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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
174.悪役令嬢は母親と魔導洞窟の話をする
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あれから、王宮での話し合いで幾つかの方針は決まった。
クーベルト閣下がバーレモントの大穴の管理室を探すこと。あと、アンダンテール大洞窟は私がある程度問題無いと判断するまで解析が進むまで、閉鎖。こちらに関してはハーブスト公爵領の魔導洞窟なので、そもそも我が領の問題ということで、一応、ランパート公が冒険者ギルド側と折衝をもって貰えるようなので、たぶん大丈夫でしょう。
で、どれだけ時間が掛かるか分からないけれど、魔導洞窟関連の管理技術については技術的な部分が見えれば王族の管理で行える道を探る。これに関しては仕方ない部分ではあるけれど、当然だ。
話し合いを終えて、家に帰る最中にお母様と管理端末について家に帰ったら話をすることを約束した。
そして、現在、目の前にお母様が管理端末を前に難しそうな表情をして、珍しく唸っている。
「この複雑な術式――ああっ、ここじゃないわ」
「――難しいですよね。私も間違う時がありますから、正直、もう少し簡潔に動かせる仕組みを作りたいと思うくらいです」
私がそう言うとお母様は何かを思い出したように「そういえば……」と、口にした。
「どうされました?」
「いえ、前に失敗作の計算機と作った時に貴女が言っていたわね。複雑な計算や術式を走らせることが出来る『演算処理装置』だったかしら? それって、こういう魔道具ということかしら?」
「いいえ、残念ながら、この魔導洞窟の管理端末はもっとそれを発展させたモノだと言えると思います。『演算処理装置』が出来れば、そこから基本動作を行う仕組みや管理制御を行う仕組みを作っていけると思います。最終的に今回発見した物より扱いやすいモノを開発出来れば最高だといえます」
並行して通信関連も作らないといけないから、思っているより時間が必要かなぁ。とは、思うけど。リンリィがどれだけ出来るかに掛かっているともいえる。
「そういえば、アーマリア侯爵令嬢は計算が得意だという話をしていましたね? それも関係しているのかしら?」
「魔導洞窟関連のモノとは全く関係ありませんね。そもそも、私が考えている物と基本的な考え方が違うのです。この端末は扱える人間が高い魔力量を持つことが必須です。私が考えているのは魔力量が多く無くとも扱える物になれば良いと思っています」
「確かに、これは魔術だけでは無く、比重的に魔法的な要素が多い気がしますね。なるほど、と、いうことはこうして――こうすれば、動いたわ」
と、お母様は端末を起動させることに成功する。少しの情報だけで、さらりとこなせてしまうお母様が私には少し恐ろしく感じるけれど、魔法や魔術に関して、国内どころか、大帝国でもお母様に並ぶ人は数少ないかもしれない。
「確かに、無駄に魔力を使いますね。でも、結局これからどうすれば良いか、分かりませんね。貴女はよくこれが何かわかりましたね……」
「だから、言っているではありませんか。偶然が重なったと」
これは半分正解で半分嘘だ。似たような仕組みの端末を触った事があるだけで、なんとなく扱いが分かっただけ、しかも、動かせるところはある程度理解出来た術式部分で、全く分からない機能も多い。
「にしても、賢者サルバトーレが魔導洞窟を造りだしたというのは本当に恐ろしい話ですね。彼は一体何を考えて、そのような物を作ったのでしょうね」
「それは同意しますね。でも、魔導洞窟が自然に出来るモノであれば、もしかすると自分で再現出来るか試した――みたいな仮説はなりたつのかな。と、私は思ってますよ」
「それにしても……よね。私達が知っている魔法や魔術の理論や法則、この板にしても、どういう仕組みで造られているか見当もつかないわ」
それは確かに分からないところなのよね。そもそも、この板に見えるモノはどういう技術で作られているか不明だけど、魔白金が使われていることだけは確かだ。
「もしかすると、錬金術による生成という可能性もあるのかしら?」
と、お母様が言う。前世の記憶で錬金術という言葉には色々とイメージするモノはあるのだけど、今世ではその存在は書物にチラリと書かれていたので知ってはいるが、どういったモノかは全く知らないのよね。
「錬金術とは?」
私がそう言うとお母様は楽し気に「あら、知らなかったのね」と、言った。
「はい、その――名だけは知っていますが、どういったモノなのか知りません」
「では、可愛い生徒《むすめ》のご要望ですので、教えてさしあげましょう」
お母様のこういうノリは嫌いでは無い。まぁ、色々と厳しいところは――アレだけど、自身の持つ知識を娘である私に楽しく教えてくれるのは本当に助かるのよ。
クーベルト閣下がバーレモントの大穴の管理室を探すこと。あと、アンダンテール大洞窟は私がある程度問題無いと判断するまで解析が進むまで、閉鎖。こちらに関してはハーブスト公爵領の魔導洞窟なので、そもそも我が領の問題ということで、一応、ランパート公が冒険者ギルド側と折衝をもって貰えるようなので、たぶん大丈夫でしょう。
で、どれだけ時間が掛かるか分からないけれど、魔導洞窟関連の管理技術については技術的な部分が見えれば王族の管理で行える道を探る。これに関しては仕方ない部分ではあるけれど、当然だ。
話し合いを終えて、家に帰る最中にお母様と管理端末について家に帰ったら話をすることを約束した。
そして、現在、目の前にお母様が管理端末を前に難しそうな表情をして、珍しく唸っている。
「この複雑な術式――ああっ、ここじゃないわ」
「――難しいですよね。私も間違う時がありますから、正直、もう少し簡潔に動かせる仕組みを作りたいと思うくらいです」
私がそう言うとお母様は何かを思い出したように「そういえば……」と、口にした。
「どうされました?」
「いえ、前に失敗作の計算機と作った時に貴女が言っていたわね。複雑な計算や術式を走らせることが出来る『演算処理装置』だったかしら? それって、こういう魔道具ということかしら?」
「いいえ、残念ながら、この魔導洞窟の管理端末はもっとそれを発展させたモノだと言えると思います。『演算処理装置』が出来れば、そこから基本動作を行う仕組みや管理制御を行う仕組みを作っていけると思います。最終的に今回発見した物より扱いやすいモノを開発出来れば最高だといえます」
並行して通信関連も作らないといけないから、思っているより時間が必要かなぁ。とは、思うけど。リンリィがどれだけ出来るかに掛かっているともいえる。
「そういえば、アーマリア侯爵令嬢は計算が得意だという話をしていましたね? それも関係しているのかしら?」
「魔導洞窟関連のモノとは全く関係ありませんね。そもそも、私が考えている物と基本的な考え方が違うのです。この端末は扱える人間が高い魔力量を持つことが必須です。私が考えているのは魔力量が多く無くとも扱える物になれば良いと思っています」
「確かに、これは魔術だけでは無く、比重的に魔法的な要素が多い気がしますね。なるほど、と、いうことはこうして――こうすれば、動いたわ」
と、お母様は端末を起動させることに成功する。少しの情報だけで、さらりとこなせてしまうお母様が私には少し恐ろしく感じるけれど、魔法や魔術に関して、国内どころか、大帝国でもお母様に並ぶ人は数少ないかもしれない。
「確かに、無駄に魔力を使いますね。でも、結局これからどうすれば良いか、分かりませんね。貴女はよくこれが何かわかりましたね……」
「だから、言っているではありませんか。偶然が重なったと」
これは半分正解で半分嘘だ。似たような仕組みの端末を触った事があるだけで、なんとなく扱いが分かっただけ、しかも、動かせるところはある程度理解出来た術式部分で、全く分からない機能も多い。
「にしても、賢者サルバトーレが魔導洞窟を造りだしたというのは本当に恐ろしい話ですね。彼は一体何を考えて、そのような物を作ったのでしょうね」
「それは同意しますね。でも、魔導洞窟が自然に出来るモノであれば、もしかすると自分で再現出来るか試した――みたいな仮説はなりたつのかな。と、私は思ってますよ」
「それにしても……よね。私達が知っている魔法や魔術の理論や法則、この板にしても、どういう仕組みで造られているか見当もつかないわ」
それは確かに分からないところなのよね。そもそも、この板に見えるモノはどういう技術で作られているか不明だけど、魔白金が使われていることだけは確かだ。
「もしかすると、錬金術による生成という可能性もあるのかしら?」
と、お母様が言う。前世の記憶で錬金術という言葉には色々とイメージするモノはあるのだけど、今世ではその存在は書物にチラリと書かれていたので知ってはいるが、どういったモノかは全く知らないのよね。
「錬金術とは?」
私がそう言うとお母様は楽し気に「あら、知らなかったのね」と、言った。
「はい、その――名だけは知っていますが、どういったモノなのか知りません」
「では、可愛い生徒《むすめ》のご要望ですので、教えてさしあげましょう」
お母様のこういうノリは嫌いでは無い。まぁ、色々と厳しいところは――アレだけど、自身の持つ知識を娘である私に楽しく教えてくれるのは本当に助かるのよ。
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