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◆確認が取れました
デューク様の入学に向けての挨拶、港の事業に対する確認、カイドー村に対する根回しとか諸々を確認出来たので、ゲートをガンボさんのいるであろう校長室に繋ぐ。
「ガンボさん、デューク様は午後からが都合がいいってさ」
「……ケイン」
「あ!」
「だから、待てと言うたじゃろ。済まんなガンボ」
「まあ、いい。なら、領主の挨拶に合わせて入学式は昼からにするか。用件はそれだけか?」
「うん、それだけ。ガンボさんの方はなにかある?」
ガンボさんが少しモジモジしながら俺に言う。
「今日は、あれはないのか?」
「あれ?」
「あれじゃよ。サクッとした中に白いフワッとしたのを挟んだあれじゃよ」
「ああ、シュークリームね。もしかして……欲しいの?」
「だめか? 出来ればオードリーにも食べさせたいんじゃが。ダメか?」
「ああ、そういうこと。いいよ、はい! でも、冷やしとかないと悪くなっちゃうから、食べさせたいのなら急いだ方がいいよ」
「そ、そうか。カーティス、メアリーすまん」
ガンボさんが、二人に頭を下げるとシュークリームを乗せた皿を持ったまま、急いで出て行こうとするので慌てて止める。
「ケイン、止めるな! オードリーに食べさせてあげたいんじゃ。離してくれ!」
「ガンボさん、俺がゲートを作れることを忘れていない?」
「あ!」
ガンボさんが落ち着き、さっきまでの慌てっぷりを思い出し俯き恥ずかしそうにしているのを横目に見ながら、ガンボさんの家の前にゲートを繋ぐとガンボさんに繋いだよと教える。
ガンボさんが俺の言葉にガバッと立ち上がるとすまんとだけ言い残して、ゲートを潜って行く。
「なんかガンボさんがあんなに慌てるのを初めて、見た気がする」
「ああ、ワシもだ。しかし、そんなに食べさせたかったのかの」
「ガンツさんはアンジェさんにはあげないの?」
「まだ、ろくに口も聞いてくれん」
「あらま!」
「じゃあ、子犬はいいかもね」
「じゃろ? ワシもそう思ってな」
「それは後でマサオのところに戻ってからね。で、カーティスさん。リディアさんはどうなりました?」
「いや、それがな……」
「まだ、行ってないの」
「それは困りましたね。ねえ、リディアさんってお菓子とかに興味あったりします?」
カーティスさんに手土産に持たせようと意見を聞いてみる。
「お菓子ですか。そうですね、恥ずかしながら前はそれほど裕福でもなかったので、あまり買えませんでしたが確かにお菓子は好きだと思います」
「そうなんですね。じゃ、少し補充してから手土産として用意しますので、それを持っていって説得してもらえますか?」
「分かりました。お願いします」
「ふふふ、いいですよ。お菓子が嫌いな女性は聞いたことないですもんね」
そう言いながら、テーブルの上にシュークリームと焼き菓子を数種類皿の上に出す。
「じゃ、ここに置いて行くんで後はお好きにどうぞ」
「「はい!」」
ゲートを繋ぐ前にヨサックさんに連絡を取ると家にいると言うので、直接家の中へゲートを繋いで潜る。
「こんにちは。入学希望はどうなりました?」
「ああ、集まった。それに移住希望者もな」
ヨサックさんに記入済みの紙束を渡される。
「入学希望者の中で、移住希望でない人はいますか?」
「それが……」
「なにかありました?」
「いや、入学希望者の家族は全員が移住希望だ」
「そうなんですね。なら別のことで困りごとでも?」
「ああ、実は……」
ヨサックさんが言うには、ここカイドー村には乳牛だけでなく、鶏卵などの養鶏家に養豚家も自分達も移住したいと言い出したとのこと。
「なんだ、そんなことですか」
「そんなことって、ケイン君。いくら君でも、この村のほぼ全世帯になるんだぞ。無理な話だと思って断ったんだけどな」
ヨサックさんの話になんで断るんだと思うが、この八歳の姿じゃしょうがないと諦める。
「ヨサックさん、改めてその人達にまだ移住したいかを確認してもらえますか?」
「ああ、いいけど。でも、そうなると、この村は村長だけになってしまうが、それはどうする?」
「なら、一部はこっちでも引き続き世話することにすればいいんじゃないですか」
「でも、どうやってって、あれか!」
「そうです。こことドラゴニュータウン専用の転移ゲートを設けるんでいつでも行き来出来るようにしますから」
「それはいいな。じゃ、俺は皆に話して来る!」
ヨサックさんが慌てて出て行こうとするのを止めて、牛乳を仕入れたいと話す。
「ああ、牛乳か。好きなだけ持って行けと言いたいけど、それじゃダメなんだろ?」
「ええ、タダほど怖いものはありませんからね」
「分かったよ。なら、しっかりと払ってもらおうか」
「はい」
ヨサックさんから、牛乳を仕入れ、他にも売りたいのがいるからと案内してもらい、思ったよりも多くの牛乳を手に入れることが出来た。
「じゃ、ヨサックさんは村長の説得と、他の希望者の話を聞いといてね。じゃ、よろしく!」
「お、おう」
今度は王都の倉庫へとゲートを繋ぎ、ガンツさんと一緒に潜る。
「で、今度はどこに行くんだ?」
「シュークリームの在庫が無くなったから、作ってもらいに行こうかと思って」
「そうか。それは大事だな」
ガンツさんもシュークリームが気に入ったのか、特に文句も言わずに店へと向かう。
ゴーシュさんの店まで後少しと言うところで、行列にならんいる人達に気付く。
「なんだろ、これ? すごい人だねガンツさん」
「そうじゃな。前はこんなことはなかったと思うが」
「あれ、ケイン様!」
行列のそばを通った時に、何処かから声を掛けられる。
「ん?」
「ケイン様、こっちです!」
声のする方を見るとデューク様のお屋敷でよく見かけるメイドさんだった。
「え~と、確かジュディさんでしたよね。どうして、こんな所に?」
「どうしてって、セバス様に言われてお使いの為に並んでるんですよ」
「へ~セバス様が。で、この行列ってなんなんですか?」
「知らないんですか? 最近、評判のお店なんですよ。なんでも新作のお菓子が美味しいって」
「「まさか……」」
「ゴーシュって言う熊みたいな店主なんですけどね。私も一度食べてから、もう病みつきで」
「ありがとう、ジュディさん」
ジュディにお礼を言うと、ゴーシュさんのお店に急ぐ。
お店に辿り着くとジュディの言うように行列はゴーシュの店へと続いており、どう見ても正面からは行けそうにないと思い、裏口へと回る。
裏口のドアをコンコンとノックすると、中から少しやつれた奥さんが出てくる。
「あら、ケイン君。どうしました?」
「どうしましたはこっちのセリフですよ。どうしたんですか? 表の行列もすごいことになってますよ」
「そうなのよ。あのシュークリームとバターを使った商品を売り出してから、すごいのよ。なにかいい方法はないの?」
「なら、一度材料が切れたとか言って、お店を閉めてください。そうでもしないと話も出来ないでしょ」
「ええ、そうね。分かったわ。ちょっと、ゴーシュにも言ってお店を閉めてくるわ」
店の裏口で立ったままのガンツさんと顔を見合わせる。
「ねえ、これも俺のせいになるのかな?」
「なんとも言えんな。まあ、今はこの店の行列をどうするかだな」
「だよね。奥さんもやつれてたしね」
「ケイン君、お待たせ。お店もなんとか閉めることが出来たわ。ゴーシュもやっと休憩出来てね。本当に助かったわ」
「いえ。で、ゴーシュさんは?」
「今、工房の奥で休憩中よ」
「そうですか。中に入って話せますか?」
「いいわよ。入って」
工房へと入ると疲れた顔のゴーシュさんが椅子に座って背もたれに全体重をかけている。
「ゴーシュさん、話せます?」
「ケインか、すまなかったな。後、アドバイス助かった。ありがとうな」
「いえ、それはいいですけど、売り方を考えた方がいいですよ。個数限定とか予約販売とか」
「そうか。そういう売り方もあるか。いいな、使わせてもらおう。後な、生クリームがもうないんだけど、あるか?」
「え~俺もシュークリームが欲しかったのに!」
「ケイン、お前仕入れたばかりだろう?」
「そうか、ならここで作れるようにしちゃえばいいんだ。でも、この広さだと、ちょっとね」
「ああ、そうだな。それも問題か」
「あ! ねえ、ゴーシュさん。ちょっと相談なんだけどいいかな?」
「相談? 金のこと以外なら乗れるが?」
「お金じゃないんですよ。少しだけ拡張しませんか?」
「「拡張?」」
「ええ、拡張です。生クリームとか作る機械がこの工房だと置けないんですよ。だから、工房だけ別の場所に移設して、ここにはそこで出来た物を運んできて、ここで売ることになりますが。どうです?」
「そんなこと、本当に出来るのか?」
「そうよね」
「疑り深いな~」
「ケインよ。これが普通の反応だぞ」
「え~」
「ガンボさん、デューク様は午後からが都合がいいってさ」
「……ケイン」
「あ!」
「だから、待てと言うたじゃろ。済まんなガンボ」
「まあ、いい。なら、領主の挨拶に合わせて入学式は昼からにするか。用件はそれだけか?」
「うん、それだけ。ガンボさんの方はなにかある?」
ガンボさんが少しモジモジしながら俺に言う。
「今日は、あれはないのか?」
「あれ?」
「あれじゃよ。サクッとした中に白いフワッとしたのを挟んだあれじゃよ」
「ああ、シュークリームね。もしかして……欲しいの?」
「だめか? 出来ればオードリーにも食べさせたいんじゃが。ダメか?」
「ああ、そういうこと。いいよ、はい! でも、冷やしとかないと悪くなっちゃうから、食べさせたいのなら急いだ方がいいよ」
「そ、そうか。カーティス、メアリーすまん」
ガンボさんが、二人に頭を下げるとシュークリームを乗せた皿を持ったまま、急いで出て行こうとするので慌てて止める。
「ケイン、止めるな! オードリーに食べさせてあげたいんじゃ。離してくれ!」
「ガンボさん、俺がゲートを作れることを忘れていない?」
「あ!」
ガンボさんが落ち着き、さっきまでの慌てっぷりを思い出し俯き恥ずかしそうにしているのを横目に見ながら、ガンボさんの家の前にゲートを繋ぐとガンボさんに繋いだよと教える。
ガンボさんが俺の言葉にガバッと立ち上がるとすまんとだけ言い残して、ゲートを潜って行く。
「なんかガンボさんがあんなに慌てるのを初めて、見た気がする」
「ああ、ワシもだ。しかし、そんなに食べさせたかったのかの」
「ガンツさんはアンジェさんにはあげないの?」
「まだ、ろくに口も聞いてくれん」
「あらま!」
「じゃあ、子犬はいいかもね」
「じゃろ? ワシもそう思ってな」
「それは後でマサオのところに戻ってからね。で、カーティスさん。リディアさんはどうなりました?」
「いや、それがな……」
「まだ、行ってないの」
「それは困りましたね。ねえ、リディアさんってお菓子とかに興味あったりします?」
カーティスさんに手土産に持たせようと意見を聞いてみる。
「お菓子ですか。そうですね、恥ずかしながら前はそれほど裕福でもなかったので、あまり買えませんでしたが確かにお菓子は好きだと思います」
「そうなんですね。じゃ、少し補充してから手土産として用意しますので、それを持っていって説得してもらえますか?」
「分かりました。お願いします」
「ふふふ、いいですよ。お菓子が嫌いな女性は聞いたことないですもんね」
そう言いながら、テーブルの上にシュークリームと焼き菓子を数種類皿の上に出す。
「じゃ、ここに置いて行くんで後はお好きにどうぞ」
「「はい!」」
ゲートを繋ぐ前にヨサックさんに連絡を取ると家にいると言うので、直接家の中へゲートを繋いで潜る。
「こんにちは。入学希望はどうなりました?」
「ああ、集まった。それに移住希望者もな」
ヨサックさんに記入済みの紙束を渡される。
「入学希望者の中で、移住希望でない人はいますか?」
「それが……」
「なにかありました?」
「いや、入学希望者の家族は全員が移住希望だ」
「そうなんですね。なら別のことで困りごとでも?」
「ああ、実は……」
ヨサックさんが言うには、ここカイドー村には乳牛だけでなく、鶏卵などの養鶏家に養豚家も自分達も移住したいと言い出したとのこと。
「なんだ、そんなことですか」
「そんなことって、ケイン君。いくら君でも、この村のほぼ全世帯になるんだぞ。無理な話だと思って断ったんだけどな」
ヨサックさんの話になんで断るんだと思うが、この八歳の姿じゃしょうがないと諦める。
「ヨサックさん、改めてその人達にまだ移住したいかを確認してもらえますか?」
「ああ、いいけど。でも、そうなると、この村は村長だけになってしまうが、それはどうする?」
「なら、一部はこっちでも引き続き世話することにすればいいんじゃないですか」
「でも、どうやってって、あれか!」
「そうです。こことドラゴニュータウン専用の転移ゲートを設けるんでいつでも行き来出来るようにしますから」
「それはいいな。じゃ、俺は皆に話して来る!」
ヨサックさんが慌てて出て行こうとするのを止めて、牛乳を仕入れたいと話す。
「ああ、牛乳か。好きなだけ持って行けと言いたいけど、それじゃダメなんだろ?」
「ええ、タダほど怖いものはありませんからね」
「分かったよ。なら、しっかりと払ってもらおうか」
「はい」
ヨサックさんから、牛乳を仕入れ、他にも売りたいのがいるからと案内してもらい、思ったよりも多くの牛乳を手に入れることが出来た。
「じゃ、ヨサックさんは村長の説得と、他の希望者の話を聞いといてね。じゃ、よろしく!」
「お、おう」
今度は王都の倉庫へとゲートを繋ぎ、ガンツさんと一緒に潜る。
「で、今度はどこに行くんだ?」
「シュークリームの在庫が無くなったから、作ってもらいに行こうかと思って」
「そうか。それは大事だな」
ガンツさんもシュークリームが気に入ったのか、特に文句も言わずに店へと向かう。
ゴーシュさんの店まで後少しと言うところで、行列にならんいる人達に気付く。
「なんだろ、これ? すごい人だねガンツさん」
「そうじゃな。前はこんなことはなかったと思うが」
「あれ、ケイン様!」
行列のそばを通った時に、何処かから声を掛けられる。
「ん?」
「ケイン様、こっちです!」
声のする方を見るとデューク様のお屋敷でよく見かけるメイドさんだった。
「え~と、確かジュディさんでしたよね。どうして、こんな所に?」
「どうしてって、セバス様に言われてお使いの為に並んでるんですよ」
「へ~セバス様が。で、この行列ってなんなんですか?」
「知らないんですか? 最近、評判のお店なんですよ。なんでも新作のお菓子が美味しいって」
「「まさか……」」
「ゴーシュって言う熊みたいな店主なんですけどね。私も一度食べてから、もう病みつきで」
「ありがとう、ジュディさん」
ジュディにお礼を言うと、ゴーシュさんのお店に急ぐ。
お店に辿り着くとジュディの言うように行列はゴーシュの店へと続いており、どう見ても正面からは行けそうにないと思い、裏口へと回る。
裏口のドアをコンコンとノックすると、中から少しやつれた奥さんが出てくる。
「あら、ケイン君。どうしました?」
「どうしましたはこっちのセリフですよ。どうしたんですか? 表の行列もすごいことになってますよ」
「そうなのよ。あのシュークリームとバターを使った商品を売り出してから、すごいのよ。なにかいい方法はないの?」
「なら、一度材料が切れたとか言って、お店を閉めてください。そうでもしないと話も出来ないでしょ」
「ええ、そうね。分かったわ。ちょっと、ゴーシュにも言ってお店を閉めてくるわ」
店の裏口で立ったままのガンツさんと顔を見合わせる。
「ねえ、これも俺のせいになるのかな?」
「なんとも言えんな。まあ、今はこの店の行列をどうするかだな」
「だよね。奥さんもやつれてたしね」
「ケイン君、お待たせ。お店もなんとか閉めることが出来たわ。ゴーシュもやっと休憩出来てね。本当に助かったわ」
「いえ。で、ゴーシュさんは?」
「今、工房の奥で休憩中よ」
「そうですか。中に入って話せますか?」
「いいわよ。入って」
工房へと入ると疲れた顔のゴーシュさんが椅子に座って背もたれに全体重をかけている。
「ゴーシュさん、話せます?」
「ケインか、すまなかったな。後、アドバイス助かった。ありがとうな」
「いえ、それはいいですけど、売り方を考えた方がいいですよ。個数限定とか予約販売とか」
「そうか。そういう売り方もあるか。いいな、使わせてもらおう。後な、生クリームがもうないんだけど、あるか?」
「え~俺もシュークリームが欲しかったのに!」
「ケイン、お前仕入れたばかりだろう?」
「そうか、ならここで作れるようにしちゃえばいいんだ。でも、この広さだと、ちょっとね」
「ああ、そうだな。それも問題か」
「あ! ねえ、ゴーシュさん。ちょっと相談なんだけどいいかな?」
「相談? 金のこと以外なら乗れるが?」
「お金じゃないんですよ。少しだけ拡張しませんか?」
「「拡張?」」
「ええ、拡張です。生クリームとか作る機械がこの工房だと置けないんですよ。だから、工房だけ別の場所に移設して、ここにはそこで出来た物を運んできて、ここで売ることになりますが。どうです?」
「そんなこと、本当に出来るのか?」
「そうよね」
「疑り深いな~」
「ケインよ。これが普通の反応だぞ」
「え~」
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。