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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
217.悪役令嬢は武闘大会を楽しむ その2
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「トンプソン子爵令息とケディアスタ騎士爵令息ね」
と、会場を見ながらマリーの言葉に私は思わず彼女の方を見る。
「詳しいわね」
「まぁ、因みに同じクラスにいるビルフォード伯爵令息の子飼いの子がトンプソン子爵令息よ。なお、名前は知らないけど」
「んー、それはファルリオからの情報ということね」
私がそう言うとマリーは表情を崩す。うん、爆ぜろ。
「ケディアスタ騎士爵のところの子は?」
「リブロス家の縁戚の家系だって。ミストリア騎士団を目指しているらしいわよ。アッシュリオって名前だったハズ」
マリーの情報を聞いている間に試合は開始されていて、お互いしばしの睨み合いが続く。そして、しびれを切らしたのかトンプソン子爵令息が威勢のいい掛け声と共にケディアスタ騎士爵令息に斬り込んで行く。
ケディアスタ騎士爵令息はその攻撃をバックステップでうまく躱しながら上段に剣を構え、一気に振り下ろし、トンプソン子爵令息の肩口に剣がぶち当たったところで、審判役の若手騎士が即座に止めて、サポートの治療師がやって来て素早く回復魔法を使ってトンプソン子爵令息を回復させる。
「訓練用の剣でも、あの威力ってヤバくない?」
「刃を潰していても斬れるから、あんなものよ? キチンと防御姿勢を取れていればあそこまでのダメージを負う事は無かったと思うけどね」
「――結構、残酷な戦いですよね」
と、マリーとリンリィは若干引き気味ではあるけれど、こういった催しは騎士団がガッツリ関わっているので、大事になることは無いと思っている――それに治療師と呼ばれる者は回復魔法のエキスパートのみに与えられる職で、戦場でも重要視されている存在だ。正直、この世界の戦場はゾンビアタックが基本だから、治療師の立場は本当に重要で、お母様曰くこういった催しは治療師の訓練にも最適なのだとか。
「大帝国内で戦場での戦いにおいて、一番使われている戦法は高火力の魔法を射出した後の突撃攻撃だからね。でも、ミストリア騎士団を目指すだけあって、距離感の見極めが上手かったし、身体強化の使い方も上手い方だと思うわね」
「あら、リアが褒めるというのは中々に珍しいわね」
「そんなこと無いと思うけど?」
そんな話をしていると、次の試合の準備が始まり、リンリィが「あら?」と、声をあげた。私は不思議に思って会場を見ると、なんだか見覚えのある少年が二振りの剣を持っており、握りを確かめながら軽く振っている姿を見て、誰か分かる。
「ゲオルグ・リーデンバルト?」
「だと思います。でも、二刀流ってどういうことなんですかね。私の記憶だと大剣を好んでいたと思うんですけど」
うん、たぶんだけど、それはアレだ。絶対的に私の所為だわ。
「たぶん、閣下の影響よ。本来は一刀は剣でもう片方は魔銃なのだけど――たぶん、魔銃を使っているのを見せない為に二刀を使って訓練しているような話をしていたから」
「でも、二刀流って私の記憶だと、実践的に微妙なんじゃなかった?」
「どうかしらね? 身体強化もあるから、上手く使えば片手でも両手と変わらないくらいの力が出せるし、今回の催しで使われる剣だと微妙なところもあるけど、魔剣であれば魔力浸透率も高いから複数を相手にするような環境だとアリだとは思うわ」
と、私が言うとマリーとリンリィは「なるほどね」と、納得する。けれどもリンリィだ小さく「あの――」と、おずおずとした感じで小さく言葉を発した。
「――考えたのですが、一対一だとどうなんでしょう?」
「まぁ、それは確かに思うわね。盾を持った方が良さそうだと考えたことがあるんだけど、大帝国では盾を持って戦うのってあまり流行って無いのよね」
魔導洞窟探索をする冒険者だとタンク役としての前衛なら盾持ちはいるし、戦場でも最前衛では盾持ちの部隊も存在する。でも、個人としての戦闘においてはあまり重要視されていない――と、いうよりも強引に攻撃した方が撃破率が高いみたいな感じもあるだろうし、魔法を使うことも考えると結構邪魔な存在だったりするからってのもあるのでしょうね。
「やっぱり、多くの者が魔法を使えるからでしょうか」
「可能性はあるわね。盾の多くがただの金属の板で魔法媒体ってわけでもないし――うん、魔導盾みたいなのを作るのは面白いかもしれないわね」
「確かにそうですね――でも、それなら籠手にしこんで様々な防御結界を張れるみたいなモノにした方が良さそうですが」
「確かに!」
と、私とリンリィは新しい魔道具の構想を考えながら、楽しんでいる間にゲオルグの勝利が宣言され、私とリンリィは「あ――」と、全く見ていなかったことに気が付くのだった。
と、会場を見ながらマリーの言葉に私は思わず彼女の方を見る。
「詳しいわね」
「まぁ、因みに同じクラスにいるビルフォード伯爵令息の子飼いの子がトンプソン子爵令息よ。なお、名前は知らないけど」
「んー、それはファルリオからの情報ということね」
私がそう言うとマリーは表情を崩す。うん、爆ぜろ。
「ケディアスタ騎士爵のところの子は?」
「リブロス家の縁戚の家系だって。ミストリア騎士団を目指しているらしいわよ。アッシュリオって名前だったハズ」
マリーの情報を聞いている間に試合は開始されていて、お互いしばしの睨み合いが続く。そして、しびれを切らしたのかトンプソン子爵令息が威勢のいい掛け声と共にケディアスタ騎士爵令息に斬り込んで行く。
ケディアスタ騎士爵令息はその攻撃をバックステップでうまく躱しながら上段に剣を構え、一気に振り下ろし、トンプソン子爵令息の肩口に剣がぶち当たったところで、審判役の若手騎士が即座に止めて、サポートの治療師がやって来て素早く回復魔法を使ってトンプソン子爵令息を回復させる。
「訓練用の剣でも、あの威力ってヤバくない?」
「刃を潰していても斬れるから、あんなものよ? キチンと防御姿勢を取れていればあそこまでのダメージを負う事は無かったと思うけどね」
「――結構、残酷な戦いですよね」
と、マリーとリンリィは若干引き気味ではあるけれど、こういった催しは騎士団がガッツリ関わっているので、大事になることは無いと思っている――それに治療師と呼ばれる者は回復魔法のエキスパートのみに与えられる職で、戦場でも重要視されている存在だ。正直、この世界の戦場はゾンビアタックが基本だから、治療師の立場は本当に重要で、お母様曰くこういった催しは治療師の訓練にも最適なのだとか。
「大帝国内で戦場での戦いにおいて、一番使われている戦法は高火力の魔法を射出した後の突撃攻撃だからね。でも、ミストリア騎士団を目指すだけあって、距離感の見極めが上手かったし、身体強化の使い方も上手い方だと思うわね」
「あら、リアが褒めるというのは中々に珍しいわね」
「そんなこと無いと思うけど?」
そんな話をしていると、次の試合の準備が始まり、リンリィが「あら?」と、声をあげた。私は不思議に思って会場を見ると、なんだか見覚えのある少年が二振りの剣を持っており、握りを確かめながら軽く振っている姿を見て、誰か分かる。
「ゲオルグ・リーデンバルト?」
「だと思います。でも、二刀流ってどういうことなんですかね。私の記憶だと大剣を好んでいたと思うんですけど」
うん、たぶんだけど、それはアレだ。絶対的に私の所為だわ。
「たぶん、閣下の影響よ。本来は一刀は剣でもう片方は魔銃なのだけど――たぶん、魔銃を使っているのを見せない為に二刀を使って訓練しているような話をしていたから」
「でも、二刀流って私の記憶だと、実践的に微妙なんじゃなかった?」
「どうかしらね? 身体強化もあるから、上手く使えば片手でも両手と変わらないくらいの力が出せるし、今回の催しで使われる剣だと微妙なところもあるけど、魔剣であれば魔力浸透率も高いから複数を相手にするような環境だとアリだとは思うわ」
と、私が言うとマリーとリンリィは「なるほどね」と、納得する。けれどもリンリィだ小さく「あの――」と、おずおずとした感じで小さく言葉を発した。
「――考えたのですが、一対一だとどうなんでしょう?」
「まぁ、それは確かに思うわね。盾を持った方が良さそうだと考えたことがあるんだけど、大帝国では盾を持って戦うのってあまり流行って無いのよね」
魔導洞窟探索をする冒険者だとタンク役としての前衛なら盾持ちはいるし、戦場でも最前衛では盾持ちの部隊も存在する。でも、個人としての戦闘においてはあまり重要視されていない――と、いうよりも強引に攻撃した方が撃破率が高いみたいな感じもあるだろうし、魔法を使うことも考えると結構邪魔な存在だったりするからってのもあるのでしょうね。
「やっぱり、多くの者が魔法を使えるからでしょうか」
「可能性はあるわね。盾の多くがただの金属の板で魔法媒体ってわけでもないし――うん、魔導盾みたいなのを作るのは面白いかもしれないわね」
「確かにそうですね――でも、それなら籠手にしこんで様々な防御結界を張れるみたいなモノにした方が良さそうですが」
「確かに!」
と、私とリンリィは新しい魔道具の構想を考えながら、楽しんでいる間にゲオルグの勝利が宣言され、私とリンリィは「あ――」と、全く見ていなかったことに気が付くのだった。
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