転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆お口に合いました

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王太子達にピアツタ島での出来事を話して一段落したところで、王太子達は今度は飛行機に対し興味を持ち始めた。だけど、まだ空での突発的な事故に対しての安全装備がまだないからと断ることが出来た。

「それで話は変わるけど、港湾施設の方はどうなんだい?」
「どうとは?」
「いやね、私の方にも何が出来るのか、いつから解放されるのかと問い合わせが多くてね。で、どうなんだい?」
「それは、まだ未完成で、いつ頃の完成になるのかはまだ見通しが立たないですね」
「そうか。まあ、出来たら連絡はくれるんだよね?」
「はい! それは私から必ず連絡しますので」

なぜか俺の代りにデューク様が返事をするが、まあ内容に代りはないからヨシとしよう。

「それで……相談なんだが」
「はい?」
「コレまだあるのなら、お土産にもらってもいいかな?」
「いいですけど、この気温だと直ぐに溶けますよ」
「あ! そうか~それがあったね。ね、どうにかならない?」
「じゃあ、こんな感じで。はい、どうぞ」
「うわぁありがとう。これなら、娘も喜んでくれるよ!」
「え?」

王太子から、チョコレートをお土産に持ち帰りたいと言うが、まだ季節的に気温は高いので、この空調エアコンが効いた部屋から出るとすぐに溶けてしまうだろうと話すが、王太子からどうにかしてくれと言われ、木箱を用意するとその底に氷を敷き詰め、その上にチョコレートを載せた皿を納めてから王太子に渡す。
王太子はそれを受け取ると、娘も喜ぶと言ったのを聞いて、年齢的に大丈夫なのかが気になった。

「えっと、娘さんっていくつくらいなんですか?」
「なになに、ケインも私の娘が気になるの?」
「いえ、そうではなくてですね。チョコレートを幼い子に食べさせると鼻血が出る場合があるので注意してもらえたらと……」
「え? 何ソレ! 怖いんだけど」
「ですから、出来れば三歳未満の子にはあまり食べさせたくはないんです」
「まあ、そういう理由があるのなら、しょうがないね。でも、私の娘はもうすぐ七歳だから、大丈夫でしょ」
「それでも食べ過ぎは毒ですからね」
「ああ、分かったよ。でも、どうやって止めればいいんだろう」
「どうやってって、ダメって言えばいいんじゃないんですか?」
「「ダメだ!」」
「え? なんで俺が怒られるの?」

王太子の娘はもうすぐ七歳になるのであれば大丈夫だろう。でも、食べ過ぎを注意するのを普通にダメと言えばいいんじゃないかと言ったら、何故か俺が『ダメ』と怒られた。なので、理由を聞いてみる。

「ダメって言ったら私が娘に嫌われるじゃないか。ダメだよ、そんなの」
「そうだぞ、ケイン。もしエリーやマリーに嫌われたらと思うと……ウゥ~考えただけで身震いがする!」

王太子とデューク様の娘に嫌われたくない発言に少しだけめまいを覚えるが、どんなに美味しい食べ物でも食べすぎは良くないということを淡々と説明し、注意するのは他の人に任せることを勧めてみた。

「それよりもですね、折角なので……」
「「ん?」」

インベントリからブランデーを取り出すとテーブルの上に置く。

「ケイン、これは?」
「おいおい! まさか、これは……」
「ふふふ、デューク様はこれが何か想像が付くようですね。先ずは開けてみて下さい」

俺の言葉にデューク様がブランデーが入った瓶を手に取るが、どうやって開けたらいいのか考え込む。

「デューク様、そのボトルの上部を軽く捻って下さい」
「ここか……よし、ふん!」

デューク様がスクリュー式のボトルキャップに苦戦していたので、開け方を説明する。そしてデューク様が少しだけ力んでスクリュー式のボトルキャップを開けた瞬間に濃厚なブランデーの匂いが周囲に立ち込める。

「ほう……これはまた……」
「シャルディーア伯よ。私にも嗅がせてくれないか」
「それよりもセバス「ここに」……ん、ありがとう」

デューク様は開けたブランデーの瓶口から漏れ出る匂いを嗅ぎ、今まで嗅いだことがなかった芳潤な匂いに気を取られる。すると、王太子までもがその匂いを嗅がせて欲しいとデューク様へと願い出る。そして、それに頷くとセバス様に指示を出そうとするより早くデューク様達の前にグラスが二つ並べられる。

セバス様はデューク様からブランデーの瓶を受け取ると、その二つのグラスにトクトクトクと注ぐと二人の前にスッと差し出す。

王太子は目の前のグラスを手に取り、鼻腔一杯にその芳潤な匂いを吸い込むと「ハァ~」と嘆息する。

「素晴らしい! いや、待てよ。これは以前にもらった蒸留酒ではないのか?」
「ふむ、そう言えばそうですね。だが、それよりももっと、こう……なんていうのか……」
「芳潤でしょうか」
「そう! セバス、それがピッタリだ。だが、どうして? 確か熟成させるには年単位の期間が必要だと言ってなかったか?」

デューク様が俺を一瞥すると、王太子も俺の方を見る。そして、聞いてもいいのかなと不安げな顔になる。

「実は「言うな!」……え?」
「スマン……だが、これ以上は……」

デューク様はそう言って王太子の方を見る。まあ、確かに王太子がいるところで、話しすぎるのも問題かな。

「そうか。残念だが、しょうがないか……だが、これは美味いな。強いて言えば、おつまみが欲しいところだが……」
「それにはチョコレートが合うと思いますよ」
「チョコレート……」

王太子はそう言って娘へと包んでもらったチョコレートの箱をジッと見る。

「いや、ダメだ! これは娘への……でも……」

王太子はチラッと俺を見てくる。

「ふぅ~しょうがないですね」
「「おぉ!」」

俺はインベントリからカカオマス三割の板チョコを取り出すと、それをセバス様に渡す。セバス様は渡された板チョコを一辺が三センチメートルほどの大きさに綺麗に分割する。本当にこの人に出来ないことはあるんだろうか。

皿に盛られたチョコレートを一つだけつまみ口に入れるとブランデーが入ったグラスをグッと一口だけ口の中に流し込む王太子。

「プハァ~いい! いいよ、ケイン! この組み合わせは最高だね!」
「ええ、確かに最高です!」

王太子とデューク様はブランデーとチョコレートの組み合わせに満足したようだが、もう一つの組み合わせも試してもらおうと今度はインベントリから一塊のチーズを取り出すとセバス様に手渡す。セバス様はそのホール上のチーズを少しだけ切り取り、五ミリメートルほどの厚さに切り分けると、皿に盛り付け小さなフォークと一緒に王太子とデューク様の前に置く。

「これは、チーズか。どれ……ふむ、美味いな」
「そうですね。チョコレートの甘さも好いですが、チーズの塩味もまた合いますね」

チョコレートとチーズを交互に口の中に放り込みながら、王太子もデューク様もグラスを手から離すことなく楽しんでいるようだ。ならば、俺もそろそろお暇しようかとソファから立ち上がる。

「では、デューク様。明日はお願いしますよ」
「ああ、分かっている。悪いが、迎えを頼むな」
「ええ。では、王太子様も「おう、また明日!」……え? 今、なんと?」
「ああ、気にするな。じゃあな。お土産ありがとうな」
「……あ、はい」

王太子が『また、明日』と気になることを言ったので、確認しようと聞き返したが答えてはくれなかった。ハァ~と嘆息すると、セバス様と目が合う。

「セバス様、明日連絡待っていますね」
「はい。お昼頃にご連絡いたしますので」
「ええ、分かりました」

セバス様と挨拶を交わし転移ゲートをドワーフタウンの家へと繋ぎ潜っていく。

「まさかね……」
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