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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
128.悪役令嬢は魔導洞窟を満喫する
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私達はドデカい熊を解体して、10階から中層の1階にあたる11階へ移動する。
「情報通り、上層よりも空間が広いですね」
「そうね。それにこれだけの広さがあれば、他の冒険者とかち合う確率は随分と減るわね」
「今日は【白金】が1組、【金】が3組、【銀】の大人数が2組でしたっけ」
ちなみに調べたところ、冒険者ランクと人数だけ情報が開示されていて、実際にどこの誰が下の階層に進んでいるかは実のところフンワリしている。【白金】だけは誰か予想出来るのは国内に誰がいるか情報があるからだけど……。
まぁ、それでも情報によると中層の広さは上層の数倍だという話なので、よほどの事が無い限りは出会うこともないでしょう。
中層は上層の地下洞窟という雰囲気とは全く違う、古代遺跡風の迷宮となっているようだ。通路も幅が80メートル以上はありそうなほどで、10階から階段を下りて来た場所は20メートル四方くらいの部屋だったが、そこから一歩出るとその大きさというか、広さというか……色々出鱈目な気持ちになる。
「魔導洞窟あるあるだけど、下りて来た階段の長さより、その階層の天井がどうみても高いってヤツだけど、ここもそうみたいね」
アリエルはそう言いながら遥かに前方へ続く道を目を細めて眺めていた。上層に比べて明るいのも奇妙ではあるけど、魔導洞窟というのはそういう不思議な場所である。と、思う事で考えることを私は放棄した。
「こういう場所では広いようで実は広くなかったり、狭く見えて実は広いなど、魔法的に視覚情報を狂わせるというのが魔導洞窟にはあるそうです。私も詳しくはありませんが、『アンダンテール大洞窟』中層、下層はそういった視覚情報の混乱や意地の悪い罠などが存在するというのは資料で読んでいると思いますので、ここからは本当に慎重にお願いします」
と、エルーサが真剣な表情で言った。確かにおふざけ半分なところも上層ではあったのだが、本番は此処からだというのは十分に承知している。
因みに『アンダンテール大洞窟』が第一級魔導洞窟とされている理由に一定期間ごとに魔導洞窟内の構造が変わる特徴を持っている。これは一定期間ごと――と、いうか頻繁に魔導洞窟内の構造が変わるせいで地図があまり意味を成さないというのが、この魔導洞窟が難易度を上げているひとつの要因となっている。
そうして、私達はナスターシアとエルーサを先頭に進んでいく。地図に関しては最新の物を上層9階の安全地帯で購入した。一応、以前の物と見比べたのだけど、序盤部分はあまり変わらないけれど、さらに下の階へ向かう道筋が随分と変わっている様子だった。
【金】の冒険者が今回魔導洞窟に入っているのはギルドからの依頼で地図作成を主にしており、中層と上層9階の安全地帯を幾度も行き来しているらしい。一番、遭遇しそうなパーティーは彼等かな。と、私は思っている。
そんな事を考えていると目の前に闇色の靄が幾つも現れる。
「魔物が沸きます! 警戒を!!」
と、ナスターシアが声を出す。私達は対応する為に素早く身構えて魔物が現れるのを待つ。魔導洞窟特有の現象で魔物はこの靄から現れる。どういう理屈なのかは謎だけど、古くから魔導洞窟のみで起こる現象として知られている。
現れたのは人型の魔物でいわゆるゾンビやグールと言った感じの腐乱した肉体を持つ魔物だ。この世界では総じてこの手の魔物を邪人と呼ぶ。
「邪人が5体。武器は剣と槍、後は弓、杖持ちと盾持ちもいます」
ナスターシアはそう言って、剣を両手でしっかりと持ち防御姿勢で構える。同じようにエルーサは槍を取り出して構える。因みにだけど、エルーサは主な武器に槍、魔導剣、魔銃と素早く入れ替えながら戦う。お母様にかなり絞られてどの武器も相当に使いこなすようになっていた。
敵は盾持ちと槍持ちが全面に出て、ジリジリとこちらへ近づいて来る。唸り声が正直気味が悪い。私は弓使いと杖持ちのヤツの動きを警戒する。チラリとアリエルに視線を送ると、彼女は小さく頷いて左手に持った魔銃を構えて、超々高速の光の槍を撃ち込み、それを合図に全員が動く。
私は杖持ちが魔法発動をする動きを封じ拘束する。ナスターシアは盾持ちに向かって威嚇攻撃を行い、その隙を付いてエルーサが剣を持った敵の頭を槍で一突きにする。ウィンディはそのタイミングに合わせるように突進して、槍持ちが突いてくる槍を足場にして相手の裏に回り込み、槍持ちを斬り刻む。そして、アリエルは身体強化を使って飛び上がり、上空から魔銃で盾持ちを撃ち殺した。
「ふぅ、こんなものかしら?」
「お見事です」
と、ナスターシアはアリエルを褒める。アリエルは少し照れた風に「楽勝でしょ」と、言ってプイッと顔を背けた。お前もツンデレか!
そんなやり取りをしつつ、倒した敵の装備を剥ぎ取ってさらに移動する。因みに邪人の多くは肉や骨なども含めて素材向きでは無いので、放置して装備類などを取るのが基本だ。私達は幾度も現れる邪人を倒しながら、魔導洞窟を進んでいく。
「情報通り、上層よりも空間が広いですね」
「そうね。それにこれだけの広さがあれば、他の冒険者とかち合う確率は随分と減るわね」
「今日は【白金】が1組、【金】が3組、【銀】の大人数が2組でしたっけ」
ちなみに調べたところ、冒険者ランクと人数だけ情報が開示されていて、実際にどこの誰が下の階層に進んでいるかは実のところフンワリしている。【白金】だけは誰か予想出来るのは国内に誰がいるか情報があるからだけど……。
まぁ、それでも情報によると中層の広さは上層の数倍だという話なので、よほどの事が無い限りは出会うこともないでしょう。
中層は上層の地下洞窟という雰囲気とは全く違う、古代遺跡風の迷宮となっているようだ。通路も幅が80メートル以上はありそうなほどで、10階から階段を下りて来た場所は20メートル四方くらいの部屋だったが、そこから一歩出るとその大きさというか、広さというか……色々出鱈目な気持ちになる。
「魔導洞窟あるあるだけど、下りて来た階段の長さより、その階層の天井がどうみても高いってヤツだけど、ここもそうみたいね」
アリエルはそう言いながら遥かに前方へ続く道を目を細めて眺めていた。上層に比べて明るいのも奇妙ではあるけど、魔導洞窟というのはそういう不思議な場所である。と、思う事で考えることを私は放棄した。
「こういう場所では広いようで実は広くなかったり、狭く見えて実は広いなど、魔法的に視覚情報を狂わせるというのが魔導洞窟にはあるそうです。私も詳しくはありませんが、『アンダンテール大洞窟』中層、下層はそういった視覚情報の混乱や意地の悪い罠などが存在するというのは資料で読んでいると思いますので、ここからは本当に慎重にお願いします」
と、エルーサが真剣な表情で言った。確かにおふざけ半分なところも上層ではあったのだが、本番は此処からだというのは十分に承知している。
因みに『アンダンテール大洞窟』が第一級魔導洞窟とされている理由に一定期間ごとに魔導洞窟内の構造が変わる特徴を持っている。これは一定期間ごと――と、いうか頻繁に魔導洞窟内の構造が変わるせいで地図があまり意味を成さないというのが、この魔導洞窟が難易度を上げているひとつの要因となっている。
そうして、私達はナスターシアとエルーサを先頭に進んでいく。地図に関しては最新の物を上層9階の安全地帯で購入した。一応、以前の物と見比べたのだけど、序盤部分はあまり変わらないけれど、さらに下の階へ向かう道筋が随分と変わっている様子だった。
【金】の冒険者が今回魔導洞窟に入っているのはギルドからの依頼で地図作成を主にしており、中層と上層9階の安全地帯を幾度も行き来しているらしい。一番、遭遇しそうなパーティーは彼等かな。と、私は思っている。
そんな事を考えていると目の前に闇色の靄が幾つも現れる。
「魔物が沸きます! 警戒を!!」
と、ナスターシアが声を出す。私達は対応する為に素早く身構えて魔物が現れるのを待つ。魔導洞窟特有の現象で魔物はこの靄から現れる。どういう理屈なのかは謎だけど、古くから魔導洞窟のみで起こる現象として知られている。
現れたのは人型の魔物でいわゆるゾンビやグールと言った感じの腐乱した肉体を持つ魔物だ。この世界では総じてこの手の魔物を邪人と呼ぶ。
「邪人が5体。武器は剣と槍、後は弓、杖持ちと盾持ちもいます」
ナスターシアはそう言って、剣を両手でしっかりと持ち防御姿勢で構える。同じようにエルーサは槍を取り出して構える。因みにだけど、エルーサは主な武器に槍、魔導剣、魔銃と素早く入れ替えながら戦う。お母様にかなり絞られてどの武器も相当に使いこなすようになっていた。
敵は盾持ちと槍持ちが全面に出て、ジリジリとこちらへ近づいて来る。唸り声が正直気味が悪い。私は弓使いと杖持ちのヤツの動きを警戒する。チラリとアリエルに視線を送ると、彼女は小さく頷いて左手に持った魔銃を構えて、超々高速の光の槍を撃ち込み、それを合図に全員が動く。
私は杖持ちが魔法発動をする動きを封じ拘束する。ナスターシアは盾持ちに向かって威嚇攻撃を行い、その隙を付いてエルーサが剣を持った敵の頭を槍で一突きにする。ウィンディはそのタイミングに合わせるように突進して、槍持ちが突いてくる槍を足場にして相手の裏に回り込み、槍持ちを斬り刻む。そして、アリエルは身体強化を使って飛び上がり、上空から魔銃で盾持ちを撃ち殺した。
「ふぅ、こんなものかしら?」
「お見事です」
と、ナスターシアはアリエルを褒める。アリエルは少し照れた風に「楽勝でしょ」と、言ってプイッと顔を背けた。お前もツンデレか!
そんなやり取りをしつつ、倒した敵の装備を剥ぎ取ってさらに移動する。因みに邪人の多くは肉や骨なども含めて素材向きでは無いので、放置して装備類などを取るのが基本だ。私達は幾度も現れる邪人を倒しながら、魔導洞窟を進んでいく。
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