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第2章 学校編
第37話 課外授業(1)
しおりを挟む俺はヨカフの後ろを取り、剣で斬りつける。
「くっ!」
ヨカフが間一髪のところで剣で攻撃を防ごうとする。
しかし___
「俺には効かない!【収納】!」
ヨカフの剣に防がれる瞬間、俺は自分の剣を収納する。
「【取り出し】!」
そしてヨカフの剣を通り過ぎた辺りで剣を取り出す。
「ぐぁぁ!」
俺の斬撃はヨカフの剣を通り抜け、頭を打ち付けた。
「そこまで!勝者ルイストリア・フール!」
「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」
俺の勝利にクラス中から歓声が上がった。
「俺が戦う前に言ったこと覚えてるよな?」
俺は地面に倒れているヨカフを見下ろしながら問う。
「…くそっ!こんな奴に…!ありえない!!」
ヨカフは地面を叩きながら叫ぶ。
「約束通り、金輪際メリアに関わるのはやめろ」
「………」
ヨカフは俺の問いには答えず下を向いている。
「わかったな…?」
俺は少し圧をかけもう一度ヨカフに問う。
「あぁ…わかった……」
ヨカフは元気がない声で答える。
「すげぇ、無能級が屈強級に勝ったぞ!?」
「熟練度105は間違いじゃなかったのか!?」
クラス中からの俺の評価が変わってゆく気がする。
「さすがルイス!」
「勝つと思ってた…」
アートとシシーが俺を褒めてくれる。
「ルイス…私前からあいつのこと嫌いで、それで今回あいつを叩きのめしてくれて嬉しかった…!」
メリアが俺に近づく。
「俺だってあいつのこと嫌いだったし…」
「私の為に…ありがとね!」
メリアがにっこりと美しい笑みを浮かべる。
おいおいおいおいおい!!
何だこの…天使は!?
距離が近い…
ほんのりいい香りもする…
メリアの周りにお花が見えるような気もしてくる。
可愛い…好きだ…
俺は自分の気持ちにやっと気づいたのだ。
俺はメリアのことが好きだ。
いつしかその時が来た時にこの思いを伝えることを俺は胸に誓った。
前世のような後悔をしないために…
翌日。
俺たちは教室で授業が始まるのを待っていた。
「みんなおっはよー!」
ドアを勢いよく開け、アリリアが元気に入ってくる。
「アリリアさん待ってくださいよー!」
アリリアに続き、先生、ダンテ、シャルの順で教室に入ってくる。
「えー、皆さん、今日もラビットの皆さんにお越しいただきましたー!」
「昨日に続き、今日もよろしくな!」
「みんなよろしくね!」
「…よろしく…」
ダンテ、アリリア、シャルの順で挨拶をしていく。
ラビットが来たということは、今日も特別授業授業なのかな?
昨日はヨカフに絡まれて大変だったな。
もう大人しくしてくれてればいいんだけど…
「みんな!今日やる授業は…」
ダンテが両手で机を叩く。
「課外授業だ!!」
「「「課外授業???」」」
「皆さんには街の外に出てもらい、魔物の討伐を行ってもらいますー!」
「「「魔物の討伐!?!?」」」
魔物の討伐と聞き、クラス全体がざわめき始める。
「俺魔物倒したことないんだけど…」
「私なんて見たことないのよ…」
「俺たちに倒せるのか…?」
「やってやるぜ!」
「魔物ごとき余裕だろ」
クラスメイトからは不安の声とやる気の声があがった。
「みんなには今から5人1組を作ってもらう!作れたらまとまって座ってくれ!」
5人1組!?
想定外の事態になった。
俺たちはメリア、アート、シシー、俺の4人組だ。
そう、あと1人足りない…!
「私たち4人しか居ないね」
「あと1人足さないとだね」
「1人足りない…」
他のクラスメイトたちはどんどん5人組を作り始める。
「あと1人…」
「ねぇ、このパーティーに僕も入れてよ」
俺たちが必死にあと1人を探していると、銀髪ショートヘアの少女が声をかけてきた。
「僕の名前はアオ・サトラム。
職は『罠を仕掛ける者 有能級』だよ」
このパーティーに入れて欲しい…か。
もちろんありがたい申し出だが、この少女何か裏があるように感じられる。
危険察知センサーが警報を鳴らしている気がする。
アオという人には悪いが、この申し出は断って他の人を___
「大歓迎よ!ありがとう!」
メリアが元気よくアオを引き入れる。
「僕達もあと1人足りなくて困ってたところなんだよね」
「助かる…」
メリアさん?みんな?
絶対この人はやめた方がいいって!
「ね?ルイスも歓迎よね!」
「あ…えと、うん!」
何がうん!だよ俺ー!?
絶対今断っておくべきだったって!
でも、あの流れ的には頷くしかなかったし…
ええい!もうやけくそだ!
パーティーに入れてしまったのなら仕方がない。
俺がアオをしっかりと見張っていれば何も出来ないだろう。
「ありがとう。僕こう見えて結構使えると思うから頑張るね!」
本当に何事もなければいいんだが…
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