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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
182.悪役令嬢は悪役令嬢と実験をする
ハーブスト公爵領の屋敷に帰って来てから数日経つわけだけど、あれからリンリィと魔導技術に関して盛に盛り上がった結果、お母様も巻き込んで技術躍進に勤しんだわけだ。
そして、本日は最新の計算機の魔道具の実証実験を行う。
いやぁ、ハーブスト家には魔物素材も私が作った工作機械も複数あるので、ほんと、捗った。そして、リンィリの専属メイドであるファドリー男爵家の四女、ミリリアル・ファドリーの特技も発覚して、リンリィが目を輝かせるなどなどもあって、いやぁ、調子に乗りに乗りまくったわ。
「エステリア、始めましょう」
「はい、お母様」
と、私が代表して魔力を通して計算機を起動させる。アンダンテール大洞窟からゲットした魔術式リファレンスも随分と役に立った。まぁ、参考資料にしかなってないけど、考え方というか基礎的な構築理論的な部分は本当に役立った。
回路図面は最終的にお母様が作ったのだけど、各パーツの構築と改変はリンリィがやって、私は魔晶液や魔物素材の選出、魔術式の封入などなど、行ったわけだけど、まさか数日で試作機が完成するとは思ってもいなかったわ。
「まさか、このような単純な術式で複雑なことが出来るとは思いもしませんでした」
お母様が落ち着いた雰囲気でそう言ったけれど、内心はかなりの驚きがあったことを私は知っている。始め、伝えた時「は?」と、思いっきり言ったし。
この計算機の基本は前世の世界でいうコンデンサの役割を術式で作っただけで、灯火の発動を「1」、非発動を「0」とする仕組みを回路として組むことで成立させている。そして、リンリィが考えた魔力を電気に変え、それを再び魔力に転換する方法を入れることで、本当に少ない魔力で稼働する。そして、そして、なのだけど、魔力電池を使う事で起動後は一部を魔力電池で供給することで、魔力が必要な動きを補完するようになっている。
液晶も魔物の素材と、魔晶石から作った魔晶液との混合と、LEDもどき――これもコンデンサの一種で灯火の術式構成を少し変えたモノを使っている。まぁ、これもまだ多色で作るには少し厳しくて、前世とは違って緑の光を作るのが難しい。と、いう状況になっているのだけど、これはすぐに解決出来そうではある。緑が出来ないわけでは無く、青に近い色味なせいで色味が青が強すぎる状態なのよね。
と、いうわけで現在は赤――よりもオレンジに近い色味の液晶になっている。
「ではお母様。数字と記号が書かれている装置を使って、計算してみてください」
「ええ、そうね――」
お母様はそう言って、私がどいたところへやって来て計算機のボタンをポチポチと叩き、数字を打ち込んでいく。まずは加算、問題無く出来てるわね。減算、積算、除算とやってひと通り問題無く計算、表示も問題がなさそう。
「これを使えば算盤を使わなくても計算出来るのね――でも、こんなに簡単に計算出来てしまったら、誰も算術が出来なくなるのでは無くって?」
「そんなことはありませんよステファニー様。この計算機ではまだ複雑な計算は出来ません。これは一般向け――と、いうより商人や領地経営の収支計算などで役に立つくらいで、エステリア様が求めているのは関数計算機ですから」
と、リンリィは楽し気にそう語る。まぁ、そうなんだけど、リンリィが凄く楽しそうだ。なんというか、本当に得意分野の事になると饒舌になるタイプだわ。この基礎部分を小型化して、OSを組めるところまでもって行きたいので、まずはファーストステップというところね。
「魔道具なのに起動と終了時以外は魔力を使わない設計は本当によく思い付いたわね」
「本当は起動・終了にも魔力を使わないことも出来たんですが――」
「エステリア、そこは説明したと思いますが?」
そうだ。魔力を使うということが実は魔道具にとって大事だったりするんだよね。ハッキリ言って体裁という部分が大きい。この世界で言えば平民であっても魔力を持っているし、これの起動には平民でも十分に起動出来るくらいに魔力は使わない製品になっているのだけど、特殊な魔道具イコール魔力を凄く使う。と、いう常識みたいなのが存在するから、魔力を使って動かしているのよ。と、いう状況が大事なのよね。全く非効率ではある。
「分かっています。起動時に魔力使う仕組みも色々と出来そうなので、例えば、起動に必要な魔力量を指定出来たり、特定の個人が持つ魔力のみに反応するように登録出来たり。みたいなのも可能だと思うんです」
これで、セキュリティ的なヤツを起動時に組み込んだり、実際PCとかスマホが出来ればロック解除に必要なプロセスにしたり出来ればいいんじゃない?
「なるほどですね。起動時の防犯対策に使うというわけですね」
リンリィの言葉に私は即座に肯定を示す。お母様も「なるほどね」と、感心し、私はニヤリと笑うのであった。ん? リンリィ、何故恐ろしいモノを見たような顔をするのかしら?
そして、本日は最新の計算機の魔道具の実証実験を行う。
いやぁ、ハーブスト家には魔物素材も私が作った工作機械も複数あるので、ほんと、捗った。そして、リンィリの専属メイドであるファドリー男爵家の四女、ミリリアル・ファドリーの特技も発覚して、リンリィが目を輝かせるなどなどもあって、いやぁ、調子に乗りに乗りまくったわ。
「エステリア、始めましょう」
「はい、お母様」
と、私が代表して魔力を通して計算機を起動させる。アンダンテール大洞窟からゲットした魔術式リファレンスも随分と役に立った。まぁ、参考資料にしかなってないけど、考え方というか基礎的な構築理論的な部分は本当に役立った。
回路図面は最終的にお母様が作ったのだけど、各パーツの構築と改変はリンリィがやって、私は魔晶液や魔物素材の選出、魔術式の封入などなど、行ったわけだけど、まさか数日で試作機が完成するとは思ってもいなかったわ。
「まさか、このような単純な術式で複雑なことが出来るとは思いもしませんでした」
お母様が落ち着いた雰囲気でそう言ったけれど、内心はかなりの驚きがあったことを私は知っている。始め、伝えた時「は?」と、思いっきり言ったし。
この計算機の基本は前世の世界でいうコンデンサの役割を術式で作っただけで、灯火の発動を「1」、非発動を「0」とする仕組みを回路として組むことで成立させている。そして、リンリィが考えた魔力を電気に変え、それを再び魔力に転換する方法を入れることで、本当に少ない魔力で稼働する。そして、そして、なのだけど、魔力電池を使う事で起動後は一部を魔力電池で供給することで、魔力が必要な動きを補完するようになっている。
液晶も魔物の素材と、魔晶石から作った魔晶液との混合と、LEDもどき――これもコンデンサの一種で灯火の術式構成を少し変えたモノを使っている。まぁ、これもまだ多色で作るには少し厳しくて、前世とは違って緑の光を作るのが難しい。と、いう状況になっているのだけど、これはすぐに解決出来そうではある。緑が出来ないわけでは無く、青に近い色味なせいで色味が青が強すぎる状態なのよね。
と、いうわけで現在は赤――よりもオレンジに近い色味の液晶になっている。
「ではお母様。数字と記号が書かれている装置を使って、計算してみてください」
「ええ、そうね――」
お母様はそう言って、私がどいたところへやって来て計算機のボタンをポチポチと叩き、数字を打ち込んでいく。まずは加算、問題無く出来てるわね。減算、積算、除算とやってひと通り問題無く計算、表示も問題がなさそう。
「これを使えば算盤を使わなくても計算出来るのね――でも、こんなに簡単に計算出来てしまったら、誰も算術が出来なくなるのでは無くって?」
「そんなことはありませんよステファニー様。この計算機ではまだ複雑な計算は出来ません。これは一般向け――と、いうより商人や領地経営の収支計算などで役に立つくらいで、エステリア様が求めているのは関数計算機ですから」
と、リンリィは楽し気にそう語る。まぁ、そうなんだけど、リンリィが凄く楽しそうだ。なんというか、本当に得意分野の事になると饒舌になるタイプだわ。この基礎部分を小型化して、OSを組めるところまでもって行きたいので、まずはファーストステップというところね。
「魔道具なのに起動と終了時以外は魔力を使わない設計は本当によく思い付いたわね」
「本当は起動・終了にも魔力を使わないことも出来たんですが――」
「エステリア、そこは説明したと思いますが?」
そうだ。魔力を使うということが実は魔道具にとって大事だったりするんだよね。ハッキリ言って体裁という部分が大きい。この世界で言えば平民であっても魔力を持っているし、これの起動には平民でも十分に起動出来るくらいに魔力は使わない製品になっているのだけど、特殊な魔道具イコール魔力を凄く使う。と、いう常識みたいなのが存在するから、魔力を使って動かしているのよ。と、いう状況が大事なのよね。全く非効率ではある。
「分かっています。起動時に魔力使う仕組みも色々と出来そうなので、例えば、起動に必要な魔力量を指定出来たり、特定の個人が持つ魔力のみに反応するように登録出来たり。みたいなのも可能だと思うんです」
これで、セキュリティ的なヤツを起動時に組み込んだり、実際PCとかスマホが出来ればロック解除に必要なプロセスにしたり出来ればいいんじゃない?
「なるほどですね。起動時の防犯対策に使うというわけですね」
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