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第十五夜 暴かれた秘密 後編
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「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」
の歌で知られる藤原道長は、自分の娘を三代の天皇に続けて嫁がせ、自分の孫を後一条天皇として即位させた。まさに、人臣位を極めた人物である。
だが、今の道長は、まだ権力の階段に足をかけたばかりの若者であった。
その人は、半ば強引に押し入ってきた。
「わしは定子の叔父じゃ。姪の顔を見に来て、何が悪い」
清少納言さまが私に囁く。
「藤原道長さまよ。いけ好かないヤツ」
そして道長さまの前に立ちはだかると、
「いかに叔父・姪の間柄とは言え、定子さまは中宮にあらせられます。無礼にございましょう」
しかし道長さまは、清少納言さまを無視して、私に歩み寄ってきた。
「そなたが噂の蔦葛か」
いったいどんな噂を聞いているのか。
「では今日はそなたにしよう」
ひょい、と私を抱きかかえると、そのまま局を出て行く。
慌てて拾が追ってきた。
人気のない部屋に、私は押し込まれた。
「そなたに相談がある。何、悪い話ではない。定子の局で話されていることを、時々、わしに教えてくれるだけでよいのだ。礼ははずむ」
と、拾が走り込んできた。
「奥方さまに無礼はなりませぬぞ!」
けなげに、道長さまと私の間に立ちはだかる。が、所詮は子供の力、あっさりと道長さまに転がされる。
「ではまず、そなたから頂くとしよう」
あっという間に、拾が裸にむかれ、私は声を上げそうになるのを、辛うじて押さえた。
「男……だと……?」
一瞬、怪訝な表情を浮かべた道長さまだったが、そのまま拾を組み敷いて、拾の後ろを貫いた。
私は息を呑んだ。
「後宮に男を連れ込む女は、清少納言だけではなかったのだな。この秘密を押さえておれば、そなたはわしに逆らえまい」
苦痛に顔を歪めながらも、拾は必死で苦痛の声をこらえている。やがて、
「うほっ!」
達したのか、道長さまが、拾の尻から離れた。
「よいな。時々、私の元へ報告に来い。こいつも連れてな」
ぐったりと倒れた拾と、それを呆然と見ている私を残して、道長さまが歩み去って行った。
の歌で知られる藤原道長は、自分の娘を三代の天皇に続けて嫁がせ、自分の孫を後一条天皇として即位させた。まさに、人臣位を極めた人物である。
だが、今の道長は、まだ権力の階段に足をかけたばかりの若者であった。
その人は、半ば強引に押し入ってきた。
「わしは定子の叔父じゃ。姪の顔を見に来て、何が悪い」
清少納言さまが私に囁く。
「藤原道長さまよ。いけ好かないヤツ」
そして道長さまの前に立ちはだかると、
「いかに叔父・姪の間柄とは言え、定子さまは中宮にあらせられます。無礼にございましょう」
しかし道長さまは、清少納言さまを無視して、私に歩み寄ってきた。
「そなたが噂の蔦葛か」
いったいどんな噂を聞いているのか。
「では今日はそなたにしよう」
ひょい、と私を抱きかかえると、そのまま局を出て行く。
慌てて拾が追ってきた。
人気のない部屋に、私は押し込まれた。
「そなたに相談がある。何、悪い話ではない。定子の局で話されていることを、時々、わしに教えてくれるだけでよいのだ。礼ははずむ」
と、拾が走り込んできた。
「奥方さまに無礼はなりませぬぞ!」
けなげに、道長さまと私の間に立ちはだかる。が、所詮は子供の力、あっさりと道長さまに転がされる。
「ではまず、そなたから頂くとしよう」
あっという間に、拾が裸にむかれ、私は声を上げそうになるのを、辛うじて押さえた。
「男……だと……?」
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