無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

文字の大きさ
20 / 140
第1章 転生編

第20話 登録試験

しおりを挟む



闘技場の中央には剣を肩に乗せた銀髪の男が立っていた。

この人なんか誰かに似ているような…
今はそんなの気にしている場合じゃないか。
戦いに集中しないと!

「ほんとにやるのか?」

銀髪の男が俺に問いかける。

「やらせてください!」

「言っとくが、手加減はなしだぜ」

手加減なんていらない。
自分の力がどれだけ通用するのか試したいしね。

久しぶりに本気を出しますか!

「お願いします!」

俺は剣を鞘から抜き構える。

「ほぅ、剣の持ち方、構え方、相当修行を積んでるな」

こちとら1年間鬼スパルタ筋肉と修行したんだ。
その成果を見せてやる!

「はぁ!」

俺は地面を強く踏み込み試験官に駆け寄る。

「スピードもなかなかいい」

俺は後ろに回り込み切り上げる。

カキンッ

試験官はノールックで剣を止める。

「狙いはいいが、俺には通用しねぇぞ?」

試験官は身体を捻り蹴りのモーションに入る。

蹴りが来る!

俺は蹴りを避けるためにしゃがむ。

「残ねーん、フェイントでした」

蹴りを放とうとしていた足で踏み込み、逆足で蹴りを放つ。

「くっ!」

俺は咄嗟にガードをして防いだ。

ガードをしていた腕がじんじんする。
1発喰らっただけなのにすごい威力だ。

「君強いから俺も職を使って戦えそうだ」

試験官は剣を前に突き出す。

「モードチェンジ【フレイムソード】!」

試験官の剣が炎に包まれる。

「俺の職は『魔剣士 幻想級』だ」

幻想級!?
初めて幻想級の人を見た。
この威力にあの身のこなし、そりゃ強いわけだ。

俺もそろそろ本気出しますかね!

「僕の職は『荷物持ち 有能級』です」

「初めて聞く職だな…どんな職か楽しみだ!いくぞ!」

試験官が剣を振る。

まだ距離全然あるのに何をして___

「うおっと!」

炎を纏った剣から炎の斬撃が飛んできており、間一髪のところで躱す。

「今のを避けるか、初見殺しのはずなんだけどな」

「では僕も」

俺は自慢の脚力で試験官に接近する。

「はぁ!」

俺は分かりやすく剣を大振りで振り下ろす。

「雑になってないか?そんなのばれば___なっ!」

試験官は俺の剣を防ごうと剣を構えていたが、剣がぶつかり合う音は鳴らず、気づけば俺の剣が試験官の喉元に当てられていた。

「何が起きたんだ…?」

「ふっふっふ、僕の初見殺しは見破れなかったみたいですね」

「まるで剣がすり抜けたような…」

そう、簡単に言うと剣がすり抜けたのだ。

使ったのは俺の職の能力である【収納】と【取り出し】だ。

剣を分かりやすく振ることで相手にガードさせる。

そして相手の剣に当たる瞬間に俺の剣を【収納】する。

相手はガードしたと思っているが、その時にはもう俺の手には剣は握られていない。

そして相手の剣を通り過ぎた時に、亜空間から剣を【取り出し】する。

一瞬の間で【収納】と【取り出し】を行えばすり抜ける斬撃の完成だ。

物をしまったり取り出したりするだけかと思ったが、戦闘にも使えるとはな。

思ったよりこの能力チートだぞ?
さすが神といったところだ。

「負けた…?あの魔剣士ヘルバー様が…?」

結果を見ていた受付嬢が驚いている。

「俺の負けだな。お前のランクはそうだな…もうSランクでいいんじゃねぇか?
なぁ嬢ちゃん?」

「んえ?Sランク!?」

なんで急にSランクまで!?
Sランクって1番上のランクだよね!?そんな軽く決めちゃっていいの!?

「Sランクはさすがにやりすぎじゃ…」

「いや、Sランク冒険者である俺に1本取ったんだ。実力も申し分ないしな」

「え!?Sランク冒険者!?」

なんでこんな新人の査定にSランクが!?

まさかあの時…!

俺は受付嬢の方に視線をやる。

「あ…えと…これはケイン様の意思でして…」

やっぱりか。
Sランクを動かせる権力を持っているし、あの人ならやりかねない。

あの時こそこそ話していたのはこれだったのか。

全くやってくれたな。

「では、正式にSランク冒険者として冒険者カードをお作りするので少々お待ちください」

受付嬢は駆け足で戻って行った。

「お前名前は?」

ヘルバーと言われる男が俺に聞く。

「ルイストリア・フールです」

「フール…どこかで聞いたようなー…思い出せねえや。
俺はヘルバー。ヘルバー・ハムギルだ」

ハムギル!?
アシュー師匠と同じじゃないか!

「もしかしてアシューラント・ハムギルって知ってますか?」

「アシュー?アシュー姉ちゃんのことか?なんでお前が知ってるんだ?」

やっぱり兄弟なんだ!

「アシュー師匠には1年間修行をつけてもらいました」

「なるほどな…さすが姉ちゃんが見込んだやつだぜ。
それなら強いのも納得だ」

最初見た時誰かに似ているなと思ったけど、ヘルバーさんはアシュー師匠の弟だったのか。

元Sランクの姉と現Sランクの弟って、ハムギル家凄すぎないか?



それからヘルバーさんと少し話していると、受付嬢が駆け足で戻ってきた。

「ルイス様!今から組長と会ってくださいますか?」

「うわー、ギルドマスターから呼ばれるなんて最悪だなルイス」

ヘルバーがすごく嫌そうな顔をする。

「あ、ヘルバー様も一緒ですよ」

「っ!?なんで俺もなんだよ!」

「戦闘の様子を説明して欲しいとかで…」

ヘルバーさんがあんな顔をするなんて、ギルドマスターは一体どんな人なのだろう。

「ルイス様もよろしいですか?」

「はい、大丈夫です」

「ではついてきてください」

俺とヘルバーさんは受付嬢について行った。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...