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執事のお嬢様開発日記
執事と王女は攻防する1(ハウンド視点)※
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俺にとっては大いに不本意な形でミルカと両想いになってから、一カ月が経った。
本当は俺から告白をし、伯父様方へきちんと申し入れをした後に婚約をし、式を挙げてからミルカと初夜を……という順を追いたかったのだが。人から笑われることもあるが、俺は保守的なのだ。
可愛い従妹の初めては大事に大事に。もっと慈しむように手に入れたかった。あんな、嵐みたいな……。
ミルカの痴態が脳裏に蘇る。
あの日のミルカは二度と忘れられないくらいに官能的で。俺は理性の箍を外して乱暴に抱いてしまった。もうそんなことはしない、絶対に。俺はミルカを大事にしたいのだ。次の機会はもっと優しく、慈しむように彼女を抱くのだ。
幸いにもミルカには月のものがきた。孕んでいないことにミルカはがっかりとしていたが。俺は正直ほっとした。彼女の年齢を考えると子を作るには早すぎる。産褥でミルカを失う心配をするのは嫌だ。それに……あんな謎のスライムのせいではなく、正気で抱き合った結果の子の方がいい。
「ハウンド、紅茶が零れてるわよ?」
「うっわ、いけね!」
今は寮の部屋でミルカのお茶の準備の最中だ。考え事をしていたせいでカップからは紅茶が大量に零れていた。こんなミスは初めてだ。せっかくのミルカが楽しみにしていた、ビアンカ嬢から頂いた茶葉なのにな……俺はため息をつきながらテーブルを拭った。
「……ハウンド、考え事?」
ミルカは訊ねながら細い首を傾げる。ふわりと白い首に紅い髪がかかり、豊かな胸元へと流れていく。俺はそれを横目に見ながら、内心生唾を飲んだ。ああもう、鎮まれ! 俺の煩悩!
「んーまぁ。ほら、伯父様たちに一度顔を見せに帰れって言われてるじゃないスか。たしかに書簡のみでの婚約は素っ気ないッスからね」
これは最近の俺悩みの一つだ。婚前交渉を咎められるお国柄ではないとはいえ、十三歳のミルカと婚約前に致してしまったのは、決して褒められたことではない。伯父様方に合わせる顔がないな……俺はまたため息をついた。
「……ハウンドお兄様」
長椅子に座っていたミルカがいつの間にか俺の横に立っている。近頃ミルカは甘えたい時に『ハウンドお兄様』と俺を呼ぶ。今すぐ甘やかしてやりたいが、紅茶の処理が済むまで待って欲しい。
「ミルカ、ちょっと待って。これを片づけないと……」
「ハウンドお兄様は、私と婚約したことを後悔してるの……?」
話しかけるミルカの声は震えていた。ちょっと待って、どうしてそうなる。怪訝な顔で彼女の方を見ると、その瞳は潤んでいた。
「ミルカ? どうしたんスか」
紅茶で汚れてしまった手袋を外しミルカの柔らかな頬をそっと包む。その瞳をじっと覗き込むとヘーゼルナッツ色の瞳が揺れて涙が零れた。
「だ……だって。あれから、抱いてくれないし。お父様たちに会うのも嫌そうな顔だし。やっぱり婚約はお情けで、私がお兄様を強姦したから仕方なく婚約を……」
「ミルカ! 落ち着けって!」
抱きしめてその小さな背中を撫でると、彼女は俺に抱きついて嗚咽を上げて泣き出してしまう。子供の頃に戻ったみたいだな……なんて呑気なことは言ってられないな。
「抱かないのはミルカの体がまだお産に向いてないから。子供ができて小さなミルカの体に負担をかけるのは、俺の本意じゃないんだよ」
従兄のハウンドお兄様の口調で宥めながらミルカの背を撫でる。行為の前に飲めば避妊できる薬なんてものもあるが、あれだって百パーセント避妊できるわけじゃない。百人に一人は妊娠してしまうのだ。そして百分の一は決して低い確率ではない。
「でも、十二で子を産んだ王族もいるわ……」
「それは丈夫な人がたまたま不幸がなく産めただけ。ミルカがそうとは限らないだろう? 俺はミルカを愛してるから、下手をすれば命を失うようなことには挑んで欲しくないんだよ」
「ミルカを、あいしてる……」
ミルカは俺の言葉を繰り返すと、ぎゅっと抱きつく力を強める。可愛らしくて結構なのだが、大きなお胸をぐりぐりと押し付けられると理性を保つのが大変である。
「お父様たちに会いたくなさそうなのは?」
「ミルカと婚約前に性交渉してしまったからね。合わせる顔がないなって思ってたんだ。一発殴られる覚悟でちゃんと会いに行くよ」
ミルカにデレデレな伯父様だ。一発どころじゃなく数発は殴られる気がする。それを考えると頭が痛いな……。
「じゃあ、ミルカと婚約して後悔してない?」
ミルカは顔を上げると、真っ赤な顔で訊ねてくる。……本当に可愛いなぁ。こんな可愛いミルカが見られるなんて俺は幸せものだ。
彼女の唇にそっと唇を重ね、何度もそれを繰り返す。ミルカは目を閉じてそれをうっとりと享受していた。
「ミルカと婚約できて嬉しいよ」
「じゃ、じゃあ抱いて!!」
俺の返事を受けてミルカは間髪入れずに言う。どうしてそうなるのかな!?
「……ミルカ、俺の話聞いてたッスか?」
素の口調に思わず戻ってしまう。うん、ミルカに負担をかけたくないから抱かないって伝えたはずなんだけど。
「中に挿れなくても抱き合える方法はあるって。ビ、いや、その。お友達に訊いたら教えてくれたの!」
……ビアンカ嬢か。ああ、知人の生々しい話はあまり聞きたくなかったような。マクシミリアンのことだから遠慮なく、毎晩彼女を啼かせているのだろう。深いため息をつくとミルカの目からまた涙が零れた。
「ハウンドお兄様にとってミルカは、子供で、従妹で。魅力が足りない……? ミルカはまた、お兄様と繋がりたいのに!」
「そりゃー俺だってミルカとしたいッスけど……。ずっと好きだったんだし」
「じゃあ!」
「いや。だからなミルカ……」
懇々と説得を試みるがミルカの表情はどんどん曇っていく。……どうしたらいいんだ、これは。
「ハウンドのバカ! 早漏!!」
……そんな不名誉な暴言を吐いてミルカは部屋を飛び出そうとする。ミルカ、俺は早漏じゃないと思うんだが! いや、そうじゃない。
慌てて彼女の腕を掴んで引き止め抱きしめようとする俺の体はふわりと浮いた。ミルカに投げられたのだ。ミルカはパラディスコの王女だが武術や剣術の達人でもある。普段は俺も簡単にはやられないのだが、つい動揺したな。
体が毛足の長い絨毯に叩きつけられた。固い地面じゃないとはいえそれなりには痛い。その衝撃に俺は少し咳込んだ。
ミルカは倒れた俺の上に馬乗りになる。……マウントを取られてしまった。数発殴られるんだろうか。
そう覚悟し目を瞑っていると、股間のあたりが急に涼しくなった。動揺し目を開けるとミルカが器用に俺のトラウザーズを引き下ろしている。ミルカ! 王女がなんてことを……!
彼女は自らのブラウスの釦も手早く外すと下着も捲り上げ、その大きな胸を空気に晒した。下から見るミルカの巨乳に思わず唾がこみ上げ、俺はごくりとそれを飲み込んだ。
「ハウンドがしてくれないんなら、私がやる……!」
近頃娘らしくなり忘れていたが。ミルカは基本的には好戦的で直情的なのだ。彼女はまだ柔らかい俺の物を、俺の足に跨ったままそっと握った。
「柔らかい……」
ミルカは不服そうに言うと体を動かして性器に顔を近づける。そしてぺろりと小さな舌でそれを舐めた。
「ミルカ!?」
「黙ってないと食いちぎる」
……ミルカ。そんなことを言われて勃つ男はあまりいないと思う。むしろ少し縮んだ、確実に。
本当は俺から告白をし、伯父様方へきちんと申し入れをした後に婚約をし、式を挙げてからミルカと初夜を……という順を追いたかったのだが。人から笑われることもあるが、俺は保守的なのだ。
可愛い従妹の初めては大事に大事に。もっと慈しむように手に入れたかった。あんな、嵐みたいな……。
ミルカの痴態が脳裏に蘇る。
あの日のミルカは二度と忘れられないくらいに官能的で。俺は理性の箍を外して乱暴に抱いてしまった。もうそんなことはしない、絶対に。俺はミルカを大事にしたいのだ。次の機会はもっと優しく、慈しむように彼女を抱くのだ。
幸いにもミルカには月のものがきた。孕んでいないことにミルカはがっかりとしていたが。俺は正直ほっとした。彼女の年齢を考えると子を作るには早すぎる。産褥でミルカを失う心配をするのは嫌だ。それに……あんな謎のスライムのせいではなく、正気で抱き合った結果の子の方がいい。
「ハウンド、紅茶が零れてるわよ?」
「うっわ、いけね!」
今は寮の部屋でミルカのお茶の準備の最中だ。考え事をしていたせいでカップからは紅茶が大量に零れていた。こんなミスは初めてだ。せっかくのミルカが楽しみにしていた、ビアンカ嬢から頂いた茶葉なのにな……俺はため息をつきながらテーブルを拭った。
「……ハウンド、考え事?」
ミルカは訊ねながら細い首を傾げる。ふわりと白い首に紅い髪がかかり、豊かな胸元へと流れていく。俺はそれを横目に見ながら、内心生唾を飲んだ。ああもう、鎮まれ! 俺の煩悩!
「んーまぁ。ほら、伯父様たちに一度顔を見せに帰れって言われてるじゃないスか。たしかに書簡のみでの婚約は素っ気ないッスからね」
これは最近の俺悩みの一つだ。婚前交渉を咎められるお国柄ではないとはいえ、十三歳のミルカと婚約前に致してしまったのは、決して褒められたことではない。伯父様方に合わせる顔がないな……俺はまたため息をついた。
「……ハウンドお兄様」
長椅子に座っていたミルカがいつの間にか俺の横に立っている。近頃ミルカは甘えたい時に『ハウンドお兄様』と俺を呼ぶ。今すぐ甘やかしてやりたいが、紅茶の処理が済むまで待って欲しい。
「ミルカ、ちょっと待って。これを片づけないと……」
「ハウンドお兄様は、私と婚約したことを後悔してるの……?」
話しかけるミルカの声は震えていた。ちょっと待って、どうしてそうなる。怪訝な顔で彼女の方を見ると、その瞳は潤んでいた。
「ミルカ? どうしたんスか」
紅茶で汚れてしまった手袋を外しミルカの柔らかな頬をそっと包む。その瞳をじっと覗き込むとヘーゼルナッツ色の瞳が揺れて涙が零れた。
「だ……だって。あれから、抱いてくれないし。お父様たちに会うのも嫌そうな顔だし。やっぱり婚約はお情けで、私がお兄様を強姦したから仕方なく婚約を……」
「ミルカ! 落ち着けって!」
抱きしめてその小さな背中を撫でると、彼女は俺に抱きついて嗚咽を上げて泣き出してしまう。子供の頃に戻ったみたいだな……なんて呑気なことは言ってられないな。
「抱かないのはミルカの体がまだお産に向いてないから。子供ができて小さなミルカの体に負担をかけるのは、俺の本意じゃないんだよ」
従兄のハウンドお兄様の口調で宥めながらミルカの背を撫でる。行為の前に飲めば避妊できる薬なんてものもあるが、あれだって百パーセント避妊できるわけじゃない。百人に一人は妊娠してしまうのだ。そして百分の一は決して低い確率ではない。
「でも、十二で子を産んだ王族もいるわ……」
「それは丈夫な人がたまたま不幸がなく産めただけ。ミルカがそうとは限らないだろう? 俺はミルカを愛してるから、下手をすれば命を失うようなことには挑んで欲しくないんだよ」
「ミルカを、あいしてる……」
ミルカは俺の言葉を繰り返すと、ぎゅっと抱きつく力を強める。可愛らしくて結構なのだが、大きなお胸をぐりぐりと押し付けられると理性を保つのが大変である。
「お父様たちに会いたくなさそうなのは?」
「ミルカと婚約前に性交渉してしまったからね。合わせる顔がないなって思ってたんだ。一発殴られる覚悟でちゃんと会いに行くよ」
ミルカにデレデレな伯父様だ。一発どころじゃなく数発は殴られる気がする。それを考えると頭が痛いな……。
「じゃあ、ミルカと婚約して後悔してない?」
ミルカは顔を上げると、真っ赤な顔で訊ねてくる。……本当に可愛いなぁ。こんな可愛いミルカが見られるなんて俺は幸せものだ。
彼女の唇にそっと唇を重ね、何度もそれを繰り返す。ミルカは目を閉じてそれをうっとりと享受していた。
「ミルカと婚約できて嬉しいよ」
「じゃ、じゃあ抱いて!!」
俺の返事を受けてミルカは間髪入れずに言う。どうしてそうなるのかな!?
「……ミルカ、俺の話聞いてたッスか?」
素の口調に思わず戻ってしまう。うん、ミルカに負担をかけたくないから抱かないって伝えたはずなんだけど。
「中に挿れなくても抱き合える方法はあるって。ビ、いや、その。お友達に訊いたら教えてくれたの!」
……ビアンカ嬢か。ああ、知人の生々しい話はあまり聞きたくなかったような。マクシミリアンのことだから遠慮なく、毎晩彼女を啼かせているのだろう。深いため息をつくとミルカの目からまた涙が零れた。
「ハウンドお兄様にとってミルカは、子供で、従妹で。魅力が足りない……? ミルカはまた、お兄様と繋がりたいのに!」
「そりゃー俺だってミルカとしたいッスけど……。ずっと好きだったんだし」
「じゃあ!」
「いや。だからなミルカ……」
懇々と説得を試みるがミルカの表情はどんどん曇っていく。……どうしたらいいんだ、これは。
「ハウンドのバカ! 早漏!!」
……そんな不名誉な暴言を吐いてミルカは部屋を飛び出そうとする。ミルカ、俺は早漏じゃないと思うんだが! いや、そうじゃない。
慌てて彼女の腕を掴んで引き止め抱きしめようとする俺の体はふわりと浮いた。ミルカに投げられたのだ。ミルカはパラディスコの王女だが武術や剣術の達人でもある。普段は俺も簡単にはやられないのだが、つい動揺したな。
体が毛足の長い絨毯に叩きつけられた。固い地面じゃないとはいえそれなりには痛い。その衝撃に俺は少し咳込んだ。
ミルカは倒れた俺の上に馬乗りになる。……マウントを取られてしまった。数発殴られるんだろうか。
そう覚悟し目を瞑っていると、股間のあたりが急に涼しくなった。動揺し目を開けるとミルカが器用に俺のトラウザーズを引き下ろしている。ミルカ! 王女がなんてことを……!
彼女は自らのブラウスの釦も手早く外すと下着も捲り上げ、その大きな胸を空気に晒した。下から見るミルカの巨乳に思わず唾がこみ上げ、俺はごくりとそれを飲み込んだ。
「ハウンドがしてくれないんなら、私がやる……!」
近頃娘らしくなり忘れていたが。ミルカは基本的には好戦的で直情的なのだ。彼女はまだ柔らかい俺の物を、俺の足に跨ったままそっと握った。
「柔らかい……」
ミルカは不服そうに言うと体を動かして性器に顔を近づける。そしてぺろりと小さな舌でそれを舐めた。
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