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御曹司は懊悩する(栗生視点)
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ジャケットを首尾よく脱がせた僕は、べっとりと汚れたシャツに手をかける。
――女の子の服を脱がすのって、こんなに緊張することだっけ。
そんなことを考えながらこくりと生唾を飲み、震える指先でシャツのボタンを外していく。すると……美也ちゃんの白い肌が少しずつ露わになっていった。
毎日通勤しているはずなのに、美也ちゃんの肌は病的に白い。服の下の肌は表に出ているものよりさらに白く、血管が透けてしまいそうな錯覚さえ覚えた。
浮いた鎖骨の側には小さなほくろがある。
「……綺麗だな」
ぽつりとつぶやいてから、僕はそのほくろに吸い寄せられるように美也ちゃんの肌に唇で触れた。ざらりと舌で舐めると甘いのは、チョコなのか……美也ちゃん自身の味なのか。
肌を舐めたり食んだりしながらシャツのボタンをすべて外して前を開く。すると量販店で買ったのだろう、インナーが姿を現した。ヒートなんたらとか言うやつだな。ぴったりとしていて、なんとも脱がせづらそうだ。
防寒重視のインナーのデザインには、まったく色気がない。そして、そのことにむしろ興奮する。このインナーは、僕の知らない美也ちゃんの日常と繋がっているのだ。
今日はふつうに出社して、ふつうに家に帰るつもりだったんだろうな。
僕みたいな男と関わるなんて……夢にも思わずに。
そんなことを考えて、最低な僕はさらに興奮してしまった。
裾から手を入れて肌を撫でながらインナーを捲くり上げる。すると少しずつ、白い肌が暴かれていった。
少しだけお肉がついたお腹は、脂肪が冷たくて柔らかい。華奢な彼女だけれど、運動はしていないんだろう。そんな感触がする。
お腹の無防備な感触をたっぷりと堪能してから、インナーを一気に胸まで捲る。
「おお……」
するとそこには、シンプルなブラに包まれた意外に大きな胸があった。野暮ったいスーツの下に、こんな素敵なものが隠されていたなんて。
手を伸ばし、ブラに手をかけようとして……僕は必死に思い留まった。
――僕はあくまで、美也ちゃんの服が汚れていたから着替えさせようとしているだけなのだ。
その建前の範囲を大幅に上回ることは、避けないとならない。彼女の信頼を、僕は勝ち取らなければならないのだから。
「……うん。我慢だ、僕」
いろいろな感情を押さえ込み、お湯で濡らしたタオルを手にする。そしてチョコで汚れた口元を、まずはしっかりと拭う。首筋を、鎖骨を、胸の上のあたりを。あくまで紳士にを心がけつつ、僕は丁寧に拭っていった。
……少しだけ舐めたり吸ったりしたけれど。紳士の規範に収まっていると、僕は思っている。
――女の子の服を脱がすのって、こんなに緊張することだっけ。
そんなことを考えながらこくりと生唾を飲み、震える指先でシャツのボタンを外していく。すると……美也ちゃんの白い肌が少しずつ露わになっていった。
毎日通勤しているはずなのに、美也ちゃんの肌は病的に白い。服の下の肌は表に出ているものよりさらに白く、血管が透けてしまいそうな錯覚さえ覚えた。
浮いた鎖骨の側には小さなほくろがある。
「……綺麗だな」
ぽつりとつぶやいてから、僕はそのほくろに吸い寄せられるように美也ちゃんの肌に唇で触れた。ざらりと舌で舐めると甘いのは、チョコなのか……美也ちゃん自身の味なのか。
肌を舐めたり食んだりしながらシャツのボタンをすべて外して前を開く。すると量販店で買ったのだろう、インナーが姿を現した。ヒートなんたらとか言うやつだな。ぴったりとしていて、なんとも脱がせづらそうだ。
防寒重視のインナーのデザインには、まったく色気がない。そして、そのことにむしろ興奮する。このインナーは、僕の知らない美也ちゃんの日常と繋がっているのだ。
今日はふつうに出社して、ふつうに家に帰るつもりだったんだろうな。
僕みたいな男と関わるなんて……夢にも思わずに。
そんなことを考えて、最低な僕はさらに興奮してしまった。
裾から手を入れて肌を撫でながらインナーを捲くり上げる。すると少しずつ、白い肌が暴かれていった。
少しだけお肉がついたお腹は、脂肪が冷たくて柔らかい。華奢な彼女だけれど、運動はしていないんだろう。そんな感触がする。
お腹の無防備な感触をたっぷりと堪能してから、インナーを一気に胸まで捲る。
「おお……」
するとそこには、シンプルなブラに包まれた意外に大きな胸があった。野暮ったいスーツの下に、こんな素敵なものが隠されていたなんて。
手を伸ばし、ブラに手をかけようとして……僕は必死に思い留まった。
――僕はあくまで、美也ちゃんの服が汚れていたから着替えさせようとしているだけなのだ。
その建前の範囲を大幅に上回ることは、避けないとならない。彼女の信頼を、僕は勝ち取らなければならないのだから。
「……うん。我慢だ、僕」
いろいろな感情を押さえ込み、お湯で濡らしたタオルを手にする。そしてチョコで汚れた口元を、まずはしっかりと拭う。首筋を、鎖骨を、胸の上のあたりを。あくまで紳士にを心がけつつ、僕は丁寧に拭っていった。
……少しだけ舐めたり吸ったりしたけれど。紳士の規範に収まっていると、僕は思っている。
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はじめまして!
作者様の他の作品と共に楽しく読ませて頂いています(*^^*)
美也ちゃんと部長のレストランでのやり取り、駆け引き?が面白くて!!美也ちゃんのオタクとしての葛藤など…同意出来る部分が多々あり(笑)(´艸`*) 悩みました笑笑
部長の忍耐も大変そうだけど頑張ってるのが可愛いですね(笑)
期限付きの3ヶ月の2人の新婚生活が楽しみでなりません(o´罒`o)
いつかイチャイチャする2人も見て見たい!!
更新される予定はあるのでしょうか?
ここでの「待て!」は悲しいです( ⌯᷄௰⌯᷅ )
続きが気になります!
ゆっくりでもいいので更新お願いします!
夕日さんの文章がとても好きで、ファンタジー以外は少し苦手であまり読まないのですが、夕日さんのだからと気になって読んでみました。最高でした。読んでいて楽しいです。
何よりとても読みやすい文章と物語の内容の面白さ、小説の中へ引き込まれる感じが本当に素敵です。
物語が完結せずに終わることもないので、安心して読めます。いつもありがとうございます…!
今回の小説も早く続きが読みたい!と思うようなわくわくがあって最高です。
無理せず、体調に気をつけてください。応援してます!