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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第25話 カザトはキノコを焼く。

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 パチパチパチパチ
 野営の焚き木の燃える音がする。 
 
カザト
「もっと焼くか。」
 
 アダマンタイトの串の先に小さなシイタケが串刺しになっており、カザトは焼いていた。

 焚き木の前には、2つの2トントラック並みの怪獣魔石がある。

 [動く触手ヒマワリ][デカいコカトリス]の怪獣魔石である。
 それはカザトが、眠りから覚めた時であった。



 ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

 地震か!?
 カザトは、嫌な振動で起こされた。
 まだまだ気分が悪い。
 異世界怪獣を倒して、レベルアップをしたのはいいが、レベルアップ酔いで倒れたと言ってもいいほどの体調不良でもあった。

カザト
「なんだよ!」
 もう、無茶苦茶不機嫌なカザト。
 ここは、ガス王都の地下に作ったシェルターだった事を思い出して、すぐに異常回復ポーションと、スタミナポーションを飲む。
 しかし、まだレベルアップ酔いが治まらない。
 強ミント風味の水も飲んでおく。

 少し、胃がスッキリしたカザトは、空間把握で外の世界をみたら、邪神イナゴ(王妃)と怪獣[動く触手ヒマワリ]の戦闘が、丁度真上で行われていた。
 
カザト
「く!シェルターが保たない。」
 すぐにシェルター内の家具などを、亜空間部屋に収納して緊急脱出ロに走る。

 ドカン!

 シェルターの屋根が崩落して邪神イナゴ(王妃)が落ちてきた。
 
カザト
「ロックシャンベリン スペシャル!」
 
 カザトは、両手を地面につけてありったけの魔力を流し込んで、土の中の鉱物などを土魔法と錬金術も併用して作り出す槍を無数に地面から生やした。

邪神イナゴ(王女)
「アガー!」

 槍で串刺になる邪神イナゴ(王女)は、全ての6つの顔や、手足など2000の槍で刺されて、シェルター跡の空間の中での動けなくなった。

カザト
「プロミネンス ウォール!」

 カザトは、すかさずプロミネンス ウォールを出して、シェルター跡を超高温の釜のように蒸し焼きにする。

邪神イナゴ(王女)
「う!(絶対零度)!」

 プロミネンス ウォールの灼熱のエリアに氷が発生した。

カザト
「なに!俺の絶対零度とは、かなりコンセプトが違うな。なんだ?あの力は?
 鑑定では、ちょ!超能力?!
 ハァ?超能力って生まれつきの魔力暴走じゃなかったのかよ!」

 カザトは、初めて本物の超能力を見た。
 このフェイク ランドである魔導書では超能力とは魔力暴走と遺伝子に刻まれた魔力適正などによって引き起こされるものであると、定義されていた。

 しかし、王女の使う超能力とはフェイクランドが出来る前の、超古代地球の王朝で定義された能力である。
 魔力を燃料として使うなら魔法であり、魔導術であるとすると、その定義だとフェイクランドでの超能力は、単なる魔力暴走である。

 つまり、仙気を使うなら仙術であり、理力を使うなら(フォース force)である。

 なら王女達、ネアンデルタール人とかよりもはるかに古い、超古代地球文明人達の使う超能力とは、何を燃料にしているのか?
 日本では、神通力とか言われている。
 神通力(超初級入門 人間界編)である。
 
 その超能力を使って、管理者神になる階段を上がる者も入れば、邪神や魔王になる者もいた。
 人それぞれであり、他の勧誘に耳を貸さずに己の道を探って、自分を探す魔神と呼ばれル者もいた。
 そう!
 なぜ、フェイク(フロンダーパ)が(仮)管理者神見習いになる時に、気に入らない姉妹達の魂を、自分の魂に縫い付けたのかというと、他の王女達は少しながら管理者神になるための資格があったからだ。
 それを、フェイク(フロンダーパ)に奪われたのに、すぐに再現して超能力[絶対零度]を発現すふ王女Gは、才能はあるが性格がクソなので、何度も落第しては人間を、やり直していた[別の意味で才能が無い]魂でもあった。

カザト
「超能力!本物の超能力とは、あんな力を使って発現するものなのか!」

 体調は最悪。
 機嫌も最悪。ゲロ吐きそう。
 だけど何かを閃いて、目を輝かせるカザト。

カザト
「まさか、あの力は…。
 今の身体の絶不調の元の…
 一部だったか…。
 異物ではなく、克服して使いこなせないといけない力なのか?
 やってみるか?
 力の使い方は、魔力と似ているな。
 あとは、この力で空間と、原子運動を固定することでマイナス273℃を作り出したか。

 やって、…へ、ヘックシュン!」

 チュッ…ドーーーン!

 空間を固定するどころか、体調不良から来るくしゃみで高速運動させた挙げ句、プロミネンス ウォールを展開していたのでその魔力の使い方と同じ方法で、周りの空間と存在そのものを振動させてしまったカザト。

邪神イナゴ(王女G)
「ウギャー!こ!これはパイロキネシスだと!
 こんな高威力のパイロキネシスなんて、ク!
 レジストファイヤー!」

 邪神イナゴの邪神気パワーをふんだんに使って、絶対零度の壁を作るのだが、すぐに破壊されてしまった邪神イナゴ(王女G達)。
 邪神イナゴの身体が65%炭化してしまった。
 急いで、転移して逃げ出す邪神イナゴ。

 カザトも疲労困憊で動けず、気配遮断で姿を隠すしかなかった。

 オエ~!
 カザトは、気分が悪くて吐くしかなかったのだが、そんな事を敵はまってくれない。
 70%炭化した、怪獣[動く触手ヒマワリ]が襲って来たので、なんとかガス王都の外に飛んで逃げるカザト。

 そして、さらにガス王都の外の平原で先程の強ミント水すら吐き出すカザト。
 気分は最悪だ。
 そこに追ってきたの怪獣[動く触手ヒマワリ]。
 フラフラのカザトに、触手が迫る!
 
 カザトは、かなり気分が悪くてついに盛大に吐く。
 その時、身体の中での暴れまわる先程の超能力に使われていたような力とか、混ぜこぜにして吐き出した。

カザト
「ウゲーー(ゲロファイヤー)」
 もう、火とか氷とか雷とか毒魔法とカオスになったブレス(ゲロ)である。

 それに対して、動く触手ヒマワリも種の有るところから何か光線を出すが、すぐにカザトのブレス(ゲロ)に巻き込まれて消し飛ばされ、怪獣[動く触手ヒマワリ]は、全身発火した。

 その時である。
 動く触手ヒマワリの腹辺りだろう部分から、怪獣[デカいコカトリス]が、ヒマワリの身体を突き破って出てきた。

カザト
「う~。クッ、次はコカトリスかよ。
 なんだ?あれ?」

 気分が悪くても、カザトはこの殺伐としすぎたフェイクランドに召喚されてから、観察すると言う癖があってコカトリスとの初戦闘の事は覚えていた。

 コカトリスの頭の上に、シイタケが生えている。
 シイタケだよな?
 なぜにシイタケ?
 カザトは、嫌に興味が湧いて観察眼で見ると…。

鑑定

 怪獣[デカい触手キノコ]の核(コア)
 形状 地球産のシイタケそっくりの形

 解説?
 普段は、元の異世界で樹の下に普通に生えているフリをしている[デカい触手キノコ]の心臓と頭脳と言うべきもの。
 まだ、このフェイクランドには適合していないので、フルパワーは出せず繁殖すら出来無い。
 なので、環境改変能力を持つ怪獣[動く触手ヒマワリ]の胃の内部が、椎(シイ)の木の組織と似ている為に、そこに寄生して隠れていたが、怪獣[動く触手ヒマワリ]が謎のブレスによって討伐されてしまったので、寄生先を[デカいコカトリス]に替えた。

 なお、怪獣[デカい触手キノコ]のコア・シイタケの胞子は既に、怪獣[デカいコカトリス]の表面に大量に根を下ろしており、それも焼かないと怪獣[デカい触手キノコ]は討伐出来ない。


 ハァ?
 火炙りにすると、確か胞子って傘を広げて飛ぶのだよな?
 今は、デカいコカトリスのみに寄生できないって事か。
 下手に胞子に触れる事が出来ない。
 どうするの?!
 詰んでない?

 シイタケめ!
 どうしてくれようか!

 なんて、ムカついてスッキリしない胃にスタミナポーションを注いで、カザトはなんとか現場を離脱しようとするが、コカトリスが執拗にカザトを攻撃してくる。

 コカトリスの石化ブレスが、乱射されて草原が石のモニュメントになっていく。
 
コカトリス
「ギュエー!」

 コカトリスの身体が光って放射される。
 全体攻撃の石化光線である。
 だが、カザトには対抗策があった。
 邪神ゴベール戦の時に、既に石化魔法陣は解析済みなのだ。
 
カザト
「ここだ!石化光線!」

 邪神ゴベールの使っていた技を出すが、コカトリスの体表面で弾かれる。
 イヤ、体表面のキノコのコアが出した胞子が石化光線を弾いたのだ。
 
鑑定 
胞子1型

 アンチマジックシールド(対魔力のみ)

 完全物理に対する防御力なし。

胞子2型

 アンチマテリアルシールド(強打物理攻撃のみ)

 完全魔法、及び弱物理攻撃には防御力なし。


 ハァ?
 二種類の胞子だと!
 
 カザトは、さらにムカつく。
 どうしようか?
 どう、このムカつくキノコを料理してくれようか!

 うん?
 料理か!
 そうだ!
 ラッド国王が、悪魔祓いをするとか言っていたから、その時にいる食用油っぽいモノを錬金術で合成してしまった失敗作が有ったな!

 ムカつく限りをぶつけるように、空間魔法でコカトリスを密閉空間に閉じ込めて、食用禁止の油モドキを注いで、強火力で揚げる。

 密閉空間であるので、空間魔法で油の沸点を調整出来る。
 だいたい、1500℃位にして揚げる。
 暴れまわるコカトリスに対して、不定形の空間に設定して衝撃を逃がす。
 まるで、シャボン玉の中にコカトリスが入れられて、油で揚げられている状態だ。

 少しずつだが、胞子が崩れてきて10時間後には胞子は、キノコ・コアでしか確認できなくなった。

 一気に火力をあげる。
 
コカトリス
「ギュエ~…。」

 ボン!

 コカトリスは、からあげにされてしまい、最後に怪獣魔石になった。

 そして、逃げようとするキノコ・コアをカザトがアダマンタイトの串で刺したのだ。

 しっかりと、油で揚げてはカザトの手から出るプロミネンスファイヤーで焼かれるキノコ・コア。

 かなり抵抗したが、デカい触手キノコのコア(キノコ・コア)からついに火がでて、燃え尽きた。

 ボン!

 同時に、デカい怪獣魔石が現れる。
 
カザト
「う~気分が悪い。」

 すぐに、地下にシェルターを作って眠りについたカザトだった。


 

怪獣一覧→只今の状況

 デカい触手キノコ→本体(コア)が、カザトにバレてしまう。→討伐済み(NEW)

 粘体の黒い巨人→瘴気怪獣ブラック・レイダーへ共鳴合体。未だに戦闘中

 デカいコカトリス→カザトによってから揚げにされる。→討伐済み(NEW)

 どう見てもデカいトカゲ→レイダーと未だに交戦中

 動く触手ヒマワリ→カザトによって討伐される。(NEW)

 デカすぎるヒヨコ→ガス王都暴走中?

 そらとぶデカい布?→討伐済み

 どう見ても、デーモン→王座に座っている。

 カメレオン?→討伐済み

 デカい西洋人形?→ガス国王を掌握(NEW)
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