3人play。

黒木蓮

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25 ランジュ⑤

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「ねえ、なんでルイは女の子なのに自分の事を俺っていうの?男になりたいの?」

ルイを困らせたくなった。他のやつらの為に笑っている顔を崩してやりたい。
きっとルイにとって繊細な部分に触れる質問になる。傷付けてしまうかも、と思うが傷つけてやりたいという意地悪な気持ちになって尋ねた。
今までルイに声を掛けてきた男たちはルイを女として見ていた。服装や言葉使いは男っぽいが、ルイには男には出せない華がある。
背筋を真っ直ぐ伸ばして、相手の顔を見て話す。
表情は豊かで一瞬でも同じときがない。

「……なんでだろうなぁ」

どんな表情をするかとルイの表情の変化を見逃すまい、と見つめていると顔から感情がするり、と抜けていくような顔になった。
青い空にとけてしまいそうな、心許ない顔。

「俺って自分の事をいってるけど別に男に生まれたかったわけじゃない。…今の自分には、俺がしっくりとくるんだ」

ルイは大きく背伸びしてゆっくりと息を吐き出した。僕から視線を外して、美しいルイの瞳は空をうつしている。
昔の記憶を辿っている。
僕を見てほしい。僕をルイの瞳にうつして欲しい。
駄々をこねる独占欲が強い幼児のような願望が、僕の中で生まれた。

「ルイ、僕もハンターになれるかな?」

僕の口から出たのは今まで考えたこともないものだった。これは完全に口から出任せというやつ。
ハンターになりたい、と思っていない。
ただ、僕はルイの関心が欲しかっただけだ。

「さあ、な。よし!ハンターっていうのはどんなのか見せてやる。俺についてこい」

ルイは笑ってyesでもNOでもない曖昧な返事をした。そして、僕の手を掴んで迷いがない足取りで歩き出した。

たどり着いたのはギルド。木材製の家が多いなか、コンクリートを使用して無機質で異様な雰囲気を放っている。
傷だらけで屈強な肉体をしていて各々の愛用している武器を所持している男達。女や子供の姿はなく僕とルイは目立っていた。

「こんちには、スミスさん。魔物退治の仕事欲しいんだけど。こいつにハンターってやつを教えたいんだ」

受付カウンターに座るスキンヘッドの男にルイは言った。

「ほう、ハンターになりたいって駄々でも捏ねてるのか」

スミスは僕を見て口元を歪めた。ルイの前で子供扱いされると腹が立つ。だけど、そのままの感情を顔に出すと益々なめられるから文句を何とか飲み込んで僕はこんにちは、と挨拶だけ口に出した。

「僕もハンターになれる?って。魔物退治がどんなものか見せた方がやれるか、やれないか想像できるようになるだろ」

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