公爵令嬢は優し過ぎる!

neo

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第一章:二人の出会い

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ミリアside

私の記憶に強烈に残る前世の記憶は今の私をひねくれさせるには充分で、現世は裕福な子爵家で育ったとは言えるけれどまた元の生活に戻ってしまったらどうしよう。常にそんな思考がついて回っていた。そんな時、一人の男性と出会ったのだ。

「いたっ、、」

あれは人とぶつかって尻餅をついてしまった時、貴族の端くれである以上もし転んでしまっても尻餅をつくなんて許されない。私は周りから笑われ恥ずかしさの余り立てずにいました。

「大丈夫か、ほら立って。」

俯いている私に優しく手を差し伸べてくれたのは、私の身分とはかけ離れた皇子様だった。まさかの存在に一瞬驚いたけれど、私はその手を取りました。

「はしたない姿をお見せして申し訳ありません。」

「誰だって転ぶことはある、気にすることではない。」

そう言って優しく笑ってくれる皇子様に、私はその時から惚れてしまったのかもしれない。ですが私はそんな事よりも、私自身が私腹を肥やしたいがため彼に付け入ることにしました。
ですがそこで強敵となるのはあのハミィとかいう女。彼女は絶対的な家の地位と他人を魅了するその性格で周りから随分と信頼されていました。それを引きはがすなんて私のちっぽけな人間関係と性格では到底敵わない相手だと、私は分かっていました。
悩みに悩んでいた私はある日、学園内でたまたま皇子とその婚約者であるハミィ嬢との口論を聞いてしまったのです。

「お前、一体いつまで俺のお守りをする気だ。俺はもう十七なんだ、君に面倒を見てもらうほど子供ではないことくらい知っているだろう。」

「私は決してラインハルト様のお守りしているなどと思ったことはありません。ただ、、」

「ただ何だ。」

「私は貴方様の婚約者として相応しくなるよう努めていただけなのです。」

「その結果俺は今最悪の心持ちだ。もういい、俺は帰る。」

「ラインハルト様っ!」

気づかれる前にもの陰に隠れた私に気づきもしない彼らの話は丸聞こえ。

「ふふっ、これはいいことを聞いたわ。」

皇子が一人の時に話しかけ、相談を聞いていくうちに恋仲になる。ゆくゆくは彼女を押し退けて私が皇子の婚約者という席に落ち着く。

「ここの世界はみんな人が純粋だから、すぐ騙せそうね。」

きっとこの世界で一番性格が悪いのは私ね。

「別にそれでもいいの、私が裕福に暮らせるのなら。」

それから何日か過ぎ、私は絶好の機会を狙い続けとうとうその日が来た。皇子は一人中庭のテラスで紅茶を飲んでいた。

「皇子、先日はありがとうございました。」

これが私の始まりの話。
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