運命のつがい。

遊虎りん

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第1話

☆5

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頭を撫でられるのは初めての経験でジェスの手が心地よい、リラックス状態になると少年の耳が猫の耳に変化する。
もふもふした黒い毛並みの尻尾も出現し、ゆらりと揺れる。丸い瞳が細くなり糸状になりごろごろと自然と喉が鳴った。
キメラにも種類が何通りかある。少年は猫系統で集中力が短く長い任務には適していない。自由気ままが本来の気質で、初めてのなでなでに少年の中に抑制され眠っていた『甘えん坊』が目覚める。ジェスに近寄るとすり、と身を寄せる。

「…この子はまだ子猫ですから甘えたい盛りなんですね。私は仕事がありますので、後はジェスに任せます。何かあったら電話下さい」

ふ、とロイは微笑んだ。さっきまで不安定だったが今の緊張感が解けた状態なら大丈夫だろうと判断する。
ロイは部屋を出た。

抱っこを催促するように、にゃーと少年が鳴く。ジェスは破顔微笑して少年を抱っこすると背中をぽんぽんと撫で髪にキスをした。
少年は口元を花が咲いたいよう綻ばせ微笑んだ。すり、と頬を擦り寄せぺろ、と赤い舌を出すとジェスの頬を舐める。

「………くっ…こいつ、凶悪なほど可愛い。俺、猫好きだからもうたまらん」

ジェスは犬より猫派だ。少年の体温が高くて眠くなっているのが察した。この甘えん坊の状態は、眠くなったことも原因だろう。

「…名前、ほしい。名前、ぼ、くの名前ちょおだい」

少年は幼く舌ったらずな甘えた声でねだる。
好みの顔で好みの声だ。ジェスは声をなくして心のなかで可愛さに身悶える。

「サリス…俺に弟が生まれたら付けられる名前だった。母親の膨らんだ腹を撫でながら、サリスと呼び掛けていたが妹が生まれて…お前をサリスと呼びたい」

サリスという名前を貰い嬉しそうに微笑んだ。頬がピンク色に染まり愛くるしい。
赤い果実のように瑞々しい唇が美味しそうでジェスは我慢できずにキスしそうになる。
唇同士が触れる瞬間、サリスの姿は完全な獣の姿になる。もふもふした感触が唇にあたる。

「……サリスの骨の髄までしゃぶりたくなる。壊さないようにしないと、な」

幼くまだ固く可憐な蕾を無理矢理抉じ開けたくなる。自分の雄の形を覚え込ませ、乱暴に無垢な奥を暴いて初な花を散らしたい。

初めての痛みと快楽を自分がサリスに教え込みたい。

もし、あと少しサリスが獣の姿になるのが遅かったら欲望のまま貪っていた。
ジェスの雄をサリスの中に眠る雌が誘惑している。

「……困った姫様だ」

翻弄されるのは初めてだが、悪い気はしない。
サリスを抱っこすると自室へと連れていく。ベットに横になるとサリスの身体を撫でながら目を閉ざした。

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