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第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける
264.悪役令嬢は家族会議を行う
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「さて、私は王城へ向かわねばならないので、この後のことはステフに任せるよ」
「はい、よろしくお願いします旦那様」
と、お母様はソッとお父様の手を少しだけ握って微笑みあってから、お父様は颯爽と自身の執務室から出て行くと同時に執務室の鍵を掛ける。私は一瞬、普通では無い行動に小さく驚いたけれど、お母様の落ち着いた雰囲気に何をするのか予想出来てしまう。
そして、予想通りという雰囲気ではあるけれど、お母様は結界の魔道具と通信の魔道具をテーブルに置き、私とディラン兄様をソファに座るように指示する。
「あのー、一体何をするのでしょう?」
と、ディラン兄様は不思議そうというよりも興味深そうな視線で魔道具を見ながらそう言うのだった。
「簡単に言えば家族会議よ。エステリア、私が結界を担当しますから、そちらの方を頼むわね」
「分かりました、お母様。ディラン兄様はこれからの事は一切口外禁止でお願いします」
「――えー、まぁ、いいけど」
ここ長らく王都に居なかったディラン兄様は新しい通信機を見ていないだろうから、一応だけど念のために言っておいた――わけだけど、兄様の興味は別のところにあるようだ。
そう思っているとお母様が結界の魔道具を起動する。この魔道具も色々とアップデートしているのだけど、基本的な機能と設計はあまり変化は無い。と、いうか既にかなり完成されていると言っていいかな。まぁ、後はより小型化するかどうかってところだけど、盾の魔道具とかの兼ね合いもあるのよね。
「お母様。私の方も起動しますね」
「ええ、お願いするわ」
と、私は通信の魔道具を起動する。新しい通信の魔道具は小さな箱のような物に幾つかのボタンと幾つかのつまみが付いている。ディスプレイ表示には周波数が表示されていて、これをボタン操作で周波数帯を変更して、同じ周波数帯に設定している機器と通信が出来る――わけだけど、今まで、誰も通信機など使っていなかったので、複数の機器が同周波数を使った場合の想定などを考えていなかった所為で、色々と問題があることが分かったのと、以前は魔力周波を使っていたのだけど、リンリィとの研究の成果で前世と同じように電波を飛ばす方法に変えた。
色々とセキュリティとか面倒な部分もあったけれど、やっと通信方法に関しても実用化へ向けて実験をしたいという話はお母様からもされていたところだったので、今回の件で家族会議という名目で通信実験もやってしまおうという流れだ。元より後でアリエルに通信しようとは思っていたわけだけど、女王キャロラインとお母様の間である程度事前調整されているのでしょうね。
「エステリア、設定する周波数は1355.98よ。向こうから通信が来るはずよ」
「なるほど、こちらかでは無く、向こうでも使い方を覚えるという意味合いもあるのですね」
と、私が言うとお母様がニコリと微笑む。私はボタン操作で言われた周波数に設定し、受信状態の設定をオンにすると、すぐに受信通知となる鐘の術式が起動する。うん、ちゃんと動いている――と、いうのを確認して、応答ボタンを押す。
『聴こえていますか?』
女王キャロラインの不安そうな声が聴こえて来る。珍しい素の女王キャロラインだ。
「ええ、聴こえていますよキャロル」
『以前の通話出来る魔道具に比べて、音もよくて驚いたわ……それにしても、アリエルはあまり驚いた雰囲気が無いわね?』
まぁ、それは――こういうものだと知っているから、仕方ないところはあると思う。
『そんな事はありませんよ母上。綺麗に声が聴こえるのに姿が見えないと思っていただけです』
と、アリエルはそう言いながら、映像も出せるようにしてよ。と、言っているように聞こえるけど、まぁ、映像関連については写真を撮るってところからスタートになるんだけど、私とリンリィはその辺り分かんないのよね。残念ながら――なので、まだ時間が掛かる案件になるでしょうね。
「では、そろそろ家族会議を始めましょうか?」
『ええ、分かったわステフ。エステリアも問題ありませんね?』
「はい、叔母様。家族会議ということですので、私のことはリアとお呼びください」
『分かったわ、リア』
『あ、私はエルでお願いします!』
アリエルは元気にそう言った。まぁ、こういう時くらいは問題無いでしょ?
「そうね。私達が愛称で呼び合っているのに、その娘達も愛称で呼ぶべきよね?」
『それは確かに――今後、家族会議の時は愛称で呼ぶようにしましょう』
と、お母様と女王キャロラインはそう言いながら凄く楽し気な雰囲気がある。でも、これからの話は正直楽しい話では無いと私は思うのだけど、まぁ、そこは感覚の違いという部分だと思うので、私は敢えてスルーする。
『では、第一回家族会議を始めます――』
女王キャロラインは改めてそう言った。どこかアリエルの姿を思い浮かべたのは言うまでもない。意外と似ているなんて、なんとも不思議な話よね。
「とりあえず、今日の最重要課題からかしら?」
『そうね。エルとリアも分かっていると思うけれど、スーリアルが軍を動かす準備を始めたわ。それと、国境周辺の貴族に調略が行われ、一部貴族がそれに呼応する動きを見せたこと。そして、問題があってミストリア騎士団をすぐに動かすことは出来ない』
うーん、動かせないんだ。まぁ、初期段階はレシアス侯爵家の騎士団に当たって貰って、状況次第でミストリア騎士団が動くって感じになるのかな。と、いうことはレシアス侯爵からの応援要請は我が家には既に来ている――って、感じなのかもしれない。
「はい、よろしくお願いします旦那様」
と、お母様はソッとお父様の手を少しだけ握って微笑みあってから、お父様は颯爽と自身の執務室から出て行くと同時に執務室の鍵を掛ける。私は一瞬、普通では無い行動に小さく驚いたけれど、お母様の落ち着いた雰囲気に何をするのか予想出来てしまう。
そして、予想通りという雰囲気ではあるけれど、お母様は結界の魔道具と通信の魔道具をテーブルに置き、私とディラン兄様をソファに座るように指示する。
「あのー、一体何をするのでしょう?」
と、ディラン兄様は不思議そうというよりも興味深そうな視線で魔道具を見ながらそう言うのだった。
「簡単に言えば家族会議よ。エステリア、私が結界を担当しますから、そちらの方を頼むわね」
「分かりました、お母様。ディラン兄様はこれからの事は一切口外禁止でお願いします」
「――えー、まぁ、いいけど」
ここ長らく王都に居なかったディラン兄様は新しい通信機を見ていないだろうから、一応だけど念のために言っておいた――わけだけど、兄様の興味は別のところにあるようだ。
そう思っているとお母様が結界の魔道具を起動する。この魔道具も色々とアップデートしているのだけど、基本的な機能と設計はあまり変化は無い。と、いうか既にかなり完成されていると言っていいかな。まぁ、後はより小型化するかどうかってところだけど、盾の魔道具とかの兼ね合いもあるのよね。
「お母様。私の方も起動しますね」
「ええ、お願いするわ」
と、私は通信の魔道具を起動する。新しい通信の魔道具は小さな箱のような物に幾つかのボタンと幾つかのつまみが付いている。ディスプレイ表示には周波数が表示されていて、これをボタン操作で周波数帯を変更して、同じ周波数帯に設定している機器と通信が出来る――わけだけど、今まで、誰も通信機など使っていなかったので、複数の機器が同周波数を使った場合の想定などを考えていなかった所為で、色々と問題があることが分かったのと、以前は魔力周波を使っていたのだけど、リンリィとの研究の成果で前世と同じように電波を飛ばす方法に変えた。
色々とセキュリティとか面倒な部分もあったけれど、やっと通信方法に関しても実用化へ向けて実験をしたいという話はお母様からもされていたところだったので、今回の件で家族会議という名目で通信実験もやってしまおうという流れだ。元より後でアリエルに通信しようとは思っていたわけだけど、女王キャロラインとお母様の間である程度事前調整されているのでしょうね。
「エステリア、設定する周波数は1355.98よ。向こうから通信が来るはずよ」
「なるほど、こちらかでは無く、向こうでも使い方を覚えるという意味合いもあるのですね」
と、私が言うとお母様がニコリと微笑む。私はボタン操作で言われた周波数に設定し、受信状態の設定をオンにすると、すぐに受信通知となる鐘の術式が起動する。うん、ちゃんと動いている――と、いうのを確認して、応答ボタンを押す。
『聴こえていますか?』
女王キャロラインの不安そうな声が聴こえて来る。珍しい素の女王キャロラインだ。
「ええ、聴こえていますよキャロル」
『以前の通話出来る魔道具に比べて、音もよくて驚いたわ……それにしても、アリエルはあまり驚いた雰囲気が無いわね?』
まぁ、それは――こういうものだと知っているから、仕方ないところはあると思う。
『そんな事はありませんよ母上。綺麗に声が聴こえるのに姿が見えないと思っていただけです』
と、アリエルはそう言いながら、映像も出せるようにしてよ。と、言っているように聞こえるけど、まぁ、映像関連については写真を撮るってところからスタートになるんだけど、私とリンリィはその辺り分かんないのよね。残念ながら――なので、まだ時間が掛かる案件になるでしょうね。
「では、そろそろ家族会議を始めましょうか?」
『ええ、分かったわステフ。エステリアも問題ありませんね?』
「はい、叔母様。家族会議ということですので、私のことはリアとお呼びください」
『分かったわ、リア』
『あ、私はエルでお願いします!』
アリエルは元気にそう言った。まぁ、こういう時くらいは問題無いでしょ?
「そうね。私達が愛称で呼び合っているのに、その娘達も愛称で呼ぶべきよね?」
『それは確かに――今後、家族会議の時は愛称で呼ぶようにしましょう』
と、お母様と女王キャロラインはそう言いながら凄く楽し気な雰囲気がある。でも、これからの話は正直楽しい話では無いと私は思うのだけど、まぁ、そこは感覚の違いという部分だと思うので、私は敢えてスルーする。
『では、第一回家族会議を始めます――』
女王キャロラインは改めてそう言った。どこかアリエルの姿を思い浮かべたのは言うまでもない。意外と似ているなんて、なんとも不思議な話よね。
「とりあえず、今日の最重要課題からかしら?」
『そうね。エルとリアも分かっていると思うけれど、スーリアルが軍を動かす準備を始めたわ。それと、国境周辺の貴族に調略が行われ、一部貴族がそれに呼応する動きを見せたこと。そして、問題があってミストリア騎士団をすぐに動かすことは出来ない』
うーん、動かせないんだ。まぁ、初期段階はレシアス侯爵家の騎士団に当たって貰って、状況次第でミストリア騎士団が動くって感じになるのかな。と、いうことはレシアス侯爵からの応援要請は我が家には既に来ている――って、感じなのかもしれない。
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