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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
127.悪役令嬢は魔導洞窟で巨大な魔物と戦う
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事前に打ち合わせた通り、10階に辿り着いて直ぐに巨大な魔物が現れる。
これはハッキリ言って不思議な現象としか言えない。私はまるでゲームみたい――と、思いつつも、この世界しか知らない人からすれば、それが当たり前なので何もオカシイ事では無い。
現れた魔物は虫とも動物ともとれない奇妙な生物で、簡単に言えば巨大な六本足の熊だ。ただ、毛皮以外に固い甲羅のようなモノが身体に付いており、その見た目が甲虫のようだけど、形状やもふもふ感は熊だ。
「全く可愛くないわね」
私は思わず独り言ちる。戦闘中だから、誰も聞いていないと思っての呟きだったのだけど、しっかりと全員が聞いていたようだ。
「って、言うか魔物に可愛さを求めてどうするのよ? 倒し辛くなるだけでしょ」
と、アリエル。確かに倒し辛くなるかもしれないけど、キモイよりもカワイイ方がいいと思うんだけどねぇ。特に目の前の熊みたいなのは中途半端にキモイところが許せないわ。
「皆様、打ち合わせ通りに!」
エルーサの声に皆が真剣な表情に切り替わる。ちなみに魔導洞窟には幾つかのパターンが存在しており、ここの10階にある所謂ボス部屋の魔物は倒しても一定の時間が経つと復活する。これは一定の時間ごとしか更に下に続く道が現れないようになっていて、そのトリガーがこの魔物を仕留めた時となっている。
ホント、ゲームみたいな仕組みだ。と、私は思いながら熊の行動に関しての情報を思い出す。
ここの熊の名前は甲虫熊という安直な名前の魔物で基本的には脳筋なタイプの魔物で目についた敵に対して鋭い爪での攻撃をしてくる。威圧効果のある雄叫びを上げる事もあるので注意が必要だと言われている。ただし、この熊には甲羅のような部分も熊の毛も斬撃に対して非常に強い耐性を持っている。
弱点が少なく正統派の戦いをしなければ、倒すのが難しい難敵と言える。しかし、明確な弱点が一応、存在している。それは鼻先、目、口が弱点だ。ただし、巨大な躯体に比べて動きが素早く防衛本能も高い為に急所への防御も巧みに行うので、パーティーメンバーで上手く連携してダメージを積み上げるのが最も良い方法だ。
でも、今回の作戦はこうだ。
ナスターシアとウィンディが前に出て、熊のヘイトを受け持つ。アタッカーのエルーサ、アリエルがダメージを積み上げる。私は敵の魔力を感知したら魔法攻撃や強化を解除しつつ、回復や支援に回る。後はタイミングを計って魔銃を使って攻撃。
現状、作戦通りにナスターシアとウィンディが熊へのヘイトを稼く為に連携して攻撃と防御を繰り返す。熊は4本の足を巧みに使って攻撃と防御を行う。予想よりも素早い動きにエルーサやアリエルの攻撃に熊は前足にも付いている硬い甲羅のような部分で防ぐ。
「全身鎧を着てる熊って感じね……」
と、アリエルは素早く後退して、地面に剣を突き刺して手をブンブンと振る。よほど硬いのか痺れたようだ。そして、練習中の空間収納を使った武器交換を行い、魔銃で後方射撃に切り替える。それに合わせてエルーサも魔銃による魔法攻撃に変更。
超々高速の電撃槍が十数本出現して、甲虫熊に向かう。
ナスターシアとウィンディも攻撃を察知して攻撃のタイミングに合わせて素早く後退する。私は熊が雄叫びを上げた瞬間に魔力の流れを見て、魔法を解除。次の瞬間、電撃槍が一気に甲虫熊に突き刺さる。
「……あと一歩足らないみたいね」
私はすぐに熊からの反撃に備えて防壁を張った――その瞬間、凄まじい轟音が熊から返ってくる。防壁を張ったりする瞬間って相手の魔法を潰すタイミングをミスっちゃうのよね。と、思いつつ小さく舌打ちする。
「反射って、中々ふざけた事をする熊ね!」
そう言ったのはアリエルだ。調べた敵の能力に反射魔法なんて無かったけど、そういうのが使える個体もいるのね。
「でも、敵も全てを防げたわけでは無いみたいよ」
「――畳みかけますか?」
ウィンディがそう言いながら、再び熊に接敵してヘイトを稼ぐ。確かに、タイミングを合わせて攻撃を与えればいけそうな気はする。
「そうね、防御は私に任せて皆、タイミングを合わせて一気に行くわよ!」
私の声に合わせて全員が一気に動く、ウィンディの動きに合わせてナスターシアが入れ替わるように熊に攻撃を行う。これは牽制であり、ヘイトを稼ぐ為の動きだ。
そして、熊が4本の足を大きく広げて吠える。それを見てアリエルとエルーサが再び魔法攻撃を叩き込み、それに合わせるようにウィンディが斬り込んでいく。私は魔力の動きを読みながら、敵の魔法を打ち消し、さらに拘束魔術を複数放ち相手の動きを止める。
苦しそうな熊の咆哮を聞きつつ、ウィンディが斬り込んだ後にナスターシア、その動きに合わせてエルーサが熊の右側の腕を一本斬り落とし、態勢を崩した熊の鼻っ面にアリエルの剣が突き刺さる。そして、アリエルは剣を素早く引き抜き、左手に持った魔銃から弾丸を三発撃ち込む。
撃ち込まれた弾丸は光の矢となって熊の脳天を確実に破壊し、甲虫熊は沈黙した。
「――よし!」
「って、アリエル。オーバーキルよ……熊の素材の事、忘れてるでしょ」
「あ!?」
頭を失った熊がドスンと倒れる間に思わずツッコミを入れてしまう私であった。因みに甲虫熊の素材で重要なのは皮と鎧のような甲羅、そして、肝である。本当は脳みそなんかも素材として高く売れるのだが、完全に頭を粉微塵にしてしまった。
「まぁ、中層にもいるって話だし、その時に――ね?」
「もう、仕方ないわね」
と、言いながら私達は倒した甲虫熊を手早く解体して空間収納に仕舞った。
これはハッキリ言って不思議な現象としか言えない。私はまるでゲームみたい――と、思いつつも、この世界しか知らない人からすれば、それが当たり前なので何もオカシイ事では無い。
現れた魔物は虫とも動物ともとれない奇妙な生物で、簡単に言えば巨大な六本足の熊だ。ただ、毛皮以外に固い甲羅のようなモノが身体に付いており、その見た目が甲虫のようだけど、形状やもふもふ感は熊だ。
「全く可愛くないわね」
私は思わず独り言ちる。戦闘中だから、誰も聞いていないと思っての呟きだったのだけど、しっかりと全員が聞いていたようだ。
「って、言うか魔物に可愛さを求めてどうするのよ? 倒し辛くなるだけでしょ」
と、アリエル。確かに倒し辛くなるかもしれないけど、キモイよりもカワイイ方がいいと思うんだけどねぇ。特に目の前の熊みたいなのは中途半端にキモイところが許せないわ。
「皆様、打ち合わせ通りに!」
エルーサの声に皆が真剣な表情に切り替わる。ちなみに魔導洞窟には幾つかのパターンが存在しており、ここの10階にある所謂ボス部屋の魔物は倒しても一定の時間が経つと復活する。これは一定の時間ごとしか更に下に続く道が現れないようになっていて、そのトリガーがこの魔物を仕留めた時となっている。
ホント、ゲームみたいな仕組みだ。と、私は思いながら熊の行動に関しての情報を思い出す。
ここの熊の名前は甲虫熊という安直な名前の魔物で基本的には脳筋なタイプの魔物で目についた敵に対して鋭い爪での攻撃をしてくる。威圧効果のある雄叫びを上げる事もあるので注意が必要だと言われている。ただし、この熊には甲羅のような部分も熊の毛も斬撃に対して非常に強い耐性を持っている。
弱点が少なく正統派の戦いをしなければ、倒すのが難しい難敵と言える。しかし、明確な弱点が一応、存在している。それは鼻先、目、口が弱点だ。ただし、巨大な躯体に比べて動きが素早く防衛本能も高い為に急所への防御も巧みに行うので、パーティーメンバーで上手く連携してダメージを積み上げるのが最も良い方法だ。
でも、今回の作戦はこうだ。
ナスターシアとウィンディが前に出て、熊のヘイトを受け持つ。アタッカーのエルーサ、アリエルがダメージを積み上げる。私は敵の魔力を感知したら魔法攻撃や強化を解除しつつ、回復や支援に回る。後はタイミングを計って魔銃を使って攻撃。
現状、作戦通りにナスターシアとウィンディが熊へのヘイトを稼く為に連携して攻撃と防御を繰り返す。熊は4本の足を巧みに使って攻撃と防御を行う。予想よりも素早い動きにエルーサやアリエルの攻撃に熊は前足にも付いている硬い甲羅のような部分で防ぐ。
「全身鎧を着てる熊って感じね……」
と、アリエルは素早く後退して、地面に剣を突き刺して手をブンブンと振る。よほど硬いのか痺れたようだ。そして、練習中の空間収納を使った武器交換を行い、魔銃で後方射撃に切り替える。それに合わせてエルーサも魔銃による魔法攻撃に変更。
超々高速の電撃槍が十数本出現して、甲虫熊に向かう。
ナスターシアとウィンディも攻撃を察知して攻撃のタイミングに合わせて素早く後退する。私は熊が雄叫びを上げた瞬間に魔力の流れを見て、魔法を解除。次の瞬間、電撃槍が一気に甲虫熊に突き刺さる。
「……あと一歩足らないみたいね」
私はすぐに熊からの反撃に備えて防壁を張った――その瞬間、凄まじい轟音が熊から返ってくる。防壁を張ったりする瞬間って相手の魔法を潰すタイミングをミスっちゃうのよね。と、思いつつ小さく舌打ちする。
「反射って、中々ふざけた事をする熊ね!」
そう言ったのはアリエルだ。調べた敵の能力に反射魔法なんて無かったけど、そういうのが使える個体もいるのね。
「でも、敵も全てを防げたわけでは無いみたいよ」
「――畳みかけますか?」
ウィンディがそう言いながら、再び熊に接敵してヘイトを稼ぐ。確かに、タイミングを合わせて攻撃を与えればいけそうな気はする。
「そうね、防御は私に任せて皆、タイミングを合わせて一気に行くわよ!」
私の声に合わせて全員が一気に動く、ウィンディの動きに合わせてナスターシアが入れ替わるように熊に攻撃を行う。これは牽制であり、ヘイトを稼ぐ為の動きだ。
そして、熊が4本の足を大きく広げて吠える。それを見てアリエルとエルーサが再び魔法攻撃を叩き込み、それに合わせるようにウィンディが斬り込んでいく。私は魔力の動きを読みながら、敵の魔法を打ち消し、さらに拘束魔術を複数放ち相手の動きを止める。
苦しそうな熊の咆哮を聞きつつ、ウィンディが斬り込んだ後にナスターシア、その動きに合わせてエルーサが熊の右側の腕を一本斬り落とし、態勢を崩した熊の鼻っ面にアリエルの剣が突き刺さる。そして、アリエルは剣を素早く引き抜き、左手に持った魔銃から弾丸を三発撃ち込む。
撃ち込まれた弾丸は光の矢となって熊の脳天を確実に破壊し、甲虫熊は沈黙した。
「――よし!」
「って、アリエル。オーバーキルよ……熊の素材の事、忘れてるでしょ」
「あ!?」
頭を失った熊がドスンと倒れる間に思わずツッコミを入れてしまう私であった。因みに甲虫熊の素材で重要なのは皮と鎧のような甲羅、そして、肝である。本当は脳みそなんかも素材として高く売れるのだが、完全に頭を粉微塵にしてしまった。
「まぁ、中層にもいるって話だし、その時に――ね?」
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