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第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける
306.悪役令嬢は今後の仕事について話す
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ハーブスト公爵家の別邸であった建物を空間収納で持ってきたわけだけど、老朽化して――と、言っていたわけだけど、中に入ると思っているより遥かに綺麗でパッと見ではどこが痛んでいるかは専門家で無いと分からないレベルだったりする。
まぁ、話によると100年ほど前の建物で補修なども行ったのは20年以上前らしい。長年使わずに管理に無駄にお金が掛かっていた所為でお父様とお母様は取り壊すかどうかを迷っていたみたいだけど、今回の件で再利用や取り壊さずに空間収納に隔離するという方法が出来るようになったことに喜んでいた。
空間収納の空間拡張に関しての術式見直しをして良かった――と、いうところね。因みに一夜にして城が建つみたいな事もやろうと思えば可能なのよね。なんにしても地面深くに柱を打つような建築方法じゃないから出来るとも言えるけど。そういう意味では建物としては耐震性とかも含めてイマイチなのかもしれないけど、まぁ、そこはおいおい新たな術式開発で乗り越えてみせようじゃない。
「さすが、ハーブスト公爵家というところですね。洗練された美しさがあります」
と、ジェニーは建物内に入り、エントランスでそう言うのだった。広さで言えばハーブスト公爵家の別邸の中ではかなり小さい屋敷ではある――と、言っても結構な広さで、高さは無くて3階建ての建物ではあるのだけど、エントランスでも25メートル四方くらいの広さがある。そして、その奥にはホールがあって、そこの広さは倍もある。食堂が二か所、執務室は大小二か所、客室は30程度あるので、本当に広い。別荘とは如何に? と、思ったほどなのよね。実際、我が家の一番よく使っている別荘は今回運んできたこの屋敷の半分ほどの大きさなのよね。
しかも、元々建っていた場所もハーブスト公爵領の中でも凄く外れの山中にあって、完全にポツンと一軒だけ建っていて、周囲に村も集落なければ何もない場所で、行くのも不便、物資の運び入れなんかも凄く不便で使い勝手が悪いという理由でどうやって処分するかという話が数年おきに出るほどの物件だったそうだ。
「そうね。我が家の建物はどれもこういった雰囲気が多いわ。王城と比べると豪華さは全くないけれど、私もこういう雰囲気の方が好きよ」
元々、ハーブスト公爵家というのはミストリアの公爵としては豪華で煌びやかな雰囲気を避ける傾向にあるらしい、ミストリアの王族が国府に任ぜられた時に他国からやって来た外様の臣下家だったという経緯からか、公爵となっても出来るだけ目立たぬように可能な限り質素倹約を――と、いうのが家訓だったらしい。
ただ、公爵家という立場上、質素でありすぎるのは問題だし、倹約ばかりではケチだと言われるので、バランスを考えて上質でありながら、豪華にはならぬように考えられたスタイルだそうだ。
「まぁ、こんなところで立ち話しているワケにはいかないでしょう。エルーサ、客間でいいかしら?」
と、私が目配せすると、エルーサは問題無いと視線で言ってからスッと頭を下げる。
「では、行きましょうか」
私はそう言って皆を客間の方へ導く。因みに事前にこの屋敷の図面は一応頭に入っている。そして、皆を客間に通しから、共について来てるモレア・アンサンドレ男爵に視線を向ける。
「お母様から聞いていると思いますが、しばらくアンサンドレ卿にはこの屋敷で執務して貰う事になります。少しばかり場所的に陰鬱な魔導洞窟内ではありますが、よろしくお願いしますね」
「いいえ、お嬢様。私《わたくし》は過去にアンダンテール大洞窟の安全地帯を拠点に半年ほど籠っていた経験もございます。主からの命令はそれも踏まえてのモノだと私は思っております」
「なるほど。とりあえず問題があれば通信施設をこの屋敷の執務室に設置しておくので、それを使って私の方に連絡をください。それから、冒険者の件も含めて今後の仕事についても皆の前で説明するわ」
そんな間にもエルーサは人数分のお茶とお茶請けを用意する。と、いっても事前に大量に用意してあるストックを空間収納から取り出しているだけなのだけどね。ひとまず、立ち話もあれなので、皆をソファに座らせて私だけは一人掛けの椅子に座る。簡単に言えばお誕生日席だ。
「鉱山の運営と鉱山道の封鎖と町の要塞化。簡単に言えばこの3つを成すこと、もしくはその道筋を立てる事がここでも目的になるわけだけど、まずは冒険者についての部分を話しておくわね」
私はそう言って、とりあえず目の前にあるお茶に口を付ける。こうしないと誰もお茶やお茶請けに誰も手をつけないし、そろそろ喉を潤したかったという想いもあった。
「鉱山の方は採取だから説明は不要だと思うけど、鉱山道の封鎖――と、いうよりも周辺の調査と魔獣、魔物の討伐についても行って欲しいと思っているわ。これに関しては、町の方のギルドがキチンと運営出来る体制が整わないとダメかもしれないけど」
「――ここのギルドは何か問題でも?」
と、閣下が不思議そうに訊いてくる。まぁ、普通は冒険者ギルドが使い物にならない――なんてハズは無いと思うのが普通で、現状がオカシイのよね。いや、近年の様々な国の変容を考えるとミストリア含め、中央に近い国々もオカシイ部類なのかもしれない。
まぁ、話によると100年ほど前の建物で補修なども行ったのは20年以上前らしい。長年使わずに管理に無駄にお金が掛かっていた所為でお父様とお母様は取り壊すかどうかを迷っていたみたいだけど、今回の件で再利用や取り壊さずに空間収納に隔離するという方法が出来るようになったことに喜んでいた。
空間収納の空間拡張に関しての術式見直しをして良かった――と、いうところね。因みに一夜にして城が建つみたいな事もやろうと思えば可能なのよね。なんにしても地面深くに柱を打つような建築方法じゃないから出来るとも言えるけど。そういう意味では建物としては耐震性とかも含めてイマイチなのかもしれないけど、まぁ、そこはおいおい新たな術式開発で乗り越えてみせようじゃない。
「さすが、ハーブスト公爵家というところですね。洗練された美しさがあります」
と、ジェニーは建物内に入り、エントランスでそう言うのだった。広さで言えばハーブスト公爵家の別邸の中ではかなり小さい屋敷ではある――と、言っても結構な広さで、高さは無くて3階建ての建物ではあるのだけど、エントランスでも25メートル四方くらいの広さがある。そして、その奥にはホールがあって、そこの広さは倍もある。食堂が二か所、執務室は大小二か所、客室は30程度あるので、本当に広い。別荘とは如何に? と、思ったほどなのよね。実際、我が家の一番よく使っている別荘は今回運んできたこの屋敷の半分ほどの大きさなのよね。
しかも、元々建っていた場所もハーブスト公爵領の中でも凄く外れの山中にあって、完全にポツンと一軒だけ建っていて、周囲に村も集落なければ何もない場所で、行くのも不便、物資の運び入れなんかも凄く不便で使い勝手が悪いという理由でどうやって処分するかという話が数年おきに出るほどの物件だったそうだ。
「そうね。我が家の建物はどれもこういった雰囲気が多いわ。王城と比べると豪華さは全くないけれど、私もこういう雰囲気の方が好きよ」
元々、ハーブスト公爵家というのはミストリアの公爵としては豪華で煌びやかな雰囲気を避ける傾向にあるらしい、ミストリアの王族が国府に任ぜられた時に他国からやって来た外様の臣下家だったという経緯からか、公爵となっても出来るだけ目立たぬように可能な限り質素倹約を――と、いうのが家訓だったらしい。
ただ、公爵家という立場上、質素でありすぎるのは問題だし、倹約ばかりではケチだと言われるので、バランスを考えて上質でありながら、豪華にはならぬように考えられたスタイルだそうだ。
「まぁ、こんなところで立ち話しているワケにはいかないでしょう。エルーサ、客間でいいかしら?」
と、私が目配せすると、エルーサは問題無いと視線で言ってからスッと頭を下げる。
「では、行きましょうか」
私はそう言って皆を客間の方へ導く。因みに事前にこの屋敷の図面は一応頭に入っている。そして、皆を客間に通しから、共について来てるモレア・アンサンドレ男爵に視線を向ける。
「お母様から聞いていると思いますが、しばらくアンサンドレ卿にはこの屋敷で執務して貰う事になります。少しばかり場所的に陰鬱な魔導洞窟内ではありますが、よろしくお願いしますね」
「いいえ、お嬢様。私《わたくし》は過去にアンダンテール大洞窟の安全地帯を拠点に半年ほど籠っていた経験もございます。主からの命令はそれも踏まえてのモノだと私は思っております」
「なるほど。とりあえず問題があれば通信施設をこの屋敷の執務室に設置しておくので、それを使って私の方に連絡をください。それから、冒険者の件も含めて今後の仕事についても皆の前で説明するわ」
そんな間にもエルーサは人数分のお茶とお茶請けを用意する。と、いっても事前に大量に用意してあるストックを空間収納から取り出しているだけなのだけどね。ひとまず、立ち話もあれなので、皆をソファに座らせて私だけは一人掛けの椅子に座る。簡単に言えばお誕生日席だ。
「鉱山の運営と鉱山道の封鎖と町の要塞化。簡単に言えばこの3つを成すこと、もしくはその道筋を立てる事がここでも目的になるわけだけど、まずは冒険者についての部分を話しておくわね」
私はそう言って、とりあえず目の前にあるお茶に口を付ける。こうしないと誰もお茶やお茶請けに誰も手をつけないし、そろそろ喉を潤したかったという想いもあった。
「鉱山の方は採取だから説明は不要だと思うけど、鉱山道の封鎖――と、いうよりも周辺の調査と魔獣、魔物の討伐についても行って欲しいと思っているわ。これに関しては、町の方のギルドがキチンと運営出来る体制が整わないとダメかもしれないけど」
「――ここのギルドは何か問題でも?」
と、閣下が不思議そうに訊いてくる。まぁ、普通は冒険者ギルドが使い物にならない――なんてハズは無いと思うのが普通で、現状がオカシイのよね。いや、近年の様々な国の変容を考えるとミストリア含め、中央に近い国々もオカシイ部類なのかもしれない。
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