【R18】モブ令嬢は変態王子に望まれる

夕日(夕日凪)

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本編

モブ令嬢は変態王子に望まれる・後

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 登城の日。

「……既成事実を作ろうと思うのだ」

 招待された王宮の一室で、割ったら我が家などでは弁償できなさそうなティーカップで震えながらお茶を飲んでいる時、向かい合ってお茶を飲んでいた変態第二王子……いや、シャルル王子がとんでもないことを言いだした。
 ……なに? 既成事実?
 眉を顰めながらシャルル王子に目を向けると、その幼いながらも豪奢な美貌に笑みを浮かべ見つめ返される。
 くっ……正直めちゃくちゃ好みの顔だわ。流石推しの弟。
 でもまだシャルル王子は今年十一歳らしい。残念ながら私ショタコンじゃないのよ。
 今年十三歳である私とは二歳差ではあるのだけどこの時期の二歳は体格差がかなり大きい。
 あと五年もしたら気にならなくなるんだろうけど。

「父上と母上にはこの婚約を反対されていてな。今日アリエルを呼んだのは、実は私の独断だ」

 反対されるのは至極当然だ。だって私は、ごく普通の子爵家子女。そしてモブだ。
 王家には何のメリットも……どころか第二王子を政治的に有効な家と婚姻させられない、という意味ではデメリットだらけだ。
 で、既成事実? えーっと、肉体関係を持ってから責任を取る方向性で婚約を進めるってこと?
 この部屋に通された時から何かがおかしいとは思っていたのよ。
 なんだか奥まった部屋だし、人払いもされているし。
 弄ばれないだけいいかもしれないけど……いや、責任を取るように見せかけて弄んで捨てるつもりなのかも。
 むしろ私みたいな胸しか取り柄がないモブは弄ばれて捨てられる目算の方がどう考えても大きい。
 そうなればまともな嫁ぎ先なんて……。

「本日はお招き頂きましてありがとうございました、とても美味しいお茶でした。この度のお話はなかった、ということで……」

 私が大量の冷や汗をかきながらそそくさと立ち去ろうとすると、いつの間にか側にいたシャルル王子にそっと腕を掴まれていた。

「既成事実を作ると言っただろう」
「いえ、でも王子……」
「お前がこの話に乗らなかった場合……」
「場合……?」

 私が恐る恐る訊き返すとシャルル王子はその美しいかんばせに邪悪な笑みを浮かべた。

「叫ぶ。そしてお前に性的な悪戯をされたと言う。可憐な第二王子を性的に弄んだ罪でどう裁かれるか楽しみだな?」
「ひぇっ……」

 そんなことになったら一族郎党打首獄門なんじゃなかろうか……。
 そして王子は可憐という単語を辞書で調べた方がいいと思う。今の貴方のお顔は魔王のようだ。

「わ……私やり捨てされるのは嫌なんです! 私にだってそこそこの家格のそこそこかっこいい方のところに嫁入りするという人生の目標がですね……!」
「……やり捨てなんかしない。それに家格も顔も私はそこそこよいと思うが?」

 家格はむしろバーストしてらっしゃるし、お顔はめちゃくちゃいいよ! でもねシャルル王子、大は小を兼ねるとはいかないんだよ!

「逃げるな。アリエル」

 シャルル王子は声変わり前の綺麗なお声でそう言いながら、キリリと真剣なお顔で……私の胸を見た。

「初恋なんだ」

 彼は頬を染めつつそう言いながら両手を伸ばし、私の胸を包み込むとゆっくりと指を沈めていく。
 薄手のコルセット越しに……厚手のものだと締めつけられて胸が苦しいのだ……シャルル王子の指の感触を感じる。
 弾力がある胸を繰り返し力を変えて揉みながら、シャルル王子はうっとりとした顔で感嘆の息を漏らした。
 その陶然としたお顔に私は思わず見惚れそうになってしまうけれど自分の心を叱咤した。

「初恋って……私じゃなくて、胸に、胸にでしょう!」
「……胸もお前の一部だ。それの何が悪い。私もよく初恋だなんだと言われるが、それは大抵私の顔に向けてだ。それと何が違う」

 ……それはある意味真理かもしれないけど。
 私だってフィリップ王子のお顔がとっても好きだ……だけどそれ以上のこととなると、ゲームの知識は持っていても現実では何も知らない。

「こんな肉塊すぐ飽きます。シャルル王子、ご容赦くださ……ひゃあっ!」

 焦れたようにシャルル王子が、胸を揉む指の動きを早めたので私は思わず妙な声を漏らしてしまった。

「ふむ。そうやって胸を揉まれて甘やかな声を上げるところも悪くない。もっと私に……お前のよいところを見せろ。そうすればきっと、顔も、全身も、心も……全てを好きになれる」

 シャルル王子はそう言うと優しげな笑みを浮かべた。
 その笑顔と言葉に思わず胸がときめいてしまい、この系統のお顔に弱すぎる私も人のことは言えないな、なんて思ってしまう。
 何にしても逃げ場はないのだ、覚悟を決めよう。

「す……捨てたら、呪います」
「そのようなことが起きるわけがない」

 軽く笑い声を立てるシャルル王子の小さな手に手を引かれて、私はお茶を飲んでいた応接室のような部屋から扉でつながっている部屋へと導かれた。
 そこは豪奢な天蓋のベッドが置いてある煌びやかな一室だった。

「……ほんとにやる気満々だったんですねぇ……」

 思わず乾いた笑いが漏れてしまう。
 シャルル王子は私の後ろに回り込んでドレスに沢山付いた包みボタンを苦心しながら外そうとしている。
 そんな姿は彼の手馴れなさを感じさせて、少し微笑ましい気持ちになってしまった。
 ……私も、前世も現世も処女なんだけどね。

「……女の服というのは、脱がせにくいんだな」

 包みボタンを外した後に現れたコルセットを見て、シャルル王子は悲しそうな顔でため息をついた。

「メイドがかなり締め付けているので紐が解けづらいと思いますから、面倒なら鋏で切ってしまってもいいですよ。後で別の紐を頂けるなら……」

 その悲しそうな顔を見ていると母性本能がくすぐられてしまい、思わずそんなことを言ってしまう。
 ……これじゃ私もやる気満々みたいね。
 シャルル王子はその提案にぱっと顔を輝かせるとベッドに側にある重々しい質感の木材で出来たサイドテーブルの引き出しを開けて鋏を取り出し、ジャキジャキと私のコルセットの紐を切り始めた。

「解けたぞ!」

 コルセットの紐を切り終わって私の前に立ち、達成感丸出しのお顔で誇らしげにそう言うシャルル王子は年相応の十一歳男子という感じだ。
 その姿は『カブトムシ取れた!』って言いながら見せに来た前世の従弟を思い出す。
 可愛いなぁ、なんて思うけど私今からこの子と……えーっと。やらしいことをするんだよね。
 シャルル王子はまだ私の体に張り付いていたドレスとコルセットをすとん、と下に落とし、私の体を実に熱心な視線で眺めた。
 ドレスとコルセットを剥がれた私は、もうパンツとガーターで止めたストッキングしか身に着けていない。
 恥ずかしくて胸を手で隠そうとするとがっしりと手首を掴まれ止められた。こ……このおっぱい星人!!

「恥ずかしいです……シャルル王子」

 金の瞳で舐めるように全身を見られて、私の頬は羞恥で熱くなる。

「アリエル、とても奇麗だ。もっと見せてくれ」

 シャルル王子は私の腰を抱き、ベッドへと導いた。
 そして私を横たえると愛おしそうに微笑みながら私の上に跨り、優しく胸に触れる。

「乳房の白さがとても素晴らしいな。想像していたよりも小さな乳輪がそれによく映えている。乳輪の色が淡い奇麗なピンクなのも感動的だな……中心に行くにつれ少しずつ色が濃くなっていくのか。こんな美しいものを見るのは生まれて初めてかもしれない。……それに肌の感触がまるで手に吸い付くようだ」

 シャルル王子は感想を述べながら乳房を揉みしだく。
 王子、王子。褒めているつもりかもしれないけれど、それは私にとっては羞恥プレイです。
 こんなレベルが高い変態が王子だなんてやだぁ……貴方乙女ゲームの登場人物のお身内ですよね?
 シャルル王子は私の乳房の感触をしばらく楽しんだ後、その頂きにそっと指先で触れた。
 自分以外の誰にも触れられたことがない場所に触れられ、そこが想像していたよりも敏感だったことを初めて知った私の体はぴくりと震えてしまう。
 その私の反応がお気に召したようで王子は何度も乳首を摘み、捏ね、押し込み、震えたり跳ねたりする私の様子を観察しているようだった。

「やぁっ……そんなにしないでくださいっ……」
「そんなにとは、どういうことだ?」

 美しい唇をきゅっと上げて笑う王子の顔は、少年とは思えない妖艶さだ。
 彼の顔をぼうっと見ていると、その美麗なお顔がふと近づいてきて紅い滑らかな感触の唇で、唇を塞がれた。
 ……意外だ。絶対キスよりも胸を舐める方が早いと思っていた。

「……アリエル。お前何か失礼なことを考えてないか」

 シャルル王子は驚いて目を見開く私に、少し拗ねたような顔で言う。勘がいいですね、シャルル王子。

「こちらにもして欲しいのなら、ちゃんとキスしてやるが」

 言いながらシャルル王子は乳首にむしゃぶりついた。
 熱い舌がぬるぬると何度も乳首に絡みつき、時には強く吸われ、その刺激に思わず腰が浮いてしまう。
 片方の乳房や乳首を舌で嬲りながら、もう一方も王子は手で弄び私が反応をすると重点的にそこを責めてきた。

「やっ……やぁんっ。シャルル王子っ……」
「シャルルと呼べ。許す」

 彼は不遜に言った後に、ひと際強く私の乳首を吸った。
 その刺激は甘く脳天が痺れるような感覚を体中に齎し、私の体は何度も跳ね頭の中が真っ白になってしまう。
 ぴちゃり、と下腹部が濡れたような気がして私は思わず内腿をすり合わせてしまった。

「……シャルル様ぁ……」
「うん、いいな。その甘い声……たまらない」

 シャルル王子は私の額や頬に何度も口付けを落とすと、下着の上から私の下腹部に触れた。

「濡れてる……」

 そう、私のあそこは散々胸をいじられたことにより、蜜を垂らしてぬかるんでいる。
 わかってはいたことなのに、改めて言われてしまうととても恥ずかしい。
 シャルル王子は下着の隙間から細い指を入れ濡れそぼった蜜壺をそっとなでた。
 彼の指に縋りつくように蜜が絡み、指を軽く入れられると甘い痺れが体に走る。
 シャルル王子は下着の紐を解くとゆっくりとそれを取り去り、私の太ももに手を添えて足を開かせた。
 くちゅり、と音を立てて蜜が滴り落ち内腿を濡らすのがわかって恥ずかしい、しかもシャルル王子に食い入るように見られている。

「恥ずかしいです、シャルル様」
「何故だ。こちらも奇麗なピンク色だぞ。下生えは薄いのだな、ひくひくするところが丸見えじゃないか」

 ……変態は無邪気にこちらに対しての感想もくれる。

「ほんとにっ……貴方って人は!」

 涙目になって思わず睨むと彼はとても楽しそうにその視線を受け止め、ぬかるみにつぷりと指を埋めた。
 異物が入る違和感に思わず目を瞑るとシャルル王子の唇が慰めるように優しく瞼に触れるのがわかった。

「……難しいかもしれないが、力を抜け」

 中を往復する指の動きも、かけられる声も驚くほどに優しい。
 変態で、不遜で、強引なことの運びでこんなことをされているのに。
 胸の奥がきゅうっとして、ときめいてしまう。

「……んっ……」

 私が粒を触られると感じるのだと気づくとシャルル王子は抜き差しをしながら粒を捏ね、あくまで優しく私の体を開いていった。
 気持ちいいところを散々いじられ思わず甘い声が漏れ、自分のものとは思えないその声に羞恥をかきたてられ涙目になってしまう。
 そんな私をシャルル様が愛おしそうに見つめ、沢山啄むようなキスをしてくれるから。

 (……うん、変態でもショタでもいいや)

 なんてほだされてしまっても、仕方がないのだ。

「そろそろ……挿れてもいいか?」

 黄金の瞳を潤ませながら言うシャルル王子に、私は荒い息を整えながら頷いてみせた。
 トラウザーズの前をくつろげるシャルル王子の動きをぼんやりと眺めていると、彼は恥ずかしそうに頬を染める。

「照れるから、見るな」

 口を尖らせそう言われて、『かっ……かわいい……!』と口から洩れそうになる絶叫を私はこらえた。
 完全に思うつぼだなぁ。これで捨てられたら、とても悲しい。

「……!」

 そんなことを想いながら、シャルル王子の下腹部に目をやって……私は思わず二度見、三度見した。
 あれ……ショタのサイズじゃなくない……??
 あんな可愛い顔になんで大人サイズのやつが付いてるの!? いや、私実物を見るのはこれで初めてなんだけど!

「シャルル様……大きいのですね」
「褒めてくれるのか? 嬉しいな」

 ちょっと嬉しそうに言われたけれど、違う、そうじゃない。そのサイズは想定していなかったと言いたかったのだ。
 シャルル王子は私の足の間に体を滑り込ませると、くちゅくちゅと音を立てて入口を探すように蜜壺に凶器を押し当てた。

「や……優しくしてくださいっ……」
「……努力する」

 シャルル王子が入口を見つけぐっと腰を進めると、みちり、と引き裂かれるような嫌な感覚がした。

「――っ……!」

 思わず小さく悲鳴を上げると唇を合わせられ、優しく頭をなでられる。
 気遣わしげな金色の瞳に微笑み返すと、彼は安心したように少し息を吐いてゆっくりと少しずつ腰を進めていく。
 凶器は時間をかけて、徐々に私の中へと入っていった。

「入った……」

 どうやら、彼のものを全て収めることができたらしい。
 満たされた空間はヒリヒリするような痛みを訴えているけれど、感動したように呟く彼がなんだか愛おしくて痛みすら心地いいような気がしてくる。
 奇麗な形の頬を伝ってシャルル王子の汗が私の上に落ち、丸い乳房の上を流れていく。
 それを見てシャルル王子の喉がごくりと鳴るのが見て取れた。

「シャルル様……動いてください。よければその……胸も、触ってください」
「アリエル……!!」

 シャルル王子は感極まったように私の名前を呼ぶと、ゆるゆると腰を振りながら私の胸に顔を埋めた。

「ああ……なんて気持ちいいんだ。ここは天国か……!!」

 胸に顔を埋め、時には食み、揉みしだきながら幸せそうに顔を蕩かせるシャルル王子を見ていると、私も嬉しくなってしまいそっとシャルル王子の頭を抱きしめた。

「シャルルさまっ……」
「アリエルッ……アリエル……!!」

 私の中がほぐれてくるとシャルル王子の抜き差しする動きも少しずつ早くなって。
 最初は痛みしかなかった感覚が痺れるような快感に変わっていくのに戸惑いながら、私は高みへと導かれていった。
 もう少し、あと少し……。

「しゃるるさ……」
「シャルル!! 令嬢を連れ込んだというのは本当か!!!」

 私がひと際高い快楽の声を上げようとした時に扉が開き、そこには……フィリップ王子が立っていた。

「シャルル……お前……っ」

 フィリップ王子はシャルル様に貫かれている私を見て目を点にしたけれど、次の瞬間真っ赤になって慌てふためき始める。
 わぁ……推しの照れ顔可愛い、なんて現実逃避をシャルル王子に揺さぶられながら私は思わずしてしまった。

「兄上。突然入って来るのは無作法ですよ」

 シャルル王子は不機嫌に言いながらも、私を貫く腰の動きを止めない。

 (ちょっ……止めてくれないの!?)

 そんな言葉を心で絶叫しながら、受け止めきれない現実から逃れるために私の意識は途切れてしまった。

 ☆★☆

 目が覚めると、私はシャルル王子の婚約者に内定していた。
 どこぞの侯爵家に養子として一旦身分を移した上で、などの手続きがあるのであくまでまだ『内定』だけれど。
 シャルル王子は、ちゃんと『責任』を取ってくれたようだった。

「はぁ……アリエル、大好きだ……」

 あの日以来シャルル王子は私にべったりで、毎日沢山の愛の言葉を囁いてくれる。
 そして今は胸の谷間に顔を埋めその匂いを嗅いでいる……恥ずかしいから止めて欲しい。
 しかしそれ以上に恥ずかしいのが……。
 王宮にお呼ばれした際などにフィリップ王子と会うと、彼が顔を赤くして私から目を背けてしまうことだ。
 そのたびに、死にたいような穴を掘って埋まりたいような気持ちになってしまう。あんなの、推しに与える印象としては一番最悪だ。
 原因を作ったシャルル王子があまりに幸せそうに私の胸に顔を埋めているので思わず柔らかな頬を引っ張ると、彼は不満そうな声を上げた。

 こうしてモブ女生徒Aは、変態第二王子に捕獲されてしまったのだ。
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