運命のつがい。

遊虎りん

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プロローグ

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飼い主の命令は絶対守らないといけない。

柳楽っていう人間が俺の飼い主で。軍のお偉いさん。蛇みたく目付きが鋭くて瞳の奥が冷たく光っている男で僕以外の部下も道具扱いしていた。

初めて見た瞬間から、大嫌いになった。でも、道具の分際で飼い主を選べない。嫌だって思っても従わないといけない。

パートナーとか、良好な主従関係を結んでいる奴らもいる。
憧れる。

使えないって思われたら、僕はポイって捨てられるだけ。
僕はキメラで人間に作られたイキモノだから、しょーがないと思っている。

違うイキモノだし、人間とキメラは分かり合えない。

遺伝子レベルでキメラは人間に逆らえないようにされている。
牙を向けれない。
飼い主が敵と見なした人間は別で始末しないといけない。

人間は家族ってものがあるらしい。

一人始末すると何人の人間が悲しむのだろう。

僕は人間を命令で始末する度に、心の中で謝った。口に出して謝る勇気もなかった。一睡も出来ない日が何日も続くときもある。
始末した人間が家族の名前を呼んだときとか。胸が苦しくて辛い。

キメラには家族はいない。元にあるDNAはあるけど、それは親と呼べるか。
同胞はいる。キメラは一つの街に基本的には集められているから。
それが家族と呼べるのだろうか。

1年近く会えていない。

任務続きで、街に帰れない。
寂しい。でも、そんな弱音は吐けなかった。僕は心の中では泣いているけど、実際に涙を流したことはない。弱いものは処分させる。

誰かに処分されるのは単純に怖かった。
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感想 2

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