無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

第2章 学校編

第31話 メリア･フォン･ユメツリオ

私の名前はメリア･フォン･ユメツリオ。
ユメツリオ王国の王女様！

突然だけど、私には前世の記憶がある。

私の前世の名前は華恵原かえばら　恵めぐみ。

色々と曖昧だけど、地球という星の日本という国で高校生をしていた。

いつものように学校に向かっている最中、ある男の子と共に交通事故で死んじゃったんだよね…

そして気がついたらユメツリオ王国の王女様、メリア･フォン･ユメツリオとして生まれ変わっていたんだ！

つまり、私は転生者なんだよね。

転生しちゃったのは正直驚いたし、最初は夢だと思っていた。

けど、だんだん年が重なるにつれて現実だとわかった。

両親、王様と王妃様は勉強に厳しく、小さい頃から勉強をさせられていた。

私は前世でも勉強はできる方だったから、この世界のことについて順調に覚えていくことが出来た。

前世の世界とこの世界で大きく違うことは、魔物、そして職といわれるもの。

職はこの世界の人間にとって人生を決めるもの。

剣士の職を与えられたのなら剣士として、魔術師の職を与えられたのなら魔術師として。

職は10歳に職授礼の儀式で与えられる。

私は7歳の頃から剣術や魔術の訓練をさせられてね。
それはもう大変だったんだよ！

剣なんて前世を合わせても握ったことがなかったんだけど、いざ握ってみると妙に手に馴染む気がしたんだ。

魔術の訓練はイメージが大切だと教えてもらったんだど、いまいち感覚が掴めなくて…

前世は魔法は非現実な物として捉えられていたから、イメージするのが難しかったんだよね。

訓練をしてから1年が経って、どうやら私には魔術の才能はなく、剣術の才能がとても秀でているらしいんだ。

そして10歳。

職授礼の儀式で私は『剣帝　幻想級』というとても稀ですごい職を授かったんだよね！

それで12歳の頃にアスタリスト王国にある剣魔術教育学校に行かせてもらったんだ！

それで今に至るって訳。

左から私、ルイス、アート、シシー。
なんだかすごいメンツが集まった気がする！

入学試験で色んな人を見たんだけど、このルイスって子が周りより一際強く見えたんだよね。

多分『剣帝　幻想級』の私と張り合えるくらい強いんじゃないかな？

それに、ルイスからは何かを感じるんだよね！
なんかこう、前世の記憶が訴えかけているような…
なんとなくだけどね、前世で私が好きだった男の子に似てる気もするんだ。

だから気になって声をかけてみたんだけどね、以外にも大人っぽくて少しかっこいいって思っちゃった！

この気持ちが恋なのか分からないけれど、仲良くなれて嬉しいなー！



◆◆◆



入学した日の翌日。

「はーい皆さん席に着いてくださいー」

今日は入学してから最初の授業だ。
剣魔術教育学校は授業レベルが高いと噂されてるからな。

どんな授業か楽しみだ！

「今日は皆さんの職の熟練度を検査しまーす」

熟練度？
初めて聞いたな…

ひょっとしてアシュー師匠みたいに有能級でもものすごく強い人は、熟練度が高くて職の能力が強くなってるってことなのかな？

「熟練度とは、簡単に言うと職をどれだけ極めたか、それが数値化されます」

なるほど。
自分の職の熟練度が数値化されるのは嬉しいな。

「こちらの水晶に手を当ててもらいます。
そしたら職と熟練度が表示されますー」

よし！自分の熟練度がどのくらいなのか確かめてみようじゃないか！

「それでは最初は、首席メリア･フォン･ユメツリオさんー」

「行ってくるね！」

「がんばれー！」

メリアが元気に水晶の元へ向かう。

「では手をかざしてください」

メリアは手を水晶にかざす。

「眩しいっ」

水晶がメリアに呼応するかのように光を放つ。

しばらく経つと光が収まり、メリアの職と熟練度が浮かび上がった。

『剣帝　幻想級』　熟練度5

「これはすごいですー！
職が幻想級なのもすごいですが、熟練度は1上がるのに1年ほどかかるものなんです！」

つまりメリアは5年かかるのを2年でやり遂げてしまったということか。

さすがメリアだな！

「剣帝だ…」

「すげー…」

みんなの注目を集めてる。
さすが幻想級だ。

「次は次席のルイストリア･フールくんー」

「行ってくる」

「ルイスの職どんなのなんだろう！」

アートが俺に釘付けになる。

「なんたって俺の職は……」

あ…俺無職なんだった………

「職は…？」

「い、いや見ていれば分かるよ…！」

そうじゃん、俺無職じゃん…！！
次席だからって調子に乗ってた…

これまずくないか？
俺が無職だということがクラス中に公開されるわけだろ？

不正とか疑われたり、もしかしたら虐められちゃうかもしれない…

まあそしたら実力でひねり潰せばいっか！

もうどうにもなれだ！

俺は水晶に手をかざす。
水晶はメリアの時よりも強い光を放ち俺の職と熟練度を表す。

『無職　無能級』　熟練度105

「な、な、な、な、なんだこの数値！！」