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連載
◆どこまでも有能でした
ガンツさんと昼食を簡単に済ませた後、セバス様に連絡を取りデューク様との面会をお願いする。
『三時頃にもう一度、ご連絡いただけますか?その頃には、旦那様もお仕事が落ち着き、ご休憩されている頃なので。申し訳ありませんがお願いします。』
「いえ、では三時頃にまたご連絡いたします。では。」
「何じゃダメだったのか。」
「そうみたい。」
「何じゃ、急に空いてしまったの。」
「ねえ、ガンツさん蒸留所はもう完成したの?」
「ああ、今頃はガンガン作っているはずじゃぞ。」
「醸造所はどうなの?」
「そっちもそろそろじゃな。」
「じゃあさ、樽ってどうしてるの?」
「それなんじゃがな。樽を作れる職人が見つからんとかでな。今、ドワーフの連絡網で探しているところじゃ。」
「何で、ドワーフだけなの?」
「そういや、何でじゃろ。この際、どんな奴でも構わんのに。」
「じゃあさ、シンディさんにも声掛けてみれば?」
「シンディ?確かリーサの友人じゃったか?」
「そう、じゃ行ってみようか。」
「そうじゃな、どうせ暇だしの。」
父さんの店を経由して、シンディさんの工房へと行ってみる。
「こんにちは~シンディさんいる?」
「お!リーサの旦那じゃねえか。今日はどうした?」
「まだ旦那じゃないんですけどね。今日はこっちのガンツさんの用事なんだけど。」
「ワシはガンツと言う。今日は職人を紹介してもらえないかと思って、ケインを頼ってここに来た。まずは話を聞いてもらえないだろうか。」
「ああ、いいよ。ケイン絡みなんだろ。」
「本当か?なら、誰か紹介出来そうなのはいるのか?」
「ああ、いるぞ。」
「なら、すぐに会わせてくれないか。色々話して詳細を詰めて早く仕事に入ってもらいたいんだが可能か?」
「まあ、そんなに慌てるなってじいさん。」
「『じいさん』じゃねえ!…あっすまん。ワシはガンツと言うたじゃろ。」
「ああ、悪いガンツさん。」
「それで慌てることはないって…まさか、お前が?」
「そのまさかさ。突っ掛けも落ち着いたし。ちょっと手すきになってきたんで、ちょうどいい。」
「いやいや、まだ何を作ってもらうかも話してないぞ。」
「そういや、そうだったな。で、何を作って欲しいんだ?」
「樽だ。酒樽を作って欲しい。」
「何だそんなことか。いいぞ、十でも二十でも作るぞ。」
「桁が違うんじゃ。」
「何だ数はそんなに必要ないのか。」
「逆じゃ。桁が二つほど違う。」
「桁が二つ?十の次が百で、その次が千…千!」
「まあ、いきなりその数が必要になる訳じゃないが、ず~っと樽を作ってもらうことになるかもしれん。まず一人じゃ無理じゃ。」
「そうだな、私もずっと同じ物を作るのは苦痛だ。まいったな~」
「ねえ、シンディさん、とりあえず職人さんは揃えられるかな?」
「まあ、月産どれくらい必要になるかだけどな。」
「そうじゃな、少なくとも三十は欲しいぞ。」
「そうか、ならまずは十人くらいは必要かもな。しかし集まるかな~」
「その中に樽職人はいるの?」
「樽を専門にしているのはいないな。」
「じゃあさ、専門にしてくれそうな人を育てるのはどうなの?」
「何を言ってるんだ?」
「だから、職人の人達皆んなで大勢の職人を育てるんだよ。」
「はぁ職人は師弟制度が当たり前なんだぞ。」
「でも、ガンツさんのところは違うよね。」
「そうじゃな、ワシのところでは師と言うより先輩が後輩の面倒を見ているな。ワシは統括と言うか、総合的な立場で面倒を見ているだけだしな。まあ聞かれれば答えるが。」
「ほら、実際やれているじゃない。」
「ぐっ、だが皆、気難しい連中だからな。ちゃんと教えることが出来るかどうか。」
「それはやってみなけりゃ分からないよね。中には職人になりたくてもなり方が分からなくて、別の仕事についている人がいたりするかもだし。とりあえずは、入口を広げるのはいいと思うんだけど。ダメかな。」
「う~ん、職人不足を補うにはいい案だけど時間が足りないし、そっちの依頼に応えられるかどうかも分からないぞ。」
「こっちもそっちが作る樽の出来を確かめんことには依頼は出来んぞ。」
「そうだな、じゃ三日もらえるか。その間に職人集めて、さっきの話をしてみるから。」
「分かった。ワシはそれでいい。ケインは?」
「俺?俺は何もないけど?」
「おいおい、何もないはないだろ。さっきの話はお前が発案したんじゃからな。」
「でも、実際に動くのは職人さん達でしょ。俺に出来るのはせいぜい場所を提供するくらいだよ。」
「ふむ。それもそうだな。じゃ何かあった時には相談に乗ってもらえるかな。」
「うん、それは構わないよ。前に渡した電話は持っている?」
「ああ、これだろ?たまにリーサと話すくらいにしか使っていないが。」
「じゃ、俺とガンツさんの番号を渡しとくから、何かあったら連絡してね。」
「分かった。」
「じゃ、またね。」
「頼んだぞ。」
「ああ。」
シンディさんの工房を出ると三時近くだったのでセバス様に連絡してみると、今からなら大丈夫と言うことなのでお屋敷に向かうことにする。
と、その時にちょうど空車のタクシーが通りかかったので停めて乗せてもらう。
「領主様のお屋敷までお願い。」
「はい、じゃ…って何だケインか。」
「はい、減点。俺達は今はお客様ですよ~」
「ぐっ、領主様のお屋敷ですね。では、出発します。」
「ケイン、あまり揶揄うと、また厄介なことにならないか。」
「まあ、その時はその時でしょ。」
しばらく走りお屋敷に着いたので降りるが、礼がないので「モニカさん、減点!ちゃんと『ありがとうございました。』って言わないと。」
「あ、ありがとうございました。意地悪なケイン様。」
「はい、減点!」
「もう、さっきから何なんだ。その減点ってのは!」
「そのまんまの意味だけど。」
「で、何点満点からの減点なんだ?」
「十点。」
「待って、じゃ今は…」
「七点だね。」
「…ねえもし、もしもだけど0点になったらどうなる?」
「そうだね、例えば…」
「…例えば?」
「今は特に何も考えてないけどね。」
「チッ何だよ。心配して損した。」
「あ!そんなこと言うんだ。じゃ、げ「待て!減点はしないでくれ。真面目にやるから。な!」…まあ、いいでしょ。じゃ、がんばってね。」
「あ、ああ頑張る…」
モニカさんが走り去った後にガンツさんに「お前はモニカに優しくないな。」と言われた。
「そう?十分に優しいと思うけど。」
「どこにその要素があるんじゃ?」
「だって、さっきみたいに言っとけば他のお客さんにも注意するようにはなるんじゃないの?ね、優しいでしょ。」
「むぅ~そういう言い方もあるか。」
「さあ、行くよ。」
門番の方に挨拶すると「お久しぶりですね。」と挨拶を返された。
確かに最近はちゃんと門を通っていなかったなと反省。
玄関を開く前にセバス様がドアを開けてくれた。
「ケイン様、案内しますのでこちらへ。」
「はい、お願いします。でも、こちらがノックする前にセバス様が出てくるとは。もしかして門と連絡する手段でも用意しました?」
「さすがですね。ええ、ケイン様の言う通りお屋敷内に内線電話なるものを敷設しましたので、一々門番が走ったりメイド達が走り回ることもなくなりました。」
「そうなんだ。いつもセバス様が気配を察知して先回りしていたからいらないと思っていたのに。」
「まあ、それはそうなんですけどね、誰もが出来るわけではありませんので。これはこれで私も助かっております。
「「(出来るんだ。)」」
『三時頃にもう一度、ご連絡いただけますか?その頃には、旦那様もお仕事が落ち着き、ご休憩されている頃なので。申し訳ありませんがお願いします。』
「いえ、では三時頃にまたご連絡いたします。では。」
「何じゃダメだったのか。」
「そうみたい。」
「何じゃ、急に空いてしまったの。」
「ねえ、ガンツさん蒸留所はもう完成したの?」
「ああ、今頃はガンガン作っているはずじゃぞ。」
「醸造所はどうなの?」
「そっちもそろそろじゃな。」
「じゃあさ、樽ってどうしてるの?」
「それなんじゃがな。樽を作れる職人が見つからんとかでな。今、ドワーフの連絡網で探しているところじゃ。」
「何で、ドワーフだけなの?」
「そういや、何でじゃろ。この際、どんな奴でも構わんのに。」
「じゃあさ、シンディさんにも声掛けてみれば?」
「シンディ?確かリーサの友人じゃったか?」
「そう、じゃ行ってみようか。」
「そうじゃな、どうせ暇だしの。」
父さんの店を経由して、シンディさんの工房へと行ってみる。
「こんにちは~シンディさんいる?」
「お!リーサの旦那じゃねえか。今日はどうした?」
「まだ旦那じゃないんですけどね。今日はこっちのガンツさんの用事なんだけど。」
「ワシはガンツと言う。今日は職人を紹介してもらえないかと思って、ケインを頼ってここに来た。まずは話を聞いてもらえないだろうか。」
「ああ、いいよ。ケイン絡みなんだろ。」
「本当か?なら、誰か紹介出来そうなのはいるのか?」
「ああ、いるぞ。」
「なら、すぐに会わせてくれないか。色々話して詳細を詰めて早く仕事に入ってもらいたいんだが可能か?」
「まあ、そんなに慌てるなってじいさん。」
「『じいさん』じゃねえ!…あっすまん。ワシはガンツと言うたじゃろ。」
「ああ、悪いガンツさん。」
「それで慌てることはないって…まさか、お前が?」
「そのまさかさ。突っ掛けも落ち着いたし。ちょっと手すきになってきたんで、ちょうどいい。」
「いやいや、まだ何を作ってもらうかも話してないぞ。」
「そういや、そうだったな。で、何を作って欲しいんだ?」
「樽だ。酒樽を作って欲しい。」
「何だそんなことか。いいぞ、十でも二十でも作るぞ。」
「桁が違うんじゃ。」
「何だ数はそんなに必要ないのか。」
「逆じゃ。桁が二つほど違う。」
「桁が二つ?十の次が百で、その次が千…千!」
「まあ、いきなりその数が必要になる訳じゃないが、ず~っと樽を作ってもらうことになるかもしれん。まず一人じゃ無理じゃ。」
「そうだな、私もずっと同じ物を作るのは苦痛だ。まいったな~」
「ねえ、シンディさん、とりあえず職人さんは揃えられるかな?」
「まあ、月産どれくらい必要になるかだけどな。」
「そうじゃな、少なくとも三十は欲しいぞ。」
「そうか、ならまずは十人くらいは必要かもな。しかし集まるかな~」
「その中に樽職人はいるの?」
「樽を専門にしているのはいないな。」
「じゃあさ、専門にしてくれそうな人を育てるのはどうなの?」
「何を言ってるんだ?」
「だから、職人の人達皆んなで大勢の職人を育てるんだよ。」
「はぁ職人は師弟制度が当たり前なんだぞ。」
「でも、ガンツさんのところは違うよね。」
「そうじゃな、ワシのところでは師と言うより先輩が後輩の面倒を見ているな。ワシは統括と言うか、総合的な立場で面倒を見ているだけだしな。まあ聞かれれば答えるが。」
「ほら、実際やれているじゃない。」
「ぐっ、だが皆、気難しい連中だからな。ちゃんと教えることが出来るかどうか。」
「それはやってみなけりゃ分からないよね。中には職人になりたくてもなり方が分からなくて、別の仕事についている人がいたりするかもだし。とりあえずは、入口を広げるのはいいと思うんだけど。ダメかな。」
「う~ん、職人不足を補うにはいい案だけど時間が足りないし、そっちの依頼に応えられるかどうかも分からないぞ。」
「こっちもそっちが作る樽の出来を確かめんことには依頼は出来んぞ。」
「そうだな、じゃ三日もらえるか。その間に職人集めて、さっきの話をしてみるから。」
「分かった。ワシはそれでいい。ケインは?」
「俺?俺は何もないけど?」
「おいおい、何もないはないだろ。さっきの話はお前が発案したんじゃからな。」
「でも、実際に動くのは職人さん達でしょ。俺に出来るのはせいぜい場所を提供するくらいだよ。」
「ふむ。それもそうだな。じゃ何かあった時には相談に乗ってもらえるかな。」
「うん、それは構わないよ。前に渡した電話は持っている?」
「ああ、これだろ?たまにリーサと話すくらいにしか使っていないが。」
「じゃ、俺とガンツさんの番号を渡しとくから、何かあったら連絡してね。」
「分かった。」
「じゃ、またね。」
「頼んだぞ。」
「ああ。」
シンディさんの工房を出ると三時近くだったのでセバス様に連絡してみると、今からなら大丈夫と言うことなのでお屋敷に向かうことにする。
と、その時にちょうど空車のタクシーが通りかかったので停めて乗せてもらう。
「領主様のお屋敷までお願い。」
「はい、じゃ…って何だケインか。」
「はい、減点。俺達は今はお客様ですよ~」
「ぐっ、領主様のお屋敷ですね。では、出発します。」
「ケイン、あまり揶揄うと、また厄介なことにならないか。」
「まあ、その時はその時でしょ。」
しばらく走りお屋敷に着いたので降りるが、礼がないので「モニカさん、減点!ちゃんと『ありがとうございました。』って言わないと。」
「あ、ありがとうございました。意地悪なケイン様。」
「はい、減点!」
「もう、さっきから何なんだ。その減点ってのは!」
「そのまんまの意味だけど。」
「で、何点満点からの減点なんだ?」
「十点。」
「待って、じゃ今は…」
「七点だね。」
「…ねえもし、もしもだけど0点になったらどうなる?」
「そうだね、例えば…」
「…例えば?」
「今は特に何も考えてないけどね。」
「チッ何だよ。心配して損した。」
「あ!そんなこと言うんだ。じゃ、げ「待て!減点はしないでくれ。真面目にやるから。な!」…まあ、いいでしょ。じゃ、がんばってね。」
「あ、ああ頑張る…」
モニカさんが走り去った後にガンツさんに「お前はモニカに優しくないな。」と言われた。
「そう?十分に優しいと思うけど。」
「どこにその要素があるんじゃ?」
「だって、さっきみたいに言っとけば他のお客さんにも注意するようにはなるんじゃないの?ね、優しいでしょ。」
「むぅ~そういう言い方もあるか。」
「さあ、行くよ。」
門番の方に挨拶すると「お久しぶりですね。」と挨拶を返された。
確かに最近はちゃんと門を通っていなかったなと反省。
玄関を開く前にセバス様がドアを開けてくれた。
「ケイン様、案内しますのでこちらへ。」
「はい、お願いします。でも、こちらがノックする前にセバス様が出てくるとは。もしかして門と連絡する手段でも用意しました?」
「さすがですね。ええ、ケイン様の言う通りお屋敷内に内線電話なるものを敷設しましたので、一々門番が走ったりメイド達が走り回ることもなくなりました。」
「そうなんだ。いつもセバス様が気配を察知して先回りしていたからいらないと思っていたのに。」
「まあ、それはそうなんですけどね、誰もが出来るわけではありませんので。これはこれで私も助かっております。
「「(出来るんだ。)」」
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。