悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける

294.悪役令嬢と仲間達は冒険者ギルドへ突撃する

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 冒険者ギルドへ入り、受付へ向かうと暇そうにしていた女性が私達に気が付いて慌てた雰囲気で立ち上がり、頑張った作り笑顔を私達へ向けた。

「申し訳ありません、現在、我がギルドは依頼等の業務はやっておりません」
「業務をやっていない? どういうことかしら?」

 と、ウィラさんがちょっと圧を掛けつつ笑顔でそう言うと、受付の女性はしどろもどろになりながら辺りを見回す――けれども、それを察知した他の職員は足早に奥へ引っ込んで行った。なんだか、問題が多々発生しているのかもしれない。と、いうよりも、そもそも冒険者ギルドに冒険者がいないし、依頼などの業務をやっていない。と、いうのは非常事態だ。

「とりあえず、冒険者登録はやっているんですか?」

 私の言葉に受付の女性は不思議そうな表情を見せる。

「えっと、皆さん冒険者登録をするのでしょうか? ここで?」
「いいえ、一人だけですね。私とこちらにいる女性は金級、ゆるふわな髪の子は銅級なので」
「は?」

 と、受付の女性は首を傾げ、私も同じように首を傾げた。私はウィラさんに視線を送ると苦笑されてしまい、まぁ、私の歳で金というのは普通は首を傾げることなのかもしれない。だいたい、冒険者の等級割合というのは大帝国内で金級まで到達しているのは約一割だそうだ。因みに現役の白金は大帝国でも20人程度らしい。引退した、または長年活動をしていない白金級というのも合わせても50人程度と、黒狼さんからは聞いている。

「ウィンディ嬢、冒険者証を呈示すれば納得して頂けるのではないでしょうか~?」

 ウィラさんはそう言って小さなプレートを取り出して、受付の女性に見せる。私もそれに倣って冒険者証であるプレートを取り出して、呆けている彼女に見せる。

「た、確かに――冒険者証ですが、あ、えっと、か、確認させて頂きます!!」

 と、焦り気味に彼女は魔導具を取り出して、冒険者証にかざす。冒険者ギルドにしか無い冒険者証を確かめる為の魔道具なんだけど、一応、エステリア様の話によれば失われた遺産アーティファクトであり、大帝国中どこの冒険者ギルドでも、そこに登録されている情報を照会出来る特殊な魔道具って話なんだけど、これも特殊な端末で機能的に限定されている為に現在でも生産されている魔道具らしい。

「ほ、本当に金級なのですね――あ、えっと、でも依頼等々の業務は現在やっていないですし――それにお連れの方もここで冒険者登録されてもですね――」


 受付の女性は妙な言いよどみをする。ここで冒険者登録をすると何か不都合でもあるのだろうか?

「何か問題でもあるのでしょうかぁ?」

 と、ウィラさんが笑みを崩さずに訊いた。あー、エステリア様と同じタイプの笑みで圧を掛けるタイプだとは思っていたけど、うん、イヤな圧の掛け方だよね。エステリア様とかも怒る時の方が冷たいというか、笑みは浮かべているのに冷静でなんというか怖いんだよね。

「い、いえ……あの……」

 受付の女性が困っていると、奥からやせ細った長身で中年の男が現れる。この町のギルドマスターだということは一目で分かる。と、いうかギルドマスターはマスター証を身に着けているから分かりやすい。

「申し訳ないが、中に入って貰えるかい?」
「――如何します?」

 と、ウィラさんが言ってくるので、私は即座に元気いっぱい肯定するのでした。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 この町のギルドマスターに通された部屋はいかにも執務室という雰囲気のある部屋で、大きな机があるけど、書類などは全くなく綺麗に片付けられている。

「ここのギルドは小さいから、使える部屋が自身の執務室しかないので、悪いがそこいらに適当に座ってくれ。おっと、名乗り忘れていたな。ナハリト支部のギルドマスターのゴーウェンだ。おたくら、この町を占拠しているミストリアのお嬢さん達だな」
「ええ、その通りです。私はミストリアの白薔薇騎士団、第二部隊隊長ウィンディ・リンガロイです。ちなみに金級冒険者でもあります!」
「は?」

 大抵のオジサンはこの反応をするんだよね。まぁ、慣れてるからいいんだけどさ。すこーしだけ、モヤっとするわけだけど、まぁ、年齢的に金級の冒険者には絶対に見えないというのも自覚はあるんだよ。正直、自分で言うのもあれだけど、可愛いらしい雰囲気なのも理解しているから。

「さっきの受付嬢も言ってもなかなか信じて貰える雰囲気じゃなかったんだけど」
「――そ、それはすまん。って、本当に金なのか?」

 と、いうのでギルド証を取り出して確認させる。ギルドマスターこと、ゴーウェンさんは自身の机の引き出しから魔導具を持ってきて、確認して感嘆の声を漏らす。

「どうみても、10代前半かそれより低いよな?」

 考えると酷い言いぐさだ。まぁ、面倒くさいから何も言わないけど、他の子達が凄く苛立っているのがよく分かる。特にジェニーとミーリアはザ・お貴族令嬢って感じだからね。まぁ、ウィラさんの笑みが一番怖いんだけど、簡便して貰えるかな?
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