無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第57話 転移とサルディニア帝国

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「今日はもう遅いから宿に泊まろうよ!
次の目的地は明日決めましょ!」

「確かにそうだな」

「さんせーい!」

「宿泊まる…」

日が暮れていたため、俺たちは近くにあった宿に泊まることにした。

宿の部屋はもちろん男子と女子で分かれた。

「アート、俺疲れたから少しだけ眠るね」

「わかった」

俺はこっそりと亜空間から神の欠片を取り出し、アートにバレないよう飲み干した。



「ルイストリア様、お久しぶりですね」

ネルフェがお茶を用意して出迎えてくれる。

「久しぶりだねネルフェ。
今回はどんな能力を取り戻したの?」

俺は椅子に座りティーカップを摘む。

「今回ルイストリア様が取り戻された力は神固有魔術の1つ、【転移】です」

「【転移】!?」

俺は飲んでいたお茶を吹き出しながら驚く。

「【転移】って好きなところに瞬間移動できるあの【転移】!?」

「ルイストリア様が思われている【転移】はよく分かりませんが、簡単に言うとそんな感じです。
しかし制限が色々とあります」

「制限?」

「はい。
例えば1度行ったことがある場所でないと行けないや、目視できる範囲であることなど、強い魔術なだけあって制限が重いのです」

「色々と難しそうだね」

【転移】自体はすごい魔術だけど、さすがに制限なしでは使わせて貰えないらしい。

「【転移】を使える対象って自分の意思でできたりするの?
例えば他の人に【転移】を使うとか」

「できます。
ですが、【転移】をさせられる場所はルイストリア様が行ったことがある場所、目視できる場所に限られます」

「それならみんなで【転移】できそうだね」

これからの旅にすごく役立ちそうだな。

「そろそろお時間ですね」

「それじゃあまたね」

「はい。お待ちしております」

俺の意識は薄れ、目が覚めると朝だった。

「おはようルイス」

「おはよう」

今日次の街に旅に出る。
まだ目的地は決まっていないが、移動で【転移】を使うのが楽しみだな。

予言書にはなんて書いてあるだろうか。

俺は予言書に手を伸ばし次のページをめくる。



〈カインウェルダンジョンの攻略おめでとう
報酬として【転移】を手にしたと思うけど、あまり使いすぎないでね。肝心な時に使えなくなるから。
次に向かうところはサルディニア帝国だ。
そこで他のみんなを鍛えてもらうといい。その間君は噂の事件のことを調べな〉



どうやら次に向かう目的地はサルディニア帝国のようだ。

鍛えてくれるらしいけど誰にだろうか。
それに俺は鍛えてもらえないのか?

色々と疑問が浮かぶが、まずはみんなと話し合わないとな。

「みんなおはよう」

「おはようルイス!」

「おはよ…」

「おはよーう」

旅の支度を済ませ、女子組と合流して朝食を取った。

エルフの国なだけあってメニューは野菜ばかりだった。
肉が恋しい…!

そして俺たちは次に向かう国を相談していた。

「次はどこに行く?」

「それなんだけどね、見て!」

アオが紙をポケットから取り出し、俺たちの方へ向ける。

「サルディニア帝国警備隊長による…直々の戦闘訓練!?」

「そう!昨日偶然このチラシを見つけたんだよね!」

「面白そうね!」

「訓練やだ…」

「カインウェルダンジョンで僕たちの力の無さを思い知らされたからね。
鍛え直すのもいいと思う」

「じゃあ決まりだね!次の目的地はサルディニア帝国よ!」

「「「おー!」」」

俺たちはサルディニア帝国に向けて出発した。

サルディニア帝国はダークエルフという種族が住む国で、ダークエルフはエルフに比べて戦闘力が比較的に高いらしい。

全種族の中で1番と言っても過言ではないほどにだ。

そんな国の警備隊長に訓練をつけてもらえるんだから、みんなの成長が楽しみだな!

サルディニア帝国に向かう際に【転移】を使ってみるのもありだったが、予言書に無駄に使うなと書かれていた。

魔力消費も多いし、いざという時に取っておこう。



そして俺たちは何事もなく無事にサルディニア帝国へ到着した。

「すごい、本物のダークエルフだ!」

「みんないい身体付きをしてるね!」

「ダークエルフは1番戦闘力が高い種族と言われてるんだよ」

「強そう…」

街の人全てが一般人とは思えない身体付きをしている。

さすがダークエルフ。
あの身体付きには種族の壁を感じるな…

「訓練には受付が必要なんだって」

「警備団のところに行けばいいのかな?」

「そうみたい!」

「じゃあ早速警備団のところに___」

ぐ~~

俺たちが警備団の所へ向かおうとした時、シシーのお腹が鳴った。

「………お腹空いた…」

シシーは一瞬隠そうとしたが無理だと悟り開き直る。

「確かにもうお昼だもんねー」

「そこら辺の屋台でなにか買いましょ!」

「じゃあ30分後にあそこの噴水に集合だ!」

「了解!」

俺たちはバラバラに分かれ、各自で食べたい物を買いに行った。

屋台と言ったらやっぱり肉串!

「すみませーん!肉串2つください!」

「まいどありー!おや、坊や旅をしてるのかい?」

「はい!今日この国に着いたばかりです」

「そうかい。最近この街で旅人を狙った誘拐が起きてるって噂があるんだわさ。
くれぐれも気をつけなさいね」

「ありがとうございます!」

旅人を狙った誘拐とか怖いなー。
まっ、俺達には関係ないだろうけどね。

〈主よ、今の噂どうも臭う気がするのじゃが…〉

普段時雨丸は大人しい。
そんな時雨丸が話し出すということは何かしらあるのは間違いなさそうだ。

そういえば予言書に噂を調べろと書いてあった。

(どうやら事件の臭いがするみたいだ…)


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