転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆いっぱい褒められました

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上からガンツさんの怒鳴り声が聞こえて来たので、ボビーさんとガンツさんの部屋へと急ぎゲートを繋いで潜って行く。
「ガンツさん、どうしたの?って何、これ?」
「ケインか。どうしたもこうしたも見たまんまだ。どうやったら、ここまで散らかすことが出来るのかワシが聞きたいくらいだ。本当に情けない。」
「親父、どうやって散らかしたか知りたい?」
アルガンさんが頭頂部を摩りながら、嬉しそうにガンツさんに聞くが「このバカ!皮肉ってものを知らんのか!」と何回目かのゲンコツが振り下ろされるだけだった。

「とりあえず、この部屋をどうにかしないといけないんだよね。」
「ああ、すまんがケイン頼めるか。」
「いいよ、ちょっと待ってて。」と下に行きパレットを何枚か持って戻る。
「この上にアルガンさんの私物を載せて。小さいのは木箱に纏めてね。」
「ほれ、お前もするんじゃ!いつまでも頭を押さえとらんで手を動かせ!手を!」
「グスッはい。」
アルガンさん、ガンツさん、ボビーさんと俺の四人掛かりで何とか床が見えるようになった。
「じゃ、収納するね。」とサクッとゴミも何もかも纏められたパレットを収納する。
「ボビー、済まんが後の掃除は頼んでいいか?」
「待ってガンツさん、『クリーン』っと、これでいい?」
「ああ、済まんなケイン。じゃ、この部屋はボビーお前が今後使うといい。まあ、使うと言っても移設までかもしれんが、向こうには向こうでお前の部屋は用意しよう。」
「はい、ありがとうございます。」
「あ、俺の部屋はそのままにしといてもらえるとありがたいので、出来ればでいいんだけど。」
「ええ、ケイン君の部屋はゲートとかで使うのでしょうから、そのままにしておきますね。」
「ありがとうございます。じゃ、ガンツさん行こうか。」
「ああ、ほれお前もボビーに謝らんか!」
「何で俺が…」
「まだ、分からんか!このバカ息子!」
ガンツさんが拳を振り上げるとアルガンさんは「分かった、分かったよ。謝るから…グスッ」
「まだ、反省が足りんようじゃな。済まんがボビー、こいつからの謝罪はきっちりと反省して心からの謝罪が出来る様になるまで待ってもらえるか。」
「いいですよ、親方。確かに今の状態じゃ親方に無理矢理に謝罪させられた形だけのものになりますからね。工房の皆にもそういうことで納得してもらいますので。」
「重ね重ね済まんな。ほれ、行くぞ。」とエレベーターに向かうガンツさん。
「後はよろしくね。ボビーさん。」
「はい、いいですよ。だけど、ケイン君も大変ですね。」
「俺は結構、楽しんでるからね。その辺は大変と思わないから。」
「羨ましいですね。」
「そう、何なら入れ替わる?」
「あ、いえ。そんな気は全くないので。ありがたい申し出ですがお断りいたします。」
「単なる冗談なのに…そこまで抵抗されると傷つくな~」
「いえ、ケイン君の場合には無理を通すと言うか実現させてしまうかもしれないので、下手なことは言えないってのが私の本音です。『まさかのケイン』ですし。」
「う~ん、当たらずとも遠からずってとこだね。ってか、それはやめてね。」
「やっぱり…」
「まあ、いいや。じゃバイクと移設の件、よろしくお願いしますね。」
「はい、賜りました。」
ボビーさんとの挨拶を済ませ、エレベーターに向かうと「遅い!」とガンツさんに文句を言われるが構わずに乗り込み、ドアを閉じると一階に下りる。

工房を出て、アルガンさんを車に乗せると俺達も乗り込みアズマ村へと向かう。

車中で遅くなり過ぎた昼食を取りながら、街道を進む。
「しかし、アズマ村からも連絡がないとなるとシンディの件もあるから、何となくイヤな予感しかしないの~」
「でも、アズマ村の人達だから、それはないと思うんだけどね。」
「じゃが、まともそうな木工職人が揃ってダメだったじゃろ。」
「それは…まあ、今は考えないでおこうか。とりあえずは会ってみないと何も言えないし。」
「そうじゃの。とりあえず、色々時間を取られたし気持ち急ぐか。」
「そうだね。じゃあ最高速チャレンジもしてみる?ちょうど目の前には誰もいないし。」
「おう!それはいいな。じゃ、シートベルトもちゃんと閉めとけよ。ふふふ、激ってくるな。準備はいいか?」
「いつでもいいよ。」
「じゃあ行くぞ!」とアクセルを蒸すが悲しいかな、防音の魔道具のせいで静かなままなので今一つ盛り上がりに欠ける。
「防音はやり過ぎじゃったかな。まあええわ、このままGOじゃ!」
車内は静かでも急加速で背中はシートに貼り付けられる。
「加速感はええの。」
「ふぅやっと慣れて来た。加速がヤバいね。でも気持ちいいかも。」
「なら、このまま飛ばして行くぞ!」
「行っちゃえ~」
「…お、親父、気持ち悪い…うぷっ」
「「わぁ~忘れてた~」」
「アルガン、ここでは止めろ!」
ガンツさんが急ブレーキで車を止め、アルガンさんを文字通り車外へと放り出す。
「何すんだ!親父!うっ…*#$%&(自主規制)」

道端でうずくまり、すっかり胃の中をきれいにしたアルガンさんに水を差し出し「ゆすいだ方がいいですよ。」と言うと、水を引ったくる様に取ると、その場で水を口に含みグジュグジュペッと何回か繰り返し「ふ~」と嘆息した後に「ありがとう」と礼を言われる。

ガンツさんがアルガンさんに「情けないの~」と声を掛けるがアルガンさんはガンツさんを睨みつけると文句を言う。
「初めて、これに乗ったんだぞ。しかもガタガタ揺れるし。逆に何で親父達は平気なんだよ。おかしいだろうが!」
ガンツさんと目を合わせ、互いに首を傾げると「「慣れ?」」と口から出る。
「まだ親父といちゃつくか!さっきは親父から弁当を受け取って食ってたし。まさか…本当にお袋から乗り換えるんじゃ?世の中には色んな性癖持ちがいるとは聞くが、まさか自分の親父が…」
ガンツさんと再び目を合わせると二人して嘆息しガンツさんはそのまま蹲っているアルガンさんに近付くと、『ゴン』とゲンコツを振り下ろす。
「アルガン!いい加減にせんか!」
「だって親父が…」
「『だって』じゃない!何でワシがアンジェを捨てるような真似をせにゃいかん。ったく。」
「だって、実際に何年も放ったらかしにしてたじゃないか!」
「だから、それは…ああ、もうええ!さっさと車に乗れ!ケインも乗ってくれ。今は急ごう。」
「そうだね、とっとと行こうか。」
「アルガン、無理ならいいぞ。」
「『いい』って何?まさか、ここに置いていくって言うのか、親父?」
「いや、またゲロで騒ぐのもイヤだし、のぉケイン。」
「うん、あの酸っぱい匂いはイヤだしね。」
「何気に辛口だねケイン君。」
「ええ、そうかな~」
「いやいや、褒めてないからね。」
「そう?最近、やたらと褒められるから間違いじゃないと思ったんだけどな~」
「それ、多分褒められてないからね。」
「そんなことはいいから、乗るのか?乗るなら、ゲロするなよ。したら放り出すからな。」
「親父、俺より車の方が大事かよ。」
「当たり前じゃ。お前と違って出来たばかりじゃ。言うなれば生まれたばかりじゃ。可愛がって何が悪い!」
「親父…グスッ」
「(ねえ、ガンツさん。アルガンさんていくつなの?)」
「(確か二九じゃな。)」
「(それって問題じゃない?)」
「(言うてくれるな。確かに甘やかしたのは認めるがの。)」
「は~アルガンさん、ちょっと酔い止めの御呪いを掛けさせてもらいますね。」
「何?ちょっと…何する…ん…だ…グゥ」
「これでよし。」と寝かせたアルガンさんを浮かせて後部座席に放り込む。
「ガンツさん、行こうか。」
「お前、いくら俺の子とは言え、もう少し丁寧に…」
「いいじゃん。大人しくなったし、車に酔う心配もなくなったんだし。ほら、急いで行こうよ。」
「ふう、お前は本当にいい性格しとるの。」
「もう俺を褒めるのは後でいいから、はい進む。」
「いや、褒めとらんからの!」
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