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第2章 動きだした凶悪な者達
第16話 第3の試練…。
しおりを挟むドワーフ王国地下秘密魔法陣室にて…
ドワーフ王国の魔王召喚魔法陣を、単なる薄気味悪いイルミネーションに無害化改造に成功した、カザトはその部屋で書庫を発見していた。
実は[勇者達の記憶]によるとあるはずだとされていたが、探しても無かったモノがいくつかあったらしい。
その一つが、[第3の試練]だった。
[第4の試練]が、存在するのになぜ第3が無いのか?
前勇者達が、その当時の学者や神聖皇国の皇主に、それとなく聞いてもわからなかったらしい。
書庫から出てきた本に古代ゲース語で書かれた物があって、そこに暗号化されて書かれて有ったものに、[第3の試練]の事が書かれてあった。
《カザトの(鑑定◁◇■)スキルは、謎の文字なども、解読してくれます。》
そして、なぜ秘匿されたのか?
その謎につながる事も書かれてあった。
[天に連なるモノ]
無理矢理、日本語に翻訳するとこうなってしまった。
[連なる→接続]の意味で使われているみたいだ!
これは、行くしかないな!
しかし、この書に書かれたその場所が、ベイントス公国のさらに奥の奥深い所で、今は人すら住んでいるかわからない様な秘境だという。
その名も[バルガザード]
古代ゲース語で無理矢理日本語的なニュアンスに翻訳すると[修行の地]って意味らしい。
そして、聖剣の一振りが作られた所だと、書いてあった。
だから、ドワーフ王国に資料として、残っていたのか…。
しかし…
やはりこの書を残した理由が書いてあったが、第2世代管理者神フェイクの言うことが無茶苦茶過ぎて、不信をつのらせた結果、鍛冶を極めた聖王となった者が解読する聖書と言う触れ込みでこの書を残す事した、とか書いてあるな~。
なになに?
第2世代管理者神フェイクは、修行が大嫌いだから?
誰か代わりにやれって言い出した?
え?
そんなことできるの?
あ?書いてあるな…
(そんな、修行代行なんてできるわけないじゃないですか!)って返事した時の賢者(現地人)が、カミナリ落されて焼きミンチにされた?
マジか!
それから、 なんとか編み出した解決案別に、
弱い魔王を喚び出して、第2世代管理者神フェイクが討伐してレベルを上げてもらって、早く昇進してもらって別の管理者神に早く交代してもらう派と、
天界に登った、前管理者神πΗΖΝΔξ∩様に通報して、別の管理者神に替えてもらう派が出てきたのだが?
[通報派]であった、この本の作者は残されているであろう、通報手段のある可能性が高い[第7の試練]
(これも、勇者の記憶では、ロストナンバーの試練だとなっていた)
に通報派探検隊として10の部隊に分かれて向かったが、道中に第2世代管理者神フェイクの部下天使に襲われて、なんとか生き残った中の1人だという。
その後、いくつかの[第○の試練]が空間封印をされて行けなくなり、ドワーフであったこの作者も、いずれ、この事実が風化すると危機感を持ったので、この本を書いたらしい。
作者のダグドーには、子供ダグドスがいてその子に、この事件を伝えるように託したらしいが…
まぁ…その子孫のドワーフ前国王は、逃亡したからな~。
続きを読むか…。
サッサとパワーアップして[転勤してくれ]派は、[通報派]の虐殺された事を聞いて、考案した魔王ぶっ殺しレベリング作戦を提案したたら、フェイクの部下天使も喜んで奏上したらしい。
だが、自分が動いて修行したくなかった第2世代管理者神フェイクは、激怒した?
マジか…。
そして[転勤してくれ]派の前で、奏上した天使すら引き裂いて暴れた?
('A`)うわ~!
しかし[転勤してくれ]派が、神なら出来るだろうが人の能力範囲内だと、この提案規模が限界だと言うとフェイクは黙るしかなかった…
結局のところ…
異世界から勇者を無理矢理にでも連れてきて?
フェイクが、無理矢理にそいつらにスキルを付与して魔王を討伐させて、
元の世界に返すときに
(「帰す」ではない!勇者は、部下天使達の認識では物扱いだから「返す」と、注釈がわざわざあった!)
勇者達が得た、経験値や色々なモノを吸収して育った、無理矢理付与したスキルを強制回収して、勇者達には無報酬で(フェイクランドの事は夢だった)と催眠術をかけて、元の世界に放り出すという非道な計画を編み出したらしい。
(つまり、これまでの勇者召喚被害者は、地球では夢遊病記憶喪失者とかの扱いで、召喚された時の時間軸にすら戻れず、浦島太郎状態にされたのだ。)
そして、召喚した王家には勇者(笑)を泣き落としでもして、騙して戦わせてスキルを肥えさせる役割を課したみたいだな…
この日付って…
え~と、日本だと江戸時代くらいだな。
時間が同じように流れていたとしたらそうだよな。
ガス王都の勇者達の資料にも、初代犠牲者の勇者は丁髷(ちょんまげ・戦国~江戸時代の髪型)を、結っていたと書いてあった。
つまり…
この世界は…魔王ばっかり呼び込んで勇者という、生け贄を拉致して戦わせて…
戦争ばっかり、やってきたって事?
だから、文化レベルが地球の中世レベルなんだ!
それで異世界勇者から、現地の勇者達がいるだろうとか指摘されないように、[勇者][賢者][聖戦士]は、生まれないように、この世界の設定を改変した?
[聖女]は、ハニートラップ要員なので、[勇者]が生まれない代わりに誰でもなれるようにして、[聖者]は、時々生まれるようにして、この世界のネジ曲がった改変を一般人達に、バレないようにしただと?
全く!
ろくでもないシステムだな…!
あ~だから、あのキチガイブレーダー王女は、文字化けのオレを経験値集めに役に立たないと判断して、城から廃棄したのか!
あの生徒会長…
アレ?名前は…?
忘れた!
まぁいいか!
あいつら、勇者だって浮かれていたけど経験値集めの為に、こき使われる事になるのか?
まぁ…ブレーダー王女にデヘヘな状態だったから、何も言わないよ…
オレは捨てられたから知らん!
まぁ…大変だな…
アレ?と、言うことは…?
あ~!皇主が、時々(理由は言えないが、いつでも殺してくれ)なんて言っていたのは、この事なのか!
バラした途端、ステータスに表記されていない、何かの呪いが発動するのか?
そして、二代目国王のダグドスの手記も見つかった。
勇者達に対する、懺悔と謝りばかり書いてあった。
初代勇者達の旅に、同行したらしい。
その後、異世界から召喚された者に対するドワーフ王国の法律を,先代国王ダグドー(先程の本の作者)と共に、勇者パーティーの経験を踏まえて作ったみたいだな。
○暗殺及び暗殺計画の禁止とか…書いてあった。
○例え、王・女王であっても王・女王が希望すれば、異世界勇者との子供を作ることを合法とする…
マジか?
他、50項目以上あった。
これは、写本複製しよう!
初代の暗号本も、現代ドワーフ語に翻訳した本編と、機密部分を抜いた(省版)の2つを3部づつ作る。
秘密の地下室には、当時の地図もあった。
転写して、王の広間に行くと、やはり湧いていたか!隠れドワーフ前国王派!
だが…地下室で見つけた、この写本を見せると泣き出した!
どういう事?
みんな、真実は知っていたらしい。
だが、フェイクの天使が怖くて演技をしていたみたいだな。
こっそりと、地下の変な趣味の悪い飾り~なんて言って、魔王召喚魔法陣の破壊を示唆すると…
女王戴冠祝いの名の宴会となった!
そりゃあそうだな!
いつ魔王が来るかわからず、魔王の餌になるかもしれない運命に、ビクビクしないといけないなんてたまったもんじゃないよな!
ついで聞くと、今の[転勤してくれ]派の改変された作戦は、[魔王ホイホイ]って名前になっているらしい。
[第3の試練]に行く準備をしながら、新生ドワーフ王国の戦力立て直しに協力することになった。
今のドワーフ王国は、流石にひどかった。
前国王の戦う戦力だけを増強して、他は知らない!
なんて政策だったから、食料生産とかポーションとかの薬品とか、死ぬまで24時間戦場で戦えって方針は、いくらドワーフ達個人が強くても疲弊するだろうって、ツッコミを入れないといけない方針ばっかりだった。
しかも、鉱山採掘すら停止させて鍛冶場にムチを、入れてフル稼働させようとしていた。
いや…壊れた武具の打ち直しならできるけど、鉱石とか金属インゴットの供給がないと鍛冶場は動かないよ!
材料がないのだから!
全く!何を考えてこんなに滅茶苦茶な政策を打ち出したのか、さっぱりわからん!
とりあえず、8時間労働制を提案したりした。
治療院の開設をしたりかなり大変だったが、怪我とか治るとやはりドワーフは強い!
対ゴブリン戦線の立て直しが、たった2週間で出来てしまった。
土の大精霊のランドが、オレの側によく現れる事が広まると、ドワーフ達からの意見や質問とかは前から有ったが、人種の違いや反発からくる嫌味とか、ケンカを売るとかは全くなくなった。
ランドが、「旦那様~」なんて言うから、どうも[チームカザト]はドワーフ達の認識では、大精霊の御使の位置らしき所に位置づけられたみたいだと、トワイライト達が、言っていたな…
まぁ…ケンカするよりはいいか?
そして、怒涛の一ヶ月が過ぎていった。
ドワーフ王国は、元の国境までゴブリン帝国軍を追いやることに成功する。
冒険者ギルドや、商業ギルドも、政権がかわって手を組みやすい政策になったと判断されてから、ドワーフ王国に支所を再開設してくれた。
もう少しすれば、鍛冶ギルドを再開してドワーフ達の治療が完了すると、鍛冶師派遣を再開するということで、各ギルド共に合意出来たみたいだ。
冒険者ギルドの掲示板にはゴブリン討伐履歴が出るが、ドワーフ王国復興作戦が公布されてからの[チームカザト]の討伐履歴が、ゴブリンキングとかゴブリングレートキングとかかなり出ていたので、まぁ、ドワーフ王国も、大変だったと言う事でなんとか、ドワーフ王国の国交回復に承認してくれた王様達もいたみたいだな。
なんとか、一息つけるようになったトスカ女王戴冠式から、一ヶ月経ったその日に衝撃の客が現れる!
ガス貴族のラッド公爵であった!
な!
なんと!
ラッド公爵の頭の毛が半分討伐されていたのだ!
ピカ一!
ひ(笑)!
光ってる!
で、要件が…ドワーフ前国王だと思われる者と、前王太子(王位継承権がなくなったので皇太子とは、書かないらしい)らしきドワーフが、ガス王国国境のマトの街で決闘騒ぎを起こして今は、冒険者ギルドに勾留されているらしい。
決闘?
なんでも、マトの街の鍛冶場を占拠しようとして…
そう…
カザトの短い期間だったが手ほどきした鍛冶師達の仕事中に、闇討ちしようとして取り押さえられて、決闘戦を鍛冶師達に申し込み、はじめに、一番手として出た元ドワーフ国王側近の剣がカザトの教えたマグロ包丁によって、真っ二つになったのをはじめ、次々とドワーフ元国王側の剣が切られていき、元王太子の剣を商会会長の孫が打った剣が斬り!
そして、なんとドワーフ元国王の剣を、ラッド公爵の5男が打ったバスターソードが、斬ったらしい!
それを聞いて、ざわつくドワーフ大臣達!
トスカ女王によると、最近わかった事だがドワーフ元国王が今持っている剣は、ドワーフの宮廷鍛冶師が打った物でドワーフ元国王が打ったものではないが、A級の出来上がりらしいのだ!
鍛冶ができないと、国王になれない決まりがあるドワーフ王国。
トスカも、自分が打った剣を持っている。
戴冠式に、カザトが剣を持って魔鉄のデカ大きいインゴットを斬って、剣の出来を証明したほど鍛冶ができないと国王になれないのは、徹底的に順守される掟なのだが…。
元国王も、元王太子も、鍛冶場で剣を打っているフリをして実は、自ら剣を作っていなかった。
つまり、王位継承権すら無かったのだ!
そんな、ドワーフ元国王の身柄はかなり厄介な者になってしまっていた。
ラッド公爵は、説明を受けて無理矢理、ドワーフ元国王達を送還すれば彼らは処刑確定だと悟る。
その場で、会議と、なったが…処刑すると困るドワーフ貴族もいる。
騙されて、王に推薦した者達だ!
だが、かなり真面目な者達だったので王と共に処罰はしたくないのが、その場の皆の統一した意見だ。
カザトに、皆が顔を向ける。
カザトは、悩んだが…
キスカ王女に、ドワーフ王国の刑罰の種類を聞くと、鍛冶刑というものがあるらしい。
まぁ、問題が解決するまで鍛冶場で解決に必要な剣を打て!って刑罰なのだが…。
カザト
「国の体面もあるから後付になるけど、鍛冶が出来るようになってもらって、しばらく鍛冶ギルドの騒動のお詫びとして、マト街でドワーフらしく剣を打っているというのは?」
そう言うと、かなりのドワーフ貴族達がホッと、安心した顔をする。
そして、なんとドワーフ元国王を街の中で監視するの1人に、自分の5男を要請されたラッド公爵は喜んでいた。
その場で、ラッド公爵領との友好条約も締結する。
さて、試練がトスカに待っていた。
先程問題になった鍛冶だ!
国民に、公開された広場で剣を打つのだ!
前国王の時は、ゴブリン帝国軍対応の為に、貴族達の証言が担保になって国王就任を強行されたのだが、
トスカは、自ら公開鍛冶を希望した。
こればかりはキスカ王女が、決まりで補助には入れない。
キスカ王女の鍛冶レベルは今は、85である。
まぁ、出稼ぎ鍛冶をしていたから、かなり苦労をした分上がっている。
トスカの鍛冶レベルは35。この年にしてはかなり高い!
ドワーフ・カズンですら31だった。
キスカ王女が冷や汗をかいている。
仲がいい故に心配なのだろう。
だが、トスカは何故かカザトとのお楽しみの後、何かを悟ったとか言い出したのだ!
鍛冶が始まる。
見守り人以外は500メートル圏内には入れない。
トスカは、白い着物とよく似た衣装で現れた。
キスカ王女によると、服装は自由だが動き安いドワーフ鍛冶標準服を着るのが通例だ。
しかし、トスカはドワーフ流鍛冶の全ての前例を覆す。
まず、水を被り大精霊達に祈り出した。
祝詞をあげる。
内容は、我らを支えてくれる力を使う。
私を支えてくれる者達の力を借りる。
そして大精霊に、この混沌とした世界の難局を切り開く剣を打たせて欲しいと願う。
と言う内容だった。
そして、炉に魔力を、注いで火をつける。
インゴットは、ミスリルとアダマンタイト!
その時トワイライト達が気がついた。
やり方がカザトそっくりなのだと!
そしてパートナースキルが、稼働する気配がした。
カザトの鍛冶スキルが起動している。
見届人達が、騒ぎ出した。
本来、黙って見るのが通例だ。
見ると、3体の大精霊達と中位精霊達が、上空に集まっている。
その中にランドもいた。
いや…呼んだらしい…
トワイライト達が、仕方ないな~って顔になっていた。
キスカ王女は、パートナースキルにまだ慣れていないから戸惑っているが、祝詞通りに妹が剣を打っているので、やっと、通例を破る方式を取る妹の行動の訳がわかって、安心した顔になって見守っていた。
ドワーフ・カズン
「初代国王が、公開鍛冶をしたのだ時と同じだな…
カザトは、後見人としての鍛冶をすることになるぞ!
キスカ王女も、大丈夫ですか?」
キスカ王女
「私も、あれからかなり打ちましたから、腕はあがっているのですよ!
それにしても…
あのこ…
カザト様とあんなにシンクロするとは…私も、負けられません!」
カザト
「自分の、今できることを丹念に打ち込むしかないからなぁ、無理はだめだぞ!」
キスカ王女
「はい♪」
その会話を聞いていた、ドワーフ・カズンはその2週間後、片思いのドワーフ女性にプロポーズして受け入れられて結婚する。
さて、6時間後見事な剣を作ったトスカは、その場で大精霊達に膝をついて剣を掲げた姿で気絶していた。
後は、カザトが後見人の一人として、魔鉄のインゴットをその剣で斬りトスカは名実共に女王となる。
その後、キスカが鍛冶をして6時間後剣を作り、カザトが同じように魔鉄のインゴットをその剣で斬って、キスカが副女王として認定された。
普通なら、これで式典は終わりなのだがその後、カザトが地下で見つけたあの本の書いてある通り、ドワーフ・アックスと呼ばれる斧を打つ!
もし、もうこの形の斧が無かったら打ってくれ、と書いてあったので発見したカザトが打つ事になった。
6時間!
火の竜巻が炉からのぼり近づけば炭になるような危険な場で、金属を打つ音が響く。
目を覚ましたトスカも見守る中カザトは、ドワーフ・アックスを完成させて、ドワーフ王国公認のトスカとキスカの伴侶となる。
ドワーフ王国政権の立て直しが出来た次の日、トスカは女王業をするためドワーフ王国に残るが、時々キスカと交代する事になった。
[チームカザト]は、ベイントス公国からブラー王国に入り、別の街道を通過して封印された[第3の試練]に向かった。
その頃、ガス王都では物凄く妙な事が起こっていた。
応援ありがとうございます!
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