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第1章 転生編
第19話 冒険者ギルド
しおりを挟むさて、これからどうしようか。
家族と合流したいが、策もなんもなしに探しても、合流出来る可能性は極めて低いだろう。
人が多く集まってる場所や人探しにうってつけな場所とかがあればなー。
アキラバさんに聞いておけば良かったな。
まあ、街の人達も知ってるだろうしその人たちに聞いてみるか。
俺は目に入った優しそうなおっちゃんに声をかけた。
「すみませんー。
ある人を探したいのですけど、人探しにうってつけな場所とかってありますか?」
「人探し?
それなら冒険者ギルドとかがいいんじゃねぇか?」
「冒険者?」
「あそこは人が集まるし色んな情報も入ってくる。
それに見たところ兄ちゃん戦えるんだろ?」
おっちゃんは俺の腰にかけてある剣に目線をやる。
「依頼を受ければ金も稼げるしうってつけだと思うぞ。」
「冒険者ギルド…」
「場所はこの道を真っ直ぐ行ったら、右側に剣の看板がある。そこが冒険者ギルドだ」
「ありがとうございます!」
おっちゃんにお礼をし、今言われた道を進む。
「ここを真っ直ぐ行って、右側に…あった!」
大きな建物に大きな剣の看板を見つける。
ここが冒険者ギルド…
俺はドアの前に立つ。
中から賑やかな声が聞こえてくる。
冒険者って怖いと思っていたけど、そんなことないかもね!
俺は冒険者ギルドの扉を開ける。
カランコロンッ
ドアに付いていたベルが音を鳴らす。
その音を聞いた冒険者たちが、皆話をやめてこちらに視線を移す。
え、なんでみんなこっちを見るの?
みんな静かになっちゃったし、俺なんかした?
沈黙の中、坊主の男がこちらに近づいてくる。
「ガキ、ここには何の用だ?」
男は見下ろすように睨みつける。
「えっと…冒険者…登録に…」
「あぁん?」
男の目力が更に増す。
ごめんなさいごめんなさい!
許してください!
「冒険者登録に…」
「ここはガキの来る場所じゃねぇんだよ!
帰ってママのおっぱいでも吸っとけ!」
「おいルードゥクやりすぎだってー」
長髪の男が笑いながら坊主の男を止める。
それにつられ他の冒険者も笑い始める。
こういうのは無視するのが1番なんだよな。
俺は男の言葉を無視して受付に向かう。
「ちょいと待てや」
坊主の男が俺の進む道を塞ごうと足を出す。
「なんですか?」
「早く帰れって言ってんだよ」
「僕がここに来ちゃいけない理由は?」
「てめぇが雑魚いガキだからだ」
「分かりました」
こーゆーのは舐められたら終わりだ。
雑魚いとダメって言ってたから力を証明すればいいのかな?
どう証明すればいいんだろうか。
「てめぇ生意気な!」
坊主の男が俺に殴りかかろうとしてくる。
この人と戦えば力の証明になるかな?
正直、無能職の自分がどれだけ強くなっているのか分からない。
力を試すいい機会だ!
俺は拳握りしめる。
男の拳の軌道を変えようと左手を前に構える。
「そこまでだ!」
握りしめた拳を放とうとした時、甲冑を着た金髪イケメンが仲裁に入った。
「邪魔すんじゃね…これはこれは騎士団長様じゃないですか!何故ここに?」
坊主の男が騎士団長の姿を見るや否や、直ぐに態度を変える。
「まずは僕の問いに答えようね?」
「はい!えと…」
「また新人をいじめてたんだろ?」
「いや、あの…」
「いじめてたんだろ?」
騎士団長が怖い顔でにっこり笑う。
「はい…すみません」
「もうやるな。分かったら帰れ」
「は、はひぃ!行くぞ!」
坊主の男は慌てて出ていった。
「巻き込んでしまって悪いね。
ここには何をしに来たのかな?」
騎士団長が先程と同じ顔とは思えない笑顔で話しかけてくる。
「冒険者登録をしに来ました」
「新人さんか、案内してあげるよ」
金髪イケメンが俺を受付に案内してくれた。
「君さ、結構強いでしょ?」
金髪イケメンが俺に問う。
「どうしてそう思うのですか?」
「ルードゥク、さっきの男の人の拳を目で追えていたし、なんなら起動を逸らして反撃しようとしてた」
驚いた。
あの一瞬でそこまで見破られているとは…
「さすが騎士団長様ですね」
「あははっ、ありがとう」
そうこう話していると受付の所に着いた。
「この子、冒険者登録したいみたいだからお願いしていい?
結構強いから覚悟しといた方がいいよ。
それと…」
騎士団長は受付嬢の耳元で何かを話す。
「は、はい!分かりました!」
「じゃ、僕は用事があるからまたね」
騎士団長は待っている仲間の元に戻って行く。
「ケイン遅いー」
「あっ、僕の名前はケインだ!また会うことがあったらよろしくね!」
騎士団長は思い出したかのように名前を告げ去っていった。
すごくいい人そうだな。
また会った時に助けになってくれそうだ。
さっ、冒険者登録をしようか。
「冒険者登録お願いします」
俺は受付の女性に声をかける。
「では、こちらの紙に名前と職を記入してください」
職か…
無職と書いたら登録はさせてもらえないだろう。
ここは荷物持ちで行くか。
「ルイス様ですね。職は『荷物持ち 普通級』、具体的にはどんな職ですか?」
「えっと、軽く物を収納来たり取り出したりできます」
「実際に見せていただけますか?」
「【収納】!」
俺は受付のペンを亜空間に収納する。
「ペンはどこに…?」
「亜空間の中にしまいました。
返しますね。【取り出し】!」
俺はペンを亜空間から取り出す。
「『荷物持ち 有能級』については分かりました。
では、次はランクの査定に入ります。
ランクの決め方には2種類ありまして、Fランクから地道にあげるか、または試験官と戦いランクを査定してもらう方法があります。」
地道にあげるのは俺の性にあわないからな。
もちろん試験官と戦うの一択だ。
「試験管と戦います!」
「本当に大丈夫ですか?」
「はい!」
「では、準備しますので少々お待ちください」
受付嬢は後ろの部屋に入っていった。
試験官ってどんな人なのかな?
試験官を務めるくらいだし強い人のはずだよね。
「準備が整いましたのでこちらへ」
俺は試験を受けるために闘技場に案内された。
「あ?久しぶりに新人を見極めてやろうと思ったのに子供じゃねぇか?」
闘技場の中央には剣を肩に乗せた銀髪の男が立っていた。
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