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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
234.悪役令嬢の護衛騎士見習いは強敵と戦う
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まるで呼吸さえ許してくれない程の猛攻に私の集中力は切れかけている。
でも、まだ諦める訳にはいかない。彼女に勝ってあの方と明日、この場で戦うのだ。そう思って、ゆっくりと呼吸をすることを意識しながら、相手の剣を一手、二手と受け流し、躱し、少しだけ体をずらしながら耐える。
どこまでも彼女は楽しそうに戦っている。それに私も少し引きずられていることは認識している。戦いとはこうも心を高揚させるものだっただろうか――そんなことを思いながら、必死に食らいつき、私は最高の一撃を出せるタイミングを狙う。
「ホント、おどろきだよ。ここまで戦える人っていないんだから」
と、ウィンディ嬢は楽し気にそう言うのだった。喋るなら少しでも動きを止めて貰えると助かるのだが、彼女は本当に獰猛だ。こちらに休ませるなんて選択肢は無いのだろう。
その攻撃も速いクセに驚くほど重く、剣を当てるだけでも腕が痺れるくらいに重く、タイミングを間違えれば確実に剣が折れ、自身の腕ごと切り取られてしまうかと思うくらいに強い。
この一ヶ月の間に魔力の扱い方を両親やエステリア様に教わっていなければ、ここまでは戦えなかっただろう。
以前の私であれば力任せに防ごうとしただろうけど、それでは間違いなく瞬時に倒されていた。受け止めるというのは単純に防ぐものでは無いと母上が言っていた。これに関してはエステリア様からもヒントを頂いたので、なんとなくは掴めたが、私はまだまだだと思う。
ウィンディ嬢の攻撃は鋭く、そして重い。身体を回転させることで力を増しているというのもあるが、上手く魔力が乗せられており、その破壊力は大人の騎士でさえも驚くだろう。それが二刀で襲い掛かってくるのだ。
一度の攻撃は確実に4手、5手と手数が多い。普通は手数が増えればそれは速度や軽さに繋がるわけだが、速度が速いクセに重いのだから、まるで人の形をした獣の魔物と戦っているのでは無いかと思うくらいに鋭く、激しい。
でも、隙が無いワケじゃない。それに――私は決めている。あの方に言われた言葉を胸にただ我武者羅に耐えるのみだ。
それにウィンディ嬢も私を崩せなくて、多少苛立っているのか攻撃がやや煩雑でパターンも単調になって来ている。二刀だと手数が増えて、攻撃パターンも多くなるのだが、彼女の攻撃は自身の回転を力に武器を振り回しているところがある分、攻撃自体には大きな変化を付けにくく、一定のパターンが出来てしまいがちなのだ。
故に複雑ではあるけれど、起こりと結果をみれば、実はそこまでパターンが多いというわけでは無い。
――けれども、だと言って耐えれるか? と、言われれば難しい。正直言って、運が良かったともいえるくらいに何とか防いでいる。と、いうのが実態だ。しかし、ここまで耐えれているのだから、集中して防ぐのだ。
「ホント、よく防ぐね。びっくりだよ」
「……そう言って貰えて光栄だよ」
と、私は彼女の言葉になんとか返答を返す。まぁ、そう言っている間に彼女は攻撃を繰り出してくるのだから、なんともイヤらしいく油断も隙も無い。受け止めることや、弾き返そうとして当てていくことは出来ないのも問題だ。普通なら当然やれるのだけど、彼女の攻撃をまともに受け止めると確実に剣が折れるだろう。だから、当てるにしても角度をみてソッと添わせるようにして、流す。これを幾度も繰り返し、どうしても耐えれないときは柄を当てて止めて、即座に身を引く。
当然、それも彼女はドンドン押してくる。そして、ある程度の攻撃が終わるとスッと距離を取る。これをもう何度繰り返しているだろうか――たぶん、観客からすればそこまで時間は経っていないだろうけど、私からすればかなりの時間を過ごしているように感じている。
「凄い凄い! じゃぁ――コイツはどう!!!」
彼女は楽しそうにそう言いながらジグザグに場内を駆け、先程よりもさらに速度を上げて私を翻弄するように動き、攻撃を繰り出してくる。さすがに大きく、そして速く動かれると、自身の軸がブレてしまい、上手く防げなくなる可能性がある。
でも、やるしかない。
私は覚悟を決めて深く息を吸って息を止め、集中する。
「ここだっ!」
ハッキリ言って、決め打ちのイチかバチかの行動と言われても正直間違ってない。でも、意表を突かれた彼女は私の正面蹴りを喰らって吹き飛び、地面を数回転転がる――が、そのまま立ち上がりフワリとした結った髪を揺らしながら楽し気にピョコピョコとはしゃぐ。
「お、驚いたけど、凄いね。もっと騎士としての拘りを持ったタイプだと思ってた」
「なりふり構わずだよ。それにどうしても勝ちたいんだ、私は……」
そう言って構える。すぐに彼女は攻撃を仕掛けて来る。
「防戦一方じゃ勝てやしないよっ!」
それはその通り。でも、今度は攻撃の返しに敢えて体術を使う。蹴りや拳、体当たりだって、当てれるタイミングがあればやってのける。すぐに彼女の対応はしてくるけれど、先程までの勢いは無くなっていくのを感じる。当然、防御からの攻撃で剣以外も使って来るとなると、ある程度考えて攻撃をしなければならなくなるからだ。
それでも、彼女の方が手数も私に与えるダメージも大きいのだけど――それでも、やるしかない。
でも、まだ諦める訳にはいかない。彼女に勝ってあの方と明日、この場で戦うのだ。そう思って、ゆっくりと呼吸をすることを意識しながら、相手の剣を一手、二手と受け流し、躱し、少しだけ体をずらしながら耐える。
どこまでも彼女は楽しそうに戦っている。それに私も少し引きずられていることは認識している。戦いとはこうも心を高揚させるものだっただろうか――そんなことを思いながら、必死に食らいつき、私は最高の一撃を出せるタイミングを狙う。
「ホント、おどろきだよ。ここまで戦える人っていないんだから」
と、ウィンディ嬢は楽し気にそう言うのだった。喋るなら少しでも動きを止めて貰えると助かるのだが、彼女は本当に獰猛だ。こちらに休ませるなんて選択肢は無いのだろう。
その攻撃も速いクセに驚くほど重く、剣を当てるだけでも腕が痺れるくらいに重く、タイミングを間違えれば確実に剣が折れ、自身の腕ごと切り取られてしまうかと思うくらいに強い。
この一ヶ月の間に魔力の扱い方を両親やエステリア様に教わっていなければ、ここまでは戦えなかっただろう。
以前の私であれば力任せに防ごうとしただろうけど、それでは間違いなく瞬時に倒されていた。受け止めるというのは単純に防ぐものでは無いと母上が言っていた。これに関してはエステリア様からもヒントを頂いたので、なんとなくは掴めたが、私はまだまだだと思う。
ウィンディ嬢の攻撃は鋭く、そして重い。身体を回転させることで力を増しているというのもあるが、上手く魔力が乗せられており、その破壊力は大人の騎士でさえも驚くだろう。それが二刀で襲い掛かってくるのだ。
一度の攻撃は確実に4手、5手と手数が多い。普通は手数が増えればそれは速度や軽さに繋がるわけだが、速度が速いクセに重いのだから、まるで人の形をした獣の魔物と戦っているのでは無いかと思うくらいに鋭く、激しい。
でも、隙が無いワケじゃない。それに――私は決めている。あの方に言われた言葉を胸にただ我武者羅に耐えるのみだ。
それにウィンディ嬢も私を崩せなくて、多少苛立っているのか攻撃がやや煩雑でパターンも単調になって来ている。二刀だと手数が増えて、攻撃パターンも多くなるのだが、彼女の攻撃は自身の回転を力に武器を振り回しているところがある分、攻撃自体には大きな変化を付けにくく、一定のパターンが出来てしまいがちなのだ。
故に複雑ではあるけれど、起こりと結果をみれば、実はそこまでパターンが多いというわけでは無い。
――けれども、だと言って耐えれるか? と、言われれば難しい。正直言って、運が良かったともいえるくらいに何とか防いでいる。と、いうのが実態だ。しかし、ここまで耐えれているのだから、集中して防ぐのだ。
「ホント、よく防ぐね。びっくりだよ」
「……そう言って貰えて光栄だよ」
と、私は彼女の言葉になんとか返答を返す。まぁ、そう言っている間に彼女は攻撃を繰り出してくるのだから、なんともイヤらしいく油断も隙も無い。受け止めることや、弾き返そうとして当てていくことは出来ないのも問題だ。普通なら当然やれるのだけど、彼女の攻撃をまともに受け止めると確実に剣が折れるだろう。だから、当てるにしても角度をみてソッと添わせるようにして、流す。これを幾度も繰り返し、どうしても耐えれないときは柄を当てて止めて、即座に身を引く。
当然、それも彼女はドンドン押してくる。そして、ある程度の攻撃が終わるとスッと距離を取る。これをもう何度繰り返しているだろうか――たぶん、観客からすればそこまで時間は経っていないだろうけど、私からすればかなりの時間を過ごしているように感じている。
「凄い凄い! じゃぁ――コイツはどう!!!」
彼女は楽しそうにそう言いながらジグザグに場内を駆け、先程よりもさらに速度を上げて私を翻弄するように動き、攻撃を繰り出してくる。さすがに大きく、そして速く動かれると、自身の軸がブレてしまい、上手く防げなくなる可能性がある。
でも、やるしかない。
私は覚悟を決めて深く息を吸って息を止め、集中する。
「ここだっ!」
ハッキリ言って、決め打ちのイチかバチかの行動と言われても正直間違ってない。でも、意表を突かれた彼女は私の正面蹴りを喰らって吹き飛び、地面を数回転転がる――が、そのまま立ち上がりフワリとした結った髪を揺らしながら楽し気にピョコピョコとはしゃぐ。
「お、驚いたけど、凄いね。もっと騎士としての拘りを持ったタイプだと思ってた」
「なりふり構わずだよ。それにどうしても勝ちたいんだ、私は……」
そう言って構える。すぐに彼女は攻撃を仕掛けて来る。
「防戦一方じゃ勝てやしないよっ!」
それはその通り。でも、今度は攻撃の返しに敢えて体術を使う。蹴りや拳、体当たりだって、当てれるタイミングがあればやってのける。すぐに彼女の対応はしてくるけれど、先程までの勢いは無くなっていくのを感じる。当然、防御からの攻撃で剣以外も使って来るとなると、ある程度考えて攻撃をしなければならなくなるからだ。
それでも、彼女の方が手数も私に与えるダメージも大きいのだけど――それでも、やるしかない。
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