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執事のお嬢様開発日記
執事のお嬢様開発日記4
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授業がそろそろ終わる時間なのでお嬢様を教室までお迎えにいく。彼女の教室を訪れるとお嬢様は窓際でぼんやりと外を眺めていた。
男たちの恋慕や欲情の視線が無数に向けられているが彼女は気づく気配もない。そのいつもの様子に私はため息をつきながら教室へと足を踏み入れた。
私に気づいた男たちが恐怖の表情を浮かべお嬢様から一気に目を逸らす。……賢明な判断だな、もうお前たちの顔は覚えてしまったが。
「お嬢様」
そっと声をかけると彼女はこちらを向き、嬉しそうに微笑んだ。
「マクシミリアン!」
立ち上がりこちらに駆け寄ってくるお嬢様にそっと手を広げてみせると、彼女は戸惑ったように広げられた手を見つめていた。
「……マクシミリアン?」
「再会を喜ぶハグをしましょう」
「も……もう! お昼休みに会ったばかりでしょう!」
そう言いながらも彼女はその小さな体をおずおずとこちらに預けてきた。引き寄せてぎゅっと抱きしめると、華奢で柔らかな体の感触が伝わり体中が喜びに震える。
――ああ、私の愛おしいお嬢様だ。
教室にいる男たちからの羨望の視線が刺さる。それに優越感を覚えながら私は彼女の頬に口づけを落とした。
「……見せつけてくれるね」
ノエル・ダウストリアが腕組みをしながら少し面白くない、という表情で話しかけてくる。私は鼻を少し鳴らし今度は唇にキスをした。
「マ……マクシミリアン!」
可愛らしい抗議の声が上がるが私はそれを無視し、もう一度唇を合わせ軽く舌を入れる。するとお嬢様は大きく目を見開いて呆然としたお顔になった。
「……婚約者同士ですからね。羨ましいでしょう、ノエル・ダウストリア。貴方も早く可愛い婚約者を見つければいいじゃないですか」
お嬢様の体を抱き上げると彼女は恥ずかしそうな顔で私の胸をぽかぽかと可愛い拳で叩く。まったく痛くもないな……むしろ可愛くて仕方ない。
「……では失礼。婚約者殿との時間を今からゆっくり過ごしますので」
そう言ってお嬢様を抱えたまま立ち去る私の背中には主に男子生徒からの羨望の眼差しが向けられた。
「教室でキスするなんて酷いわ! マクシミリアン!」
お嬢様は抱きあげられた腕の中で可愛らしく頬を膨らませる。ここは廊下なのだが……またキスしたいな。お嬢様の可愛らしさはいつでも私を狂わせるのだ。
けれどこれ以上怒らせるのは得策ではない。少し前にお嬢様を怒らせて三日間口をきいてもらえなかったばかりなのだ。
――さすがにあれには参ってしまった。
「……お嬢様が可愛らしすぎて……申し訳ありません」
私は謝罪の言葉を口にするとお嬢様を見つめ、こてりと首を傾げてみせた。お嬢様は私の顔がお好きらしいので、こういう時はそれを利用することにしている。自分の美醜には正直興味がないがお嬢様がお好きな顔なのは僥倖だな。
予想通りお嬢様の顔は真っ赤になり『可愛い……ばか……!』と小さな愛らしい呟きが漏れた。
「……本当は反省してないでしょう」
「そんなことありませんよ?」
そう言いながらお嬢様の額に口づけると『やっぱり反省してない!』と抗議の声が上がった。
「今日はどう過ごしましょうか?」
また数度頬に口づけるとお嬢様は諦めたような顔をする。そして少し沈黙し思案しているようだった。
「……デート、したいわ。あのね手を繋いで一緒に歩きたいの」
――人には言えないことを一緒に沢山しているというのに、なんて可愛らしいことを。
手くらいいくらでも繋いであげようじゃないか。
「マクシミリアンのしたいことは?」
私なんかのことを気にかけてくださるのか。……私としてはこのまま寮の部屋に戻り一緒に湯に入って存分にお嬢様に触らせていただいた後に、寝台の上でまたお嬢様のお体を堪能したいのだが……。今日からは指を三本入れることに少しずつ慣れさせようと思っていたしな。
数日前、健康に害のない媚薬を発するスライムとかいう半液体状の粘性生物も購入してはみたのだが……届いてみるとそれは存外にグロテスクなものだった。使うとお嬢様が泣いてしまいそうな気がしたので私はそっと学園の庭に放した。泣いているお嬢様も少し見たかったが、また三日口をきいてもらえないのは嫌だからな。
基本的には害のない生物だし、なにかが起きることはないだろうと思っていたのだが……。
――今日。それと遭遇したお嬢様のご友人であらせられるミルカ王女が大変なことになったと、その執事であるハウンドが顔を真っ赤にして報告してきたのだ。……二人の間になにがあったかは、推して知るべしだな。
私のせいではない、断じて。もちろん『大変だったな』と言って素知らぬフリをしておいた。
……まぁ二人は婚約するらしいし。私は恋のキューピットと呼ばれてもいいのではないかな。
「マクシミリアン、なにを考えてるの?」
ぎゅっと頬を抓られそちらを見ると頬をぷくぷくと膨らませたお嬢様の可愛らしいお顔がそこにはあった。
「お嬢様とどこへ行こうかと考えておりました。公園には今綺麗な薔薇が咲いているそうですよ」
私は考えていたことをおくびにも出さずお嬢様に微笑んでみせた。すると彼女の顔はパッと明るいものとなる。
「素敵ね! 行きたいわマクシミリアン!!」
お嬢様が嬉しそうに笑う。その笑顔を見つめていると私は幸福感で蕩けそうになった。
……今日も、とてもいい日だな。
男たちの恋慕や欲情の視線が無数に向けられているが彼女は気づく気配もない。そのいつもの様子に私はため息をつきながら教室へと足を踏み入れた。
私に気づいた男たちが恐怖の表情を浮かべお嬢様から一気に目を逸らす。……賢明な判断だな、もうお前たちの顔は覚えてしまったが。
「お嬢様」
そっと声をかけると彼女はこちらを向き、嬉しそうに微笑んだ。
「マクシミリアン!」
立ち上がりこちらに駆け寄ってくるお嬢様にそっと手を広げてみせると、彼女は戸惑ったように広げられた手を見つめていた。
「……マクシミリアン?」
「再会を喜ぶハグをしましょう」
「も……もう! お昼休みに会ったばかりでしょう!」
そう言いながらも彼女はその小さな体をおずおずとこちらに預けてきた。引き寄せてぎゅっと抱きしめると、華奢で柔らかな体の感触が伝わり体中が喜びに震える。
――ああ、私の愛おしいお嬢様だ。
教室にいる男たちからの羨望の視線が刺さる。それに優越感を覚えながら私は彼女の頬に口づけを落とした。
「……見せつけてくれるね」
ノエル・ダウストリアが腕組みをしながら少し面白くない、という表情で話しかけてくる。私は鼻を少し鳴らし今度は唇にキスをした。
「マ……マクシミリアン!」
可愛らしい抗議の声が上がるが私はそれを無視し、もう一度唇を合わせ軽く舌を入れる。するとお嬢様は大きく目を見開いて呆然としたお顔になった。
「……婚約者同士ですからね。羨ましいでしょう、ノエル・ダウストリア。貴方も早く可愛い婚約者を見つければいいじゃないですか」
お嬢様の体を抱き上げると彼女は恥ずかしそうな顔で私の胸をぽかぽかと可愛い拳で叩く。まったく痛くもないな……むしろ可愛くて仕方ない。
「……では失礼。婚約者殿との時間を今からゆっくり過ごしますので」
そう言ってお嬢様を抱えたまま立ち去る私の背中には主に男子生徒からの羨望の眼差しが向けられた。
「教室でキスするなんて酷いわ! マクシミリアン!」
お嬢様は抱きあげられた腕の中で可愛らしく頬を膨らませる。ここは廊下なのだが……またキスしたいな。お嬢様の可愛らしさはいつでも私を狂わせるのだ。
けれどこれ以上怒らせるのは得策ではない。少し前にお嬢様を怒らせて三日間口をきいてもらえなかったばかりなのだ。
――さすがにあれには参ってしまった。
「……お嬢様が可愛らしすぎて……申し訳ありません」
私は謝罪の言葉を口にするとお嬢様を見つめ、こてりと首を傾げてみせた。お嬢様は私の顔がお好きらしいので、こういう時はそれを利用することにしている。自分の美醜には正直興味がないがお嬢様がお好きな顔なのは僥倖だな。
予想通りお嬢様の顔は真っ赤になり『可愛い……ばか……!』と小さな愛らしい呟きが漏れた。
「……本当は反省してないでしょう」
「そんなことありませんよ?」
そう言いながらお嬢様の額に口づけると『やっぱり反省してない!』と抗議の声が上がった。
「今日はどう過ごしましょうか?」
また数度頬に口づけるとお嬢様は諦めたような顔をする。そして少し沈黙し思案しているようだった。
「……デート、したいわ。あのね手を繋いで一緒に歩きたいの」
――人には言えないことを一緒に沢山しているというのに、なんて可愛らしいことを。
手くらいいくらでも繋いであげようじゃないか。
「マクシミリアンのしたいことは?」
私なんかのことを気にかけてくださるのか。……私としてはこのまま寮の部屋に戻り一緒に湯に入って存分にお嬢様に触らせていただいた後に、寝台の上でまたお嬢様のお体を堪能したいのだが……。今日からは指を三本入れることに少しずつ慣れさせようと思っていたしな。
数日前、健康に害のない媚薬を発するスライムとかいう半液体状の粘性生物も購入してはみたのだが……届いてみるとそれは存外にグロテスクなものだった。使うとお嬢様が泣いてしまいそうな気がしたので私はそっと学園の庭に放した。泣いているお嬢様も少し見たかったが、また三日口をきいてもらえないのは嫌だからな。
基本的には害のない生物だし、なにかが起きることはないだろうと思っていたのだが……。
――今日。それと遭遇したお嬢様のご友人であらせられるミルカ王女が大変なことになったと、その執事であるハウンドが顔を真っ赤にして報告してきたのだ。……二人の間になにがあったかは、推して知るべしだな。
私のせいではない、断じて。もちろん『大変だったな』と言って素知らぬフリをしておいた。
……まぁ二人は婚約するらしいし。私は恋のキューピットと呼ばれてもいいのではないかな。
「マクシミリアン、なにを考えてるの?」
ぎゅっと頬を抓られそちらを見ると頬をぷくぷくと膨らませたお嬢様の可愛らしいお顔がそこにはあった。
「お嬢様とどこへ行こうかと考えておりました。公園には今綺麗な薔薇が咲いているそうですよ」
私は考えていたことをおくびにも出さずお嬢様に微笑んでみせた。すると彼女の顔はパッと明るいものとなる。
「素敵ね! 行きたいわマクシミリアン!!」
お嬢様が嬉しそうに笑う。その笑顔を見つめていると私は幸福感で蕩けそうになった。
……今日も、とてもいい日だな。
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