとそれを肌身はなさず持っているのを何度か目にし、母様を好きなんだと確信した。
そこに小さく描かれている抱っこされたオレが目的だと誰が思うっていうんだ。
余談だがオレの母は巷で“聖女様”といわれ慕われているが、もちろん本当に聖女様なわけではない。ただ、金髪に碧い瞳が伝説の聖女様と同じだというだけだ。
普通に勉強しろと厳しかったり、甘い物が好きだったり、ダイエットに励んだりしている、よくいる母だ。まぁ、顔は整っている方かもしれない。
さらに余談だが、オレの顔立ちは母似だ。だが、母のように金髪碧眼ではなく、茶髪に茶目。
そうなると、あらまぁ不思議。色が違うだけで平々凡々な容姿になるのだ。何故だ。
「オレは可愛い女の子が好きだ。あっ!」
ガブッと後ろから首に噛みつかれた。
「大丈夫、俺が何度でも教えてあげるから」
何を?ナニを?
暗い声に、ぞくっと背筋に悪寒が走った。
「女なんて目に入らないようにいっぱい気持ちよくしてあげる」
身の危険、再び。
コルムはオレの蹴りやパンチを軽々と躱したり押さえ込みながらも、オレの体のあちこちに手を這わせ舌を這わせ、吸い上げた。
「・・・っ、んあっ、あっ、あっ!」
やばい!
やけに甘い声を上げ始めた自分の口をガバっと両手で押さえた。
──オレ、感じてる。
股間にどんどん血が集まってくるのを感じる。
コルムの手は止まることなく動いているが乱暴なところは少しもなくて、それどころか、とても優しく触ってくる。まるで、大事な大事な宝物を真綿で包むように。
これは、なんていうか、ポイント高いんじゃないだろうか。
オレが彼女だったらの話だけど。
誰だって大事にされて嫌がる奴はいない。
──って。本当にヤバい。
絆されるな!しっかりしろ、オレ!
でも、今のオレの格好は下はすっぽんぽん、上はシャツを羽織っているだけの状態で、もう、防御力ゼロ。触られ放題だ。なんならシャツは両肩からも滑り落ち、両腕を何気に拘束している。
コルムは上半身裸だが下半身はまだズボンを穿いている。
そのままでいろと念じていたら、オレをまさぐりながら、ベルトを外す音がした。
「ちょっ、ちょ、コルム、待てって。えと、考えてみろ。無理矢理こんなことされて、そこから始まる関係なんてある?オレは多分、絶対に!一生強姦魔を許さない!コルムはオレに嫌われてもいいの?オレの心はいらないの?」
コルムの動きが止まった。
よし!どうだ!情に訴える作戦だ!
「俺は、ベイラが好きだ。ベイラにも俺を好きになって欲しい。恋人になりたい」
ぐあ。まっすぐな告白に照れる。
「ベイラの嫌がること、シナイ」
よしよし。だけど何でカタコト?
「ベイラがして欲しいことだけするよ」
「は?・・・やああぁっ!」
きゅ、と大事なところを握られ、そのまま上下に扱かれた。
「あっ、あっ、・・・っだ。やだっ。離、せっ」
「このままじゃ、ベイラのここ、かわいそうだから。大丈夫。ちゃんとイかせてあげるからね」
自分でするのとは全く違う感覚に一瞬頭が真っ白になった。
「して欲しくないっ。バカっ。オレのこと、好きって言ったのにいっ」
「好きだ」
「嘘だっ。す、好きならオレが止めてって言ったら止めてくれるはず!」
必死に言うが、オレのオレを扱きながら、舌でもオレを感じさせていく。
なにその余裕。
というか、めちゃくちゃ気持ちいい。もういっちゃいそう。
コルムの手の動きを追いかけるように腰が揺れた。
なのに。
「ベイラ、」
「・・・あ?」
名前を呼ばれ、荒い息のまま閉じてしまっていた目を開けた。
「俺の気持ちは迷惑かな?」
「え、・・・」
は?今?今する話なのか?
もうイク寸前だったのに。
さっきまで上下に動いていた手はオレの根元をきゅ、と締めて動かない。
「ベイラ、俺に触れられてこんなにしてるの、可愛いね」
「コ、コルム・・・」
ああ、我慢できない。
力の入らない手をオレ自身に伸ばしたが、コルムの手を軽く引っ掻くだけだった。
「ベイラ、」
「んあっ」
首もとを吸われただけなのに電流が走ったように体が仰け反った。
高まる射精感。
「ベイラ、ベイラ、俺のこと、少しは好き?」
オレは髪を強く掻きむしった。
今、話をする余裕はオレにはない。
スキとかそんなことより───。
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