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そして誰もいなくなった? 9 (完)
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――数日後、魔法師団の活動は再開された。
吸い込まれた全ての団員がただの魔力切れで、すぐに元気になったからだ。
数日間飲まず食わずで閉じ込められていた団員も、多少衰弱していただけだった。
どうなってるんだ? あの「本体」の中は? 異空間だったとでもいうのだろうか。
ますます謎な「大型掃除魔道具事件」であった。
団員たちは、吸い込まれたあとのことをまるで覚えていなかった。
ただ、吸い込まれるまでの過程は皆似たり寄ったりだった。
みんな、べろべろに酔っぱらっていたのである。
王宮内の酒場、王都での夜遊び、飲んだ場所はさまざまだが、とにかく夜中、酔っぱらって王宮の廊下を歩いていたら、大型掃除魔道具に出くわして、訳も分からぬまま吸い込まれたらしい。
酔っぱらっているので、大型掃除魔道具の素早い出現に対応できなかった。
仕事中はそれなりにちゃんとしているが、夜、プライベートな時間は無防備な魔法師団であった……。
ちなみに、大型掃除魔道具は取り込んだ魔法師団団員の魔力で動いていたので、近づいてくれば、魔力持ちは魔力を感知できるはずである。
ただ、いくら感知できるとは言っても、別のことに気を取られていたり、近くに魔力持ちがいたりすると、どれが誰の魔力か分からないのである。
黒髪ヘアピン団員が被害に遭ったとき、大型掃除魔道具が近くにいたにもかかわらず、フェリクスが気がつかなかったのも、まわりが魔法師団団員たちの部屋だったからなのだ。
「――というわけで、今日から一か月、魔法師団は禁酒することになった」
とある日、団員を全員集めて、フェリクスはそう宣言した。
当然、団員たちからは大ブーイングだ。
「横暴だ!」
「国のために働いている俺たちのささやかな楽しみを奪うなんて」
「団長がそんな人だとは思わなかった」
「明日から生きていけない」
たった一か月の禁酒でオーバーな……。今回の事件はもとより、最近の魔法師団はたるみすぎだ。毎夜毎夜酔っぱらって、二日酔い。ここで軌道修正しなくては。
それにフェリクスは、心の中で、何となく思っていることがあった。
大型掃除魔道具が魔法師団団員を吸い込もうとしたのは、夜中、べろべろに酔っぱらった団員たちを「ゴミ」と判断したためではないだろうかと。
魔力を補充するために魔法師団を狙ったわけではなく、魔法師団の制服を着て、夜中に酔っぱらってふらついている=ゴミ
と、大型掃除魔道具が結論づけたとしたら?
フェリクスの考えはこうだ。
大型掃除魔道具には、意思が生まれていた。……非理論的だが、ミランによると、大型掃除魔道具は修理を重ねて、五十年くらい王宮の掃除に使っていたらしいから、その間に自我が生まれたと考える。
ルルンバに王宮掃除の仕事を奪われたが、大型掃除魔道具は掃除がしたかった。その思いから、魔力源コードに繋がなくても、動けるようになった。
そこに、べろべろに酔っぱらった魔法師団の団員が登場する。
あ、ゴミだ、ととっさに思って団員を吸い込む。魔力を得て、パワーアップ!
そしてそれをくり返す。昼はみんなの目があるから、主に夜中に……。
大型掃除魔道具は、エルドゥ王国に危機をもたらしたということで、あの後破棄されてしまった。
だからもう、本当のことは分からない。
ただ、フェリクスが出した答えがこれだった。
「団長、厳しすぎますよ、禁酒は二日にして下さい!」
団員たちがフェリクスに詰め寄る。
「二日じゃただの休肝日じゃないか」
フェリクスは呆れて言った。あんな目にあったのに立ち直りが早い団員たちである。あ、記憶が無いのか。
「フェリクス団長!」
「しょうがないな。禁酒じゃなくて、ちょっとなら飲んでもいいことにするよ。これからは、節度を守って飲むこと。二日酔いで仕事に支障をきたさないように!」
「やったー!」
今日も、エルドゥ王国は、平和である。
そして誰もいなくなった? 終わり。
※ 長い話のわりに無理矢理なんとか終わらせた感じになってしまいました(^^;
腑に落ちない点が色々とあると思いますが、ご容赦ください。
吸い込まれた全ての団員がただの魔力切れで、すぐに元気になったからだ。
数日間飲まず食わずで閉じ込められていた団員も、多少衰弱していただけだった。
どうなってるんだ? あの「本体」の中は? 異空間だったとでもいうのだろうか。
ますます謎な「大型掃除魔道具事件」であった。
団員たちは、吸い込まれたあとのことをまるで覚えていなかった。
ただ、吸い込まれるまでの過程は皆似たり寄ったりだった。
みんな、べろべろに酔っぱらっていたのである。
王宮内の酒場、王都での夜遊び、飲んだ場所はさまざまだが、とにかく夜中、酔っぱらって王宮の廊下を歩いていたら、大型掃除魔道具に出くわして、訳も分からぬまま吸い込まれたらしい。
酔っぱらっているので、大型掃除魔道具の素早い出現に対応できなかった。
仕事中はそれなりにちゃんとしているが、夜、プライベートな時間は無防備な魔法師団であった……。
ちなみに、大型掃除魔道具は取り込んだ魔法師団団員の魔力で動いていたので、近づいてくれば、魔力持ちは魔力を感知できるはずである。
ただ、いくら感知できるとは言っても、別のことに気を取られていたり、近くに魔力持ちがいたりすると、どれが誰の魔力か分からないのである。
黒髪ヘアピン団員が被害に遭ったとき、大型掃除魔道具が近くにいたにもかかわらず、フェリクスが気がつかなかったのも、まわりが魔法師団団員たちの部屋だったからなのだ。
「――というわけで、今日から一か月、魔法師団は禁酒することになった」
とある日、団員を全員集めて、フェリクスはそう宣言した。
当然、団員たちからは大ブーイングだ。
「横暴だ!」
「国のために働いている俺たちのささやかな楽しみを奪うなんて」
「団長がそんな人だとは思わなかった」
「明日から生きていけない」
たった一か月の禁酒でオーバーな……。今回の事件はもとより、最近の魔法師団はたるみすぎだ。毎夜毎夜酔っぱらって、二日酔い。ここで軌道修正しなくては。
それにフェリクスは、心の中で、何となく思っていることがあった。
大型掃除魔道具が魔法師団団員を吸い込もうとしたのは、夜中、べろべろに酔っぱらった団員たちを「ゴミ」と判断したためではないだろうかと。
魔力を補充するために魔法師団を狙ったわけではなく、魔法師団の制服を着て、夜中に酔っぱらってふらついている=ゴミ
と、大型掃除魔道具が結論づけたとしたら?
フェリクスの考えはこうだ。
大型掃除魔道具には、意思が生まれていた。……非理論的だが、ミランによると、大型掃除魔道具は修理を重ねて、五十年くらい王宮の掃除に使っていたらしいから、その間に自我が生まれたと考える。
ルルンバに王宮掃除の仕事を奪われたが、大型掃除魔道具は掃除がしたかった。その思いから、魔力源コードに繋がなくても、動けるようになった。
そこに、べろべろに酔っぱらった魔法師団の団員が登場する。
あ、ゴミだ、ととっさに思って団員を吸い込む。魔力を得て、パワーアップ!
そしてそれをくり返す。昼はみんなの目があるから、主に夜中に……。
大型掃除魔道具は、エルドゥ王国に危機をもたらしたということで、あの後破棄されてしまった。
だからもう、本当のことは分からない。
ただ、フェリクスが出した答えがこれだった。
「団長、厳しすぎますよ、禁酒は二日にして下さい!」
団員たちがフェリクスに詰め寄る。
「二日じゃただの休肝日じゃないか」
フェリクスは呆れて言った。あんな目にあったのに立ち直りが早い団員たちである。あ、記憶が無いのか。
「フェリクス団長!」
「しょうがないな。禁酒じゃなくて、ちょっとなら飲んでもいいことにするよ。これからは、節度を守って飲むこと。二日酔いで仕事に支障をきたさないように!」
「やったー!」
今日も、エルドゥ王国は、平和である。
そして誰もいなくなった? 終わり。
※ 長い話のわりに無理矢理なんとか終わらせた感じになってしまいました(^^;
腑に落ちない点が色々とあると思いますが、ご容赦ください。
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