転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

文字の大きさ
162 / 468
連載

◆説明出来ませんでした

しおりを挟む
ガンツさんに褒められ少しだけくすぐったい思いをしたが、しばらく走ってようやくアズマ村に着いた。
門番の人に声を掛けると「また、前とは違う奇妙な物に乗って来たな~村長なら家いると思うから、行ってみろ。」と言われたので、軽く礼を言って門を潜り村長の家の前に着くと、車から下りる。

「ガンツさん、邪魔になりそうだから仕舞っといてよ。」
「おう、そうじゃな…ってアイツがいたな。ケイン、済まんが下ろしてもらえるか?」
「あれ?まだ起きてないの。もう、しょうがないな~」
車の下で少しだけ浮遊しドアを開けるとアルガンさんを浮かせて、車外へと下ろす。
「出したよ~」
「済まんな。『収納』よし、こっちはいいぞ。」
「俺はいいけどさ、コレはどうするの?」
「ああ、コレか。しばらくはその辺の邪魔にならない所で寝かせとけ。」
アルガンさんを木の根元に座らせるようにして、放置する。

「あんた達、そんな所に寝かしちゃダメだよ。邪魔になるから、どっか連れてっておくれ。」
「はい、すみません。すぐにどかしますね。」
村の女性に言われては言うことを聞くしかないので、そのまま浮かせてダルクさんの家に向かう。

玄関扉を軽くノックし「ダルクさん、いますか~」と声を掛けると、しばらくして家の中から「はいよ~」と返事が返される。
「いるみたいだね。じゃ入らせてもらおうか。」
「じゃな。」
家の中に入り、「ダルクさん~いますか~ケインとガンツが来ましたよ~」と声を掛けると家の奥からダルクさんが出てきた。
「お~これはしばらくぶりだな。今日はどうした?…ん?その浮いているのは何だ?」
「ああ、コレか。コレはワシの息子だ。寝ているだけだから気にせんといてくれ。」
「気にするなと言うが…まあ、いつものことか。それで、用は何だ?」
「『何だ?』って、まあいいけど。用って言うのは、あれから全然連絡らしい連絡がないから、どうなったのか気になったのが一つ。こちらで樽を作っているのであれば、それを見せて欲しいのが一つ。ってとこでだね。ガンツさんは何かある?」
「そうだな、もし酒を作っているのであれば、買わせて欲しいな。」
「ふむ、竜人達の元には何人か送っているから、もう少ししたら何らかの連絡はあるかと思うがな。言われるとワシも気になるな。で、樽だな。樽は確かにこの村でも作ってはいるが、数はないぞ。まあ、見るだけでもいいなら、後で職人の所に案内させよう。それと酒じゃな。酒は米から作った物だが、それは大丈夫か?エールとは違って、多少酒精が強いぞ。」
「ドランさん達からの連絡もないってことか。じゃあ、その辺は俺達と一緒に行って確認するとして。樽に関しては案内をお願いしますね。後、お酒ですが、どれくらい買えます?」
「ケイン、ワシの分が優先じゃぞ。」
「焦らんでも酒は十分にある。そんなに気になるなら、酒の方から案内しようかの。ちょっと蔵まで着いてきてくれるか。」
「いいぞ。じゃ、ワシ達は外で待っているからの。」
「ああ、準備したら、すぐに行くから。」

まだ寝ているアルガンさんを浮かせたまま、家の外に出る。
すると「なあ、兄ちゃん。それって、どこでもらえる?」と村の子供が聞いてくる。
「コレのこと?」とアルガンさんを指差すと「そう!それ!」と力強く応える。
「なあ、どこでもらえるんだ?」
「どこでって…ガンツさん、何見て笑っているの!いいの?このまま渡しちゃうよ?」
「ま、待て悪かったって。頼むから、ワシの息子を渡すなよ。なあ、坊主。コレはオモチャじゃなくて、ワシの息子なんじゃ。諦めてくれるか?」
「息子?でも動かないじゃん!人形じゃないの。」
「ケイン、お前が眠らせたんじゃから、お前が起こせよ。」
「分かったよ。もう本当に手が掛かる人だな。」
指に電気を纏わせると、そのままアルガンさんの脇腹にそっと触れる。
「ぎゃっ!」と軽く悲鳴を上げ、アルガンさんの目が覚める。
「な、何なんだ?え、親父…あれ、俺は何で浮いてんだ?」
「目が覚めましたね?じゃ、下ろしますよ。」と浮遊させていた魔法を解除する。
するとアルガンさんを浮かせていた魔法が解除されるので、当然アルガンさんは落ちて「アイタッ。何で急に下ろすんだよ。」と文句を言われる。
「ちゃんと『目が覚めた?』って確認したよ。」
「だからって…」
「あ~もう、うるさい!まだ目が覚めてないのなら、ワシが…はぁ」
ガンツさんが拳に息を吹きかけ振り上げようとすると「覚めた!今、ハッキリと目が覚めました。だから、その手を引っ込めて!」とアルガンさんがガンツさんに懇願する。
「なら、早く立て!もう少しでお前はこの子に人形としてお持ち帰りされるところだったんじゃぞ。」
「え、何?その『お持ち帰り』って。」
「そのまんまの意味じゃ。済まんな坊主。」
「…本当に生きてたんだね。それによく見ると、あまり格好良くないし邪魔になるだけだったからいらないや。」
走り去る子供を見ながらアルガンさんが愚痴る。
「街道にいたはずなのに知らない内に、どこかの村に寝かされたまま、連れてこられて。目が覚めたと思ったら浮いてて。で、そのまま落とされて、知らない子供には軽くディスられる。なあ、俺が何したって言うんだよ。」
「「………」」
「親父、ケイン君、何で何も説明してくれないんだ!」
「ガンツさんが説明しなよ。息子でしょ?」
「ケイン、お前がしろ!眠らせたのはお前じゃ!」
「でも、あのまま載せていたら、車内はスッパイ物で汚されていたよ?それとも街道に放置が正解だったとでも?」
「そうは言うとらん。車内が汚されることがなかったのは感謝しとるが…でも、寝かせたのはお前じゃろ。」
「また、そこに話を戻すんだ。じゃあ、いいよ説明してあげるよ。」
「おお、話せば分かるじゃないか進歩したな。」
「何か勘違いしているみたいだけど、俺が説明するのはアルガンさんでもガンツさんでもないよ。」
「お、お前…まさかな。まさかアンジェに言うとか言わないよな?な、違うと言うてくれ。な、ほら!アルガンも何しとる!アンジェに知られるとお前も何をされるか分からんぞ。ほら!」
「ちょ、ちょっと待てよ!親父。俺はただ、ここまでの状況を説明して欲しいだけなんだぞ。何でお袋が出てくるんだよ。おかしいだろうが!しかもこんな子供に怯えて。」
「バカ!お前は…お前はアンジェとケインが組んだ場合の怖さを知らんから…ほら、見ろ!あの楽しそうな顔を。もうダメじゃ、アンジェに筒抜けになってしまう。こうなれば証拠隠滅じゃな。アルガン、すまんな。ワシが悪かった。不出来な親父で申し訳なかった。文句は向こうに行った時に聞くから、お前はワシが来るのを向こうで待っていてくれ。」
「ちょ、ちょっと待てって!何で目が座っているのさ。何でただ説明して欲しいって話がそこまで大きくなってるの。なあ、ケイン君、君からも何か言って親父を止めてくれよ。な、何だよその笑顔は…怖いぞ。子供がしていい笑顔じゃないぞ。なあ、親父…お、お袋?」
「何じゃアンジェの幻でも見たか。何、苦しくないようにしてあげるから、ほらワシに身を委ねなさい。ほれ…」とアルガンさんに近付こうとしているガンツさんの後頭部に『スパ~ン』と気持ちいい音がする。
「誰じゃ!ったく証拠を早く隠さないといけないってのに…アンジェ?何でここに…」
振り返りアンジェを見て、また正面に視線を戻すとケインが腹を抱えて苦しそうに笑っていた。
「ケイン、お前いつの間に…」
「ガンツ!」
「はい!その前に私に何か言うことはないの?何、息子を手に掛けようとしてるんですか。全く単純思考にも程があるわ。」
「じゃが、ケインが何もかもアンジェにバラすって言うから、その前に証拠を何とかしようと思って…」と言い切る前に『スパ~ン』とハリセンが振られる。
ガンツさんが頭を押さえ蹲ると「全く、だからって息子を手に掛けますか。それほど私が怖いって言うの?毎晩、あれだけ甘えといて。」とアンジェさんがサラッと重大なことを口にする。
「バ、バカ、アンジェよ、ここでそんなことは…」
「何でですか?息子達が甘ったれになったのは、ガンツがいつまでも私に甘えてくるからでしょう?」
「う、うう今までのワシの威厳が…」
「そんなにすぐに無くなるような小さい威厳なら捨てておしまいなさい。」
「はい。」

そこに家から出てきたダルクさんが「私は準備出来たが、ケイン達はいいのかい?」と聞かれたので「じゃ、ガンツさん。後の説明はお願いね。アンジェさん、一緒に行きましょうか。」とアンジェさんを誘うと「あら私がお邪魔しても?いいわご一緒します。」と、酒蔵へと向かう。

そんな上機嫌に酒蔵へと向かうアンジェさんとケインをただ見送るだけのガンツさんとアルガンさん。
「なあ、親父よ。ちゃんと説明してもらえるんだよな。」
「…うまく説明出来るか自信がない。」
「なら、ケイン君にお願いするしかないけど。そうすると、お袋からも何かあるんだろうな~」
「それだけは…な、頼むから。」
「なら、出来るだけ丁寧に話してもらえるか?」
「分かった。じゃあ、お前が気を失った辺りから話すぞ。」
「ああ、そうしてくれ。」
「あれはな、ケインがお前に…」
しおりを挟む
感想 254

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。