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第2章 新天地を求めて
第17話 お金より大事なことなんです
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「戻りましたぁ~」
「お帰りなさ~い……って、早過ぎるんですけど? もしかして依頼失敗ですか?」
「あ~実はですね……と、言う訳なんですが、もしもし聞いてます?」
「……はっ! 申し訳ありません。ですが、一概には納得出来かねます」
「ん~困ったな……」
「どうした?」
「ギルマス!」
ゴブリンの巣を片っ端から片付けてケリーさんにその旨を報告していたのだが、どうも信じてもらえないようだ。
そしてどうしたものかと考えていたところにギルマスからどうしたと声を掛けられ、かくかくしかじかと話してみると「ちょっと顔貸せ」と奧の部屋へと連行される。
「で?」
「はい?」
「ホントのところはどうなんだ? お前がそんな突拍子もないウソをつくなんて思ってはいないが、話の全てを信じろと言われてもなぁ~」
「要は証拠を出せと?」
「ま、そういうことだ。あるんだろ?」
ギルマスの部屋に連行され、ソファに座るなり開口一番「証拠を見せろ」と言われる。
まあ、そういうだろうと思っていたので見せろと言うのなら、見せてやろうじゃないのとインベントリから、血が染み出ている袋を十数個ほどテーブルの上に載せる。
「おい、なんだよこの生臭いのは!」
「ギルマスのくせに知らないんですか? ゴブリンの討伐証明の左耳ですよ。これで依頼達成を認めてくれますよね」
「……まあ、ゴブリンの件はな。後で巣のあった場所を確認してからになるがな。だが、これでも魔物の集団暴走の証明には「じゃあ出しても?」……どういう意味だ?」
「ええと、ゴブリンジェネラルと、後はキングにクイーン、それにメイジも数体いたので……えっと、ここに出しても?」
「待て、待て待て! いい訳あるか!」
「じゃあ「着いて来い!」……分かりましたよ」
ギルマスに連れられて解体場らしき血生臭い場所へと連れて来られ、出せと言われたので全部いいのかと聞けばゴンと頭を小突かれ「そんな訳あるか! 一体ずつだ!」と言われ「何も殴らなくても」とブツブツと呟けば「あん?」と睨まれたので嘆息しつつ「では」とゴブリンメイジ数体を並べる。
「一体ずつだと言ったろ……だが、確かにコレはメイジだな」
「じゃ、記録は済みました?」
「ん? どういう意味だ? これは納品するんじゃないのか?」
「え? お金になるんですか?」
「まあな。それほど高くはないが「じゃ、いいです」……ん?」
「だから、それなら納品しません」
「待て、それはどういう意味だ?」
「どういうってセツのご飯にするので」
『ピピィ!』
「は?」
一体ずつと言われたが、ゴブリンメイジはそれほど大きくはなかったのでいいだろうとギルマスの言葉を無視してゴブリンメイジを解体場の床に十体ほど並べればギルマスの顔が一瞬だけ強ばるが俺の言っていたことがウソじゃないと分かったのか文句はなかった。
だが、俺がゴブリンメイジの納品を断ると不思議そうな顔をする。
確かに普通ならばギルドに納品し魔石込みの値段で買い取ってもらう以外に素材としての使い途はないのだから、拒否する俺の方がおかしいと思われるのはしょうがない。
でも、そんなゴブリンメイジでもセツの成長には役立つに違いないと確信めいたものがあったので、セツに取り込んでもいいよと言えば『ピィ!』と嬉しそうに鳴いたあとにその小さい身体をブワァっと広げ、床に並べていたゴブリンメイジの身体を覆い尽くすと直ぐに『シュワシュワ』という音と「あ、バカ!」とギルマスの声が聞こえてきた。
セツが吸収し終わると『ピゥ……』と満足そうに呟いたセツが元の大きさに戻り俺の右肩に登って来る。
「お前……」
「なんです?」
「なんですじゃないだろ! お前、ゴブリンメイジの魔石だぞ! それなのに……そんなスライムに……」
「何か問題でも? これもセツが成長する為に必要なことですから!」
ギルマスにそう胸を張って答えると呆れ気味に「……もういい! で、次は」と言う。
「えっと、じゃあゴブリンウォリア―を「待て!」……もうなんですか」
「先ずは一体だけだ」
「え~もう面倒なのに……ハァ~分かりましたよ。はい、どうぞ」
「ったく、最初っからそうやって素直に……ん?」
「どうしました?」
「イヤな、さっきのメイジもそうだが、傷が見当たらないんだが……」
「それは秘密でお願いします」
「それは俺にもか?」
「はい」
「分かった。ならば、聞くのは止めておこう。だが、いつか聞かせてくれよ」
「まあ、気が向いたらでよければ」
「おう、それでいい」
ギルマスはニヤリと笑い、ウォリアーの検分を済ませ間違いないとの判定結果を貰いそのままセツに渡し、他のウォリアーを一気に出しギルマスにイヤな顔をされたが、ウォリアーに違いないとのお墨付きを貰った後にはセツが美味しく戴きました。
「……で、他には」
「やっぱり、一体ずつですか?」
「当たり前だ! 早く出せ!」
「はいはい、じゃあどうぞっと……ほい!」
「早く済ませるから慌てるな。ったくよ……あれだけ食ってもまだ食うつもりかよ」
『ピピィ!』
ゴブリンジェネラルを解体場の床に出すとセツがその身体をニュ~ッと伸ばしギルマスの検分を待ち遠しいと思っている様で、そんなセツの様子にギルマスも嘆息しながら検分を始める。
「お帰りなさ~い……って、早過ぎるんですけど? もしかして依頼失敗ですか?」
「あ~実はですね……と、言う訳なんですが、もしもし聞いてます?」
「……はっ! 申し訳ありません。ですが、一概には納得出来かねます」
「ん~困ったな……」
「どうした?」
「ギルマス!」
ゴブリンの巣を片っ端から片付けてケリーさんにその旨を報告していたのだが、どうも信じてもらえないようだ。
そしてどうしたものかと考えていたところにギルマスからどうしたと声を掛けられ、かくかくしかじかと話してみると「ちょっと顔貸せ」と奧の部屋へと連行される。
「で?」
「はい?」
「ホントのところはどうなんだ? お前がそんな突拍子もないウソをつくなんて思ってはいないが、話の全てを信じろと言われてもなぁ~」
「要は証拠を出せと?」
「ま、そういうことだ。あるんだろ?」
ギルマスの部屋に連行され、ソファに座るなり開口一番「証拠を見せろ」と言われる。
まあ、そういうだろうと思っていたので見せろと言うのなら、見せてやろうじゃないのとインベントリから、血が染み出ている袋を十数個ほどテーブルの上に載せる。
「おい、なんだよこの生臭いのは!」
「ギルマスのくせに知らないんですか? ゴブリンの討伐証明の左耳ですよ。これで依頼達成を認めてくれますよね」
「……まあ、ゴブリンの件はな。後で巣のあった場所を確認してからになるがな。だが、これでも魔物の集団暴走の証明には「じゃあ出しても?」……どういう意味だ?」
「ええと、ゴブリンジェネラルと、後はキングにクイーン、それにメイジも数体いたので……えっと、ここに出しても?」
「待て、待て待て! いい訳あるか!」
「じゃあ「着いて来い!」……分かりましたよ」
ギルマスに連れられて解体場らしき血生臭い場所へと連れて来られ、出せと言われたので全部いいのかと聞けばゴンと頭を小突かれ「そんな訳あるか! 一体ずつだ!」と言われ「何も殴らなくても」とブツブツと呟けば「あん?」と睨まれたので嘆息しつつ「では」とゴブリンメイジ数体を並べる。
「一体ずつだと言ったろ……だが、確かにコレはメイジだな」
「じゃ、記録は済みました?」
「ん? どういう意味だ? これは納品するんじゃないのか?」
「え? お金になるんですか?」
「まあな。それほど高くはないが「じゃ、いいです」……ん?」
「だから、それなら納品しません」
「待て、それはどういう意味だ?」
「どういうってセツのご飯にするので」
『ピピィ!』
「は?」
一体ずつと言われたが、ゴブリンメイジはそれほど大きくはなかったのでいいだろうとギルマスの言葉を無視してゴブリンメイジを解体場の床に十体ほど並べればギルマスの顔が一瞬だけ強ばるが俺の言っていたことがウソじゃないと分かったのか文句はなかった。
だが、俺がゴブリンメイジの納品を断ると不思議そうな顔をする。
確かに普通ならばギルドに納品し魔石込みの値段で買い取ってもらう以外に素材としての使い途はないのだから、拒否する俺の方がおかしいと思われるのはしょうがない。
でも、そんなゴブリンメイジでもセツの成長には役立つに違いないと確信めいたものがあったので、セツに取り込んでもいいよと言えば『ピィ!』と嬉しそうに鳴いたあとにその小さい身体をブワァっと広げ、床に並べていたゴブリンメイジの身体を覆い尽くすと直ぐに『シュワシュワ』という音と「あ、バカ!」とギルマスの声が聞こえてきた。
セツが吸収し終わると『ピゥ……』と満足そうに呟いたセツが元の大きさに戻り俺の右肩に登って来る。
「お前……」
「なんです?」
「なんですじゃないだろ! お前、ゴブリンメイジの魔石だぞ! それなのに……そんなスライムに……」
「何か問題でも? これもセツが成長する為に必要なことですから!」
ギルマスにそう胸を張って答えると呆れ気味に「……もういい! で、次は」と言う。
「えっと、じゃあゴブリンウォリア―を「待て!」……もうなんですか」
「先ずは一体だけだ」
「え~もう面倒なのに……ハァ~分かりましたよ。はい、どうぞ」
「ったく、最初っからそうやって素直に……ん?」
「どうしました?」
「イヤな、さっきのメイジもそうだが、傷が見当たらないんだが……」
「それは秘密でお願いします」
「それは俺にもか?」
「はい」
「分かった。ならば、聞くのは止めておこう。だが、いつか聞かせてくれよ」
「まあ、気が向いたらでよければ」
「おう、それでいい」
ギルマスはニヤリと笑い、ウォリアーの検分を済ませ間違いないとの判定結果を貰いそのままセツに渡し、他のウォリアーを一気に出しギルマスにイヤな顔をされたが、ウォリアーに違いないとのお墨付きを貰った後にはセツが美味しく戴きました。
「……で、他には」
「やっぱり、一体ずつですか?」
「当たり前だ! 早く出せ!」
「はいはい、じゃあどうぞっと……ほい!」
「早く済ませるから慌てるな。ったくよ……あれだけ食ってもまだ食うつもりかよ」
『ピピィ!』
ゴブリンジェネラルを解体場の床に出すとセツがその身体をニュ~ッと伸ばしギルマスの検分を待ち遠しいと思っている様で、そんなセツの様子にギルマスも嘆息しながら検分を始める。
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