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第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける
307.悪役令嬢は調査の重要性を説く
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「問題が多すぎてどうしたらいいものか。と、思うほどです」
私の言葉に閣下は不思議そうな雰囲気で小さく唸る。そう、たぶん閣下だから問題が無いように見えた――いいえ、他の男性が行っても同じでしょうね。どういう経緯かよく分かっていないけれど、スーリアルの女性蔑視はこの大帝国の古からの風習からしても、意味が分からないくらいに酷い。東方諸国や北方も同じような事が起こっているとすれば、大帝国の根幹を揺るがしかねない危機なのかもしれない。
「黒狼様が冒険者ギルドへ挨拶に行ったことは知っておりますが、その時の面子は如何でした?」
「今回は皆を広場に待たせて私ひとりで行ったのだが、まぁ、腰の低い陰鬱な雰囲気の男がギルドマスターだったわけだが、特に変わったことは無かった」
「そうですか、私自身が直接行ったわけではありませんが、まぁ、中々に酷かったようです。と、いってもスーリアルではどこへ行っても似たようなことですけど、ここの町長も同様にこの地の風習といえば良いのでしょうか、兎に角上から下まで、ミストリアと比べるのもアレですが――しかし、冒険者ギルドというのは大帝国、聖イーフレイ帝国の直属組織ですから、中央の影響が強い場所であるハズです」
「――それは本当か?」
閣下の言葉に私はニコリと微笑んで首を小さく縦に振る。
「なんともだな。貴族のやりようが酷いとは聞いた事があるが、冒険者ギルドにいる者もそうだというなら、困ったものだな」
「ええ、今後の占領政策にも関わってきます。特にミストリアは優秀な女性が多く、爵位を持つ者も多いですからね。私達の多くも跡継ぎである者も多いでしょ?」
私は跡継ぎでは無いのには色々と理由がある――と、いうより王家に何かあった場合のスペアという意味合いが強い。何より、いまの王家の子達と同等の血統を持っている子女というのは私しかいない。跡継ぎを選ぶ指標としては多くの貴族は実力優先だったりするわけなんだけど、上位貴族に限って言えば女性の方が継承権を持つ者が多い。
「理由を話して中央から派遣して貰う方がよさそうだな」
「どこかのタイミングで中央というより帝国上層へお伺いを立てないと問題になる可能性もあります。出来れば閣下かランパート公に話を通して頂けると助かるのですが……」
「なるほど。それについてはこちらで動こう。しかし、結果が出るのは物凄い時間が掛かるのが問題ではある。何をしても天帝は別としても摂家達は動きも判断も遅いからね」
閣下にそう言われて私はちょっぴり納得する。現在の国府連合が意味をなさなくなっている要因の一つでもあるわけで、聖イーフレイ帝国にも色々と問題があるのは事実なのよね。
「あ、エステリア様いいですか? 結局、冒険者が周辺の調査をするのって、冒険者ギルドや町長が問題だってことと関りがあるのですか?」
ウィンディが首を傾げつつそう言う。まぁ、関係があるか無いかで言えば、あるのよね。
「ええ、不思議なことに彼等って周辺情報を持ってないのよ。まぁ、何故か? って、ところを言うと町長の話ではここから北側の山林を越えると魔獣や魔物が多く、特にここの町に来る冒険者というのはそこまで実力の無い者が多い所為もあって、極端に情報が少ないのよ」
スーリアルには山野に紛れて住む山の者がいるというのも一つの理由なんだけどさ。まぁ、ディラン兄様が生きて帰ってこれたのもその者達が助けてくれたからってのもあるのよね。
「なるほど、それで集めて欲しい冒険者の選定に戦闘の実力以外に斥候の実力も含まれていたのか。流石に人数はそこまで多く集まらなかったが……騎士団を動かした方がよいのでは無いかい?」
「騎士団を借り受けることも考えましたが、それは調査が終わってからでもよいかと思いました。気になっていることがあったというのもありますが、我が家の騎士もそれなりの人数を既にお父様から借りている状況ですし、これ以上はミストリア側の戦力をこちらに持って来るのは――と、いうところもありまして。それに閣下からも大事な側近を幾名か借りておりますから、なかなかに我儘が過ぎると思ってます」
「――ふむ。しかしな……いや、今の情勢を考えると難しいところが多いのか」
と、閣下の言葉に私は頷く。そう、それが一番の問題なのだけど、周辺国含めて色々な組織が入り乱れていて、本当に複雑怪奇な状況な上に様々な国の調略も動いていて、ミストリア上層部も現状てんやわんやで騎士団の派遣なんて該当領地以外は難しい状況なんだけど、既にレシアス侯爵家の騎士団は動いて貰っている状態なので、それもあまり手を借りるわけにはいかない。
「次にここを領地とする方にも関わって頂きたいところではあるのですが、何分、まだ動ける状況ではありませんしね」
「それは致し方なしだな。にしても、スーリアルは面倒なことをしてくれたものだね」
「ま、そこに関しては来ることは随分前から分かっていたことですから、良いのですが思っていた以上にこの国の価値観が大帝国の国々と違っていることに現状戸惑っていますね」
そう言いながら私はアリエル達が上手くやっているか心配するのであった。
私の言葉に閣下は不思議そうな雰囲気で小さく唸る。そう、たぶん閣下だから問題が無いように見えた――いいえ、他の男性が行っても同じでしょうね。どういう経緯かよく分かっていないけれど、スーリアルの女性蔑視はこの大帝国の古からの風習からしても、意味が分からないくらいに酷い。東方諸国や北方も同じような事が起こっているとすれば、大帝国の根幹を揺るがしかねない危機なのかもしれない。
「黒狼様が冒険者ギルドへ挨拶に行ったことは知っておりますが、その時の面子は如何でした?」
「今回は皆を広場に待たせて私ひとりで行ったのだが、まぁ、腰の低い陰鬱な雰囲気の男がギルドマスターだったわけだが、特に変わったことは無かった」
「そうですか、私自身が直接行ったわけではありませんが、まぁ、中々に酷かったようです。と、いってもスーリアルではどこへ行っても似たようなことですけど、ここの町長も同様にこの地の風習といえば良いのでしょうか、兎に角上から下まで、ミストリアと比べるのもアレですが――しかし、冒険者ギルドというのは大帝国、聖イーフレイ帝国の直属組織ですから、中央の影響が強い場所であるハズです」
「――それは本当か?」
閣下の言葉に私はニコリと微笑んで首を小さく縦に振る。
「なんともだな。貴族のやりようが酷いとは聞いた事があるが、冒険者ギルドにいる者もそうだというなら、困ったものだな」
「ええ、今後の占領政策にも関わってきます。特にミストリアは優秀な女性が多く、爵位を持つ者も多いですからね。私達の多くも跡継ぎである者も多いでしょ?」
私は跡継ぎでは無いのには色々と理由がある――と、いうより王家に何かあった場合のスペアという意味合いが強い。何より、いまの王家の子達と同等の血統を持っている子女というのは私しかいない。跡継ぎを選ぶ指標としては多くの貴族は実力優先だったりするわけなんだけど、上位貴族に限って言えば女性の方が継承権を持つ者が多い。
「理由を話して中央から派遣して貰う方がよさそうだな」
「どこかのタイミングで中央というより帝国上層へお伺いを立てないと問題になる可能性もあります。出来れば閣下かランパート公に話を通して頂けると助かるのですが……」
「なるほど。それについてはこちらで動こう。しかし、結果が出るのは物凄い時間が掛かるのが問題ではある。何をしても天帝は別としても摂家達は動きも判断も遅いからね」
閣下にそう言われて私はちょっぴり納得する。現在の国府連合が意味をなさなくなっている要因の一つでもあるわけで、聖イーフレイ帝国にも色々と問題があるのは事実なのよね。
「あ、エステリア様いいですか? 結局、冒険者が周辺の調査をするのって、冒険者ギルドや町長が問題だってことと関りがあるのですか?」
ウィンディが首を傾げつつそう言う。まぁ、関係があるか無いかで言えば、あるのよね。
「ええ、不思議なことに彼等って周辺情報を持ってないのよ。まぁ、何故か? って、ところを言うと町長の話ではここから北側の山林を越えると魔獣や魔物が多く、特にここの町に来る冒険者というのはそこまで実力の無い者が多い所為もあって、極端に情報が少ないのよ」
スーリアルには山野に紛れて住む山の者がいるというのも一つの理由なんだけどさ。まぁ、ディラン兄様が生きて帰ってこれたのもその者達が助けてくれたからってのもあるのよね。
「なるほど、それで集めて欲しい冒険者の選定に戦闘の実力以外に斥候の実力も含まれていたのか。流石に人数はそこまで多く集まらなかったが……騎士団を動かした方がよいのでは無いかい?」
「騎士団を借り受けることも考えましたが、それは調査が終わってからでもよいかと思いました。気になっていることがあったというのもありますが、我が家の騎士もそれなりの人数を既にお父様から借りている状況ですし、これ以上はミストリア側の戦力をこちらに持って来るのは――と、いうところもありまして。それに閣下からも大事な側近を幾名か借りておりますから、なかなかに我儘が過ぎると思ってます」
「――ふむ。しかしな……いや、今の情勢を考えると難しいところが多いのか」
と、閣下の言葉に私は頷く。そう、それが一番の問題なのだけど、周辺国含めて色々な組織が入り乱れていて、本当に複雑怪奇な状況な上に様々な国の調略も動いていて、ミストリア上層部も現状てんやわんやで騎士団の派遣なんて該当領地以外は難しい状況なんだけど、既にレシアス侯爵家の騎士団は動いて貰っている状態なので、それもあまり手を借りるわけにはいかない。
「次にここを領地とする方にも関わって頂きたいところではあるのですが、何分、まだ動ける状況ではありませんしね」
「それは致し方なしだな。にしても、スーリアルは面倒なことをしてくれたものだね」
「ま、そこに関しては来ることは随分前から分かっていたことですから、良いのですが思っていた以上にこの国の価値観が大帝国の国々と違っていることに現状戸惑っていますね」
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