転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆久々の暴走でした

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衛兵の詰所に一緒に行って隊長さんが説明し、今から一緒に戻ろうと思ったが、その前にガンツさんに電話して、あいつらの様子を確認すると、まだ会議室で揉めているらしい。
なのでガンツさんに四階に衛兵と一緒にゲートを潜るから、その間に注意しといて欲しいことを伝える。
「ケイン君、そちらはいいのかな。」
「はい、ガンツさんに連絡して、会議室から出さないようにお願いしました。」
「では、お願い出来るか。」
「はい、じゃ繋げますね。」
漁協ビルの四階にと繋ぎ衛兵と一緒に潜る。
階段を使って会議室に戻るとまだアイツらが騒いでいた。

「だから、あのガキの言うことが信じられないって言ってんだろ!」
「そうだ、さっきからわかんない野郎だな。そんなんだから、あんなガキに騙されるんだ。」
「そうだ、そうだ!」
『はあ、意味のないやりとりをまだ続けていたんだ。残念な人達だな。』
会議室のドアを開け中に入ると、ティーダさん達が一斉にこちらを見る。
「ティーダさん、まだ居たんだね。もう諦めたのかと思ってたのに。だけど、お陰で助かったよ。入って来て下さい。お願いします。」
「ああ、分かった。ふむ、そこのお前とお前、それとお前だな。あ!そいつもだ。」
「な、何でここに衛兵がいるんだ!」
「辺鄙な漁村に紛れ込めば助かるって言ったじゃねえか!」
「嘘だ!俺がこんな所で捕まるなんて!」
「…チッくそ、ここで捕まるもんか!」
リーダーらしき男が逃げようとしたので足首に金属製の輪っかを装着する。
急に足首に輪っかが装着されれば、走れないし歩くこともままならない。
すぐに転ぶことになり、会議室の床に倒れ込む。
「グアッいてぇ何だこりゃ!何でこんなもんが!」
「そんな大声出すほど、気に入ってもらえました?」
「ガキ!テメェ何考えてやがる!外せ!今なら許してやるから、な?」
「何を許すって言うんですか?外すのは俺じゃなく、そこの衛兵さんに頼んで下さいね。」
「…へ?」
「ほら、お前で最後だ。こっちへ…ってそれじゃ歩けないな。よし担いでやるから暴れるなよ。ふふふ、いいざまだな。あんだけ逃げ回っていたので子供に捕まるなんてよ。ぷっははは、だめだ笑いが堪えきれん。ケイン君世話になった。じゃ、悪いが衛兵の詰所に繋いでもらえるかな。」
「はい、こちらこそ助かりました。」
ゲートを繋ぐと衛兵と手配されていた人達が連れて行かれた。

「ケイン、連れて行ってくれなかった私に説明してくれないか。」
「リーサさん、連れて行かなかったのはごめんね。急に思いついてね。それで説明だよね。ティーダさん、衛兵は何でアイツらを連れて行ったか分かる?」
「い、いや全く見当がつかない。」
「アイツらは手配されていた罪人みたいでね。ここで騒いでいた時に違和感があったから、ちょっとデューク様の所に行って顔を確認してもらったんだ。」
「おお、そういうことじゃったか、何か変な感じがしたと思ったがの。」
「辺鄙な漁村だから、隠れるのにはちょうどよかったみたいだね。」
「辺鄙か…」
「で、ティーダさんはまとめてくれたの?」
「いや、全くだ。すまん。」
「なら、あの人達の家族がいるのなら説明をお願いね。」
「ああ、それは分かってる。」
「じゃあ、もう今日は終わりで。説明とかは今日は無理だから、また後日ね。はい、解散!」
「なあ、ケイン。話は聞いてくれないのか。」
「え?話って、説明を聞いて欲しいのは俺なんだけど?」
「ああ、そうだったな。いやいい、悪かった。」
「とりあえず、漁についてはこっちでやるから。ティーダさん達は自分達で今後の身の振り方を考えてね。じゃあね。」
会議室から追い出し、ガンツさん、ガンボさん、リーサさん、アンジェさんといつものメンバーになってしまった。

「どうするんじゃ、ケインよ。」
「どうするも何もその気がない人には、どうしようも出来ないよ。それに漁の方法もこちらで説明した方法でやってもらう予定だったんだから、ここでやっていた方法に固執することもないし、誰かやってくれる人を探した方が早いかもね。」
「それもそうか。」
「それよりさ、誰か研究者に知り合いはいないの?」
「研究者?どうするんじゃ、そんなの。」
「養殖だよ、魚や貝、海老の養殖!いつでも魚が食べられるようになるくらいに養殖業を発展させたいの!」
「初めて聞くの。」
「えっ?畜産とか養鶏とかしてないの?」
「それはどっかでやっているらしいとは聞いておる。じゃが魚はさっぱりじゃ。」
「ワシも知らん。」
「私も知らない。だが、そう言うのに興味がある人と言うか種族は知っている。ケイン、私を頼るがよい。」
「本当!リーサさん、それって何て人?どんな種族なの?」
「ふふん、それは私らエルフだ。」
「え~」
「何だ?疑うのか。」
「それはないけど、何となく雰囲気と言うか…」
「信じられないか。だがな私達エルフは知っての通り長命だ。だから研究者としては都合がいいのさ。」
「ああ、なるほど。なら、リーサさんの故郷に行けば、誰かが来てくれるかもしれないってこと?」
「そうだな、そうなるな。」
「よし、行こう!リーサさんの故郷に。で、それはどの辺りなの?」
「そうだな、場所としてはドワーフの里より奥だな。馬車で森の近くまで行くのに二週間、さらに森の中を徒歩で一週間ってところだ。」
「うわ~遠いね。そんな所から出て来たんだ。」
「そうだな、私は若い時にシンディと一緒にここへ来たんだ。」
「ぷっ『若い時』か。くくく」
「ガンツ…」
「す、すまんな。」

「そんなに遠いんじゃ今からは無理か。じゃあ明日だね。ガンツさんは?」
「行く!もちろん行くとも。置いて行ったら拗ねるぞ!」
「はいはい、ガンボさんは?」
「ワシは遠慮しとこう。ティーダ達の様子も気になるしの。」
「そうか、手間かけさせるね。悪いけど頼んだよ。」
「おう、その辺は任せとけ。」

「それでリーサさんのご両親は健在なの?もし故郷にいるのならちゃんと挨拶しとかないとね。雇い主として。」
「挨拶…ケインが親に挨拶…『お父様、お母様、リーサさんを僕に下さい。』『やらん!リーサは嫁に何かやらん!』『お父様、リーサはケインと…』」
『スパーン』と久々にハリセンでリーサさんの暴走を止める。
「リーサさん、単なるご挨拶だから、ね。いい?一般的な挨拶だからね。」
「…分かった。」

「ふふふ、思い出しちゃった。そういえばガンツもあの時は…」
「ア、アンジェさん?何を思い出しちゃったのかな?」
「ふふふ、何かしらね~」
「アンジェよ。参考のために今度じっくり聞かせてもらえないか。」
「あら、今度何て言わないで今からでもいいわよ?」
「アンジェ!」
「あら、あの人が恥ずかしがっているから、また今度ね。そうだ!明日はまた長い間、空の旅よね、その時にじっくり聞かせてあげる。うふ」
「ああ楽しみだ。」
「諦めなよ、ガンツさん。」
「…何を話すんじゃ。アンジェよ~」
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