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カリスマ・インフルエンサー2
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高橋は大手芸能事務所の平社員として入社した。
入社後すぐに、レオナルドのマネージャーとして配属された。
マネージャーとして高橋が配属された時には、既にレオナルドは有名で高橋もすぐに忙しく刺激的で充実した毎日を過ごした。
ただ高橋は自分は何も努力してないのに、レオナルドのお陰でこの華やかな世界を見させて貰っている事に申し訳なく感じていた。
自分は本当にレオナルドの役に立てているのか、もしも他にもっと優秀なマネージャーが付いていたらレオナルドは幸せなのではないだろうか。
高橋は自分がレオナルドのマネージャーとして相応しいのか悩むようになったのだ。
高橋はそう言い終えて少し肩を落とした。
「高橋さん、あなたのお悩みは分かりました。それでは、あなたの未来を視ていきますね。」
そういうと望美は首元の水晶に手をかざした。
タワーマンションの高層階だからだろうか。
少し緊張して酸素が薄く感じる。
だがいつも通り視えた。
そこには高橋のただ純粋にレオナルドを尊敬する気持ちだけが存在している。
実は高橋はマネージャーになる前からレオナルドの大ファンだったのだ。
入社してたまたま『推し』のマネージャーになれた運のいいファンである。
そして大ファンだからこそ、『推し』が好き過ぎるからこそマネージャーとして続けていっていいのか迷いが出始めているのだった。
もちろん視えた未来は、高橋がマネージャーとして続けていってレオナルドがそれに感謝している未来である。
微笑ましくてとても良い未来だ。
それにしても、これは感謝しているのはレオナルドだけではなさそうだ。
「視えました。高橋さん、レオナルドさんにこのことは相談されましたか?」
「ええ、もちろん相談しました。でもレオナルドが辞めていいなんて言うわけがありません。レオナルドはどんな相手にも優しい人なんです。」
「高橋、俺がイジワルな人間でも高橋にはマネージャーを続けて欲しいと言うよ。」
レオナルドは少し困ったような顔をして高橋に言った。
高橋も少し困ったような顔をした。
「もしかして、高橋さんは自分もレオナルドさんのファンだから、レオナルドの側にいつもいることを他のファンに申し訳ないとお思いではないでしょうか?」
望美は自分の占いに確信があるから、依頼者の目をまっすぐと見つめる。
「・・・そうです。」
高橋は恥ずかしそうに答えたので、レオナルドは驚いた顔をした。
「私はマネージャーですからレオナルドの側にいつもいますが、実は側にいられることを嬉しく思っています。でも・・・ファンの方たちに申し訳ないとも思っています。
こんな私が、レオナルドのファンがマネージャーをしてても良いのか、他のファンの方たちに認めてもらえるのか、だんだんと不安になってきまして。」
レオナルドは少し照れながら聞いていた。
「俺、この話しを今初めて聞いて思いついたんだけどさ。高橋、俺のSNSに出てくれないか?このことを今度、俺のSNSに高橋も一緒に出たらバズるんじゃないかな。」
「いや、そんなっ。みんなレオナルドを観たくてSNSを観ているのに・・・。裏方の私が出ていいものなのか・・・。」
「高橋、それがいいんだよ。絶対大丈夫だから。」
レオナルドは高橋の背中をポンポンと叩いた。
望美はこの2人を見てこれ以上の鑑定は言わなかった。
雄司もそのことを察して、レオナルドに挨拶をしてこのタワーマンションを後にした。
「『マネージャー高橋』がバズるのも時間の問題だな。」
雄司は帰りの車の中で運転しながらつぶやいた。
「有名人の側にいてあんなに謙虚でいられるんだから、ファンの鑑ですよね。」
望美はファンからあんなに愛されているレオナルドが羨ましいと感じながら言った。
「それにしても、のん先生の鑑定は今日もお見事だったな。」
不意に雄司に褒められたものだから、一瞬褒められたことが分からなかった。
「雄司さんに褒められるなんて光栄です。」
褒められることに慣れてない不器用な望美は精一杯の言葉で返した。
「ははっ。のん先生は賢いからか可愛げがないよな、全く。」
その言葉に望美はグサっと来てしまった。
そのことに気づいてか雄司は会話を続けた。
「俺はのん先生のそういうところが好きなんだ、ビジネスでも使えるし。」
空気は読めるけど望美と似て雄司も素直じゃない。
ただ褒めるだけのことができない不器用な男である。
でも望美には雄司の言う『好き』という言葉が心の奥に突き刺さった。
カトリーヌ先生も雄司のことを『好き』だと言っていたからだ。
望美はどうしたら良いのだろう。
「・・・のん先生、どうしたんだ?」
雄司が赤信号で止まって望美の顔を覗き込んだ。
「実は・・・。」
望美は雄司に昨日の話しをした。
すると雄司は笑い出した。
「ははっ。ということは、俺たち3人は三角関係という訳か。俺がのん先生を好きで、のん先生はカトリーヌ先生が好き、カトリーヌ先生は俺が好き。実に複雑で面白い関係性だ。」
「ちょ!私はカトリーヌ先生が好きって言ってないです!」
望美は雄司が言ったことを否定した。
「じゃあ、のん先生も俺のことが好きなのか?どのみち三角関係には変わりないな。」
雄司はまたしても笑いながら言った。
そんなことを話している間に、占いの館に到着したものだから望美は雄司もカトリーヌ先生のことも意識してしまって車から降りた時には挙動がおかしくなっていたのだった。
入社後すぐに、レオナルドのマネージャーとして配属された。
マネージャーとして高橋が配属された時には、既にレオナルドは有名で高橋もすぐに忙しく刺激的で充実した毎日を過ごした。
ただ高橋は自分は何も努力してないのに、レオナルドのお陰でこの華やかな世界を見させて貰っている事に申し訳なく感じていた。
自分は本当にレオナルドの役に立てているのか、もしも他にもっと優秀なマネージャーが付いていたらレオナルドは幸せなのではないだろうか。
高橋は自分がレオナルドのマネージャーとして相応しいのか悩むようになったのだ。
高橋はそう言い終えて少し肩を落とした。
「高橋さん、あなたのお悩みは分かりました。それでは、あなたの未来を視ていきますね。」
そういうと望美は首元の水晶に手をかざした。
タワーマンションの高層階だからだろうか。
少し緊張して酸素が薄く感じる。
だがいつも通り視えた。
そこには高橋のただ純粋にレオナルドを尊敬する気持ちだけが存在している。
実は高橋はマネージャーになる前からレオナルドの大ファンだったのだ。
入社してたまたま『推し』のマネージャーになれた運のいいファンである。
そして大ファンだからこそ、『推し』が好き過ぎるからこそマネージャーとして続けていっていいのか迷いが出始めているのだった。
もちろん視えた未来は、高橋がマネージャーとして続けていってレオナルドがそれに感謝している未来である。
微笑ましくてとても良い未来だ。
それにしても、これは感謝しているのはレオナルドだけではなさそうだ。
「視えました。高橋さん、レオナルドさんにこのことは相談されましたか?」
「ええ、もちろん相談しました。でもレオナルドが辞めていいなんて言うわけがありません。レオナルドはどんな相手にも優しい人なんです。」
「高橋、俺がイジワルな人間でも高橋にはマネージャーを続けて欲しいと言うよ。」
レオナルドは少し困ったような顔をして高橋に言った。
高橋も少し困ったような顔をした。
「もしかして、高橋さんは自分もレオナルドさんのファンだから、レオナルドの側にいつもいることを他のファンに申し訳ないとお思いではないでしょうか?」
望美は自分の占いに確信があるから、依頼者の目をまっすぐと見つめる。
「・・・そうです。」
高橋は恥ずかしそうに答えたので、レオナルドは驚いた顔をした。
「私はマネージャーですからレオナルドの側にいつもいますが、実は側にいられることを嬉しく思っています。でも・・・ファンの方たちに申し訳ないとも思っています。
こんな私が、レオナルドのファンがマネージャーをしてても良いのか、他のファンの方たちに認めてもらえるのか、だんだんと不安になってきまして。」
レオナルドは少し照れながら聞いていた。
「俺、この話しを今初めて聞いて思いついたんだけどさ。高橋、俺のSNSに出てくれないか?このことを今度、俺のSNSに高橋も一緒に出たらバズるんじゃないかな。」
「いや、そんなっ。みんなレオナルドを観たくてSNSを観ているのに・・・。裏方の私が出ていいものなのか・・・。」
「高橋、それがいいんだよ。絶対大丈夫だから。」
レオナルドは高橋の背中をポンポンと叩いた。
望美はこの2人を見てこれ以上の鑑定は言わなかった。
雄司もそのことを察して、レオナルドに挨拶をしてこのタワーマンションを後にした。
「『マネージャー高橋』がバズるのも時間の問題だな。」
雄司は帰りの車の中で運転しながらつぶやいた。
「有名人の側にいてあんなに謙虚でいられるんだから、ファンの鑑ですよね。」
望美はファンからあんなに愛されているレオナルドが羨ましいと感じながら言った。
「それにしても、のん先生の鑑定は今日もお見事だったな。」
不意に雄司に褒められたものだから、一瞬褒められたことが分からなかった。
「雄司さんに褒められるなんて光栄です。」
褒められることに慣れてない不器用な望美は精一杯の言葉で返した。
「ははっ。のん先生は賢いからか可愛げがないよな、全く。」
その言葉に望美はグサっと来てしまった。
そのことに気づいてか雄司は会話を続けた。
「俺はのん先生のそういうところが好きなんだ、ビジネスでも使えるし。」
空気は読めるけど望美と似て雄司も素直じゃない。
ただ褒めるだけのことができない不器用な男である。
でも望美には雄司の言う『好き』という言葉が心の奥に突き刺さった。
カトリーヌ先生も雄司のことを『好き』だと言っていたからだ。
望美はどうしたら良いのだろう。
「・・・のん先生、どうしたんだ?」
雄司が赤信号で止まって望美の顔を覗き込んだ。
「実は・・・。」
望美は雄司に昨日の話しをした。
すると雄司は笑い出した。
「ははっ。ということは、俺たち3人は三角関係という訳か。俺がのん先生を好きで、のん先生はカトリーヌ先生が好き、カトリーヌ先生は俺が好き。実に複雑で面白い関係性だ。」
「ちょ!私はカトリーヌ先生が好きって言ってないです!」
望美は雄司が言ったことを否定した。
「じゃあ、のん先生も俺のことが好きなのか?どのみち三角関係には変わりないな。」
雄司はまたしても笑いながら言った。
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