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第三話 永劫に無変化である人定と光
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そして今日、イルミネーションを見に行く日となった。
「まさかトモからでーとに誘ってくれるとは思わなかったよーー」
「そこまで俺は恋愛に関して無神経じゃないぞ」
「まっさかねえ」と口を酸っぱくして聞いてくるのは、あの時、ここへ行こうと俺が誘った時、トラックの下敷きになったはずの彼女ーー千葉彩花。
目の前で横切るように轢かれた彼女の遺体を見たくないその一心で、目を閉じたあの時。まるで俺の願いを聞き入れたかのように、平然と千葉は佇んでいて、トラックの姿もどこにも見当たらなかった。
なぜ、こんなことが起きたのかと普通では考えられない現象だと思ったけれど、今ではそんな出来事なんて無かったんだと心の奥底に仕舞い込もうとしている。あれはただの思い違いで、見当違いな話だと。
「ね?聞いてる?おーーい、どこ見てるんですかーー?」
「ん・・・・ああ、悪い悪い、少し考え事してた」
「ちょっとぉーー彼女が横で歩いてる中で考えるべき他の事って何よ」
千葉彩花と俺は大学が冬休みに入って訪れることになったのは都内某所のビルが立ち並ぶ通り。この時期だけ、通りに植えられている街路樹が無数のイルミネーションで装飾されている。光の色は「シャンパンゴールド」でまるで木々が燃えているように見えたのだけれど、改めて見てみるとそれはさながら街灯を、街全体を守る精霊のように感じられた。
「そこまで重要なことじゃないよ。千葉がようやく東京に足を踏み入れたんだなって思っただけだ」
「なにそれ!?私だって東京に来たことはありますよーーだ。ってか、また名前のことでからかってるなら許さないよーー」
「千葉が東京に来てる」
「やっぱりからかってんじゃんーー。もういいよ」
俺の隣を歩きながら、ぷいっと顔だけを逸らす千葉。やっぱり何も変わってない。さっきは重要なことじゃないなんて言ったけれど、これも彼女に悟られないためだ。いきなり君はトラックに轢かれたんだよなんて言っても、俺がどうかしていると言われるだけだ。
「からかってねーよ。まぁ、本当は・・ってもういい。考えるのはやめだ、ほらっはやくしろよ」
考えるのを嫌になった、というか馬鹿らしくなった。だから、俺はすでに空けていた左手を千葉に差し出した。
「まさかぁ。そんなことで考え込んでたんですかぁ?まぁたーー、トモったら考えすぎなんだよ」
「はい」と千葉が言うと同時に、俺の掌に冷たい感触が伝わった。そういえば、手袋をつけてないから余計に冷たく感じる。
「うるせえーーよ。男にはな、手をつなぐのにも理由は必要なんだよ。なら、他の女ともほいほいと手を繋いでいいってのか?」
「そうじゃないけどさーー。もう私達、付き合ってるんだから、そんな理由なんていらなくない?」
改めて言われればそうだったと内心納得した俺は、とにかくかじかんだ手を温めるように、離さないようにと千葉の掌を握りしめて、
「そんなこと知ってる」
と答えた。
さすが、24日、クリスマスイブと言ったところか。
俺たちの他に、カップルと思しき彼氏彼女が寄せては返す波の如く、過ぎ去ってはまた出会う。
それに呼応するように街路樹を照らす光は永遠と直線状に繋がっているように見える。
俺は埋もれるような光の量に心が揺さぶられてしまったのか、
「なんだか、雪が降っているように見えないか?」
と、自分でも恥ずかしい質問をしてしまった。
だが、千葉は気にする風も装わず、かといって嘘を隠している様子もなく、自然と答えてくれた。
今度は自分だと言いたげに。
「そう?私にはなんか精霊みたいだなーーって思うけど」
精霊かい。俺も街全体の守り神みたいだななんて思ったけれど、まさか口にするとは思いもしなかった。
「それは俺も思ってた」
「え!?ほんとに?トモもそう思ったの?」
「なんだ?その言い方だと俺は思ってない方がよかったのか?」
「そんなことないよーー。むしろ私と考えてたことが同じだって知れてちょこっとだけ嬉しかったなぁなんて思ってさ」
そんなことで、思っていたことが俺と同じだっただけで、まるで運命だと言いたげな表情をする。表情豊かで、ころころと感情を変えて、少しうるさいと思ってしまうけれど、その少しうるさいところが安心させてくれる。
「ふ・・・・ふふ」
思わず笑みがこぼれてしまった。案の定、千葉は俺の笑みに不信感とか、警戒心の類を感じとったらしい。
「なんで笑ってるの?私、変なこと言った?もしかしてまた名前をからかうようなことを思いついたの?だったら今度はもう絶対に許さないからねっ」
「そんなんじゃねーーよ。いや、もう単純な話なんだけどさ」
「なに?」と言われる前に応えてしまった。
「やっぱり彩花だなってさ」
ぽっと頬を赤面させた千葉は、まるでさっきまでの明るい調子を崩されたかのようだった。視線の行先は一定に保たれず、繋いでいる掌も緊張して固くなっていた。
「いきなり何さ・・・・いつもなら名前で呼ばないくせにこんないきなり軽々しく言われるなんて」
「なんだ?ダメなのか?」
「ダメじゃないやい!!もう、いいっ」と千葉は駄々っ子のように繋いでいた掌を勢いよく放した。
前と全く変わらない性格や言動。やっぱり俺は勘違いしているのだろうか。
永遠と繋がっているように見える光の群数と幾つも連なったビルの中、抜きんでた巨大な時計台が鐘の音を鳴らした。
「今、ちょうど10時になったみたいだね」
隣を歩く見知らぬ人々の言葉通り、俺も時計台におさまる巨大なアナログ時計に目をやると短針はちょうど「10」に、長針は「0」を指していた。
すると、勢いよく手を放した千葉は俺よりも10m先のところから、
「なにしてんのーー?」
と呼ばれ、俺は後れを取らないようにと、足早に千葉の元へ駆けよっていった。
きっと、千葉への違和感を感じていたのは、この時からだったのだろう。
「まさかトモからでーとに誘ってくれるとは思わなかったよーー」
「そこまで俺は恋愛に関して無神経じゃないぞ」
「まっさかねえ」と口を酸っぱくして聞いてくるのは、あの時、ここへ行こうと俺が誘った時、トラックの下敷きになったはずの彼女ーー千葉彩花。
目の前で横切るように轢かれた彼女の遺体を見たくないその一心で、目を閉じたあの時。まるで俺の願いを聞き入れたかのように、平然と千葉は佇んでいて、トラックの姿もどこにも見当たらなかった。
なぜ、こんなことが起きたのかと普通では考えられない現象だと思ったけれど、今ではそんな出来事なんて無かったんだと心の奥底に仕舞い込もうとしている。あれはただの思い違いで、見当違いな話だと。
「ね?聞いてる?おーーい、どこ見てるんですかーー?」
「ん・・・・ああ、悪い悪い、少し考え事してた」
「ちょっとぉーー彼女が横で歩いてる中で考えるべき他の事って何よ」
千葉彩花と俺は大学が冬休みに入って訪れることになったのは都内某所のビルが立ち並ぶ通り。この時期だけ、通りに植えられている街路樹が無数のイルミネーションで装飾されている。光の色は「シャンパンゴールド」でまるで木々が燃えているように見えたのだけれど、改めて見てみるとそれはさながら街灯を、街全体を守る精霊のように感じられた。
「そこまで重要なことじゃないよ。千葉がようやく東京に足を踏み入れたんだなって思っただけだ」
「なにそれ!?私だって東京に来たことはありますよーーだ。ってか、また名前のことでからかってるなら許さないよーー」
「千葉が東京に来てる」
「やっぱりからかってんじゃんーー。もういいよ」
俺の隣を歩きながら、ぷいっと顔だけを逸らす千葉。やっぱり何も変わってない。さっきは重要なことじゃないなんて言ったけれど、これも彼女に悟られないためだ。いきなり君はトラックに轢かれたんだよなんて言っても、俺がどうかしていると言われるだけだ。
「からかってねーよ。まぁ、本当は・・ってもういい。考えるのはやめだ、ほらっはやくしろよ」
考えるのを嫌になった、というか馬鹿らしくなった。だから、俺はすでに空けていた左手を千葉に差し出した。
「まさかぁ。そんなことで考え込んでたんですかぁ?まぁたーー、トモったら考えすぎなんだよ」
「はい」と千葉が言うと同時に、俺の掌に冷たい感触が伝わった。そういえば、手袋をつけてないから余計に冷たく感じる。
「うるせえーーよ。男にはな、手をつなぐのにも理由は必要なんだよ。なら、他の女ともほいほいと手を繋いでいいってのか?」
「そうじゃないけどさーー。もう私達、付き合ってるんだから、そんな理由なんていらなくない?」
改めて言われればそうだったと内心納得した俺は、とにかくかじかんだ手を温めるように、離さないようにと千葉の掌を握りしめて、
「そんなこと知ってる」
と答えた。
さすが、24日、クリスマスイブと言ったところか。
俺たちの他に、カップルと思しき彼氏彼女が寄せては返す波の如く、過ぎ去ってはまた出会う。
それに呼応するように街路樹を照らす光は永遠と直線状に繋がっているように見える。
俺は埋もれるような光の量に心が揺さぶられてしまったのか、
「なんだか、雪が降っているように見えないか?」
と、自分でも恥ずかしい質問をしてしまった。
だが、千葉は気にする風も装わず、かといって嘘を隠している様子もなく、自然と答えてくれた。
今度は自分だと言いたげに。
「そう?私にはなんか精霊みたいだなーーって思うけど」
精霊かい。俺も街全体の守り神みたいだななんて思ったけれど、まさか口にするとは思いもしなかった。
「それは俺も思ってた」
「え!?ほんとに?トモもそう思ったの?」
「なんだ?その言い方だと俺は思ってない方がよかったのか?」
「そんなことないよーー。むしろ私と考えてたことが同じだって知れてちょこっとだけ嬉しかったなぁなんて思ってさ」
そんなことで、思っていたことが俺と同じだっただけで、まるで運命だと言いたげな表情をする。表情豊かで、ころころと感情を変えて、少しうるさいと思ってしまうけれど、その少しうるさいところが安心させてくれる。
「ふ・・・・ふふ」
思わず笑みがこぼれてしまった。案の定、千葉は俺の笑みに不信感とか、警戒心の類を感じとったらしい。
「なんで笑ってるの?私、変なこと言った?もしかしてまた名前をからかうようなことを思いついたの?だったら今度はもう絶対に許さないからねっ」
「そんなんじゃねーーよ。いや、もう単純な話なんだけどさ」
「なに?」と言われる前に応えてしまった。
「やっぱり彩花だなってさ」
ぽっと頬を赤面させた千葉は、まるでさっきまでの明るい調子を崩されたかのようだった。視線の行先は一定に保たれず、繋いでいる掌も緊張して固くなっていた。
「いきなり何さ・・・・いつもなら名前で呼ばないくせにこんないきなり軽々しく言われるなんて」
「なんだ?ダメなのか?」
「ダメじゃないやい!!もう、いいっ」と千葉は駄々っ子のように繋いでいた掌を勢いよく放した。
前と全く変わらない性格や言動。やっぱり俺は勘違いしているのだろうか。
永遠と繋がっているように見える光の群数と幾つも連なったビルの中、抜きんでた巨大な時計台が鐘の音を鳴らした。
「今、ちょうど10時になったみたいだね」
隣を歩く見知らぬ人々の言葉通り、俺も時計台におさまる巨大なアナログ時計に目をやると短針はちょうど「10」に、長針は「0」を指していた。
すると、勢いよく手を放した千葉は俺よりも10m先のところから、
「なにしてんのーー?」
と呼ばれ、俺は後れを取らないようにと、足早に千葉の元へ駆けよっていった。
きっと、千葉への違和感を感じていたのは、この時からだったのだろう。
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