無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第2章 学校編

第35話 前世

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「なぁ、メリア」

「どうしたの?」

「地球、日本って知ってるか?」

日本というワードを聞いてメリアの身体が一瞬微かにビクついた。

「知ってるんだな」

「知ってるけど…ルイスはなんで知ってるの?」

「俺もメリアと同じだからだ」

「同じ…?」

「俺は転生者だ…」

「転生者………」

メリアは俺の言葉を聞いて驚きはせず、ただ黙々と何かを考えていた。

「わかった。私も素直に話すね!
私はね___」

それからメリアは前世の自分について語り始めた。

メリアの前世の歳は16歳、俺と同い年だった。

住んでいた都道府県、そして町までもが俺と同じ場所だった。

「共通点ありすぎじゃないか?」

「もしかしたら前世で会ったことあったりして!」

そんなことないだろうと思ったが、そんなことはあったのだ。

なんと、話をしているうちに通っていた高校までも同じだったのだ。

「まじか…!
じゃあ俺たち本当にすれ違っていたりするのかもな」

「すごい偶然だね!」

本当にすごい偶然だ。

俺の前世ではこんな元気で明るい子と仲良くなることなんてなかっただろう。

メリアとの縁に恵まれたことに感謝しないとな。

「なぁメリア、メリアは前世で死んじゃって転生したんだよな?」

「そうだよ!」

「答えたくなかったら答えなくていいけど…どうやって死んじゃったんだ?」

「………」

メリアは少し黙り込む。

やっぱり自分の死に方なんて思い出したくないよな。

「えっとね…交通事故で…」

交通事故…

俺も交通事故で死んだ。
恵を助けようとしたが、結局助けられずに…

「俺もな人を助けようとして交通事故で死んじゃったんだよね…
結局その人は助けられなくて…」

「そっか…辛かったよね…
でも、きっとその人は感謝してると思うよ?」

「そう言ってくれて嬉しいよ」

「ねぇルイス、今から言う名前を知っていたら教えて欲しいんだけど…その名前はね___」

「おやおやおや、一国の王女様がこんなところで無能職とかいうゴミと2人きりですか…?」

メリアが誰かの名前を出そうとした時、ヨカフとクリスケ達が俺たちの話に割って入ってくる。

「私から言わせてもらえば、ルイスよりもあなた達の方がゴミよ!」

「なんでそんな突っかかってくるのか分からないが、俺の靴を隠したのはお前たちだろ?」

「さて?なんの事だか…?
そういえば、午後の授業は模擬戦らしいぞ」

ヨカフがとぼけながら話をする。

「何が言いたい?」

俺の言葉にヨカフは気持ち悪い笑みを浮かべる。

「俺と勝負しろ
俺が買ったらメリアを俺に寄越せ」

「勝負でやんす!」

「決闘でやんす!」

「は?」

「メリアは僕のものになるべきだ!
分かったらさっさと決闘の申し出を受けたまえ!」

ヨカフがメリアを気持ち悪い目でジロジロと見る。

「その気持ち悪い目をやめなさい!
ルイス!あんなやつさっさと倒しちゃいなさい!」

えぇ~!?メリア!?

こういうのは無視するのが1番いいのに!
決闘の申し出を受け入れたら相手の思惑通りになっちゃうって!

「そんな無駄なことやらないよ
もう入学試験で結果がわかってるじゃないか」

「逃げるのか?」

「は?」

逃げるのか…だと?
そう思われるのは非常に不愉快だな。

正直無視するのが最善策なのだろうが、俺は自分が思っている以上に子供だったのかもしれない。

今すぐあいつを叩きのめしてやりたい…

「少し調子に乗りすぎだぞ?
そこまで言うならやってやろうじゃないか…
ただし、俺が勝ったら金輪際メリアと関わるのは禁止だ」

「はっはっはっ、いいだろう。
それじゃあ午後の授業楽しみにしているぞ」

「せいぜい首を洗って待ってるでやんす!」

「怯えて棄権するなでやんすよ!」

ヨカフとクリスケ達は満足した気分で去っていった。

「ほんとあいつらムカつくー!
ルイス本気出しちゃって!」

「俺も同意見だ」

いい加減あいつらには痛い目を見てもらわないとな。

覚悟してろよヨカフ…!



俺らはヨカフ達が去ってから少し経った後に教室に戻った。

「遅かったね」

アートとシシーが教室で俺達のことを待ってくれていた。

「少しトラブルがあってな…」

「何かあったの?」

「ヨカフのやつがルイスに喧嘩を売ったのよ!」

「怖いもの知らず…」

「そうだよ、ルイスに喧嘩を売るなんて命知らずだね!」

「みんな…」

みんな俺が絶対に勝つみたいな言い方してくれる。
俺も強くなったとは思うけどそんなに強いかな?

「でも、ヨカフの職『ストッパー 屈強級』は厄介だよね」

「相手の動き止めるのなんて反則…」

「止められる前に決めちゃいなさいよ!」

「実はいい策があるんだよね」

「期待してるよ!」

「任せて!」

俺は自信満々で答えた。



そして迎えた午後の授業。

「午後の授業では模擬戦を行いたいと思う!
剣術の人同士で戦ってもいいし、剣術の人と魔術の人で戦ってもいい!
対戦相手は自由だ!」

「1人1回は戦うようにしてねー!」

「じゃあまず最初は誰からやる?」

「「「………」」」

生徒たちが沈黙している中、1人の手が挙がる。

「ヨカフくんだっけ?誰と戦う?」

「ルイストリアくんと戦いたいです!」

ヨカフが俺の方を向いてにやける。

「ルイスくんはそれでいい?」

「はい、問題ありません」

「じゃあ2人とも前に出て始めようか!」

俺とヨカフは木刀を持って中央に出る。

「一応支援魔法かけとくね!【耐久力上昇】!
ルールは先に降参した方が負け!
準備はいい?」

俺とヨカフは木刀を構えお互いを睨みつける。

「よーい、始め!」


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