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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
197.悪役令嬢は魔法技術大会を観戦する
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なんだかんだあって、魔法技術大会の開会式を特別観覧席で見ているわけなのだけど、これも色々とあったわけなのだけど、クリフト殿下が来ない事が確定したので、私はアリエルの隣に座る事になった。
因みにクリフト殿下が来ないのは魔導洞窟へ冒険に出ているからで、これも女王キャロラインとの間で結構揉めたらしいけれど、アリエルには許可出来て自分には許可が出ないのはおかしいと殿下が言ったことで、仕方なく――と、いう形で許可が出たらしい。
本来、殿下が観覧席で踏ん反り返って観てもらう予定だったワケだけど、これに関しては殿下が学園に来たのは初日だけで、それ以降は全く通っていないので魔法技術大会を観覧しないと言う件について学園側は全く問題にならなかった――のだけど、王家から誰か観覧して欲しいという話からアリエルに白羽の矢が立ったのよね。
それは別にいいんだけど、結局アリエルからの要望で私は特別観覧席での観覧となったわけ。
「にしても、私だけってどういうことなのかしら……」
と、私の呟きにアリエルは小さく笑うのだけど、他の娘達は別の観覧席で見ていて、まぁ、マリーは爆ぜろって言っておこう。出場するリンリィに対してはお母様に相談したのだけど、心強い助っ人に彼女の側について貰う――と、いう話になっているのだけど、どういうことなのかしら?
「仕方あるまい。なかなかゾロゾロと連れて来ると近衛達も大変だろう?」
アリエルは王女モードでそう言った。まぁ、確かにそれはそうだけど、出来ればリンリィの側にいてあげたかった気持ちはある。しかし、そうなるとアリエルが特別観覧席でポツンと一人で見るというのもね。
「まぁ、殿下が来ないだけでも良かったと思えばいいのかしらね」
「そう思うと良いのではないか?」
「そうね。そろそろ競技が始まりそうね」
第一競技は的を魔法で当てて行く競技で、全ての的に魔法を当てるまでの時間と的に当てる精度を競う競技になる。因みに範囲拡散などの魔法は禁止で、単発の攻撃魔法を使うことが決められている――のだけど、多重発動の魔法は禁止はされていないことを私はキチンと運営にも確認を取った。
「リンリィはどこまでやれそう?」
「確実に優勝かしら」
と、私はアリエルにそう答えた。小学で魔法の多重発動が出来る者というのはお母様曰く、普通はいない。と、いうことらしいので、この手の制御系の競技であればリンリィに勝てる者はそうはいない。
「そこまで?」
アリエルは驚きに王女モードを忘れてそう言った後で周囲を確認して小さく咳払いをする。因みに後方で控えているナスターシアとエルーサが笑いを堪えている雰囲気があるけど、ま、気にしない方向で。一部、近衛も普段のアリエルを知っているだろうから、視線を少し逸らしている。
「ええ、小さい魔力で精度の高い操作能力においては彼女は私達の中でも飛び抜けているから、元々は魔法とかって苦手だったらしいけど、お母様に師事するようになってから随分と変わったと言えるわね」
「私やエステリアに比べたらどうだ?」
「んー、そもそも私達と比べるのは少し違う気もするけど――」
と、私は言ってから、現状はどうか考える。私は魔力操作も得意だし、まだ私の方が上だと思うけど。アリエルは器用ではあるけど、精度というところで言えばリンリィのが上かなぁ。
「どうしてだ?」
「私達の場合はこの年齢でいえばあり得ない程の魔力量を持っているわけ。リンリィは私達に比べたら魔力量が少ない――と、言っても年齢的には凄く多い方だけど、アリエルみたいに強引に魔力でどうにかするって方法が使えないから、精度を高めることで凄く省エネの魔法を使うことを得意としてるから、そもそも私達と魔法の使い方や考え方が違うわ」
ま、私とリンリィは魔法というより魔術ベースだから、アリエルとはさらに魔法の扱い方が随分と違う。それにアリエルは知っている者は誰もが認める天才魔術師で、その強さは小学だと確実にバランスブレイカーになると思う。
「なるほど。今後、魔術派閥と魔法派閥みたいな争いが生まれそうな気がしてならんな」
「まぁ、確かに起こりえそうだけど、そうなると魔術派閥のトップは私、魔法派閥のトップはアリエルになるわよ」
「クックックッ、では争いにはなりそうにないな」
と、私達が楽しい雰囲気で会話をしていると、競技が始められる。まず出て来たのはウィッシャルド子爵令嬢のフィレーヌだ。
「お、エステリアの派閥の娘だな」
「あら、よく知っているわね」
「ちゃんと情報収集しているからな。で、彼女は何が得意なんだ?」
「不得意が無いところが彼女の特徴と言ってもいいわね。魔術のセンスも中々だし、もう少し爵位が高ければ確実にアリエルの側近に推すわね」
正直、侍女に推薦してもいいほどに優秀ではある。私としては官吏か研究者を目指してもいいと思っているけど、彼女自身がどう思っているかが大事だと思う。
そして、彼女は風の矢を使って、次々と的を射抜いていく。うん、流石に小学のレベルを超えてはいるわね。私達との勉強会の効果もあるのかしら?
「ほう、魔力操作もさることながら、魔法展開までの速度が凄いな。あれって、魔術の応用?」
「ええ、今後、キチンと解説してあげるわ」
「楽しみにしている」
と、アリエルは楽し気にそう答えた。本当に楽しみにしているように瞳を輝かせたわけだけど、これは早く教えないと後ですっごく駄々を捏ねられそうね。
因みにクリフト殿下が来ないのは魔導洞窟へ冒険に出ているからで、これも女王キャロラインとの間で結構揉めたらしいけれど、アリエルには許可出来て自分には許可が出ないのはおかしいと殿下が言ったことで、仕方なく――と、いう形で許可が出たらしい。
本来、殿下が観覧席で踏ん反り返って観てもらう予定だったワケだけど、これに関しては殿下が学園に来たのは初日だけで、それ以降は全く通っていないので魔法技術大会を観覧しないと言う件について学園側は全く問題にならなかった――のだけど、王家から誰か観覧して欲しいという話からアリエルに白羽の矢が立ったのよね。
それは別にいいんだけど、結局アリエルからの要望で私は特別観覧席での観覧となったわけ。
「にしても、私だけってどういうことなのかしら……」
と、私の呟きにアリエルは小さく笑うのだけど、他の娘達は別の観覧席で見ていて、まぁ、マリーは爆ぜろって言っておこう。出場するリンリィに対してはお母様に相談したのだけど、心強い助っ人に彼女の側について貰う――と、いう話になっているのだけど、どういうことなのかしら?
「仕方あるまい。なかなかゾロゾロと連れて来ると近衛達も大変だろう?」
アリエルは王女モードでそう言った。まぁ、確かにそれはそうだけど、出来ればリンリィの側にいてあげたかった気持ちはある。しかし、そうなるとアリエルが特別観覧席でポツンと一人で見るというのもね。
「まぁ、殿下が来ないだけでも良かったと思えばいいのかしらね」
「そう思うと良いのではないか?」
「そうね。そろそろ競技が始まりそうね」
第一競技は的を魔法で当てて行く競技で、全ての的に魔法を当てるまでの時間と的に当てる精度を競う競技になる。因みに範囲拡散などの魔法は禁止で、単発の攻撃魔法を使うことが決められている――のだけど、多重発動の魔法は禁止はされていないことを私はキチンと運営にも確認を取った。
「リンリィはどこまでやれそう?」
「確実に優勝かしら」
と、私はアリエルにそう答えた。小学で魔法の多重発動が出来る者というのはお母様曰く、普通はいない。と、いうことらしいので、この手の制御系の競技であればリンリィに勝てる者はそうはいない。
「そこまで?」
アリエルは驚きに王女モードを忘れてそう言った後で周囲を確認して小さく咳払いをする。因みに後方で控えているナスターシアとエルーサが笑いを堪えている雰囲気があるけど、ま、気にしない方向で。一部、近衛も普段のアリエルを知っているだろうから、視線を少し逸らしている。
「ええ、小さい魔力で精度の高い操作能力においては彼女は私達の中でも飛び抜けているから、元々は魔法とかって苦手だったらしいけど、お母様に師事するようになってから随分と変わったと言えるわね」
「私やエステリアに比べたらどうだ?」
「んー、そもそも私達と比べるのは少し違う気もするけど――」
と、私は言ってから、現状はどうか考える。私は魔力操作も得意だし、まだ私の方が上だと思うけど。アリエルは器用ではあるけど、精度というところで言えばリンリィのが上かなぁ。
「どうしてだ?」
「私達の場合はこの年齢でいえばあり得ない程の魔力量を持っているわけ。リンリィは私達に比べたら魔力量が少ない――と、言っても年齢的には凄く多い方だけど、アリエルみたいに強引に魔力でどうにかするって方法が使えないから、精度を高めることで凄く省エネの魔法を使うことを得意としてるから、そもそも私達と魔法の使い方や考え方が違うわ」
ま、私とリンリィは魔法というより魔術ベースだから、アリエルとはさらに魔法の扱い方が随分と違う。それにアリエルは知っている者は誰もが認める天才魔術師で、その強さは小学だと確実にバランスブレイカーになると思う。
「なるほど。今後、魔術派閥と魔法派閥みたいな争いが生まれそうな気がしてならんな」
「まぁ、確かに起こりえそうだけど、そうなると魔術派閥のトップは私、魔法派閥のトップはアリエルになるわよ」
「クックックッ、では争いにはなりそうにないな」
と、私達が楽しい雰囲気で会話をしていると、競技が始められる。まず出て来たのはウィッシャルド子爵令嬢のフィレーヌだ。
「お、エステリアの派閥の娘だな」
「あら、よく知っているわね」
「ちゃんと情報収集しているからな。で、彼女は何が得意なんだ?」
「不得意が無いところが彼女の特徴と言ってもいいわね。魔術のセンスも中々だし、もう少し爵位が高ければ確実にアリエルの側近に推すわね」
正直、侍女に推薦してもいいほどに優秀ではある。私としては官吏か研究者を目指してもいいと思っているけど、彼女自身がどう思っているかが大事だと思う。
そして、彼女は風の矢を使って、次々と的を射抜いていく。うん、流石に小学のレベルを超えてはいるわね。私達との勉強会の効果もあるのかしら?
「ほう、魔力操作もさることながら、魔法展開までの速度が凄いな。あれって、魔術の応用?」
「ええ、今後、キチンと解説してあげるわ」
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