The・手記(雑種記)~アルファポリスを歩く~

黒住八雲

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Tagging!

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「大変だよ、イヅ!」
ズピシャァンッとふすまを勢いよく開けて、ヤクモが部屋に入ってきた。

「どうしたヤクモ。悪いニュースか? それとも笑えるニュースか?」
「どっちでもないけど、あのね。アルファポリスのランキングに使われて
ますポイントって、プレビューポイントじゃなかったんです!」

「まだその程度の理解度だったのか……」
イヅは一拍置いたあとで、呆れ返った声で返した。

「えっ」
「そもそもptって書いてあるだろ。プレビューポイントなら、pvとかppに
なるって見た瞬間気付かんかね」

「ううん、聞いてよ。プレビューは英語では視聴で良いのに、日本語だと
試聴の意味が強くなってしまうとかの話は今はいいから」
「うん、誰もそんな話はしてないな。あとそれ口で言っても誰にも伝わら
ねーからな?」
「こほん。ptとはあくまでポイントのことみたいで、ですね。どのような
ジャンルでどのくらいの人が見てくれたかだけでなく――更新した時や、
その更新頻度、そして"お気に入り"数や感想を貰ったときにも、どーんと
増えているみたいなんです!」

はぁ、とイヅは溜息をつく。やっぱ説明書を読まないヤツは話にならんな
という諦めからであり、この間は二人にとってもう日常茶飯事の光景だ。

「pt自体はあくまで、良いものを多くの人の目にとめるためのものだから
それでいいんだよ。まあ、まだ色々と問題もあるみたいだけどな」
「問題って?」
「それよりアルファポリスでは投稿インセンティブといって、サイトへの
貢献度によってお小遣いがもらえるのは知ってたか?」
「うん! お知らせで知ったよ! すごいね。それもポイントが多いほど
たくさんもらえるんですよね」

「そこに使われるポイントは、あくまで純粋なプレビューポイントだけと
考えて良いそうだぞ。更新時や感想で足された分は、あくまで下駄を履か
せて貰っている形で、インセンティブには計算されない」
「そうなの!?」
「らしいぞ。ちなみにお前、なんか頑張るって連載を始めたよな。どんな
感じなんだ?」

「ふっふっふ……あ、ちなみにインセンティブのスコアって、1スコア=
1円って計算して良いのでしょうか?」
「いいぞ」
「なんと! 私の見込みスコアは2円です!」
「悲しいなぁ。そこは5円までは頑張って、『たったの5か、ゴミめ』って
言わせてほしいところだったな」
「しょぼん(´・ω・`)」
「顔文字はやめろ。どうやって発音してるんだ! そもそもお小遣いでは
なくて読者をゲットするって息巻いてたよな、それはどうなんだ?」
「あ!」

そこでヤクモはいそいそと机に座ると、手元のケースから眼鏡を取り出し
わざわざ装着し――"ゲンドウポーズ"と呼ばれる格好を取った。
「ええ。ここまでは、シナリオ通りです」
「もう俺向こうに行っていいか?」
「ふえ~ん。でもスコアに反映されてます通り、やっぱり微妙かもですね
……あ、でも一日目と二日目はすごかったですよ! いきなりお気に入り
2ついただいて、二話目更新しましたら倍の4つに増えて! 最高記録!」

「なるほど、そこはさすが人気ジャンルってとこかな。――って、言って
やりたいところだが……う~ん。お前なぁ……悪役令嬢ってどんな意味か
ちゃんと分かってるよな?」
「も、もちろんですよ! ちゃんと勉強済みです」
「ふむ、じゃあそこは一旦放置するか。にしても、タグ盛りすぎだろ!」

いつの間にか、パソコンを起動させて確認をとっているイヅの後ろから、
ヤクモも覗き込む形でアルファポリスの画面に並ぶタグを再確認した。

「ふふふ……やっぱりタグは大事みたいですよ! きっと、お気に入りを
つけてくれたかたたちも、タグから来て下さったのではないでしょうか」
「まあ簡単につけられる広告みたいなものだからな。でも、お前みたいに
盛りすぎると、誇大広告にならないかが心配なのだが」

「大丈夫ですよ! 約束は必ず守るのです。とにかく、威力の大きそうな
タグを片っ端から設定して、一つずつそれに挑戦トライして行く……私はこれを
"タグ・ラグビー"と名付けようと思っています。キリッ」
「キリッは要らない。あと謝れ。今めっちゃ盛り上がってるラグビー界の
ファンの皆様に謝れ!」
「えー……でもそういえば、ラグビーは未だにルールちゃんと把握できて
いないのですれど、小学校のときのタグラグビーは楽しかった記憶です。
男女関係ないどころか、微妙に男子が遠慮してくれてたのか、私でも活躍
できた気がします。懐かしいなぁ」
「まあ、トライトライアル・アンド・エラーを楽しむのは良さそうだけどな。ただし
前にも言ったが、ずるいこと――ファウルだけはするんじゃないぞ」
「上手い! ざぶとん持ってきて」
「ねぇよ。それより返事は?」
「もちろんですよ! 明るく楽しく底辺作家スタートですっ」

くるりと華麗にターンするヤクモに対して、畳が傷むぞとの苦言もよぎる
イヅだったが――何となく、これも放置したようだった。

「じゃあ私、今日中にもうちょっと書いておこうと思います」
「おう」
「あ、前回イヅがくれた助言『人気ジャンルならとりあえず読んでくれる
人がいる』というのは本当みたいでした。ありがとう~」
「あー……でもその分埋もれるのも早いってことも、先に言っておいた方
が良かったかもしれんな」
「ううん。一人でも読んでくれる人がいるなら、だよ! もちろんもっと
増えるように何とかしないとですけれど……今の段階でもお気に入りでは
なくても結構読んでいただいているっぽいptあって、やる気出てます!」
「ふむ」

「では今日のまとめです! ptとは、出版において使用される長さの単位
として現在一般的であるDTPポイント(1 pt = 1/72 in)を主として文字
のサイズや余白の幅などの大きさを表すものとwikiにはあります……が、
アルファポリスでインセンティブに関係するものとは一切無関係ですね。
またグーグル検索でトップになるホラーゲーム、『ピー.T.』とも関係があり
ませんのでご注意下さい」
「いつそんな話をした?」
「あとですね! タグtagとは値札とか標識札の意味の他に"鬼ごっこ"の意や
格闘技なんかでの"タッグを組む"のそれも全部同じ単語のなのです!」
「まとめじゃなかったのか」
「情報にタグを組み込むことは、taggingというそうです。グーグル翻訳
でしたらタッグを組むもこれになっちゃうのですけれど、そちらは本当は
"form a tag-team"でないといけないそうですからお気をつけ下さいね。
でも――tagging! イヅ! これからも、よろしくね☆」

「拒否だ。一人でやれ」

-続く-
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