悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る

233.悪役令嬢は武闘大会、準決勝を観戦しつつ……

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 悪役令嬢屈指の戦闘民族となっているウィンディの猛攻に苦戦するルアーナ。あの速度とパワーに対応はしているけれど、ジワジワと詰められて行っているのは誰が見ても明らかよね。

 でも、ルアーナの瞳は一切諦めている雰囲気は無く、どちらかと言えばどこか楽しんでいるようにも見えた。

「あの子も戦闘民族系だったのね」
「マリー、そもそも長らく乱世の大帝国では戦働きは貴族の大事な仕事でもあるわけだから、ある程度は致し方ない話だと思うわよ」

 と、私が言うとリンリィが納得するような様子を見せる。

「確かに魔法とか魔術にしても、戦闘系のモノばかりで生活に便利なモノというのは少ない事を考えると、確かに――と、思えますね」

 まぁ、革新的な技術というのは戦争や兵器に使われることが多いことを考えても、戦が多くある時代では特にソッチ系の技術ばかりが発展する傾向にあるわけだし、お母様も私の発想を激ヤバな攻撃魔術に進化させていたし、最近は文化的なモノにも注力して来てはいるけど、やっぱり判断基準として国力を強くするような技術についての喰い付きは全然違う。

「分かりやすい分野とも言えるしね。私達の技術は色々なところに使えるけど――」
「やっぱり、系の技術に有効って話なのね」

 と、マリーが私の言葉を遮ってそう言った。私は小さく苦笑しつつ「その通りよ」と、答えると彼女は小さく溜息を吐く。

「食品、衣類、流通なんかも戦時になれば強い商会は凄く儲かるわよ?」

 私がそう言うと彼女は一瞬だけ瞳を輝かせるけど「まぁ、それも分かるけどね」と、やはりどこか戦に対して否定的な考えがあるのでしょうね。前世の私であれば――と、少し考えるけれど、うん、ごめん。分からないわ。

「リンリィはどう思うかしら?」
「私ですか? まぁ、出来れば戦は避けるべきとは思いますけどね。でも、自国の武力が周囲の国々から攻められる要因となるのであれば、しっかりと備えるのは必然だとは思います」
「分かってるわよ。言われなくても分かってるし、我が家も色々と準備をしているのよ。でも、なんだかモヤモヤするんだって」

 マリーはそう言うと頬を膨らませてムスッとする。フンワリした髪を揺らすその姿はとても可愛らしいのだけど、まぁ、モヤモヤする気持ちも分からなくは無いのよね。でも、こちらが望む望まないは関係無く相手はミストリアの領地を狙っているし、特にミストリアの中でも南方にあるレシアス侯爵領とハーブスト公爵領は魅力的な場所で、隣国内でもハーブスト公爵領はミストリア王族ともつながりが強く、騎士団も精強というのは有名で特にミストリア最大の港を持っている。

 と、なれば一番狙い易くて、大きな港湾を持つのがレシアス侯爵領なのよね。現在、レシアス侯爵領では隣国スーリアルとの関所は両国とも厳しい取り調べがある為に人の行き来は非常に少なくなっていて、海路も同様なのだけど、一部スーリアルから難民が流入しているのも問題となっている。

 これは両国の関係が宜しくないのと、マリーの商会が稼ぎまくった所為でミストリアのレシアス侯爵領は住みやすく仕事も沢山あるとミストリア内でも人口流入が多い領地となっている。

「騎士団の再編って大変なのかしら?」
「どうかしらね。協力は全然惜しまないけれど、何か思うところがあるの?」
「――まぁね。例の武器って、巨大化可能なのかしら?」

 ああ、そう来るか。防衛線の構築次第だけど、あまり仰々しい兵器にしちゃうと、後が面倒だけどね。

「可能ではあるけど、燃費が悪すぎて非効率ね。普通に火薬を使ったモノにした方が高効率ではあるけど、リスクも大きいから出来れば現状は騎士団の再編で我が家の騎士団と連携を強くする方針の方が堅いかしらね」
「やっぱりそうなるか……巨大結界みたいなのを作ったらって思ったけど、それも燃費は悪そうよね」
「まぁ、規模が大きくなるとそれを動かす部分に結局動力源の問題が出て来るからね。いくら省エネが得意なリンリィでも難しいわよね」
「――ですね。結局、増幅でも伸ばせる限界値というのがありますからね」

 と、そんな話をしつつ、ウィンディとルアーナの対決の行方を見ているわけだけど、結界に関しては関所や重要拠点の詰所付近なんかに、特定の敵意や魔力反応に反応して音を出す魔道具くらいなら、全然可能ではあると思うわね。これはお母様に相談案件として、心のメモ帳にしっかりと記録しておこう。

「そろそろ決着がつきそうね」

 私はそう言いながら、試合の方に集中する。ウィンディは正直言ってまだまだ動けそうなくらいに元気だけれど、ルアーナは後何度か打ち合えば限界なくらいに魔力の操作も煩雑になって来ていた。
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