転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆忘れてくれませんでした

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王太子達をデューク様の王都のお屋敷に転移ゲートを繋いで見送る。その際にデューク様から、王都にいるのもあと少しで十月になったら領都に帰り新都の方へと移る準備を始めると告げられた。俺はそれに「大変ですね」とだけ答えるとデューク様は凄く不満そうな顔で転移ゲートを潜って行く。そしてセバス様が俺の横に立ち「旦那様は素直ではないですね」とだけ零して転移ゲートの向こうへと消えていく。

「なんて言えばよかったんだろう。ま、いっか。マサオ、帰るよ。マサオ?」
『……もう少し休ませてくれ』
「どうしたの? あんなに偉そうに煽っといて」
『マリーを甘く見ていた……あんなの誤算だ!』
「あ~まあ分かるけど、ほら帰るよ」
『……』
「マサオ?」
『ケイン、悪い運んでくれ』
「え~何言ってんの! 出来る分けないでしょ!」
『……こんなに頼んでいるのに?』
「こんなに……って、単に寝そべっているだけじゃない」
『……イヤだ! 運んでくれないとイヤだ!』
「……分かった。運んでやるよ」
『え?』

俺がマサオのワガママに折れる形で承諾したが、俺がニヤリとするのを見逃さなかったマサオが焦る。

「なんだよ。運んでやるって言ってるのに何をそんなに焦る?」
『あれ? なんだろ。急に体が軽くなったような気がする。ケイン、もういいぞ。俺は自分で歩くから。だから……ケイン。な?』
「何? いいから行くよ」
『ちょ、ちょっと待てよケイ「転移テレポート」……ン、げぇ』

焦るマサオの首を引き寄せ、自宅へと転移する。俺も転移はイヤなんだよね。この自分が一瞬でも消えるような感触がどうも慣れない。転移を実行する自分でもこれだけイヤな感じになるのだから、無理矢理転移させられたマサオは俺以上だろうな。そう思いマサオの方を確認すると、五体投地の様な感じで手足を伸ばしぐったりとしている。

「マサオ、着いたぞ。マサオ?」
『恨むぞ、ケイン……』
「お前、自分が運べと言ったクセに」
『言ったけど、俺は運んでくれと言ったんだ! 転移させろとは言ってない!』
「そこは厳密に転移禁止と言わなかったお前が悪い。最初に転移以外の方法で運んでくれとお願いすればよかったんだよ」
『……』

マサオはぐったりとした感じだが、その目はジッと俺を見据えている。

「マサオはどうしたの?」
「それがさ……」

クリス兄さんが俺とマサオの様子がいつもと違って見えたのか何があったのか聞いて来たので今までのことを話す。

「え~ケイン、そんなことしていたの。ズルいよ。そういうことはちゃんと教えてよ」
「どうしたクリス」
「あ、サム兄さん。ケインがね……」

クリス兄さんがサム兄さんに状況を説明するとサム兄さんも俺を見てから、ハァ~と嘆息し「ズルいな」と一言漏らすと今度は父さん達がどうしたと会話に入って来たので、サム兄さんが今度は父さん達に説明する。

そんな伝言ゲームが終わる頃にはリーサさんが夕食の準備が出来たと呼びに来た。そして、マサオを見てから「マサオはご飯食べれなそうね」と言うとそれに反応したマサオがガバッと立ち上がり『食べるぞ!』と言う。

「なら、そんな所に寝てないで! タダでさえ無駄に大きいのに邪魔なんだから!」
『リーサ、ヒドい……』
「やっぱりマサオは夕食抜きで」
『ケイン……』
「ああ、分かったから。リーサさん、マサオも反省しているみたいだし、ほらマサオ」
『すまん、リーサ』
「あら、殊勝ね。じゃあ、一品減らすだけで勘弁してあげる」
『ケイン……』
「まあ、俺に出来るのはここまでだよ」
『そんなぁ……』
「自業自得だろ」
『……』

夕食から一品減らされたマサオは終始不満そうに夕食を食べ終えたが、あの夕食の量から一品減らされたからって何が変わるんだか。まあ、その分と言えるのかデザートは山盛り食っていたけどな。

「それで明日から学校が始まるんでしょ。どうなの?」
「どうなのと言われてもまだ始まっていないのでなんとも言えませんが」

母さんからの質問にメアリーがデザートを食べている手を休めて答える。答え自体は無難な内容だがその口元はどこか嬉しそうで朗らかだ。

「でも、その歳で学校の先生なんて凄いわよね」
「そんな。ケインに比べたら私なんて」

母さんに褒められたメアリーが謙遜しならが俺を見るが、他の家族がなんとも言えないような目で俺を見る。もちろんリーサさんもマサオもだが。

「メアリー、それは比較する元が違うよ」
「そうだよ。俺達もケインと比べられたら拗ねちゃうどころか、自尊心プライドがズタボロだよ」

クリス兄さんがメアリーを諭し、サム兄さんが妙なフォローをする。

「そうね、母親である私が言うのもなんだけど、この子と比べるのはちょっと違うわね」
「そうだな。比べるならクリスぐらいが適当かな」
「まあ、それでも僕には人に教えることは出来ないけどね。だから、メアリーはとてつもなく優秀だと言うことだよ。ねえ、リーサさん」

母さん、父さんに続き比較対象にされたクリス兄さんがメアリーを褒めてからリーサさんに引き継ぐ。

「ほら、メアリー。皆がこう言っているのだから、ね」
「うん、私頑張る!」

そう宣言するメアリーにその場にいる家族から盛大な拍手が送られる。

「で、ケインは何を教えるんだ?」
「「「え?」」」

いい感じに閉められると思ったのにヘレンさんが妙なことを言い出した。

「えっと、ヘレンさんは何を言っているのかな?」
「何ってここまでのことが出来るケインが何もしないのはもったいないだろ。メアリーもそう思うだろ」
「そう言われてみるとそうですね」
「いや、メアリー……いいから、何? そのいいこと思い付いたって顔は?」
「え? そんな顔してた?」
「してるから! いいから、ヘレンさんの言ったことは忘れて! ね、お願いだから!」
「……そうね。一旦忘れて、明日にでもガンボさんに確認してみようかな」
「それ、忘れてないから……」
『大変だなケイン君』
「……」
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