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第二章 動き出す何か
第七話 純情を返せよ
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俺はお姉さんが逃げないように『拘束』で動けなくすると、タロに抑えてもらう。
「え? いや、何これ? ちょっと、待って!」
「待ちませんし、逃がしません。よくも……よくも、俺の……」
「あ~もう、悪かったわよ。お姉さんが悪かったわよ「……じゃない!」……え?」
「お前は『お姉さん』なんかじゃない! 『お兄さん』じゃないか!」
「あら!」
「「「え?」」」
俺に魅了を掛けたお姉さん、いやお兄さんが逃げられないように拘束してから、お兄さんであることをバラした訳だけど、一人だけ爺さんは驚いていなかった。知っていたんだろうけど俺を揶揄ったのは許せない。だから、鑑定したことを暴露してやる。
「爺さんは知っていたみたいだな」
「な、なんのことかな。ワシはそんなの「書斎の本棚の三段目」……小僧、お前なぜそれを!」
「さあね。それより俺の質問に答えてくれよ」
「だから、なんのことか「三段目の右から」……分かった、分かったから……」
「なら、さっさと言いなよ。俺は頭にきてんだ!」
「そんなに怒るなよ。ちょっとしたジョークじゃないか」
「三段目の右から二冊目だ!」
「あ~言うなよ!」
爺さんが座っていた壁の後ろが騒がしくなる。どうも俺達の様子を見ていた誰かが爺さんの秘密を知りたくて急いでいるんだろうな。
爺さんも観念したのか、何故知っていたのかを話し出す。爺さんが言うには、自身も魅了を掛けられて記憶を埋め込まれたようだが、ある日に支援している孤児院を訪れた時にそこの修道女に魅了が掛けられていることを告げられたが、いきなりそんなことを言われても信じることは出来なかった。だが、それが小さな綻びとなったのかシュリの存在を不思議に思い系図などを確認しいなかったことが分かると、直ぐに孤児院に赴き魅了を解除してもらった。しかし、今度は『何故』と疑問が残る。当主である自分に魅了を掛けたのなら、家を好き放題出来るハズなのに、今の時点では何もされた痕跡はない。ならば、目的はなんなのかを知りたくなり、今まで泳がしていたと話す。
なら、俺に紹介したのはどういうことかと聞けば、単に気に入るだろうとのお節介にすぎなかったようだ。
「じゃあ、爺さんはお兄さんだったことは知らなかったと、そう言うんだな?」
「ああ、そうだ。神に誓ってもいい」
『否定します』
俺は爺さんの言葉を聞いて、ニヤリと自分でも口角の端が持ち上がるのを感じた。
「なあ、爺さん。嘘はダメだよ」
「な、何が嘘だ! さっき、ちゃんと正直に話しただろ」
「うん、それはいい。そこまでは正直だったのに……お兄さんだったことまで知っていたんだよね?」
「だ、だから……それは……」
「父さん! これはなんですか!」
「あ、お前……それは!」
俺が爺さんを問い詰めていると食堂の扉が勢いよく開かれると、豪奢な貴族っぽい服を着た男性が現れ、その手には片手でやっと掴めるくらいに分厚い本らしき物を持ち、爺さんを『父さん』と呼び問い詰めている。
問い詰められた爺さんも慌てて立ち上がり、本を取り返そうと手を伸ばすが、男性の方が背が高いので本を高く掲げられてしまうと、どうしようも出来ないと爺さんも諦める。
男性が『父さん』と呼ぶってことは嫡男であり、さっき壁の後ろから観察していた人物なんだろうな。でも、そこまで声を荒げて問い詰めるのは少々ヤリ過ぎかなと思い、ここは割って入ることにした。
「すみませんが、そういうのは俺の後にしてもらえますか」
「……なんの権限があってそんなことを言うんだ! 私は父に言いた「だから、それは俺が先だと言ってるんです」……いや、待つことは出来ない。これは「だから、俺が先だと!」……わ、分かった」
いくら言っても俺の願いを聞き入れてくれないから少しだけ威圧してしまったじゃないか。俺は荒事は好きじゃ無いのに。
『否定します』
「えっと、どこまで……あ、そうだ。爺さんはお兄さんだったことは知っていた。これは認めるよね?」
「あ、ああ。認めよう」
「ん。じゃあ次、なんで俺に紹介したの?」
「それは……」
「それは? もう、嘘は通じないって分かっているよね」
「ああ、正直に言おう。イタズラ心があったことは認める」
「はい、有罪決定!」
「だが、それは半分で、後の半分はお前なら、コイツが何をしたかったのかを暴いてくれるんじゃないかとの期待もあった」
「えっと、それはどういうこと?」
爺さんは俺を揶揄う目的でこのお兄さんをけしかけたのは認めたけど、半分は違うと言い出した。
「さっき話しただろ。コイツはワシを操り好き放題出来たハズなのにそれをしなかった。ただ、この家に住み着き勝手気ままに過ごしているようにしか見えなかった。それにコイツに監視を付け探らせてみたが、何も出てこなかった。だから、もしかしたらと淡い期待を……」
「ふ~ん、そういう訳ね。その淡い想いを俺は踏み躙られて裏切られたんだけどね」
「あら? 今からでも遅くないわよ」
「ちょっと黙っててね」
「あ……うぐっ」
お兄さんに「一目惚れです」って告白したのが軽いトラウマになりかけているのに、これ以上の進展は人格が崩壊してしまいそうなのでお兄さんの口も『拘束』で塞ぐ。
「まあ、揶揄ったのは許せないけど、爺さんのやりたいことは分かったよ」
「おぉ、分かってくれるか!」
「でも、許してないからね。じゃあ、今からこの『夢魔』のお兄さんに聞いてみるから」
「「「え?」」」
「もう、何?」
「お前、今なんて言ったんだ?」
「何って『聞いてみる』って言ったけど?」
「違う! その前だ!」
「その前って『夢魔』って言ったけど?」
「ソレだ! って、そうじゃない! ソイツが『夢魔』だと言うのか!」
「だから、そうだって言ってんじゃん!」
「え? いや、何これ? ちょっと、待って!」
「待ちませんし、逃がしません。よくも……よくも、俺の……」
「あ~もう、悪かったわよ。お姉さんが悪かったわよ「……じゃない!」……え?」
「お前は『お姉さん』なんかじゃない! 『お兄さん』じゃないか!」
「あら!」
「「「え?」」」
俺に魅了を掛けたお姉さん、いやお兄さんが逃げられないように拘束してから、お兄さんであることをバラした訳だけど、一人だけ爺さんは驚いていなかった。知っていたんだろうけど俺を揶揄ったのは許せない。だから、鑑定したことを暴露してやる。
「爺さんは知っていたみたいだな」
「な、なんのことかな。ワシはそんなの「書斎の本棚の三段目」……小僧、お前なぜそれを!」
「さあね。それより俺の質問に答えてくれよ」
「だから、なんのことか「三段目の右から」……分かった、分かったから……」
「なら、さっさと言いなよ。俺は頭にきてんだ!」
「そんなに怒るなよ。ちょっとしたジョークじゃないか」
「三段目の右から二冊目だ!」
「あ~言うなよ!」
爺さんが座っていた壁の後ろが騒がしくなる。どうも俺達の様子を見ていた誰かが爺さんの秘密を知りたくて急いでいるんだろうな。
爺さんも観念したのか、何故知っていたのかを話し出す。爺さんが言うには、自身も魅了を掛けられて記憶を埋め込まれたようだが、ある日に支援している孤児院を訪れた時にそこの修道女に魅了が掛けられていることを告げられたが、いきなりそんなことを言われても信じることは出来なかった。だが、それが小さな綻びとなったのかシュリの存在を不思議に思い系図などを確認しいなかったことが分かると、直ぐに孤児院に赴き魅了を解除してもらった。しかし、今度は『何故』と疑問が残る。当主である自分に魅了を掛けたのなら、家を好き放題出来るハズなのに、今の時点では何もされた痕跡はない。ならば、目的はなんなのかを知りたくなり、今まで泳がしていたと話す。
なら、俺に紹介したのはどういうことかと聞けば、単に気に入るだろうとのお節介にすぎなかったようだ。
「じゃあ、爺さんはお兄さんだったことは知らなかったと、そう言うんだな?」
「ああ、そうだ。神に誓ってもいい」
『否定します』
俺は爺さんの言葉を聞いて、ニヤリと自分でも口角の端が持ち上がるのを感じた。
「なあ、爺さん。嘘はダメだよ」
「な、何が嘘だ! さっき、ちゃんと正直に話しただろ」
「うん、それはいい。そこまでは正直だったのに……お兄さんだったことまで知っていたんだよね?」
「だ、だから……それは……」
「父さん! これはなんですか!」
「あ、お前……それは!」
俺が爺さんを問い詰めていると食堂の扉が勢いよく開かれると、豪奢な貴族っぽい服を着た男性が現れ、その手には片手でやっと掴めるくらいに分厚い本らしき物を持ち、爺さんを『父さん』と呼び問い詰めている。
問い詰められた爺さんも慌てて立ち上がり、本を取り返そうと手を伸ばすが、男性の方が背が高いので本を高く掲げられてしまうと、どうしようも出来ないと爺さんも諦める。
男性が『父さん』と呼ぶってことは嫡男であり、さっき壁の後ろから観察していた人物なんだろうな。でも、そこまで声を荒げて問い詰めるのは少々ヤリ過ぎかなと思い、ここは割って入ることにした。
「すみませんが、そういうのは俺の後にしてもらえますか」
「……なんの権限があってそんなことを言うんだ! 私は父に言いた「だから、それは俺が先だと言ってるんです」……いや、待つことは出来ない。これは「だから、俺が先だと!」……わ、分かった」
いくら言っても俺の願いを聞き入れてくれないから少しだけ威圧してしまったじゃないか。俺は荒事は好きじゃ無いのに。
『否定します』
「えっと、どこまで……あ、そうだ。爺さんはお兄さんだったことは知っていた。これは認めるよね?」
「あ、ああ。認めよう」
「ん。じゃあ次、なんで俺に紹介したの?」
「それは……」
「それは? もう、嘘は通じないって分かっているよね」
「ああ、正直に言おう。イタズラ心があったことは認める」
「はい、有罪決定!」
「だが、それは半分で、後の半分はお前なら、コイツが何をしたかったのかを暴いてくれるんじゃないかとの期待もあった」
「えっと、それはどういうこと?」
爺さんは俺を揶揄う目的でこのお兄さんをけしかけたのは認めたけど、半分は違うと言い出した。
「さっき話しただろ。コイツはワシを操り好き放題出来たハズなのにそれをしなかった。ただ、この家に住み着き勝手気ままに過ごしているようにしか見えなかった。それにコイツに監視を付け探らせてみたが、何も出てこなかった。だから、もしかしたらと淡い期待を……」
「ふ~ん、そういう訳ね。その淡い想いを俺は踏み躙られて裏切られたんだけどね」
「あら? 今からでも遅くないわよ」
「ちょっと黙っててね」
「あ……うぐっ」
お兄さんに「一目惚れです」って告白したのが軽いトラウマになりかけているのに、これ以上の進展は人格が崩壊してしまいそうなのでお兄さんの口も『拘束』で塞ぐ。
「まあ、揶揄ったのは許せないけど、爺さんのやりたいことは分かったよ」
「おぉ、分かってくれるか!」
「でも、許してないからね。じゃあ、今からこの『夢魔』のお兄さんに聞いてみるから」
「「「え?」」」
「もう、何?」
「お前、今なんて言ったんだ?」
「何って『聞いてみる』って言ったけど?」
「違う! その前だ!」
「その前って『夢魔』って言ったけど?」
「ソレだ! って、そうじゃない! ソイツが『夢魔』だと言うのか!」
「だから、そうだって言ってんじゃん!」
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